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2025.01.24
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『「中国」という神話』という新書を、手にしたのです。
著者はモンゴル・オルドス高原生まれで、当然として中国人=漢民族嫌いなところが、この本を借りる決め手になった次第です。
著者は静岡大学の教授で、司馬遼太郎賞受賞の著作もあるようで、この本は単なる嫌中本ではないようです。
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【「中国」という神話】

楊海英著、 文藝春秋、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
「中華民族の偉大なる復興」を唱える習近平。しかし、その世界戦略「一帯一路」のターゲット、内陸アジアこそ中国最大のアキレス腱だ。歴史の改変、暴力による弾圧、洗脳教育、結婚外交ー「中国は巨大な一つの国家であり、その支配は正当だ」という神話づくりの数々を鋭く暴く。

<読む前の大使寸評>
著者はモンゴル・オルドス高原生まれで、当然として中国人=漢民族嫌いなところが、この本を借りる決め手になった次第です。

rakuten 「中国」という神話


冒頭の「はじめに」がP3~19と長いのだが、その中で内陸アジアから見た「中国」の続きを見てみましょう。
<2 本書の視点:内陸アジアから見た「中国」という神話> P13~15

■第三の手法「英雄」を自国化する
 第三の主人公は「チンギス・ハーン」である。
 中国は今、内陸アジアの「弟や婿」たちの歴史上の英雄を誘拐しては「中華民族の英雄たち」を祭ったパンテオンに迎い入れている。その代表が、モンゴルのチンギス・ハーンにほかならない。

 その人気は、かつて中国とソ連で「チンギス・ハーン」争奪戦まで起きたほどだ。モンゴル帝国がロシアを征服したことにより、中国人の皇帝(ハーン)なのか、ロシア人の皇帝(ツアー)なのかをめぐって、社会主義陣営内で論争が起きたのである。この政治的な論争に、当のモンゴル人はいつも蚊帳の外に置かれて歯がゆい思いをしていた。

 そして、今日の中国で『チンギス・ハーン』を祭った祭殿は、世界中からの観光客を迎え入れて「中華民族の栄光の歴史」を語るとともに、外貨を稼ぎ出すドル箱と化している。こうした実態を第三章で描く。

■第四の手法 地名と文字のイメージ操作
 第四章では、地名と文字による歴史の偽造と神話づくりを論じる。
 古来、中国人は内陸アジアの遊牧民に対して、「胡」や「夷」、それに「狄
」や「戎」のような言葉を用いた。それによって「野蛮人」っというレッテルを貼り、軍事的劣勢を、言葉の上で挽回、逆転しようとしてきたんである。

 では、それが進んで、モンゴル軍や満州軍に完全に征服され、元や清といった「制服王朝」を建てられた時、中国人はどう対処したのか。私はモンゴル人で、内陸アジア遊牧民の後裔であるが、中華の立場にも立ってみると、そのつらさはいかばかりかと思わざるをえない。
 それまで蔑んでいた「胡」や「夷」などを支配者として戴いた時に、中華の知識人たちも意識改革を迫られた。皇帝の王座に鎮座するご主人様とその原郷を何と呼ぶかは、死活問題となった。

 そこで彼らが取り組んだのが改名である。たとえばそれまで万里の長城に沿った地域は、「殺胡口」のように、ほとんどがマイナス・イメージの漢字で記されて7いた。気をきかした清朝の中国人はそれを、「殺虎口」に改め、満州人の支配者たちを喜ばせたのである。遊牧民を指す蔑称「胡」と「虎」は発音が同じだけでなく、「虎を殺つ」イメージは、満州人が「東北の森林の狩猟民」だった過去を彷彿とさせるからだ。

 現代中国の頭脳明晰な共産党員たちも、清朝期の読書人に負けない。彼らは「民族間の差別を無くす」という美しいスローガンを結党以来掲げて来た。一例を挙げよう。山西省北部と寧夏省北部には匈奴の時代から対遊牧民戦争の最前線の城塞があり、「平妖」や「平慮」と呼ばれていた。「妖」も「慮」も、私の遠い祖先に対する蔑称であるが、中華人民共和国になってから、それぞれ「平遥」と「平羅」に改称された。

 清朝時代は、中国人が差別的な地名を改めたりする努力をしただけでなく、満州皇帝のほうも次第に限りなく漢化し、しまいには母語の満州語を忘れて、中国語の話者になってしまった。
 満州人と中国人の相互融合と満漢の一体化は首都北京だけでなく、地方にも及んだ。地方では、満州人が相対的に少なかったので、満州人の同盟者であるモンゴル人と中国人=漢民族との政治的な接近が見られた。


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『「中国」という神話』1 :第一、第二の手法





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Last updated  2025.01.26 09:57:07
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