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2022.05.08
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『Wedge(2021年4月号)』という月刊誌を、手にしたのです。
表紙のコピーに見られるように、「一帯一路」大解剖とのことであり、興味深いのです。




雑誌、ウェッジ、2021年刊

<商品説明>より
■【特集】「一帯一路」大解剖 知れば知るほど日本はチャンス
2013年、中国の習近平国家主席が突如打ち出した「一帯一路」構想。
中国政府だけでなく、西側諸国までもがその言葉に“幻惑”された。
それから7年。中国や沿線国は何を残し、何を得て、何を失ったのか。
現地の専門家たちから見た「真実」。それを踏まえた日本の「針路」とは。
文・高原明生、北野尚宏、西沢利郎、石田正美、ジャガナート・パンダ、テムル・ウマロフ、青木健太、吉澤 啓、マチュー・デュシャテル、佐藤 仁、編集部

<読む前の大使寸評>
表紙のコピーに見られるように、「一帯一路」大解剖とのことであり、興味深いのです。
rakuten Wedge(2021年4月号)


「一帯一路」という手前勝手なプロパガンダを聞くたびにムカつく大使であるが・・・
そのプロパガンダの本質を見たいのです。
p20~22
<いずれ色褪せる一帯一路:高原明生>
 レトリックはともかく、実際のところ中国外交にとって一番重要なのは対米関係の安定だ。安全保障上も経済上も、唯一の超大国を敵に回せば厳しい状況に立たされることは早くから理解されていた。中国の有識者が、「滞米関係の安定は中国のすべての安定の基礎だ」と語るゆえんである。

 米トランプ前政権の1年目は、無難に過ぎた。北朝鮮への米国の厳しい対応に、中国が呼応したことがその大きな要因だった。ところが、2017年末から米国は中国を最大の対外脅威だと見定めた。小児かかわる高度技術の輸出を規制し、中国からの輸入品に高関税をかけた。強気の姿勢を崩さないものの、中国が受けた打撃は決して軽微なものだとは言えない。

 バイデン政権の下で対中政策は変化するだろうか。バイデン氏は必要に応じて中国との協力も辞さないだろう。特に重視する気候変動問題では中国との協力が不可避となる。他方、尖閣諸島が日米安保条約の対象となることはすでに言及済みだ。台湾防衛へのコミットメントや南シナ海での「航行の自由作戦」も継続するだろう。中国側の協力の呼びかけにもかかわらず、中国を戦略的な競争相手とする米政権の厳しい姿勢に変化はなさそうだ。

■一帯一路にあった戦略的な狙い
 太平洋を跨いだ対米関係が悪化すると、中国は日本やドイツなど、ユーラシアの方を向く。それが中国外交の昔からのパターンだ。習近平政権は当初、米オバアマ政権に対し、協力や相互尊重をその内容とする新型大国関係の樹立を呼びかけた。オバマ氏は中国をパートナーとして地球規模の問題に対応しようと考え、この呼びかけを受け入れた。

 しかし、南シナ海への海洋進出、尖閣諸島をめぐる日本との衝突や滞米サイバー攻撃などにより、オバマ政権は中国への対抗姿勢を強め、新型大国関係を拒絶する。すると習近平氏は対米関係の悪化の一因として13年より一帯一路を唱え始め、14年には安倍晋三首相との間で初めての日中首脳会談に応じた。そして15年の外交の最重点は一帯一路だと、王毅外相が述べるにいたった。

 中国政府の説明によれば、一帯一路のポイントはアジアとヨーロッパをインフラ建設によって連結し、その中間地域の発展を助けることだ。言うまでもなく、中国企業の対外投資は一帯一路に始まるわけではない。例えば、それ以前より中国企業や中国人のアフリカ進出は話題になっていた。その目的は、資源、市場、そして政治的な影響力、この三つの獲得にほかならない。

 それに加え、一帯一路には国際政治経済上の戦略的な狙いがこめられていた部分もある。中国の東、つまり太平洋方面に進出していけば、日米や東南アジアの国々と衝突する。当時、オバマ氏は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を推進していた。「私たちがルールを決めなければならない、さもなければ中国が決めてしまうぞ」というのが彼の決め文句だった。それを受け、中国には、逆を向き、西に新しい秩序を構築しようと考えた人々もいた。

 さらには、当時の中国には対外投資を推進する国内的な事情もあった。08年の米国発金融危機から中国がいち早く脱出したのは、4兆元(約64兆円)に及ぶと言われた内需拡大策による。それによって高速鉄道網や高速道路網は目覚ましく発達し、内陸を含む多くの都市では高層ビルが乱立した。しかし、そうした建設ラッシュによって国内の市場は飽和し、過剰となった建設能力や生産能力の新たな行き場が求められたのだ。

 習近平氏にとっても、「21世紀のシルクロード」の地域は、そうした政策課題を解決する先として魅力的に見えた。一帯一路は権力基盤を固めた彼のペットプロジェクトと化し、一帯一路にかかわると称すれば、建設事業であろうと研究プロジェクトであろうと予算が付くような状況が現れた。

■AIIBに見る中国共産党のプログマティズム
 海外でも、一帯一路は歓喜の声をもって迎えられた。世界金融危機の後の中国は、国際経済を引っ張る機関車の役割を果たすようになっていた。途上国のみならず、先進工業国までもが中国マネーを引き込むことに躍起になった。15年3月、中国が設立を呼びかけたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創業メンバーに、締め切りぎりぎりになって英国が名乗りを上げた。すると雪崩を打ったように、独仏をはじめとする欧州諸国やオーストラリア、韓国までもがわれもわれもと参加を決めた。その時の習近平氏の得意や思うべしである。

 ただ、一帯一路はAIIBとはまったく異なる。一つには、AIIBはリアルな国際金融機関だ。蓋を開ければ既存の国際金融ルールにのっとって順調に運営されている。そうしなければ格付けが下がり、資金調達のコストが上がることを中国もよく理解しているのだ。中国共産党の一大特徴はプログマティズムである。





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Last updated  2022.05.08 10:22:01
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