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2021.06.29
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『地球上の全人類と全アリンコの重さは同じらしい。』という本を手にしたのです。
おお シーナの科学的エッセイ集ではないか・・・SFマガジン連載分を単行本にしただけあって、そのSFテイストがええでぇ♪






椎名誠著、早川書房、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
世界のいろんなところで考えた地球のこと、未来のこと、旅のこと。脳ミソくねくねエッセイ集。

<読む前の大使寸評>
おお シーナの科学的エッセイ集ではないか・・・SFマガジン連載分を単行本にしただけあって、そのSFテイストがええでぇ♪

rakuten 地球上の全人類と全アリンコの重さは同じらしい。



熱帯林の消滅や砂漠化とかについて、見てみましょう。
p19~22
<回転する木、または逃げる木>
 ブライアン・オールディスの『地球の長い午後』(ハヤカワ文庫)は、地球にたった1本残った巨大すぎるベンガルボダイジュがつまりはまあ主役だ。この巨木はずんずんのびてすでに自転をやめてしまった月をその枝葉でつかまえてしまい、その枝葉をつたわってやはり巨大な生き物が月と地球を行き来している。SFジャンルではわがわがオールタイムベストテンの常に上位に入る傑作だ。

 ジョン・ウィンダムの『トリフィドの日』(ハヤカワ・SFシリーズ)はある意味で全員盲目になってしまった末世の地球を三本足の木が支配者然として自由に動き回っているという遠い未来の話だ。

 ところで現実的には地球の樹木は、いま地球の歴史はじまって以来の受難の時代を迎えているようだ。人間と、その人間がつくり出した環境激変の嵐によって地球の樹木はどんどん痛みつけられ、減少させられようとしている。

 とくに巨木の密生する熱帯林では毎年およそ1420万ヘクタールの天然林が伐採されているという。これは日本の本州の約三分の二ほどの面積だ。これを別の計算で表すと、約10秒ごとに東京ドーム1個分の森林が消えている、ということになる。

 アマゾンの熱帯雨林は、この40年間に全体の20%近くが消失し、今後20年間にさらに20%が失われると見られている。
 アフリカ、中国、中近東、オーストラリア、ブラジルでは急速な砂漠化が問題になっている。すでにエチオピアでは95%の森林が消えてしまった。原因の70%は遊牧民の定住化による限られた草原への過剰放牧である。

 モンゴルの遊牧民はまだ家畜の餌の深刻な枯渇化には直面していないが、遊牧民の定住化を進めた中国の内モンゴルの草原は年々急速に進む砂漠化に苦慮している。そのほかの国でも同様で、草原で生活している十億人の人々がこの草原の砂漠化に深刻な影響をうけているという。

 ヨーロッパでは酸性雨による森林の立ち枯れが問題になっている。東ヨーロッパで急速に盛んになってきた大規模な工業化が原因らしい。

 また湿地帯生物のッ繁殖エリアである世界のマングローブ林はこの30年間で半分以下に減少してしまった。主な原因はエビなどの養殖場への転換である。1920年には50万ヘクタールのマングローブがあったフィリピンは、現在たった4万ヘクタールしか残っていない。このままでいくと地球の植物は今世紀中もつかもたないか。植物の消滅した地球には動物はもう住めない。

<戦略的に>
 地球の木はこのままでは早晩滅びる。
 こういう危機は植物たちに自然に伝わっているようで、全世界の植物が生き残り戦略をさまざまな手法で行っている。

 それはまず「繁殖」の機能がもっとも巧妙に効果的になっていることからもうかがえる。 植物の繁殖戦略の基本は、より広く、より遠くに種子をとばすことである。単純に風の強い季節に種子を放つものから、ある種の植物的バネや破裂機能を利用するもの。ラセン状の蔓を持った植物は空気の乾湿変化を利用してラセンを解く力を利用したりしてより遠くへ種子を撥ね飛ばしているし、果実や樹液などを使って昆虫や小動物を呼び寄せなんらかの方法で種子を運ばせる、などということをいろいろ工夫している。

 ぼくがアマゾンに行ったのは増水期の終り頃で、半年間にわたってヨーロッパ全土ぐらいのエリアを通常より十メートル平均の“洪水現象”を毎年くりかえしている。多くの種子はこの時期にむけて、流れる水面に種をはじきとばしている。

 親は動けないから、せめて子孫をは親が吸収しつくした土壌から少しでも離れて肥沃の地に、と樹木の切ない「親ごころ」がそういうシステムをじわじわ開発してきたのだろう。『イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか』(築地書館)にはさまざまな方法を使っていかにその繁殖を工夫しているのかの実例がいっぱい書かれていて、驚嘆と感動に満ちた本だ。

 たとえばアカマツの種子である。2センチに少し足りないくらいの大きさだが薄く軽い翼のような形をしていて、風があるとクルクル回りながらゆっくり飛翔するように離れていく。運がいいと1キロぐらい飛んでいくそうだ。



アマゾンで『地球の長い午後』という本を見てみましょう。



Top reviews from Amazon より

月の引力の影響で徐々に地球の自転速度が落ち、ついには片面を永久に太陽に向けた状態で安定した遠い未来。
昼の面では、動物たちの多くは絶滅し、巨大な植物が支配する世界となった。
食虫植物が大型化し凶暴になったような、「動物的な」植物に怯えながら生活する人類の末裔は文明を失った!





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Last updated  2021.06.29 00:07:26
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