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2024.12.17
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カテゴリ: 気になる本
図書館に予約していた『アジア発酵紀行』という本を、待つこと7ヵ月ほどでゲットしたのです。
「第1章 茶馬古道の味噌汁茶」には茶間古道の地図が載っているが・・・
中国雲南省のチベット族自治州のシャングリラ→大理市→プーアル市→タイ族自治州のシーサンパンナに至る茶間古道が秘境という感じでエキゾティックである。
あの高野秀行さんがこの冒険行を讃えるのもうなづけるのである♪




小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊

<出版社>より
アジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家)                       
自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)
発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。

<読む前の大使寸評>
「第1章 茶馬古道の味噌汁茶」には茶間古道の地図が載っているが・・・
中国雲南省のチベット族自治州のシャングリラ→大理市→プーアル市→タイ族自治州のシーサンパンナに至る茶間古道が秘境という感じでエキゾティックである。
あの高野秀行さんがこの冒険行を讃えるのもうなづけるのである♪

<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>

rakuten アジア発酵紀行

トムヤムクン

まず冒頭の「まえがき」から、見てみましょう。
p1~4
<まえがき>
 発酵はアナーキーだ。
 微生物という目に見えない自然がつくり出す、人間の予想もつかない働き。酵母は光合成も酸素の呼吸も必要とせずに、人を酔わせるアルコールやかぐわしい香りを生み出す。栄養が豊富にあれば1日で数億倍以上に増殖する。人間の常識の通用しない小さくて強力なアナーキストである。

 発酵はサバイバルの知恵でもある。微生物の働きを利用して、人類は長い歴史を生き延びてきた。とりわけ下界から隔絶された過酷な環境ほど、発行のもたらす物質の保存作用や化学変化のコントロールが生存のキーポイントになってきた。

 隔離された環境で培われたサバイバル技術が、数百年の時間軸で蓄積することで、現代文明の価値観を覆すアナーキーな域に昇華する。僕はそこに人類の文化のしたたかさを見る。

 僕がバックパックをかついで旅を始めたのは、18歳の頃。退屈を持て余して巡ったアジアの国々は、僕の待ち望んでいた、度を超えた極端さを教えてくれた。
 食でいえば、人生初のバックパッカー旅で食べたタイの料理。本格的なスパイス料理に触れる機会のなかった日本人には涙が出るほどの辛さのグリーンカレー、酸っぱさのトムヤムクン。
 おっかなびっくり食べた、台湾の屋台街で50m先から臭う、鼻が麻痺するほどの臭豆腐の匂い。ベトナムでできた友人の家で囲んだ、ハーブやフルーツをあしらった目がチカチカするほどカラフルな食卓。

 大学の先輩から教わったビールやカクテルにようやく慣れた頃に、デザイン会社のバイトで上海にしばらく滞在したことがあった。その日の仕事が終わると、現地の会社の人が飲み会に誘ってくれる。そこで始まるのが、白酒(パイチュウ)という中国焼酎のエンドレス飲み比べ。アルコール度数50度を超える酒を杯になみなみ注いで「カンペイ!」の掛け声とともに一息で飲み干す。
 僕がチームを代表して飲み比べに臨み、飲み干すほどに喉が焼け付くような強烈なアルコールの妙味をこれでもか!と味わうことになった。何度か乾杯をくり返し、中国側の酒飲みががっくり崩れ落ちると拍手が上がる。ビジネスの接待の場では、飲み比べに勝利したほうが有利な条件で仕事を進められる習わしだと聞く。
 そうか、中国では酒に強いこともビジネスマンの条件なのか、とホテルに帰ってビールを飲み直しながら妙に感心した覚えがある。

 食でも仕事でも人間関係でも、日本は「ほどほど」の心地よさを大事にする。適度に品よく、後を引かず、あっさりと。しかし大陸アジアでは、裸のままの感覚が真正面からぶつかってくる。しかも場の文脈を無視して、当て逃げのように。

 文脈を共有できないままぶつかり合う価値観のなかで生きるアナーキーなたくましさ。アジアの旅で僕が魅了されたのは「ほどほど」の枠の外で生きる痛快さだ。

 僕の人生の分岐点にはいつもアジアがある。
 教室の空気に馴染めなかった高校時代、一番の仲良しだったのは中国の男の子だった。彼の家は文化大革命の混乱のさなかで日本に渡ってきた。お父さんは焼き鳥に使う竹串を製造する会社を経営していた。
 当時の僕の幼稚な経営者像といえば、自動車やコンピューター、有名ブランドのアパレルや食品の会社をやっているきらびやかな実業家。 えっ、竹串?と思ったが、よく考えてみれば日本中の焼き鳥屋さんが毎日使うであろう竹串の膨大さを想像してみるに、それが立派なビジネスであることが分かる。

 誰もが見向きもしないものに、価値を見出す。みんなが知っているカッコよさのなかで一番を競うゲームから降りて、ニッチを極めることでどんな環境でも生き延びるしたたかさ。
 僕もいつか、自分なりの竹串を見つけたい・・・中国のお父さんの生き様から学んだ「サバイバル竹串理論」が、僕の未来を生きる拠りどころになってきた。

 大学を卒業すると、僕は気ままに旅することをいったんやめて、東京でデザイナーとして生計を立てることになった。自分で仕事をつくっていく面白さもあったし、東京らしい華やかさもあった。しかしそれはみんなが目指すカッコよさのゲームであり、竹串ではなかった。
(中略)

 そんな折に、偶然会社の同僚だった味噌蔵の娘の導きで、僕は発酵の道に足を踏み入れることになった。無頓着だった食生活を改めて、味噌汁や漬物を食べる習慣をつけたら崩れた体調が整っていった。
 そこから発酵に興味を持ち、自分でも味噌や麹を仕込んだり、同僚の味噌蔵を訪ねるうちに微生物と人間の交わる世界の面白さにのめり込んでいった。





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Last updated  2024.12.17 00:59:24
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