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2021.09.07
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『圏外編集者』という本を、手にしたのです。
ニッチな編集的(偏執的?)視点が、みうらじゅん並みで、ええでぇ。



【圏外編集者】


都築響一著、朝日出版社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
珍スポット、独居老人、地方発ラッパー…無名の天才を発見し伝えつづける編集者の、本作りの裏側を初めて知る。

<読む前の大使寸評>
ニッチな編集的(偏執的?)視点が、みうらじゅん並みで、ええでぇ。

rakuten 圏外編集者


初めて単行本の編集したあたりを、見てみましょう。
p60~68
<立ち止まってみること>
『BRUTUS』編集部を辞めて、といっても大ごとにしたくなかったから、だれもいない日曜日に編集部に来て私物をまとめて、連絡先の名刺を机の上に置いて、おしまい。涙の送別会とか、ぜったいイヤだった。

 それでしばらく千駄ヶ谷に小さな仕事場を借りて、フリーライターとして働いているうちに、ちょっとしたきっかけで京都に遊びに通うようになって、そのうち東京より家賃が安いのに気がついた。当時はFAXで原稿のやりとりしていたから、なにも東京にいなくてもいいだろうと。それで京都にマンションを借りて、2年ほど住んで見ることにした。都内では何度か引っ越ししていたけれど、東京以外に住んだのは、それが初めて。

 大して仕事もなかったけど、時代はバブル前夜で景気がよかったから、単発の仕事がけっこうあって、そんなに焦って働かなくても暮らしていけた。で、京都大学の聴講生になって、1年目は日本建築史、2年目は日本美術史の授業だけ参加させてもらうことにした。
 週に一度、ママチャリで京大に通って講義を聞いて、その日の授業で話に出た神社仏閣や博物館をそのままチャリで回ってみて。1メートル以上ある大きな京都の地図を買って部屋に貼って、訪れた場所にピンを刺して・・・いまから思えば夢のような。でも、あれが僕の人生のギアチェンジだったかな。一度立ち止まって、まわりを見直すいい機会になったというか。

 バブル時代は、語り始めればキリがないけれど、東京から遊びに来るひと。海外から来るひともたくさんいて、そういうひとたちと祇園や先斗町みたいな場所や、ヒッピー時代のなごりのような飲み屋とかで楽しく遊んでいるうちに、京都書院という老舗の地元出版社と知り合って、それが『ArT RAND0M』という全102巻の現代美術全集に結実する。僕にとって初めての単行本の編集経験だった。

 雑誌時代に現代美術の取材を重ねていくうちに、日本の美術メディアがすごく時代に遅れていること、それに海外でも若手のアーティストはなかなか発表の機械や、カタログ以外のアーティストブックを自分で作るチャンスがないことを知って、「ほんとうにいまの」現代美術を、分厚い高価なカタログなんて買えない同世代の若い子たちのために紹介したくなっていた。

 『ArT RAND0M』はCDやLPレコードと同じ感覚で買ってもらえるように、値段も1980円とかなり安くして、美術カタログでいちばん不要だと思われる、あの長ったらしい解説文をなしにして、作品だけをきっちり紹介する。荒っぽく扱ってもいいように、子どもの絵本みたいなハードカバーで頑丈な作りにする、そういうコンセプトでスタートした。

 アーティストの選定は僕だけではなく、それまでに知り合っていた欧米の若手美術アーティストや新米キュレーターにも頼んで、「5冊、好きなもの作っていいから」みたいに任せた巻もけっこうある。限界まで値段を安くしたかったから、アーティストには初版の印税を低く設定させてもらって、その代わりにできた本を100冊あげる、というふうにもした。アーティストにしてみたら、ほんの少し印税を振り込んでもらうより、もらった本を展覧会で売ったほうが、ずっといいからね。

 102冊の中には日本の作家も何人か入っているかれど、欧米の作家がやはり多くて、それはなかなか知る機会のないひとたちを紹介したいという理由のほかに、日本の美術館がまるで非協力的だったこともあった。作品写真の貸出しをお願いしても「なんですか、それ?」みたいな感じで。
(中略)

 当時はまだデータ入稿ではなく写植の時代で、そうすると英語の写植というのが、お金も時間も非常にかかる。著者は世界中に散らばっているから、校正のやり取りも大変だし。
 それで発売されたばかりのパソコンを導入すれば、日本語と英語をシームレスに使えるかと思って、最初のMacintosh Plusを買った。たしか50万円くらいしたはず。当時は京都でMacが買える店って、キャノンの事務機部門しかなかった。もちろんフロッピードライブのみで、Mac用外付けハードディスクなんて、まだ世の中に存在すらしていない。

ArT RAND0M画像 に102冊の画像が載っています。

BRUTUSの1冊を付けておきます。

【ブルータス(2020年1月号)】


月刊誌、幻冬舎、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
月刊誌につき、データなし

<読む前の大使寸評>
表紙を飾るコピーが「危険な読書2020」だって。中を覗くと「危険なマンガ」があったりで・・・面白そうやでぇ♪

rakuten ブルータス(2020年1月号)


『圏外編集者』1





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Last updated  2021.09.07 07:51:17
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