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2023.05.23
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『すごい! へんてこ生物』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、オウムガイやらハダカデバネズミやらカイロウドウケツとか進化の脇道を生き抜いてきた生物が満載で・・・ええでぇ♪




NHK「へんてこ生物アカデミー」制作班編著、祥伝社、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
へんてこ生物に学ぶ生きる知恵。地球には、さまざまな「へんてこ生物」がいる。彼らの一見不思議な姿や行動には、厳しい生存競争を勝ち抜いてきた、驚くべき理由が隠されている。5億年にわたる厳しい生存競争から「逃げる」ことで生き延びた“天才軍師”オウムガイ、みずからの体に藻を育て「自給自足」を体得した“森の仙人”ナマケモノ、孤独な深海で透明の頭と可動式の目を獲得したデメニギスなどー。本書は、NHKで放映された「へんてこ生物アカデミー」を書籍化したもの。番組で紹介された生物のほか、紹介できなかった生物もオリジナルで収録。人類よりも長い歴史をもつ“先輩たち”の姿から、より良い明日を生きるためのヒントを感じ取ってもらいたい。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、オウムガイやらハダカデバネズミやらカイロウドウケツとか進化の脇道を生き抜いてきた生物が満載で・・・ええでぇ♪

rakuten すごい! へんてこ生物



「第2章」からオウムガイを、見てみましょう。
p38~42
<5億年の戦いを勝ち抜いた奇策>
 はるか5億年前のカンブリア紀の海。それまで原始的で単純な構造だった生物は、その種類と数を爆発的に増やし、食うか食われるかの厳しい生存競争が始まっていた。いわゆる「カンブリア爆発」である。単純な形をしていた生物は目を獲得し、複雑なボディをもつようになった。

 それは、たとえるならば「戦国の世」。生物たちは攻めと守りの戦略を独自に進化させ、過酷な競争社会に立ち向かったのだ。
 多くの生物が戦いに敗れ、海の藻屑と消えていくなか、生命史に燦然と輝く奇妙な生物が現れる。数々の戦いを勝ち抜き、現代まで生き延びている、いわば「天才軍師」。いったいどんなすごい生物なのだろう?

 その正体は、現在はインド洋、太平洋の熱帯地域の水深100~400メートル付近の海底にすむオウムガイである。殻長20センチ、殻幅9センチほどになるオウムガイ目オウムガイ科のオウムガイは、同一平面上に内向きの螺旋状をした殻をもつ。一見、大きな殻をもつ巻き貝の仲間のように見えるが、よく観察するとたくさんの短いひげ状の触手が生えている。触手はオスが約60本、メスが約90本。この触手を使って、エサを探して捕獲する肉食の軟体動物である。

 オウムガイはイカやタコと同じ頭足類に分類されているが、どうしてもその姿からは、あまたの戦いを生き抜いてきた天才軍師とは思えない。それもそのはず、じつはオウムガイは強くないのだ。

 生きていくうえで、敵の存在を発見するために欠かせない視力がまず弱い。明るいか暗いかがようやくわかる程度だという。おまけに吸盤の力も弱く、速く泳ぐこともできない。プカプカとゆっくりと漂っているくらいの泳力しかないのだ。目が悪く、泳ぎも遅い。能ある天才軍師オウムガイは、いったいどこにその爪を隠しているのだろうか。

 その謎は、オウムガイの仲間の化石が教えてくれる。オウムガイの化石は、ワラビのようなかたちの小さなものから、太く大型のものまで、多種多様。最大で10メートルにも及ぶ化石も見つかっているという。

 カンブリア爆発から5000万年後、4億5000万年前の海では、現在見られる動きの遅い丸い形のオウムガイだけでなく、素早く泳げる細長いものも存在しており、浅瀬の海で大繁栄をとげていたという。意外にも当時は、生態系の頂点に立っていたと推測されるのだ。

 しかし、この大繁栄時代からさらに5000万年後、強力な甲冑を身にまとった肉食動物が登場する。オウムガイよりも速く動くことができ、強力な顎で殻ごと食べてしまうダンクルオステウスなどの「甲冑魚」と呼ばれる魚だ。
 多様な種類がいたオウムガイの仲間たちは、しだいに甲冑魚などの魚類にその座を奪われ、海の覇者から陥落してしまう。

 残された丸い形のオウムガイは一族滅亡の危機に瀕していた。このまま生存競争を続けていたら、生き抜くことはまず無理だったろう。だが、ここでオウムガイは無謀とも思える起死回生の戦略に打って出る。

 それはなんと、逃げることだった・・・。
 逃げた先は、深海。そこは敵こそいないものの、エサが少ない過酷な環境だった。ところが、光の届かない深海にあっては、はっきりと見えない目でも生きていくには十分。

 泳ぎが遅いことも深海では弱点にあらず、オウムガイの殻の断面を見てみると、幾つもの部屋があり、ここに気体を入れて浮力を獲得している。労せず浮かんでいるため、無駄なエネルギーを使わない。そのため、オウムガイは2、3日に一度、小さな魚を食べていれば生きていける“省エネ体質”だった。

 浅瀬では弱点に思えた自らの特徴を活かせる場所に、オウムガイはみごとにたどり着いた。自分にふさわしい、身の丈に合った環境を見つけたこと、逃げて戦いを避けたことが、オウムガイが5億年もの長きにわたって生き抜いてきた、究極の生存戦略だったというわけである。





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Last updated  2023.05.23 00:04:06
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