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DHHUその10ケンのパーティー勇者(サモナー型):ケン戦士:ラーニー僧侶:アンディ魔術師:ネスター ケン、戦士ラーニー、僧侶アンディ、魔術師ネスターの4人は鴨川の近くにある会員専用焼肉店に通されていた。「おい、センジョー。こんな所に呼んでどういうつもりなんだ?」 ケンが言った。目の前には張り付いた営業スマイルのビジネススーツ女。「私(わたくし)センジョーグループ広報担当の紅 葉茄(くれないはな)と申します。ここでお待ちくださいシーア財団勇者御一行様」 一礼すると部屋から出ていく紅。「あの女、人間じゃないな。恐ろしく巧い魔力隠蔽、オレじゃなきゃ見逃しちゃうね」 アンディが言った。「ケツがいいなあの女。人間じゃなくても全然いける」 ネスターは早速椅子に座って背もたれに体重を預ける。「殺気は感じませんでしたね。それにしてもこの店他に人の気配が殆どしないのが不可解です」 ラーニーは指の関節を鳴らしながら言った。「協力者が来るって話だけど……誰とは聞いてないな」 ケンはカードを触りながら部屋の壁にもたれて言った。 ――数分後。 再び紅が現れた。「勇者御一行の皆さま、お連れしました」 続いて現れたのはクラシカルなビジネススーツを着た長身の金髪男性、それと細かく丁寧に刺繍が施された漆黒のワンピースを着た少女。「……」 漆黒ワンピースの少女の目力の強さに言葉が出ない勇者一行。「私は黒谷ジークベルト」 胸に手を当てて静かに言う男。「黒谷月だ……」 少女は射貫くような視線で圧をかけながら通る声で言った。「かけるがいい、話はそれからだ」 ケンより年下に見える黒谷月が言い放った。 左右に分かれてテーブルを囲んで席に着く。 ケンは黒谷月の洗練された一挙一動から目を離せなかった。「(なんだあいつは……)」 「紅さん、進行をお願いします」 ジークベルトが言った。「では始めます……シーア財団の追う【凶】の残党が真邪王の邪眼を持って京都に潜伏しているとの事。勇者御一行は事態が大きくなる前に京都のエクレシアとセンジョーと協力しこれを早期解決したいという話ですね」 壁に資料を映し出す紅。「センジョー側は紅さん、この私、黒谷ジークベルト、月様が代表として話を聞きに来ました」 ジークベルトが言った。「【凶】の事は知っている。勇者セイの事もな。だから手短に話せ。我らに何をさせたいのかしてほしいのかを」 全員を見つめながら月が言った。「え……と」 言葉が出てこないケン。「いやいやいや~空気悪すぎでしょ! 紅サン、それにジークベルトサンに月チャン。 もちっと楽に話しましょうぜ楽~に! ふざけるつもりはねーけどこんなもん話する空気じゃないっしょ」アンディが言った。「そうそう! とりあえず酒頼もうよ酒! 紅ちゃん注いでくれる? 月ちゃんはジュースでも飲むかい?」 ネスターが言った。「やめないか二人とも! 月……様の殺気に気がつかないのか!!」 ラーニーが言った。「今の我は只の黒谷月。ある程度の事は我慢しよう、だが限度はあるぞ」 月の瞳は血液のように濃紅に濡れている。「【凶】の持ってる邪眼のせいで! き、危険が及ぶんだ! 君のような強力な妖が特に!!」 絞り出すような声で叫ぶケン。「何?説明してみろ童」 月は静かに言った。 ケンは資料を見せながら時々ラーニー、アンディ、ネスターに助けてもらいながら必死に真邪王の邪眼の危険性について説明した。「……成程な。【凶】の真邪王の邪眼についてはそこまで知らなかった。では見つけ次第ジンガを始末してお前たちに邪眼を渡してやる、それで良いか?」「本当に気を付けなきゃ駄目なんだ……君がジンガより強くても真邪王は侮ってはいけない。この世で最も邪悪な存在だから!」 ケンは汗だくになりながら必死に月と目を合わせて言った。「よく解った。お前の必死の訴え、心に留めておこう。その表情、セイによく似ているな」「え……俺が父さんに似てる?」「ああ」 ケンは月の一言にこみ上げるものがあった。「よろしいでしょうか?」 紅が言った。「シーア財団は我々センジョーグループと業務契約という形になりますが、こちらの書類に目を通し問題が無ければサインをお願いします」 そこには報酬に現金とシーア財団の持つアーティファクトを要求すると書かれていた。「これは……流石に俺の一存では決められない。一旦財団に話を持って帰ってもいいかな?」 ケンが言った。「構いませんがこの書類の持ちだしはお断り致します。」 「話を持って帰っても良いのですがその間に身に降りかかる火の粉を払い我々がジンガを始末した場合は必ず書かれた報酬は頂きますよ?」 ジークベルトが言った。「待て、そんなに時間はかけない。この部屋から出てすぐに作戦司令部と話をするだけだ10分、いや5分待ってくれるだけでいい」 ケンが慌てて言った。「解りました、では休憩と致しましょう10分後にこの部屋に。建物から出ないようにお願いします」 紅は張り付いた笑顔のまま言った。 慌てて退室するケン、続くラーニー、アンディ、ネスター。月はその姿を見てジークベルトに目配せする。 端末から作戦司令部に繋げるケン。「父さん」『どうしたケン。何があった』「センジョーの者らと会った。契約書を突きつけられてさ……その事で相談したいんだ」『話してくれ』 ケンは個室であった事を出来るだけ細かく話した。『……そうか。今の話財団の上層部も聞いていたがやむを得ない出費との事だ。黒谷ジークベルトは強力な黒魔術師だ。黒谷の里出身で忍術にも詳しい、彼の事は財団も良く知っている。紅葉茄は恐らくセンジョーの代表・酒呑童子の配下、鬼の系統だろうな』「父さん! ジークベルトと紅の事は解った、俺が知りたいのは黒谷月だよ!!」『話だけでは何とも言えんが……思いあたる者はいる。しかし……』 セイがそこまで言った時ケンの目の前に黒い渦が現れそこから黒谷月が現れた。「あ!」『どうしたケン』「その……」 慌てるケンから端末を取る月。「映像通話に切り替えてくれ」「え? わ、解った」 ケンは端末を操作してビデオ通話に切り替える。「久しいなセイ・シーア」『君は……まさか本当に……』「この姿の事か? それとも我が存在している事か?」『その顔にその声……君しかありえない。白峰華月』「ふふ……正解だ。事情によりその名前は使えんがな。貴様は老けたな」 セイの記憶に強烈に刻み込まれている銀髪深紅の瞳の少女。容姿、声、所作、戦闘力、人間とはどこか違う価値観。記憶の中の白峰華月は成人したての比較的小柄な若い女性の姿であったが携帯端末越しの姿は明らかに幼い子供姿。それでも白峰華月でしかありえないと思った。『聞きたいことは山ほどあるが……華月、君が協力してくれるならこれほど心強い事は無い』「本当か? 貴様の息子は我の身を案じておったぞ」『それは他の真邪王の邪体ならともかく邪眼は君にとっても危険だからな。昔、君と協力してダンジョンを攻略した時は既に邪眼は封印状態だったから話す機会も無かったんだ』「そうか、理解した。十分警戒するとしよう。もう少し貴様と話をしたいところだがこの場ではそうもいかんだろうな」『ああ……』「本題を話そう、我としては貴様の息子に協力するのはやぶさかではない。だがこれはシーア財団とセンジョーの商談だ。我は自由の身ではない……言いたいことは解るか?」『……まったく君は昔から変わらないな』 セイは月の言葉から想像する。自由に行動できる身では無いが案件があればその間はある程度の行動制限は解除される。交渉の場に姿を現したのは自分自身を売り込み案件の間だけでも動きたいからだ。それほど彼女は窮屈な思いをしているのだと。「貴様の息子、あの当時の貴様と同じ顔をしておったぞ」 月はケンを横目で見ながら言った。『ケンが……そうか。それにしてもうれしそうだな華月。あの時ダンジョン攻略に誘った時、君は今と同じ顔をしていたよ』 月の不敵な表情は子供が得意気に技を見せる前のものにも、獲物を見つけた猛獣のようにも見えた。「あの時は当主としての束縛があった、そして今は別の理由で自由に行動できぬ。仕事があればその間は我はある程度自由になれるのだ戦えるのだ」『君が今どのような状況なのか解らないがあの時のようには動けないかもしれない』「む、何故だ? 【凶】の壊滅を望んでいるのだろう?」『それは勿論だが真邪王の完全封印こそが財団の最終目的だからな。危険度の高い邪眼の取り扱いは特に慎重にしなければならないんだ』「……我を少しでも邪眼に近づけたくないのだな」『すまない』「貴様の態度で財団は我らを戦力として協力して欲しいわけではないと解った。周囲の妖の者にも警戒を促し出来るだけ邪眼に関わらないようにさせたいのだな」『理解が早くて助かる』「だが、ジークベルトも言っていたように身に降りかかる火の粉は容赦なく払うぞ」『ああ、その時は君に任せる』「よし」『華月、ダンジョンへは勝手に入らないと約束してくれないか? やむを得ず入る時は私か、息子の勇者ユウ、ケン、もしくは財団に教えてほしい。事後報告は無しで頼む』「……いいだろう」 ほんの一瞬、見た目相応の子供のふくれっ面を見せる月。『その姿の君はあの当時よりもいささか子供に感じるな。やはり見た目に引きずられているのか』「我は変わったつもりはないのだがジークベルトや他の従者の態度を見るにそうかもな」『そうか。ではケンに代わってくれないか。近いうちにまた話そう華月』「ああ」 携帯端末をケンに渡し「席に戻っているぞ」と言い残し黒谷月はその場から去った。「父さん、あの者と知り合いだったのですね」 ケンは小声で言った。『ああ、白峰華月とは俺が勇者になりたての頃に出会い共にダンジョン攻略をした』「そうだったんだね……それで白峰華月とは何者なのですか?」『この国に古くから存在する妖と人間の混ざった存在だ。1000年以上続いている家で人間と妖の間に立ち、争いを治めてきた。白峰華月は白峰家歴代最強の存在と呼ばれていたのだ』「異質だとは思いますがそれほどの存在とは……あの姿では想像できません」『私が昔会った時、華月派大人の姿だった。何があったのか解らないがな』「見た目と反してとても好戦的に感じました」『ああ、昔もそうだった。だがもう少し落ち着いた振舞いだったな。やはり先ほど華月にも言ったが外見に性格が引きずられているように思える』「危うさも感じます」『……うむ、白峰華月の取り巻きは大変だろうな。あの姿となった華月よりも本当に幼かった時は周りは手を焼いただろう。小さな子供が大量破壊兵器を持っているようなものだからな』「父さん俺はどうすれば……」『華月は非常に好戦的だ、敵と認識すれば即排除に掛かる。だが話が通じない相手ではない臆せずに真正面から真摯に伝えれば大丈夫だ。繊細な一面もあるから言葉は選べ』「はい……」『なに難しく考えるな、機嫌が悪い時の母さんを相手にすると思え。似たようなものだ』「うん、わかった」 トイレと喫煙所がある方向の廊下にラーニー、アンディ、ネスターが居た。「で、どうするんだ勇者よ」「あの子供どこかで見た気もしないでもねえっすなぁ」「ガキに興味はねーなぁお仕置きしてわからせるのは嫌いじゃないが」 三人とも落ち着きのない様子で言った。「作戦司令部と相談した、契約しようと思う」 ケンは皆の顔を見てハッキリと言った。「協力者は多いに越した事はないからね」「あの黒谷月って子供……思い出せそーなんだけどなー」「センジョーってアイドルグループかかえてたよな? ワンチャン会えねーかね?」「皆聞いてくれ、あの黒いドレスの黒谷月って女の子は白峰華月といって……」 ケンは父親のセイから聞いた話を三人に聞かせる。「とんだ大物って訳だ」「マジ? ガチ? 白峰華月って死んだんじゃなかったけ?」「あ~白峰家ねまぁまぁ名前くらいは知ってたわ。器量良しの家系だからな」「かなり接し方に気を付ける必要があるとの事なんだ。だからあの子と話すのは俺に任せてほしい」 ケンはアンディとネスターを見て言った。「元エクレシアの者としては白峰華月がどういう存在がよーく知ってるつもりだよ、変な事言わねぇって」「子供は趣味じゃねーから安心しな」 ―10分が経ち、席に戻るケン達。ふくれっ面の黒谷月と無表情のジークベルト、張り付いたような笑顔の紅が待っていた。「契約内容には合意する。財団は金とアーティファクト1つを提供しよう」 ケンが言った。「その事なんですが……B案をこちらで用意しました」 紅がスクリーンに資料を映し出す。「センジョー主催のイベントに参加して頂ければ現金もアーティファクトも必要ありません。ただし丸一日拘束され身の安全は保障しかねますが」続く
Apr 21, 2024
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DHHUその9ユウのパーティー勇者(着装型):ユウ『過去幻影の魔眼』武闘家:ハオラン『ハイエナ獣人化』死霊術師:サイガ『イタコ』錬金術師:ドウェイン『医師』 各自、ライトを体に装着し薄暗いダンジョンを進んでいく。「普通のこういった狭い穴倉は酸素の心配があるが……ダンジョンは別なんだな」 ハオランが言った。「異空間結界は元の場所の環境が基準になってるし何より作った者が居られない環境には出来ないんだよねーもしできたら宇宙空間のやつ作って入った瞬間ジ・エンドできるし」 サイガが言った。「クソ暑い異空間結界作ってもマグマの床とかありえないし精々サウナ位じゃない?それでも長時間はいってたらヤバいけど。仕掛けとしてマグマが噴き出すとかはあるかもね」「なるほど、トラップは本人が知ってるから回避もできるし設定できるって訳か。って事は【凶】のダンジョン造れるやつが強ければ強い程厄介なダンジョンができちまうってか」「まーそう言う事。あーしが一番怖かったのは縦穴の深い底が豆粒ほど小さく見えるダンジョンだったね。張り巡らされた蔦とか蔓を辿って最下層目指すんだけど配置された敵が巨大吸血羽虫と棘を発射してくる食虫植物でね……大変だったよ。ダンジョンを造ったのは先代【凶】の首領の側近である死天王の1人だった」「【凶】の死天王……」 ユウが言った。「死天王は全て死んだから今はジンガしかダンジョンを造れないはず。つまりここを攻略出来たら他も同じようなダンジョンで難易度もそんなに変わらない」「そうだろうね、だけど真邪王の邪眼を使って超強力な妖とかを下僕にしたらヤバいよ。毒の中でも存在できたり高温や超低温でも平気な妖に超高難易度のダンジョンを造らせることができるからね~」 サイガが言った。「クマムシのように過酷な環境でも生き残れる妖がダンジョンの主となるのは考えたくもないな」 ドウェインが言った。 トンネルを進んでいくユウ達、時々現れるミミズの怪獣を撃退しながらモグラ忍者を探す。「ただのトンネルダンジョンなのかな」「敵も大したのはいねぇ感じだな。ミミズもデカいだけで遅いし脆い」「攻略に時間を掛けさせるタイプだねぇこれは。あーしらが弱ってきたところで仕掛けてくるんだろう」「どうすれば? 適当に暴れてみる?」 ユウが言った。「それも一つの手だけど……よーく観察すれば攻略の糸口が掴めるもんだよ。たとえばそこの壁、ほんの少し色が違うでしょ? モグラ忍者が掘って埋めた後じゃないかな」「ホントだ……」「しぃ! 静かに……何か聞こえる」 ドウェインが刀を構えて言った。「そこだ!」「ピギイイイイイイイ!」 右側の壁を突くドウェイン。土壁から悲鳴が聞こえた。「またミミズ!?」「いや、違った手ごたえだった」ドウェインは抜いた刀身を眺めて言った。「センセ(お医者様)やるじゃん!」 トンネル全体が揺れ始める。「今のでモグラ忍者に当たった?」「のたうち回ってるのかもな!」「ムン!」 背後から迫る気配に向かって抜き打ちの一撃を放つドウェイン。火花が散った。「ピギギギー!」 最初に姿を見せたモグラ忍者とは別のモグラ忍者がドウェインの刀を短槍で受け止めていた。「ヘッ! おでましか! そして前方からモグラ野郎の匂いがするぜ!」 瞬時にハイエナ獣人に変身するハオラン。飛翔してきた手裏剣をヌンチャクで叩き落とす。「ピギャアアアアア!」 天井から飛び出すモグラ忍者、ドウェインの突きで片目が潰れている。鉄爪を構えてサイガに襲い掛かる。「おっと、そんな程度じゃあーしに不意打ちできないって」 召喚した骨武者の槍がモグラ忍者を横殴りに打つ。弾丸ライナーめいて吹き飛びトンネルの壁面に激突した。「全部で三匹かモグラ忍者は……」 ユウは剣を構える。「数ではこっちが有利だぜ、一気に仕留めちまおうぜ!」 ハオランが手裏剣モグラ忍者に飛び掛かる。「ピッギー!」 モグラ忍者は一斉に散開、高速螺旋回転で地中、壁に入って行く。「クソ! これじゃまた逃げられる!」「大丈夫任せて! 【過去幻影の魔眼】発動!!」 地中に飛び込む前のモグラ忍者の幻影を浮かび上がらせるユウ。その幻影に向かって剣で斬りつける。「ピギギギギギギーッ!」 幻影は真っ二つ。それと同時に地中でモグラ忍者の声が聞こえた。「いいぞユウ!」 残りの二匹の気配は遠ざかっていく。「やった……」「大したもんだね~勇者の魔眼ってのは。だけどこれで敵はもう油断しなくなったよ今まで以上に気を引き締める必要があるね」「敵自体はそれほど強敵でもないが中々面倒だな」 ドウェインは刀身を拭って鞘に納める。「ボス部屋でドンと構えてくれてたら楽なんだけどなぁ~」「そう言うのも居るけどね。そのタイプは間違いなく出くわしたら倒すまで脱出出来ないし追い詰めたようで追い込まれてるから想像以上に緊張感ヤバイよ」「待ち構えてるって事は準備万端だし自分が有利な展開に持っていける仕掛けや戦術を練りこんでるんだもんなぁ……ゲームみたいにトライアンドエラーって訳にはいかないもんな」「解ってるならいいんだよ。変に自信満々で突き進まれても困るからね」「才賀殿を仲間に選んで正解だったな勇者殿」「マジそう思うぜ、最初見た時ヤバそうなギャルだと思ってたけどユウの見る目はあるって事だぜ」「へへ……父さんとパーティーを組んだ人だって知ってたから。ハオランもドウェインも俺は組んでよかったって思ってるよ」「これはこれは……益々頑張らねばなるまいな」「へっ! 任せな!!」 横では色の変わってる土壁を骨武者に調べさせているサイガ。「今このモグラが掘った箇所から呪力を辿ってるよ……」 それを聞いたユウ達はサイガの周りに立って警戒する。「このダンジョンは……二階層っぽいね。良かったよそれほど広く無くて」 サイガは地面に簡単な図を描く。「今いる階層から斜め下……南にもう一つあるっぽい。残りのモグラはそっちに居るかも」 ドウェインはサイガの顔を見て眉を顰める。「どうした? 調子が悪そうだが?」「大丈夫大丈夫、久しぶりに濃くてえげつない呪力触ったから吐き気しただけ」「ならいいが、ダンジョンはあまり長居するべきではないのは常に言われているしな。焦らず出来るだけ急いで攻略しよう」 サイガが触れたのは真邪王の残滓であった。昔よりも邪悪さを増していると感じた。 ミミズ、幼虫の怨霊怪獣を撃破しながら進む。緩やかな坂を下りるとダンジョンは明るさを増し、まるで高速道路のトンネルを思わせる人工的な雰囲気へと変わった。「明るくなったのはありがたいけど……」「ああ、殺気バリバリだな」「仕掛けてくる気か」「モグラ共の反応は近いよ」「ピギー!」「ピギギー!」 トンネルの左右の壁が開きそこから巨大な影が飛び出した。3mを超える人型フレームに乗るモグラ忍者二匹。工業用のものを改造しただけの骨格と機構が剥き出しの機体である。片手が削岩ドリル、もう片方は3本指のマニュピュレーター。「そっか、この場所は山の中に造った廃棄物処理施設……トンネル掘る用の人型フレームがあってもおかしくないか」 ユウは獅子王を着装する。「院瀬見の多目的人型フレームか。安価で部品の交換もしやすくメンテナンス性もいい……性能はカミナ(神名)製に比べると大きく劣っているがカスタムパーツも多くて拡張性に優れている。建築現場でよく見る型だな」 ドウェインは眼鏡を上げながら言った。「サイガとドウェインは下がって回避に専念! 俺とハオランでアイツらに攻撃する!」「ユウ、スイカ爆弾をくれ。それであの人型フレームを止める」 両足のキャタピラで走行する二体の人型フレーム。モグラ忍者は短い手足を器用に使って操作している。「コクピットはガチガチに守られてるが……所詮は作業用!色んな所が剥き出しだぜ」 ドリルの攻撃を回避するハイエナ獣人ハオラン、軽業めいて頭部のコクピットを踏み背後に回る。そこでユウから召喚されたスイカ爆弾を2個受け取った。「おらよ!」 人型フレームの水平薙ぎ払いを回避しながら膝裏の機構部にスイカ爆弾を突っ込む。「ユウ今だ!」「OK!」 スイカ爆弾を爆破させるユウ、人型フレームは膝から崩れ落ちる。 もう一体の人型フレームがユウに迫る。「ムン!」 ドウェインは錬金術でユウの前に坂を作り飛び越えさせる。「ナイスだセンセ!」サイガが叫ぶ。 下手に壁で行く手を阻むと派手に転倒し巻き込まれる危険がある。そう判断したドウェインはジャンプ台になる坂を作りユウを飛び越えさせた。勢いの付いた人型フレームは急ブレーキが間に合わず壁に激突、コンクリートの破片をまき散らした。「ここだ、うおおおお! 凄剣イクスバーン!!」 黄金剣の光波を放つユウ。水平に放った光波は装甲の無い腰の機構部に命中。ケーブルとチューブが切断され火花とオイルを飛び散らせる。「ピ、ピギーッ!」 パニックを起こし人型フレームを操作するモグラ忍者、ドリルで壁をえぐり取り旋回を試みるも下半身は動かずバランスを崩して仰向けに倒れる。「もう一丁! 凄剣イクスバーン!!」 ユウの目の前に倒れた人型フレームのコクピット。黄金剣の輝きを見たモグラ忍者は慌ててハッチを開き脱出を試みるも【過去幻影の魔眼】で凄剣イクスバーンの光波を受けて消滅した。「ハオラン!」「クソ堅えコクピットだぜ!」 ヌンチャクの連撃を叩き込んでいるハオラン。片足が動作不能となった人型フレームは膝をついた状態でハオランを払おうとドリルの手を振っている。「これを使って!」 スイカ爆弾を連続で転がしていくユウ。ハオランはそれを人型フレームの攻撃を避けながら受け取りコクピット目掛けて投げ込んでいく。「ピギイイイイイイ!」 人型フレームの両腕をめちゃくちゃに振り回すモグラ忍者、全て見切り回避するハオラン。「凄いやハオラン!」「これくらい姉達との特訓に比べれば全然だぜ!!」「ピギィイイイイイ!」 モグラ忍者はやぶれかぶれになりコクピットから飛び出し小刀を構えてハオランに斬りかかる。待ってましたとばかりに構えたハオラン。「ホアアアアアアアアア!」 回転蹴りのカウンターを決め人型フレームのドリルに激突させる。叩きつけられたモグラ忍者は大量の血を吐いて地面に倒れ消滅する。「ふ~やったぜ!」「これでダンジョンは消えるはずだよ」 しかしユウはまだ警戒している。『パチパチパチー! おめでとうなのです!』 真邪王の声が聞こえる。『チュートリアルの次にこのぬるめのダンジョン……着実に経験を積んでるのですよ勇者』「真邪王……どこだ!」『ここなのです』 人型フレームの影からぬるりと現れたのは光沢のある紫色の髪をしたユウと同じくらいの年齢の少女。飾り気のない黒のワンピースを着ている。「く……真邪王……」『勇者、この姿やっぱり気に入らないのですね』「その姿と声をやめろ!」『勇者がもっとも嫌な姿になるのが真邪王なのです。もう一人の勇者ケンもこの姿嫌だと思うのです』「絶対に倒してやるからな真邪王!」『楽しみなのです! このダンジョンで色んな事知れたし次に会う時はサプライズ用意しとくのです!』 真邪王の気配は消え姿はオイルとなりその場で地面に広がっていった。*** ダンジョンの消滅と同時に一行は廃棄物処理場の真ん中に立っていた。「まずはダンジョン一つ攻略だな」 ハオランが言った。「ジンガへの手掛かりはなかったけどね。収穫無しだ」「そんな事ないよ、収穫はあった」 サイガが言った。「このダンジョンが最初で良かった。経験を積めたし真邪王を見る事が出来た。あーしもセンセも次はもっとユウと合わせて動く事ができる。パーティーの絆高まったからね」「無駄足では無かったな。勇者はもう一人いる、我々がダンジョンに挑んでる間に何か進展があるやもしれん。悲観することはない」「そうだぜユウ!」「そ、そうだね」「今後の為にもユウには真邪王のあの姿について話してもらう必要があるよ。言いたくなくても話してもらわない事には対策が立てられないからね」 サイガは髪飾りを弄りながら言った。「……わかった。うまく言えないしどうしても言えない部分があるかもだけど話すよ」「とりあえずギルドに戻ろうぜ。話は部屋でゆっくり聞かせてもらう」「う、うん。じゃあ戻る前に作戦指令部に連絡するよ」 ユウは端末を操作する。『ユウ、異空間結界(ダンジョン)の消滅を確認した。よくやったな……』 セイの労いの言葉に別の感情が含まれている事に気づくユウ。「父さん何かあったの?」『ああ、ケンのパーティーでトラブルだ。ともかく戻ってこい話はそれからだ』続く
Apr 14, 2024
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DHHUその8ユウのパーティー勇者(着装型):ユウ武闘家:ハオラン死霊術師:サイガ錬金術師:ドウェインケンのパーティー勇者(サモナー型):ケン戦士:ラーニー僧侶:アンディ魔術師:ネスター ユウのパーティーは異空間結界(ダンジョン)探索から始めていた。「【凶】のダンジョンは呪力が集まっている場所に作られるから……」「人の多い所や負の感情が集まりやすい所死人が多く出た所強い恨みを持って死んだ者が居る場所だよね~」 ユウはサイガと一緒に携帯端末を見ながら言った。「京都は歴史の古い街……どうやって探すんだ? 呪力のたまり場なんてそこら中にあるんじゃないのか?」 ハオランは頭を掻きながら言った。「選別は出来るんよ。古いのは置いといて新しいのにターゲット絞ればそんなに多くない、ましてやダンジョンなんてでっかい呪力のたまり場は数えるほどね」 サイガは携帯端末を指さして言った。「へぇ~」「さ~て地図と探知機を合わせて……と」 サイガはわざわざ紙の地図を取り出し何かの骨で出来た振り子を上にかざす。「あーしはこっちのが向いてるからアナログでやってっケド荷物多くて大変なんだよね」「あのキャリーバッグは旅行気分で持ってきたのではなかったのか」 ドウェインが呟いた。「センセ(ドウェイン)は異常に荷物少ないよね? ミニマリスト系?」「両手は常に空けておきたいのでね。最低限必要なものは衣服に仕込んでいるし、かさばるものは素材だけ入れた小さなカバンを身に着けて使う時に錬成する」「え~錬金術うらやま~……あーし断捨離出来ないから錬金術覚えて収納したほうが良いかも。娘にはゴミ部屋って言われてたし」「そういえばサイガって娘いるんだっけ?」 ユウが言った。「公務員になった娘がね。あーしとしては大学行ってほしかったんだけど本人が大学行くよりもやる気出しちゃってさぁ~なんか東京の秋馬原島のオータムホースシティ?に配属されるんだって」「え、ってことは娘って俺よりも年上!? サイガ何歳なの?」「あ~あ~ガキンチョは素直だけど女に脊髄反射でトシ聞くとかデリカシーないのがちょいウザ。まぁ答えるけど30ちょっと」「ってことは……」「はいはいそーゆーやりとりもう何億回やったし。あーしは後悔してないしあんときはそれがベストだって考えたんだし。言っとくけど超純愛だから」「え、なんかごめん」「ちっちゃい頃から好きだった男が余命3カ月の宣告受けてさぁ~一緒に大人になって人生歩んでいくんだと考えてたんだ。めちゃくちゃ泣いたしありとあらゆる治療法調べたよ子供ながら。でもそんなのは男の方はとっくにやってて覚悟決めた後あーしに話してくれてたんだよ。あーしは一生のお願いを男に使って娘を授かったわけ」「周囲の反対は凄かっただろう」 ドウェインが言った。「まーね、でもあーしはやると決めたら絶対に曲げない女だから。あん時の無敵感溢れるパワーってあの頃特有のもんだよねそのおかげでなんとかなった周りの大人にはめちゃくちゃ迷惑かけたと思うケド。子育ては死霊術使いまくりで乗り切ったおかげで鍛えまくられて財団にスカウトされた訳」「つえーな……俺んちの姉さん達思い出すぜ」 ハオランが言った。「あーしの話はもういいっしょ。ダンジョン探索ダンジョン探索っと」 サイガの振り子は山の中を指示した。「あら? 山の中だね。市内じゃない……」「他のダンジョンは?」 ユウは自分の携帯端末と地図を見比べて言った。「とりあえず候補当たっていこう。順番にダンジョンを潰していけばジンガの方から姿を現すはずだよ」「だな、ユウの弟には邪眼の警戒と関係者の協力と調査をやってもらってるものな」「うん」「順に攻略か……いくつ造られたのかわからんが長期戦を覚悟しておいた方が良さそうだな。入念な準備をしていこう」 ドウェインは背負っていたスーツケースを空けて中身を確認する。「さてさて……」 サイガの振り子が示したのは6カ所。その内ダンジョンの可能性が高いのは4カ所だという。「後は現地確認だね。この街中ど真ん中にある二つはダンジョンじゃなくて妖やらが集まっている場所かも。ほら一つはセンジョーとかっていう企業のビルでもう一つは御所の近く……ミーティングで言ってた白峰家とかじゃない?」「ダンジョンとは別にして確認しておいた方がいいかもな」「ケンも見に行くだろうし俺も実際に見た方がいいかも」「えっとじゃあ―まず最初に向かうのはこの山の中の所でOK?」「だね」「よし!」「了解」 ハオランの運転で車で山中に向かうユウ達。しばらくすると廃棄物処理場と書かれた看板を発見した。「サイガの地図と車のナビを照らし合わせると……ここだな」「まだ夜でもないのに人の気配まるで無いよ」 金網のゲートは開け放たれたままで、中には従業員のものと思われる車が多数止まっている。「突然消えたような感じだね、既にジンガの手によって従業員はもう……」 窓が開いた車にはまだ飲みかけのペットボトルが見える。「う~ん……どうもサイアクそーみたい。コミュとれる霊に聞いたらここの従業員は皆殺しにされたってさ」 サイガはこの廃棄物処理場で生き埋めで殺された反社会組織の霊に聞いていた。「聞いた霊はここの従業員に殺された奴なんだケドね。恨みつらみのある連中が死んで喜んでるよ」「……そうとういわくつきの場所って訳か」 ハオランはヌンチャクを構える。「【ネコマタネコ】召喚! 廃棄物処理場の探索お願い」「ニャアアアアン!」 ユウによって白い尻尾が二股のネコが召喚され走っていく。「さてここからは油断できませんね」 ドウェインは懐から刀の柄を取り出し刀身を錬金術で錬成する。「今のどうやったの!?」「柄は持ち歩いてますが刀身は地中の砂鉄を利用したまで。大したことじゃありません」「あーしはゴリゴリのバトルスタイルじゃないから……いつもお世話になってる霊を召喚っと」 サイガの横に骨の鎧武者が出現。「オオオオオオオオ……」「あにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃー!!」 慌てて戻って来るネコマタネコ、その背後には異形と化した作業服の者達が追いかけている。「従業員の成れの果てか……来るぞ!」 ハオランが前に出る。続くユウ。「着装! 【ゴリラボクサー】!!」 ハオランの打撃とユウのゴリラボクサーのパンチで押し寄せる異形従業員の4人を吹き飛ばす。「出来損ないの怨霊怪獣に見えるけど……意外とタフだ!」 ゴツゴツと全身盛り上がった皮膚をしている従業員たちを殴った感触はまるでタイヤのようであった。「だったらぶった切るか?」「そうだね」 ハオランは青龍刀を背中から取り出し、ユウは【蛇の暗殺者】に着装を変える。「モガガガガガー!」 迫る異形の従業員集団。ユウとハオランが斬りつける。「む!?」「これは……」 ゴム質の皮膚は2人の武器の刃を受け止める。食い込んだまま離れない。「たあああっ!」 ユウは食い込んだマチェットを諦めて放し腰から蛇打剣を取り出して突き刺す。深々と食い込んで体液が噴き出した。「そうか突き刺せば!」 ユウの攻撃を見たハオランは食い込んだ青龍刀を立てて蹴りで押し込む。突き刺さった傷口から体液が噴き出した。 その隙に2体の異形従業員がサイガとドウェインに迫る。「ゴオオオオオ……!」 大槍を持った骨武者が横薙ぎに殴りつけて異形従業員を吹き飛ばす。「ヌン」 ドウェインが地面を刀の鞘で叩くと巨大な杭が飛び出しもう一体の異形従業員を吹き飛ばした。「お? ドウェインの錬金って攻撃にも使えるじゃん」「当然。前衛にだけ頼っていては二流だ」 サイガとドウェインの前方には無数の錬金岩杭。獣除けにも使われるバリケードの形。「自分が錬金術で連中を足止めをする、サイガはそれを骨武者で吹き飛ばしてくれ」「りょーかい!」 その様子を見ているユウ。「凄い、組んだばかりのパーティーなのに連携取れてる」「ああ、サイガもドウェインも歴戦の猛者なんだろうよ。選んだユウの人を見る目も良かったってことさ」 ハオランは異形従業員に組み技を仕掛け、袖口から取り出した刺突剣を喉に突き刺す。「ダンジョン攻略に良さそうで何となく俺と合いそうな予感の人選んだだけだから偶々だよ!」 ユウは異形従業員の攻撃を蛇の暗殺者の動きでヌルりと躱し心臓や喉に剣を突き刺す。「それにしても数が多い……範囲攻撃で一気にやるかな!」 ユウはカードから【スイカ爆弾】を次々と出現させて異形従業員に投げつける。「モガアアー!」「モガガガー!」 多少の爆発耐性がある異形従業員であったが繰り返し吹き飛ばされやがて活動を停止する。「ここなら周囲の人も気にならないしこんな雑な戦法もとれるんだ」「へっ! ちげえねぇ!」 ユウとハオランはドッジボールのようにスイカ爆弾を敵に投げつける。その様子を見ているサイガとドウェイン。「ああいうの見るとやっぱりガキンチョだなって。敵つっても元人間なのにさぁ」「フン……自分も子供の時はああだった気がするがな」 撃退を続けていると数分で異形従業員の襲撃が止む。静かになったところでサイガは骨の振り子で探知を始める。「あの建屋の方から新しくて強い呪力を感じるね恐らくあそこが異空間結界(ダンジョン)の入口」 トタン板の錆びた建物。隙間から見えたのは朽ちたドラム缶が並んでいる様子。「こっから先は益々気合入れてかねえとなぁ」 ハオランは刺突剣を納め再び青龍刀を構える。「しかしやるもんだね敵さんは。追い詰められたとは思えないよ【凶】のジンガってのは相当なやり手だ」サイガが言った。「昨日今日でこれ程の戦力を作れるとは……正に【凶】の首領は魔王と呼ばれる訳だ」 ドウェインは地面から飛び出した杭を戻しながら呟く。 ユウ達は異空間結界(ダンジョン)に入る前に作戦司令部に連絡を入れる。「よし行こう!」金属製の重い扉開け靄のかかるダンジョンへと足を踏み入れた。「坑道……」「殺風景なトンネルだな」「急ぎで造ったのだろうか」「うようよ敵さんいるからね」 トンネルの奥から風切り音が聞こえる。「【怪盗コウモリ】様子を見て来い!」 召喚するユウ、薄暗いトンネルを進んでいく怪盗コウモリ。「ピギュウウウウウウウウッ!」「はッ!? ヤバイみんな伏せて!!」 怪盗コウモリの断末魔を聞いた後すぐにユウが叫ぶ。全員が床に伏せると頭上を巨大なものが通り過ぎていった。「何だ今のは!?」 ハオランが跳ね起きる。後方を確認すると卍型の3m程の巨大な手裏剣が土壁に突き刺さっていた。「ダンジョンの罠か」 ハオランはハイエナ獣人へと変身。目と耳と鼻に神経を集中させる。サイガは骨武者の後ろに、ドウェインは錬成壁の発動の構え。「【黄金の鎧】」 ユウは防御力に優れる黄金の鎧をハオランに纏わせる。「また来るぞ!」「今度はさっきよりも低い!」 その声を聞いたドウェインは土壁を錬成、津波のように前方に盛り上げていく。左右に広がるユウとハオラン。飛翔体は土壁に突き刺さり動きを止めた。「このまま土壁を盾にして押し進む」 土壁を前方に押し込んでいくドウェイン。それに続くユウ達。「居た!」 ハオランの目に映ったのは大型卍手裏剣を背負ったモグラのような怨霊怪獣。その横に猫車で卍手裏剣を運ぶ別のモグラ怨霊怪獣の姿。「モギュ!?」 慌てた様子で逃げ出すモグラ怨霊怪獣。「クソ! 逃げられる!」『なのですなのです!』 土天井から飛び出してきたのは埴輪を模した土人形。『ようこそ穴倉ダンジョンへ! ボスはさっき見たモグラ忍者なのです! 探し出して脱出する事が出来るかなー?』「真邪王!」『もたもたしてるとジンガ君が魔王軍を作り上げちゃうよ~? プークスクス』「うるさい!」 ユウは埴輪を叩き壊した。様子を見ていたハオランは眉を顰める。「どうしたんだユウ? らしくないぜ?」「あ、ああゴメン……真邪王の声を聞くとトラウマが……」「そうなのか……」「……大丈夫、いこう皆」続く
Apr 5, 2024
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