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歩世亜さんComments
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図書館で『小説新潮 1 月号』という本を、手にしたのです。
表紙にあるとおり、新春短編玉手箱という軽くて読みどころが多い ( ような ?) コピーに惹かれたわけです。
<table border="1"><tbody><tr><td width="550" height="50">
【小説新潮 1 月号】
webp 画像につき開示できず
雑誌、新潮社、 2026 年刊
<「 BOOK 」データベース>より
雑誌につきデータなし
<読む前の大使寸評>
追って記入
rakuten<a href="https://books.rakuten.co.jp/rb/17361998/"> 小説新潮 1 月号 </a></td></tr></tbody></table>
山脇りこさんの「ソロソロ、ひとり」というエッセイ集の途中から、見てみましょう。
<table border="1"><tbody><tr><td width="550" height="50">p243 ~ 245
<font color="brown"> < 80 の手習い> </font>
85 歳、ひとり暮らしの叔父が、ふるさと長崎にいます。叔母が亡くなり、子供もいないので、 70 代後半からひとり暮らしになりました。世代的になのか、九州だからなのか、それまで、家事一切、ほぼやったことがなかったと思います。
ひとりになってしばらくは、ごはんは炊けるので、なにかおかずを買ってきたり、冷凍食品を温めたり、あるいは姉である私の母のもとに食べに行ったりしていたよう。たあ、朝だけは自分流にいろんな健康情報をもとに食材を組み合わせて、自分で用意していたそう。
りんごと小松菜、豆乳をミキサーにかけたスムージーのようなもの、ヨーグルトにはちみつ、トーストにジャム、そしてコーヒーか紅茶。これを聞いて、うーむ、なかなか素晴らしいじゃないかと思いました。
そこに気力とやる気を感じ、以前出版したひとり分のおかずを集めた本や、減塩料理の本をプレゼントしました。
東京のような都会と違う、長崎のこと。近所にいい感じの定食屋さんもありません。お酒もあまり飲まない。となれば自分で作るのがいいのではないか、と思ったのです。
なにしろ 80 歳になっても、1ミリもボケを感じさせない人で、コミュニケーションもスムーズだし、歩いてどこへでも行ける。つまり買い物も問題なし。買ってきて食べる“中食”にも飽きたのか、叔父は少しずつ料理をするようになりました。
肉を焼く、魚を焼く、青菜をゆでてポン酢で和える、といった簡単なものから始めて、様々な具のみそ汁、肉じゃがやカレーも作るように、キャロットラペやポテトサラダが得意料理になって、母のところに持ってきてくれるまでになったのです。
( 中略 )
これは叔父だけの特性なのか、男性にありがちなのか、細かく教えてもらう=指導ととらえがちで、好きじゃないようでした。だから、料理はおおむね本やネットやテレビを見ての独学。うまくいかなかったときに、ぽろっと出る疑問に答えると、なるほどーと。そしてまたやってみる。ひとりで、家で、コツコツとやるのがとても楽しいようでした。
( 中略 )
「料理は、もっと大変かと思っていたけど、そんなことはない。楽しいことじゃないか」とやや威張り気味で言う叔父を見て、自分が食べるものを、自分で作れる、それって自信につながるのかなと、思うようになりました。
<font color="brown"> <ラインで料理報告> </font>
83 歳になったとき、周囲の反対を押し切って、ものすごく心配させながら、 1 ケ月半、タイとラオスをなわるひとり旅へ、そしてこれを見事に楽しみ、無事に帰国し、周りを驚かせました。私は自分はこんな風に 80 歳を過ぎても旅ができるだろうかと思い、叔父から話を聞きながらただただ感動しました。
それが、 85 歳の今になって、肺に病が見つかり、これまでより外出が制限されるように。要介護認定も受け、掃除や食材の買い出しはヘルパーさんにお願いすることが増えたそうです。それでも「料理するのは自分だよ」とのこと。
高血圧などいくつかの持病もあるので、最近は自分の料理に加えて、宅配の塩分控えめおかずも活用しているようです。
宅配のおかずに、自分で作ったサラダといった具合。そんな、今日はなにを作ったか、どんな献立にしたかという話をラインで 1 日 1 回交わしています。
( 中略 )
彼にとって残された身内が私ともうひとり、つまりふたりの姪だけ、という事情もあるけど、私は「料理」でそれまでにも増してつながった気がしています。
私が旅を愛するようになったのは、若いころから世界を旅していた彼の影響が大きく、これまでは主に旅の話をしていましたが、彼が旅に出るのが難しくなった今はもっぱら料理話。
</td></tr></tbody></table>
『林業がつくる日本の森林』(復刻) 2026.10.14
『本は友だち』(復刻) 2026.10.13
『他者の靴を履く』(復刻2) 2026.10.12