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2021.11.30
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カテゴリ: 気になる本
図書館に予約していた『生命海流』という本を、待つこと4ヵ月ほどでゲットしたのです。
折しも朝日新聞が「ドリトル先生 ガラパゴスを救う」を連載している今、福岡先生のガラパゴス航海記を読んでみようではないか。





福岡伸一著、朝日出版社、2021年刊

<「BOOK」データベース>より
福岡伸一、ガラパゴス諸島へ。ダーウィン進化論を問い、“本来の生命のあり方”を精密に描き出す。旅のリアルと思索が行き来する、まさしく「動的平衡」なガラパゴス航海記。

<読む前の大使寸評>
折しも朝日新聞が「ドリトル先生 ガラパゴスを救う」を連載している今、福岡先生のガラパゴス航海記を読んでみようではないか。

<図書館予約:(7/24予約、副本1、予約16)>
rakuten 生命海流



「まえがき」のような辺りを、見てみましょう。
p6~9
<ガラパゴスに行きたい>
 ガラパゴスに行きたい。これはナチュラリストとしての長年の夢だった。プロの研究者も、アマチュアバードウォッチャーも、7歳の虫好きの少年も、みんなナチュラリストであるという点では同じ。そして彼らはひとしく願う。生涯、一度でいいから、絶海の果てに位置するガラパゴス諸島に行って、溶岩と巨石に覆われ、絶えず波に洗われる岸壁に生息する、独自の進化を遂げた、奇跡的な生物を実際にこの目で見てみたと。

 ずっと昔からそう願ってきた。とはいえ、私の夢はもう少し手が込んでいた。ただ、観光客としてガラパゴスを見に行くのではない。今をさること200年近くも前の秋、はるかな航海の果てに、この群島にたどり着き、ここを探検したビーグル号と同じ経路をたどって島が見たかった。ビーグル号には、かのチャールズ・ダーウィンが乗っていた。後に、進化論を打ち立てて生命史に革命をもたらした人物。

 しかし、そんなことはできるはずがない。ビーグル号の正式名称は、H.M.S.Beagle,Her Majesty's Ship.つまり女王陛下の船だった。全長27.5メートル、排水量242トン、実戦が可能な大砲6門を搭載、英国精鋭の軍人70余名の船員が乗船する本格的な軍艦だった。当然装備も資材も豊富に積まれていた。だからこそ自由自在な航路をとれたのだ。

 そもそもビーグル号の密かな狙いは、世界中に散在する将来の軍事拠点を確認、調査、測量することだった。彼らと同規模の船を仕立てて、同じ旅を再現することなど不可能である。

 当時、ダーウィンはまだ22歳。船長フィッツロイのコネで、たまたま随行を許された民間の客人だった。生物学に興味を持っていたとはいえ、あとになって『種の起源』として結実する進化論の構想は、何ひとつとして彼の心の中に準備されてはいなかった。

 ひとくちに「ガラパゴス」といっても、そこは大小様々な島や岩礁が散在する群島である。名前のついている島は全部で123島、主要な島だけでも⑬島あるといわれており、それがおよそ関東地方くらいの広い範囲に分布している。

 ダーウィンの乗ったHMSビーグル号は、1835年9月15日に、ガラパゴス海域東端のサン・クリストバル島に到着した。その後、約1ヶ月かけて、数少ない水源のある島、フロレアナ島、6つの火山を擁するガラパゴス最大の島、イサベラ島、イサベラ島と今も火山活動が激しい島フェルナンディナ島のあいだの狭い海峡をくぐり抜けて、赤道線0度を越え、サンティアゴ島などに寄港し、調査と測量を行い、同年10月20日、次の調査地であるタヒチ島に向けて太平洋を西に進んだ。

 ビーグル号は、タヒチ、タスマニア、ココス、モーリシャスなど、今から見ると高級リゾートめぐりをしているかのような航路をたどって、5年にわたる世界航海を行った。これは先にも記したとおり、ビーグル号の密かな使命が、大英帝国による世界制覇の野望に関わっていたからに他ならない。

 少なくとも、ガラパゴス諸島の旅に関してだけでも、チャールズ・ダーウィンと同じ航路をたどって、彼が見たであろう光景を、彼が見たはずの順番で、訪れてみたい。いったいガラパゴスの何が、彼の目を見開かせ、彼の想像力を搔き立てたのだろう。それを追体験したかった。これが私の贅沢な夢だった。





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Last updated  2021.11.30 00:01:05
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