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2023.07.24
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『驚きの世界史』という本を、手にしたのです。
このところ、覇権主義が顕わになった露・中であるが・・・
その歴史を知りたいではないか、と思うのです。




尾登雄平著、KADOKAWA、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
欧米、アジアだけでなく、アフリカ、南米さらにはミクロネーションまで!世界を網羅する今までになかった『世界史』読本、ついに完成!この1冊で「世界史の本」数十冊分の知識が一気に学べる!

<読む前の大使寸評>
このところ、覇権主義が顕わになった露・中であるが・・・
その歴史を知りたいではないか、と思うのです。

amazon 驚きの世界史


近世の中華帝国ともいえる明帝国の衰退、それと鄭和の大遠征などを、見てみましょう。
p164~166
<21 「内向き」で陰湿な独裁国家だった明帝国>
■永楽帝による派遣国家復活への試み

 物乞いから皇帝にのしあがった英傑・太祖洪武帝が1398年に死去。第二代皇帝には、長男の息子の建文帝が帝位に即きました。太祖は地方の統治を任せている自分の息子たちに、若い建文帝を守り立てるように頼んで死んだのですが、叔父さんたちは利権やポストを求めて若く実力のない建文帝を突き上げてくる。建文帝は自分よりも一枚も二枚も実力が上の叔父さんへの対応に困り果ててしまいました。

 建文帝は自分の権力を確かなものにするため、叔父さんたちの利権の取り潰しにかかろうとします。しかしこれに北京を治めていた太祖の四男・テイが反発。軍勢を起こして南京を落とし、都を北京に移行して1402年に三代目皇帝に即位しました。これがいわゆるセイナンの変です。

 甥っ子を倒して皇位についた永楽帝は、太祖が定めた海禁政策のさらなる推進を宣言。海上の監視体制を強化し、朝貢使節をこれまで以上に積極的に各地に派遣し、明帝国の海上秩序と貿易体制を再生しようとしました。しかしなかなか目に見える効果が上がってこない。
 永楽帝は大明帝国の威厳を「実体験をもって」周辺各国政府や人々に知らしめる必要がある、と考えました。その結果実施されたのが有名な「鄭和の大遠征」だったわけです。

 鄭和の大遠征は1405年から1433年まで合計七回実施され、一度に派遣された船の数は大小合わせて200隻以上。訪問国数は三十数ヵ国にものぼり、遠くは東アフリカ沿岸にまで達しました。

 この大遠征の目的は、経済的な目的より多分に政治的で、大帝国・明の威厳を周辺各国に示し、訪れた国々を明の国際秩序である朝貢体制に組み込むことにありました。そのためには抵抗する国への武力行使も厭わず、例えば第三回遠征ではセイロン島のライガマ王国を攻撃して王国を崩壊させているし、第四回遠征ではスマトラ島西部のサムドラ・パサイ王国の国王を捕らえて親明派の国王へ置き換えています。

 このような武力を伴った明王朝の大船団の出現は、周辺の王国の明王朝への基準を促し、また海の無法者たちの乱暴狼藉も沈静化していきました。周辺各国も、明王朝との朝貢貿易は莫大な利益を生む美味しい取引であると知り、積極的に華夷秩序の中に入っていきました。

 永楽帝は不倶戴天の敵であるモンゴルにも攻撃を加えて破壊的なダメージをもたらしました。当時のモンゴル高原ではフビライ家やオゴタイ家、アリクブケ家の影響力が低下し、オイラト部が急速に力をつけていました。永楽帝の死後、オイラト部は明王朝との交易で経済基盤と軍事力を強化しますが、モンゴルの勃興を恐れた明王朝は交易回数を制限したため、反発したオイラト部のエセン・ハーンが華北に侵攻。これに対し、六代皇帝英宋が親征を行うも、エセン・ハーンの軍隊に大敗し、皇帝自身捕虜となるなど(土木の変)、北方の脅威が急速に高まっていきました。
 北方への対応のため、緊縮財政・対外消極策が採られ、国家統制の下での朝貢貿易はストップしました。

 拡大した経済が急速に緊縮化したことで、国内では基軸通貨である銀が不足し始めました。すると、当時世界最大の銀産出国であった日本の銀を求めて違法に海に漕ぎ出す私貿易者が続出するようになります。これがいわゆる、後期倭寇です。
 明王朝は密貿易者の取り締まりを強化しますが、軍事予算が限られる中での取り締まりは非常に厳しく、16世紀には明王朝は私貿易を許可するようになり、「国家主導の交易システムと国際秩序の構築・維持」は破綻しました。

 ちなみに、朝貢貿易の破綻と後期倭寇による密貿易の拡大は、国際的にも大きなインパクトをもたらしました。東南アジアでは、朝貢貿易を一手に握っていたマジャパヒト王国が衰退。私貿易者と積極的に交易を行ったマラッカ王国が勃興することになります。
 同じように朝貢貿易によって栄えた琉球王国も、明王朝の私貿易の解禁で相対的に重要性が低くなって国力が衰え、1609年に薩摩藩の軍事侵攻を受けて江戸幕府と薩摩藩の支配下に置かれることになります。





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Last updated  2023.07.24 00:48:48
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