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2024.02.01
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カテゴリ: 気になる本
図書館で「ISSUE 和田誠のたね」という本を手にしたのです。
とにかく、和田誠が描いた絵日記から漫画、インタビューなどを通じて和田誠のたねに迫る本になっているようです。





和田誠著、スイッチ・パブリッシング、2021年刊

<「BOOK」データベース>より
【目次】
不合格のための世界史/LONG INTERVIEW和田誠 美しい発芽(文・インタビュー構成=川口恵子)/だから冒険はやめられない/家族のヒント/これからのお楽しみ/ぼくの好きな先生/これ、何のたね?/はじまりの一冊

<読む前の大使寸評>
とにかく、和田誠が描いた絵日記から漫画、インタビューなどを通じて和田誠のたねに迫る本になっているようです。

rakuten ISSUE 和田誠のたね



まず、和田さんの親友への「インタビュー」から、見てみましょう。
p119
<「西遊記」外伝、マックとの時間:藤田寛>
 和田誠の同級生として、小、中、高と共に歩み、生涯の親友となった藤田寛。高校時代、ふたりは自分たちやクラスメイトをモデルに漫画「西遊記」を共作した。和田の伸びやかな線、藤田のアイディアに満ちた発想、互いに刺激を受け、共に描く楽しさを知った。かけがえのない時間を過ごした親友は和田誠をマックと、幼い頃から慣れ親しんだ愛称で今でも読んでいる。

「西遊記」を一緒に描き始めたのは高校一年生の時。マックが私の隣の席に移動してきて、一緒に描こうと誘ってくれたんです。彼が終始イニシアティブをとっていたから、題字や物語の描き出し、最後のシーンはマックが描きました。下書きはなし、ひとつも直しは入れていません。 

 授業中でも休み時間でも、どちらかが描いたら「はいよ」という感じでノートをまわして交互に描いていきました。マックはとにかく筆の動きが速かった。友達や先生を登場人物に見立てて描くのですが、マックは孫悟空、主役です。私は猪八戒。あとはクラスメイトを見て、「あいつは河童じゃないか?」「それなら沙悟浄だよ」という具合に物語を進めていきました。

 似顔絵でいうと、彼自身も言っていたけれど、高校時代の時間割表、これが傑作です。「似ている」ということでいえば、あれはマックのその後の似顔絵作品のどれよりも「似ている」と思います。ただ当時はまだ専門的なデッサンをやっていたわけではないから、そのあと彼の画風はいろいろな影響を受けて少しずつ変化していきます。

 高校の途中からはスタインベルグ(ソール・スタインバーグ)のような線を基調にしたシンプルなもの。当時、マックがうちに遊びに来た時に、私の父の書斎にあったスタインベルグの画集『ALL IN LINE』を貸しました。彼が見たいって言うので、父に断りもせず「おう、いいよ」って。

 光年、父はその本を彼にプレゼントしていましたよ。「あの本はマックの役に立ってんだ」とか言って。その後、大学時代に日宣美で賞を取ったポスター「夜のマルグリット」なんかの画風はベン・シャーンの系統ですよね。タッチが太くなって、ライトパブリシティに入った頃にはその影響は非常に濃くなっていったと思います。

 そういう独特な吸収力をマックは持っていました。普通はなかなか自分の画風は変えられないものですが、マックは他の画家の影響を受けながら、ただ真似をするのではなくて自分のものにしてしまうのです。
(中略)
 映画は二人とも大好きで、よく話をしました。でもあの記憶力にはついていけませんでした。ジンジャー・ロジャースの脚が綺麗だとか、オーソン・ウェルズが地下道で光に照らされるシーンとか、そういうことは私でも覚えているんです。

 でもマックはね、細かい台詞なんかも暗記していました。「あれは『カサブランカ』の台詞のオマージュになっているのに、それを理解せずに訳している」とか、見方がすごいんです。私も年に70本くらいは観ていたけれど、マックはもっと。勉強する時間を削らないと、そんなには観れませんよ。だからマックは全然お勉強はしていない(笑)。

 マックの答案用紙を見たことがあります。白紙に先生の似顔絵だけがぽんと描いてありました。でも先生もマックの個性を見抜いていて、「あいつはしょうがないな」って許しているようでした。それほど周囲が認める才能がありながら、本人はそんなことに気づいていないというか、好きにまかせて描いているというところがありました。

 もっと小さい頃、メンコとかターザンごっことかの遊びをやっている傍らでも、マックは「僕はいいや」という感じで絵を描いていました。女の子が心にちらつく年頃になっても、それも気にならなかったみたいです。意識して自分を律しているわけではなくて、飄々とただ本当に好きで絵を描いている。そうやって下地ができてくる。それこそがマックのすごさなんです。


この本も 和田誠アンソロジー に収めるものとします。





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Last updated  2024.02.01 00:06:13
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