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2021.09.13
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『フォルモサ 台湾と日本の地理歴史』という文庫本を、手にしたのです。
おおこの本は先日読んだ『奇書の世界史』でも紹介されていた本ではないか♪
ただ、この本が徹頭徹尾、サルマナザールの“妄想”をもとに書かれた偽書であると紹介されています。



【フォルモサ 台湾と日本の地理歴史】


ジョージ・サルマナザール著、平凡社、2021年刊

<「BOOK」データベース>より
科学的知識と想像力が綯い交ぜとなり、常識や既成概念を次々と突き崩していった一八世紀初頭。宗教・社会制度・日常生活すべてに及ぶその自由な言説空間に偉大なる想像(創造)力をもった謎の男によって放たれ、偽書ながら欧州を席倦、その後の東アジア認識にも大きく影響した世紀の奇書。

<読む前の大使寸評>
おおこの本は先日読んだ『奇書の世界史』でも紹介されていた本ではないか♪
ただ、この本が徹頭徹尾、サルマナザールの“妄想”をもとに書かれた偽書であると紹介されています。

rakuten フォルモサ 台湾と日本の地理歴史




先ず「序」を、見てみましょう。
p17~19
「序」
 私が初めてイングランドにやって来た頃、誰もが私の出身国の話をおもしろがってくれました。私の話はそれまで聞いたこともないまったく新しいものだから、本にして出版するのが私の務めである、そう人々は考えていました。

 私は、自分の楽しみにもなるし、人々の満足も得られることですから、すぐにこの求めに応じました。ですが、遠く離れた東洋の国々について、特にわがフォルモサに関して、とんでもない空想的な話が多く世に出回っていて、それが疑う余地のない真実として押しつけられ、広く信じられていることを知り、これではとても私の話など続けられるものではないといささか意気消沈してしまいました。しかしながら、こうした嘘の雲を払いのけなければならぬ、(私が黙していることで)みなさんを無知のままにしておく、いやむしろ嘘によって欺かれたままにしておくことは、私自身の気持ちからしても非難を免れえぬものですから、私はなんとしても、世間に流布しているものよりは正確なフォルモサの歴史を明らかにしなければならない、と考えるに至りました。

 ただ本題に入る前に、いくつか前置きをしておいた方がよいでしょう。(先に述べまいた通り)世間にはさまざまな話が広まっていて、それはことごとく私がこれからしようとする話とは異なっているわけですから、みなさんが私の話を信じてくれるとはあまり期待しておりません。どちらが真に読者を喜ばせるものであるのか、私はそれを偏りなきご判断に委ねるつもりです。

 これこそホンモノだ、そう思っていただけるかどうかについて、私はそれほど心配してはいません。なにしろ、これはホンモノなのですから。ただみなさんには、ともかく辛抱強く、私の話にお付き合い願いたい。本書の評価は、まさにそこにかかっているのです。一切、世に出回っている話には、どうしても疑わしいと思わざるをえない点がいくつかあります。

 なにしろ、いずれも自分はそれを実際に目にしたのだという語り手が話しているというのに、お互いに矛盾してしまっている。話が首尾一貫していませんから、みなさんにしてみれば、まことに頼りにならない。でも私は、そういう話の誤りを暴くのではなく、実際に中国へ交易のために出かけた数名のイギリス商人のしかるべき記録によって、私が申し上げることの信憑性を高めていきたいと思っています。そうしたイギリス商人たちの記述こそ、私のものと実はほとんど同じであり、他方、世間に広まっているものとはまったく異なっているのです。例を挙げましょう。カンディディウス(オランダ人宣教師 『フォルモサ島略述』を著した 注記*)などのフォルモサの説明を見ると、あの島には、君主制にせよ民主制にせよ、政府というものがない、盗みや姦通、殺人など悪しき罪に対して、法もなければ罰もないので、誰もがそれぞれ判断して復讐したりしている、とある。

 たとえば、ある男が私の100ポンドを奪ったとすると、仕返しに私は同額を彼から盗んでよい、もし誰かが私を殺したら、私の家族なり友人なりが、私の復讐として彼を殺してよい、姦通その他についても同断、といった調子です。さらに続けて、フォルモサには経済的関係もなければ秩序もないので、主人と召使いの区別もなければ、金山、銀山も発見されておらず、香辛料もない、などとある。

 ぜひとも私に言わせていただきたい。先に申し上げたイギリス商人たちは、フォルモサの長官に対して輸出品一つ一つについて多額の関税を支払ったとちゃんと記しているではありませんか。長官がいるなら法だってあります。カンディディウスなどには好きなように言わせておけばよいと思いますが、フォルモサに金も銀も香辛料もあるということは、多額の金・銀や大量の香辛料を輸出している貿易商人のことを考えれば明らかではありませんか。


【注記*】

フォルモサ 台湾と日本の地理歴史

特にカンディディウスの『フォルモサ島略述』は、オランダ語原書の英訳が奇しくも本書の初版と同じく1704年に刊行されるのだが、アルノルドゥス・モンタヌスとオルフェルト・ダッペルの『日本地図』および『中国地図』は17世紀後半のヨーロッパにおける日本および中国の記述に大きな影響を与えていた。


『奇書の世界史』を付けておきます。

【奇書の世界史】


三崎 律日著、KADOKAWA、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
これは良書か、悪書か。時代の流れで変わる、価値観の正解。ロマン、希望、洗脳、欺瞞、愛憎、殺戮―1冊の書物をめぐる人間ドラマの数々!

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくると・・・コペルニクスの地動説、魔女狩り、妄想の台湾誌、スウィフト等々、面白そうである。

amazon 奇書の世界史

『奇書の世界史』1 :妄想の台湾誌





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Last updated  2021.09.14 00:03:39
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