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2025.01.29
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カテゴリ: 気になる本
先日『「中国」という神話』という新書を読んだのだが、この本の著者・楊海英はモンゴル・オルドス高原生まれで漢民族に対しては対抗心を隠そうとはしないのです。いわゆる新疆人の怨念とでもいいましょうか。
その熱い思いが冷めやらぬうちに図書館で『モンゴルの歴史』という本を手にしたのです。
この本の著者は日本人なので、客観的なモンゴル歴史が見られるのではないかということでチョイスした次第です。
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【モンゴルの歴史】

宮脇淳子著、刀水書房、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
16年前に世界初のモンゴル通史として誕生、昨年はモンゴルでも訳書完成。今までも、これからも最高のモンゴル通史はこの1冊です!

<読む前の大使寸評>
この本の著者は日本人なので、客観的なモンゴル歴史が見られるのではないかということでチョイスした次第です。
rakuten モンゴルの歴史


「第1章 遊牧騎馬民の誕生」で匈奴帝国の歴史やモンゴル系かトルコ系かの分類について、見てみましょう。
P15~18
<匈奴帝国のしくみ>
 中国王朝の歴史は、紀元前221年、秦の始皇帝がはじめて天下を統一し、みずから「最初の皇帝」と名乗ったときにはじまる。「秦」が今の英語の「チャイナChina」の語源である。秦の始皇帝は、黄河の流域から長江の流域に至る、中原と呼ばれた地域の多くの都市国家を統一した。これ以前に漢字は誕生していたが、「中国」と呼べるような統一体はなかった。

 紀元前210年に始皇帝が死ぬと、中国の統一が破れ、各地に反乱が起きた。その中で、項羽と劉邦(漢の高祖)が中国の天下を二分して争っていた時期、北方の陰山山脈の匈奴部族の冒頓単于(ぼくとうぜんう)が、東の遊牧民東胡を服属させ、西方では月氏を討って、モンゴル高原をはじめて統一した。
 「単于」というのは、中国の「皇帝」に相当する。匈奴帝国の最高指導者の称号である。冒頓単于は、戦士30余万人を率いたという。

 冒頓単于の指導のもと、匈奴帝国の勢力は、東方では大興安嶺山脈を越えて、いまでは中国領になっている遼寧省、吉林省、黒竜江省一帯の狩猟民に及び、北方ではバイカル湖に、西方ではアルタイ山脈にまで及んで、モンゴル高原の遊牧民すべてを支配下に入れた。

 匈奴帝国は、多くの遊牧騎馬民の部族の連合体だった。司馬遷の伝えるところによると、単于の下には、左賢王、右賢王以下24人の部族長がいて、それぞれ多い者で1万人、少ない者で数千人の騎兵を率い、「万騎」(万人隊長)と呼ばれた。

 こうした大臣たちの地位はみな世襲で、その中でもっとも格が高いのはコエン氏族、蘭氏族で、これらに次ぐのは須卜氏族だった。これらの部族長は左右に分かれて配置されていた。
(中略)
<匈奴はモンゴル系かトルコ系か>
 モンゴル高原ではじめて遊牧騎馬民の政治連合体、つまり遊牧帝国をつくった匈奴は、モンゴル系だったか、トルコ系だったか、という議論が、かつてわが国の東洋史学界で話題になった。
 いまでも一般書では、匈奴にはじまって、鮮卑、柔然、鉄勒、契丹など、モンゴル高原で興亡を繰り返した遊牧騎馬民について、モンゴル系かトルコ系か、とりあえず決めて叙述する。しかし、この命題には、重大な欠陥がいくつも存在する。

 まず第一に、その系統が、人種のことを指しているのか、言語のことを指しているのか、はっきりしないことである。

 第二に、モンゴルもトルコも、匈奴よりも後世に誕生した遊牧騎馬民の名称である。かれらより古い時代の遊牧民が、どちらに属していたか、どうして決められるだろう。
 どちらかに決めようとしている人たちにとって、分類の基準は、人種の場合だと、形質学的特徴が、現在のモンゴル民族とトルコ民族のどちらにより近いか、ということになる。ところが、人種の区分でいえば、現在トルコ系に分類される人びとは、さきにソ連の研究書を例に述べたように、大なり小なり、モンゴロイドとコーカソイドの混血である。
 古い時代に中央ユーラシアにいたコーカソイドが西方と南方に移住し、そのあとでモンゴロイドの遊牧騎馬民が広がったと単純に考えると、西にいくほどコーカソイドの血統が強く残っていることになる。
 一方、モンゴロイドという名称のもとになったモンゴロイド民族も、現代に至るまで、中央ユーラシアのさまざまな人種と混血してきたのだ。古代の遊牧民を、モンゴル系かトルコ系かに分類するなどということは不可能だ。

 言語の系統の場合でも、分類の基準は、現代モンゴル語と現代トルコ語のどちらにより近いか、ということにすぎないのだが、中央ユーラシアに住む人びとの言語を、モンゴル系とトルコ系に分類したのは、19世紀のヨーロッパの比較言語学者たちで、その研究の動機は、インド・ヨーロッパ語族に分類する言語と区別するためだった。


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匈奴と呼ばれる遊牧騎馬民はモンゴル系かトルコ系か、どちらなのかという命題はさておいて(命題には欠陥があるとのこと)・・・
以前の日記( 文字を持っていた突厥帝国 )でトルコ系遊牧民・突厥に触れていました。


■遊牧民の巨大碑文発見 「我が土地よ、ああ」突厥刻むモンゴル
8世紀中ごろのトルコ系遊牧民族「突厥(とっけつ)」の巨大な碑文をモンゴル東部の草原で発見した、と大阪大大学院の大澤孝教授(古代トルコ史)が16日発表した。中国の隋・唐の各帝国と時に対立し、時に結びながら中央アジアを支配した突厥の国家体制や制度を解明する貴重な史料となりそうだ。


2013.07.17XML
文字を持っていた突厥帝国
https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201307170000/





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