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2024.01.24
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『座右の銘はない』という本を手にしたのです。
おお “鉄の胃袋の持ち主”と評される石毛直道さんの自叙伝てか・・・ええではないか♪




石毛直道著、日本経済新聞出版社、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
自分が「おもろい」を追求、「食文化」のパイオニアに。学術探検・民族資料収集で辺境の地を駆け巡り、世界各地の生活や文化を考えていくと、人々がなにをどのように食べているか、が主たる研究分野になっていた。

<読む前の大使寸評>
おお “鉄の胃袋の持ち主”と評される石毛直道さんの自叙伝てか・・・ええではないか♪

rakuten 座右の銘はない



「第二章 京大探検部から人文研へ」で、アフリカ調査を見てみましょう。
p66~70
<アフリカ調査>
■リビア砂漠
 東アフリカのタンザニアから帰って9ヶ月後の1967年12月には、「京都大学大サハラ学術探検隊」の隊員として、北アフリカのリビアに旅立つことになった。
「サハラ」とは、アラビア語で「荒れ地」を示す普通名詞である。それが固有名詞化して、現在のサハラ砂漠という地名になったのである。この探検隊はサハラということばの原義にもどって、サハラ砂漠をふくむ北アフリカの砂漠地帯とその周辺を調査しようということで、「大サハラ」学術探検隊と名乗っている。

 さまざまな分野の研究者19名に新聞記者やテレビ取材チームが参加した26名の隊員で構成された大調査隊である。
 本体は、4台のランドクルーザーで、アルジェリアからサハラ砂漠を縦断し、西アフリカにいたる2万5千キロを走破する古典的な遠征調査をおこなった。

 わたしが参加した別働隊の「人類班・リビア支班」は、リビア砂漠のオアシスに滞在して、農業と遊牧の調査する目的のチームで、梅棹忠夫さんと谷泰さんとわたしの三名で構成されていた。三人とも人文科学研究所の所員であった。この調査当時の谷さんは、わたしとおなじく助手であった。牧畜や西欧文化に詳しい谷さんは、のちに人文科学研究所の所長を務めることになる。

 その頃、リビア入国の査証を取得するには、パリのリビア大使館に出頭しなければならなかった。パリへ行くため、わたしは船でウラジオストクに着き、雪のシベリア鉄道全線を8日間乗ってモスクワに到着し、そこから航空機でパリに到着することにした。時間はかかるが、当時それがいちばん安上がりのコースであった。旅費を節約して、その分をリビア調査の終了後、「おもろいこと」に使おうともくろんでいたのである。

 パリで日本から飛行機で到着した谷さんと落ちあい、空路アルジェリアの首都アルジェに行き、そこから鉄道でチュニジアの首都チュニスに行き、そこから長距離バスでリビアの首都トリポリに着いたのが1968年1月1日であった。日本からリビアまで、約1ヶ月の旅であった。

 谷さんとリビア南部のフェザン地方のオアシスで、砂漠での遊牧とオアシス農業についての調査をした。3月には、そこへ梅棹さんもやってきた。オアシスの村の民家を借りて住み、三人で毎晩討論をしていたので、梅棹研究室の共同研究会がリビアに引っ越ししてきたようなものであった。

 滞在時の食事は、わたしが担当していた。魚のない砂漠地帯での生活にそなえて、トリポリで買っておいた干ダラをうまくもどして薄切りにし、オアシスで手にいれたニワトリをつぶして、砂肝とササミを薄く切ってだしたら、梅棹さんにおどろかれた。「石毛は砂漠で刺身をつくりよる」とのちのちまでいわれる羽目になった。

 4月のはじめ、梅棹、谷の二人は帰国の途についた。帰ったら、すぐさま新学期の講義や公務が待ちかまえている。わたしは、あと2カ月出張を延期することが可能だった。この残された期間に「なんぞ、おもろいことをしたろう」と考えていた。

 そのひとつは、カメラとノートをもっただけで、遊牧民のテントに居候させてもらい、ラクダの遊牧についていったりして、遊牧生活を体験することである。これは「学問的におもろい」ことであった。

 もうひとつは、無人のリビア砂漠を縦断して、南のサバンナ地帯であるチャド、ニジェール方面に行くことである。それは北アフリカの沙漠縦断路のなかで、いちばん知られてないルートで、探検の対象とされていた。わたしは「探検家としておもろい」ことをすることにした。トリポリで知り合ったリビア人の実業家の手配で、冒険商人たちが企画した沙漠縦断のトラック・キャラバンに便乗することにしたのである。

 地中海貿易でリビアに集荷した世界各地の商品を、海から遠いアフリカ中央部のチャドやニジェールの奥地に運ぶと、数倍の値段で売ることが」できる。そこでリビアの冒険商人たちが、トラックに商品を積んで沙漠を縦断するキャバンを企画することがあるのだ。

 わたしの乗せてもらった大型トラックの荷台には、チャドで自動車燃料や自家発電に使用されるディーゼル・オイルをいれたドラム缶20本、食品の缶詰数百ダース、服飾用の日本製のプリント生地、中国製の紅茶などが格納されていた。荷台に、これらの商品を山積みにして、そのうえにチャドでこれらの商品を売りさばく冒険商人たちが乗っている。彼らは日陰で40度以上ある高温の沙漠での強烈な日光と、砂煙にさらされながら旅するのである。


『座右の銘はない』1 :梅棹忠夫さんの付き合い





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Last updated  2024.01.24 00:13:26
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