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DHHUその27『どうするのです? 私はこの四人を行かせてほしいのだけど?』「く……」 歯ぎしりをするユウ。「ユウ! 迷ってる場合じゃねえよ! 一人でも多く救助するんだ!!」 ハオランが叫ぶ、開かれたシャッターの前でこっちに来いと腕を大きく振っている。「ダンジョンの広さ的にトラックを飛ばせば1分くらいで外に出られるはずだよ、運転はあーしと死霊に任せな! 護衛は柄留に!」 トラックに向かっていく桃色桜。『仲間はああ言ってるのですよ』「わかった……行けよ!」 真邪王の操る四人はユウの横を通り過ぎていく。「急げ、出来るだけ多くの人を救助するぞ」 先にシャッターの中に入っていたドウェインが子供を抱きかかえて出てきた。「わかった」 ユウは心にどす黒くモヤモヤしたものを感じながらやるべき事を実行すべく動く。怪盗コウモリで柄留に連絡、救助に使えそうなカードを全て召喚、工場の中に向かわせる。「(真邪王許さない……沙那の声であんな極悪な事ばっかり……)」*** トンネルの外に出る真邪王の操る四人。周囲の施設は破壊しつくされ機械兵は残骸と化していた。『おや? 思ってた光景とは違うのです』「ストリーキング? 怪人? ともかくヤバそうなの見っけ」 デモンズエッジ・スキャバードに乗った柄留が降りてくる。『邪魔なのですよ』「邪魔してるからねー」『じゃあ死ねなのです』 一人が暗黒の波動弾を放つ。柄留はデモンズエッジ・スキャバードで受け止めた。「これで公務執行妨害かな」 グレイブラスターを放つ柄留。弾丸は四人の頭部に向かって放たれるが触れる数ミリ前で火花を散らして弾かれる。「はぁ~……そっち系ね。あんまり得意じゃないけど」 デモンズエッジ・スキャバードの柄に手をかける柄留。「初めから思いっきりいくよ……【童子切安綱】」 デモンズエッジ・スキャバードをゆっくり引き抜く柄留。輝く刀身は日本刀。『へぇ~……面白いものを使うのです。ただの具現化じゃなくて伝承や想い願いを込めた高位の剣の魔法かな?』「あれ、初見で解かっちゃうんだ。そっか初見の解からん殺しはこれで無しかー」『高位の魔女が使う魔法を行使するだけでなくて正体不明の銃まで持ってるとは。簡単に通してくれなそう』「まぁね、出来る事なら全員ここで捕まえておきたい」『はぁ~……仕方ない。一人はここで諦めるか……三人になっちゃうけどコイツは放っておけないのです』 真邪王の操る四人の内一人が飛び出し柄留に迫る。他の三人は別方向に散る。「あ! しまった!!」『ついでなのですお前もじっくり邪眼で観察してやるのです!』「だったらこうする! 弾着キャリバー!!」 柄留は自分の腹にグレイブラスターを撃ち込み瞬時に全身を鈍い銀色のスーツ姿に変える。『……何だこれは。邪眼で情報が読み取れないのです』「さんきゅーキャリバー! 宇宙パワーさいこー!!」 童子切安綱で切り込みつつグレイブラスターで牽制する。対する真邪王の傀儡の人間はドス黒い半身側の腕から触手を伸ばして刃と弾丸を防ぐ。『(こんな所に厄介な伏兵が居たのです。残る三人は渋谷、台場、オータムホースに向かわせるのです。折角見つけたジンガ君の適合者なのです)』*** 工場に突入したユウが見たものは―― コンベアーで仕分けされた人間が棺のようなカプセルに入れられ片方は焼却炉に片方は薬品の槽に運ばれる機械だった。 待機させられている人々は目がうつろで動こうとしない。「駄目だ! 誰も彼も反応が薄いぜ!!」とハオラン。「命に区別などできないが……抱えて運べる子供を私はトラックに運ぶ」とドウェイン。「ちくしょうちくしょう……」 カード召喚者を7体操り動かない人々を抱えて運ぶユウ。「クソ! 硬いぞこの棺!!」 ハイエナ獣人に変身したハオランは棺の中に見える子供を見ながら言った。「ハオランくん、動かせる人間を優先的に救助しよう!」「ドウェイン先生! だけどよ……」「この状況で全員を救出は無理だ、出来るだけ多く救いたい!」「……くっ……そうだよな」 コンベアーから飛び降りたハオランはコンベアーの前で待機している子供を4人抱えてトラックに向かって走り出す。 駐車場では桃色桜の操る骸骨たちがトラックに人々を誘導している。「残り3分! あと1分が限度だよ!!」「クソ! マジかよ……!」 ハオランは顔をしかめ歯を食いしばり汗を垂らしているユウの姿を見る。「ユウ! 大丈夫か!?」「ちょっと今話しかけないで!」「ユウ……」 脱出可能時間ギリギリまで救出作業を続けるユウ達、2台のトラック30人を乗せる事ができた。「皆は先に行って! 俺はペガサスナイトを使えばすぐに脱出できるから本当にギリギリまで助ける!!」 イクスバーンで棺を壊しながら叫ぶユウ。「もうトラック出すよ!」「絶対戻って来いよ!」「無事でな!」 桃色桜と死霊が運転する2台のトラックが出発。制御できる限界の速度を出す。「このまま真っすぐ突き進むよ! 柄留は大丈夫なんだろうね?」 トンネルを抜けるトラック、するとデモンズエッジ・スキャバードに跨った柄留が空中から合流する。「ちょっとトラブったけどもう大丈夫! 出口までの邪魔者はボクが排除する!!」 真邪王の傀儡と戦闘していた柄留だったが決着を着けるには時間が足りないと考え追跡弾を密かに撃ち込んで傀儡を撤退させていた。「ママさん、勇者君は?」「ギリギリまで粘るってさ!」「え~……」 柄留は前方の機械兵や瓦礫をグレイブラスターで吹き飛ばしながら言った。 二台のトラックがダンジョンの境界から脱出した10秒後に二人の子供をペガサスナイトに乗せたユウが現れる。ダンジョン崩壊の爆発の影響で煤まみれになっていた。「ダンジョンの爆発の影響は外には無いのか……」ハオランが呟く。「真邪王……許せない……」 ユウは意識が朦朧としている子供を降ろす。「財団に連絡しようぜ人が集まってくる前に撤退した方がいい」 ハオランは消えていくダンジョンと周囲の野次馬が増えていることを見ながら言った。「撤退撤退! デッカイ花火をボクが打ち上げるからその隙に!」 柄留がグレイブラスターを空に向かって構える。「一応ボクも警察関係者だしここは何とかしてみせるよ皆はアジトに戻っておいて」***『ねえどうしてお父さんとお母さんはいないの?』『他の子よりもママを助けてよ!』『嫌だ死にたくない』『助けに来るのが遅いんだよ!』『勇者といっても所詮ガキだな』「うあああああああああああああああっ!」 叫びながら目を覚ますユウ。アジトのホテルラウンジだった。「随分うなされていたな」 ハオランが水を持ってくる。「あ……そうか……ダンジョンから帰ってすぐに気絶したのか……」「ビックリしたぜ……どうだ? どっか調子悪い所はねえか?」「大丈夫……ちょっと疲れただけかな。それよりもダンジョンから助けた人らはどうなった?」「兜金柄留が警察と協力して全員保護したってよ。あの子と相棒の才賀愛来薔薇は新宿の警察で事情説明、しばらく戻ってこれないそうだ」「そっか……」「それと……TMIのエージェント三人だけど」「うん? アリナさんたちがなにか?」「合衆国でデカい事件が起きたらしい。TVはずっとその話題だぜ」 TVをつけるハオラン、そこに映っているのは西海岸の大都市が火の海になっている光景だった。「TMIの三人は本部からの招集でついさっき去っていったんだ。ここに居るのは才賀の母ちゃんの方とドウェイン先生、財団の二人だけだ」「俺が気を失っている間にそんなに色々動きが……どのくらい時間経った?」「12時間だな」「父さんに報告しなきゃ……真邪王が新たに4人の下僕を用意したって」 ユウは重い体を起こして財団のネットワークに繋ぐ。『ユウ、目を覚ましたか』 眉間に皺を寄せたセイが言った。「うん、父さん大変なんだ! 真邪王が――」 ユウは真邪王が明らかに様子の変な4人組を操っていたと話す。『どうやら【凶】側もなりふり構っていられないようだな』「どういうこと?」『真邪王の邪悪な力を受けて人間の体は無事ですまない。適合する【凶】の魔王でなければな。しかし適合するといってもそれだけでは魔王としては力が振るえない、精々小さなダンジョンを作るくらいだろう』「じゃあなんで真邪王は4人も下僕を?」『現魔王のジンガのバックアップだろうな。何かトラブルが生じてジンガは危機に瀕しているのだろう。奴の父親で先代魔王のジンバは財団に追い詰められた際自決することによってバックアップの肉体に乗り換え逃げ切った事があった』「そんな! じゃあ永遠にイタチごっこって事?」『いや、そんな事はない。適合者はそう簡単に見つかるものではないしな』「でも4人がどこに行ったか分かんないし……」「その事なんだが……」横で聞いていた才賀桃色桜が言った。『何かな? サイガ・ピンクピーチ』「その4人の行方は多分大丈夫かな。3人はあーしが死霊に追わせたし一人は柄留が追跡弾を着けたからね」『そうなのか! よくやってくれた』「異様な邪気を放ってたからね、見逃す訳にはいかなかったのさ。で、一人は柄留が追跡弾を着けたから居場所の詳細まで分かるって訳」「凄いよサイガ!」『ふむ、ではその者達の居場所とは?』「渋谷と台場とオータムホースシティ……追跡弾の奴は歌舞伎町のビルに居るよ」『一人はオータムホースか……ヘリを用意しなくてはな……パーティの再編成を行おう。幸いオータムホースにも財団のギルドがある』「父さん、これからどうすればいい? ダンジョンを潰してジンガを追うのか適合者の身柄を抑えるのか……」『そうだな……』 セイは目を瞑り思考をめぐらせる。『適合者の確保は勇者が行う必要はない。勇者のすべき最優先事項は魔王であるジンガを見つけ出し邪眼を封印する事だ……よってユウは引き続きダンジョン攻略を頼む。適合者の追跡は財団で人材を確保する。京都のダンジョンは残る一つ、そちらはケンに任せよう。残る一つ京都のダンジョンにジンガが居なければケンを東京に向かわせる』「分かった」『……一つ気になる事と言えば……【凶】はこのままだとジリ貧だ。何か逆転の策があって動いているに違いない。財団の邪体保管施設の警戒も強めておくとしよう』「うん」『ユウ、しばらくそこで待機していろ。こちらからまた連絡する』「分かった」 通信を終えるユウ。「腹減ってねえかユウ? このホテルのルームサービスでも頼もうか?」「そういえばお腹すいたね」「あーしも何か食べよかな、せんせーは?」「私はパンとスープを頼む」 窓の外を眺めながらドウェインは桃色桜に言った。「あーしはスペシャルイカライスにしよっと。ハオランとユウは?」「俺は肉が食いてえからフライドチキン10ピース頼むわ、ユウは?」「えっと……ラーメン食べたいかな。豚骨味噌ラーメン」 しばらくするとルームサービスの者がチャイムを鳴らした。「お、思ってたより早いな流石一流ホテル……」「待ちなハオラン! 扉の外に居るのは――」 桃色桜が言い終わる前に扉を開けるハオラン、扉の前に立っていたのは全身黒タイツに見える人物。シルエットから女性だというのはわかった。ルームサービスの男は真横で震えている。「コイツは……」 一目見て真邪王の作り出したコピーの影だと分かった。黒い女性は指鉄砲の構えをとる。「おっと……」 指先から黒い物質が放たれる、ブリッジバック転で回避するハオラン。黒い人物はもう片方の手から黒い粘液めいた糸を飛ばして天井に着け張力を利用して一気に部屋の中に飛び込んで来た。「何!?」 ドウェインが抜刀する。天井に逆さまに張り付いた黒い人物は粘弾を飛ばしてドウェインを狙う。一発は回避、もう一発はスーツを掠めた。「む?」 粘弾は広がり窓とドウェインを縫い付ける。それを見た黒い人物は粘弾を連続発射、ドウェインを固めていく。「せんせ!」「ドウェイン!」「先生!」続く
Sep 29, 2024
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DHHUその26「なんだありゃ?」 才賀桃色桜と合流したハオランはキノコ雲を見て言った。「敵に見つかった誰かが戦闘始めやがったか? だけどユウがそんな迂闊な事するとは思えねえ……」「兜金柄留だねきっと」「あのギャル警官か……」「あの爆発で敵はそっちに向かうだろうから今のうちにあーしらは動くとしよう」「おうよ」 崩れた建物の影に身をひそめながらキノコ雲が発生した方角に進む二人。「うじゃうじゃと居やがるぜ」 ハオランは銃火器を持った異形頭の虫機械兵が隊列を組んでキノコ雲の方に向かっているのを見た。「見つかったら銃弾の雨あられを受けることになる、だけど銃弾が怖くないなら無茶できる。そんな考え何だろうよ兜金柄留は」「マジかよ、でもそれって油断から不意をつかれやすいような気がするな」「あれはそんなおバカじゃないと思うよ? オータムホースシティでバリバリにやってるならね」 さらに進むと柄留がデモンズエッジ・スキャバードに跨って飛んでいる姿が見えた。「飛んでる……しかもなんだあれ魔女の箒のつもりかよ」「白魔女の魂とも混ざってると言ってたからね。でもあんな飛び方アリなんだ」 着地する柄留、虫機械兵に囲まれる。「やべぇ!」「間に合うかな!」 柄留は強烈な閃光弾を放つ。光に怯む虫機械兵たち。視力が戻ったハオランと桃色桜が見たのはコミックや特撮ヒーロー番組に出て来そうなアーマーを装着した柄留だった。「弾着! キャリバーモード!!」 腰を落として両手を広げて見得を切る動作をする柄留。「ギャギャギャギャー!」 囲んでいた虫機械兵の視力も戻り柄留に向けて一斉掃射。だが倒れていくのは虫機械兵達であった。「何だ?」「攻撃を全て相手に返している?」「ギャギャギャギャー!」 装甲車が駆けつける。そして機銃掃射を柄留に向ける。「機銃なんて流石に……」「大丈夫みたいだよ」 大口径の機銃の弾丸は柄留に触れた瞬間消えていく。弾丸を撃ち尽くした機銃の銃口は真っ赤になり煙を上げている。「返すよー!」 グレイブラスターを構える柄留。銃口から空中に浮いた4本レールが伸びていく。「レールガン!!」 爆発音と共に青白い閃光が走る。装甲車は一撃で粉砕され爆発炎上。「は? あんなの一人殺戮兵器じゃねえか」「元々のグレイキャリバーの恐ろしさが垣間見えた気がするね」 ターゲットロックで索敵する柄留。瓦礫の影に隠れているハオランと桃色桜を発見する。「あ~! 居た居た~!!」 変身解除をして二人に駆け寄る柄留。「ボクの活躍見てくれたんだ」「まあな、滅茶苦茶だよアンタ」「ホントにね」「いやほら……ダンジョンの敵って思いっきりやれるんでしょ? 久しぶりに派手にブチかましたくて……えへへ」「アンタは警官だし外ではできねえもんな」「なるほど、あーしの娘の愛来薔薇じゃなきゃコンビ組めない訳だ。普通の警官じゃあ無理だね」「それにしても全部ひとりで解決しちまいそうな勢いだな」「いやーどうかなー……敵が物理オンリーだったからボクはキャリバー無双出来たわけ。別の系統が違う敵だったらこんな風にはできないよ」「そうなのか」「超スピード超パワーの超近接型の怪人とか得意じゃないし、魔術、呪術、超能力とかの集団に囲まれたら今みたいにはできないかも」「オータムホースシティやべぇとは聞いてるがそんなのがウジャウジャしてるのか」「まー大体……週1で変なの現れるかな? 多い時は毎日」「ヤバすぎんだろ……それでも人生一発逆転の夢を見て行くやつは絶たないし成功すればこの国で一番の娯楽サービスに技術に触れられる……」「光が強すぎるから闇も濃くなる、そんな街だね」 桃色桜はオータムホースシティの光景を目に浮かべながら言った。「治安が良い所と悪い所の差が凄いし善人と悪人の振れ幅も大きい。何事にも程々にのんびり暮らしたい人間には向かないんだろうねぇ」「ホムラちゃんあっちに行ったけど大丈夫かな?」「大丈夫でしょ! おばあちゃんが院瀬見の役員ならきっと」柄留が言った。「……話をしている場合じゃねえな、ユウ達と合流しねえと」 *** ユウとドウェインはキノコ雲が上がった場所に向かう途中、機械兵に見つかりロケットランチャーを撃ち込まれ建物の影に隠れていた。「蛇の暗殺者の超反応で助かった……」「だが……囲まれてしまったな」「黄金の鎧をドウェインに装備してあげるから俺は鰐王を着装して機械兵を蹴散らす。先にキノコ雲の所に向かって」「無茶だ」「鰐王ならそう簡単にやられないよいざとなったら脱出するし」「すぐにハオラン達を連れて戻る」 ドウェインが走り出す。ユウは鰐王を着装して機械兵の行く手を阻む。「グルウウウウウウウウウアアアアアアアアアアアッ!!」 丸太のように太い尻尾で機械兵を3体薙ぎ払う。「ギギ!」「ギギギギ!」「グウウウウウウアアアアアアアッ!」 飛び掛かる鰐王ユウ。鰐の頭部を模した兜は大きな顎を持っている。機械兵に食らいつき捻じり切るように回転する。「ギギギギー」 火花を散らして上半身が捥げる機械兵。ユウは【破鎚ワイル】のカードを取り出して召喚。棘状の装飾品が施されたドラム缶程の巨大なハンマーを振り上げる。「ワイルドスタンプ!」 目の前のアサルトライフルの射撃を続ける機械兵に破鎚ワイルを叩きつける。青白い稲妻が走り放射状に広がり次々と機械兵を巻きこんでいく。「時間を稼がないと……鰐王は制御がきついけど……」「ギギギギ!」 後方に居る隊長クラスの機械兵がロケットランチャーを発射、ユウは破鎚ワイルで受け止めるが爆発の衝撃で倒れこむ。「ちくしょう……負けるかー!」 鰐のように腹ばいになりながら起き上がり肩に破鎚ワイルを構えて体を沈み込ませる。「ギギー!」 再び放たれるロケットランチャー。しかしユウは鰐王の強靭な尻尾を使って跳躍回避、エネルギーを込めた破鎚ワイル空中から振り下ろす。 「ギギギギギー!」 隊長機械兵の頭部を破壊、インパクトの瞬間電撃が周囲に放たれ機械兵を巻き込む。「よし……これでここの機械兵は居なくなったかな」 ユウは機械兵の残骸が動かないのを確認し注意しながら通りの方に進む。「あれは……」 トラックに鉄格子が積まれその中に人々がすし詰め状態で入れられているのが見えた。「ダンジョンに取り込まれた新宿の人達か」 機械兵はダンジョンに取り込まれた人達が変異した姿ではないと確認していた。では取り込まれた人々はどこに何の目的で運ばれているのか気になった。「ハオラン達と合流しなきゃだけど……あのトラックを見逃したくない……怪盗コウモリ、ドウェインを追ってこの事を伝えて」 怪盗コウモリにメモを持たせて飛ばす。ユウは鰐形態に変身した鰐王の鎧に乗ってトラックを追う。 トラックは以前ホムラが示した地図の真ん中に向かっていた。検問が敷かれたゲートを通り抜けトラックはスロープになっているトンネルに入って行った。「ここまでかな……この先は皆を待とう……」*** 程なくしてユウはハオラン、ドウェイン、才賀桃色桜、兜金柄留と合流する。「あのトンネルの先に何かあると」 ハオランは携帯式の双眼鏡で見ながら言った。「それじゃあまたボクがステルス弾でみんなを透明化してあげるよ」「全員で突入? 二人くらい残ってた方が良くない?」桃色桜が言った。「確かに……ボクはどっちでもいいよ対応して見せるからスーパーエリートポリス(自称)なので」 柄留はグレイブラスターをガンスピンしながら言った。「スーパーエリートがあの大騒ぎを起こすんだ……」「いやぁ~面目ない。でもきれいさっぱり片付けたでしょ?」「圧倒的勝利で誰も怪我してないけど敵の警戒度はMAXになったね」「じゃあさ……いっその事ボクが囮になってこの戦場ダンジョンをかき乱しまくるから勇者君たちは調査に集中してよ」「え? 一人で囮するの?」ユウが言った。「そっちのが動きやすいからね。ボクは飛ぶしついてこれる人いないでしょ?メグルージュのママならなんとか出来るかな?」「いや、やめとくよ。あーしは愛来薔薇みたいにあんたについていけないって」「じゃあやっぱりボク一人でやるね。もし勇者君たちが30分経っても戻ってこなかったらダンジョンから離脱してTMIとメグルージュに救援要請するよ」「了解、じゃあそれで行こう」 柄留を残してユウ達4人はステルス弾で透明化してトンネルに向かう。「先に何があるんだ……」 ユウ達は慎重にトンネルを進んでいく。時折見張りの機械兵を見かけるが気付いている様子はない。「もうすぐ抜けるぞ」 ハオランは先からくる匂いで判断しそう言った。 左に曲がるとT字路の駐車場になっており鉄格子を積んだトラックが4台止まっている。「シャッターが見えるな……あの先はなんだ? 機械音が聞こえるぞ」 ドウェインが言った。「そろそろステルス弾の効果時間が切れる……怪盗コウモリを飛ばして偵察するよ」 怪盗コウモリを飛ばしシャッターの隙間から写真を撮って戻って来る。「どうだ?」とドウェイン。「これ見てみんな……中は工場っぽい」 怪盗コウモリが撮った写真にはベルトコンベアー、鉄格子に入れられていた人々が一人一人機械兵に掴まれてコンベアーに寝かされて居る様子が映っていた。「碌なもんじゃないってのは見てすぐ解かるね」顔をしかめる才賀桃色桜。「死の気配が漂ってる……相当な数の人間がここでやられてるよ」「何が行われてるんだ……ユウ達が見た広場の見せしめと何が違うんだ?」「あの時の機械兵は言葉を発してた……その他大勢の虫みたいな機械兵とは違ったんだ見せしめというか……う~ん誰かを探していた気もするんだ」「と言うと?」「えっとハオラン……『違う、コイツも違う』とか言ってた……違うと判断してたらその場で射殺してた。後は……その他大勢の機械兵と違って軍服を着てた」「この戦場ダンジョン内ではある程度上の階級って事か? ダンジョン主の側近であるかもな……」「先に工場をどうにかしないとね……死霊達の様子を見るに地獄って感じだし」 桃色桜は骨武者を召喚する。「どうする?一気に踏み込むか?」 ハオランはユウを見る。「無関係の人達の救出もやらないといけない事だしやろう!」「かなりの人数が予想される、誘導はどうするのだ?」 ドウェインが言った。「えっと……サイガお願いできる?」「まぁ……トラックの運転もできるし足りない分は死霊にお願いすれば可能だよ、安全の保障はできないけど」「外に出たら兜金柄留に護衛ついてもらえばいいんじゃないか?」「それだ! 怪盗コウモリで伝えよう!! じゃあ突入準備……」 ユウ達が意を決して通路の角から飛び出そうとした時、突然シャッターが開き中から四人の男女が現れた。 服は着ておらず全員半身がどす黒い紫色に染まり片目は光を放っている。「なのです」「ナノデス」「なのデス」「ナノです」「この声……真邪王か!?」『正解なのです! 正直驚いたのですがギリギリ間に合って良かったのです』 実体の無い真邪王は四人の男女の声帯を使って話す。「間に合う? 何を?」『この四人を揃えることです! もうここには用が無くなったのでダンジョンごとお前たちを始末するのです……そうですねぇ予告なしでドカンとやるのもいいですがここは無様に慌てふためく姿を拝みたいので5分の猶予を与えるのです!』「何をするつもりだ!」『カウントダウン開始から5分後にこのダンジョンは大爆発崩壊するのです。まぁお前たちなら3分もあれば余裕で脱出できるでしょうけど一般人はどうですかねぇ?』「そんな!」『アハハハハハ! その顔! そういうのが見たいのです! もう一人の勇者は京都で快進撃を続けていい気になってるけど根本的な解決には至ってないです! ジンガ君を捕まえて私を封印しない限りこんな感じでずっと大勢が不幸になる出来事が起き続けるです』「うあああああっ! 獅子王! 凄剣イクスバーン!!」 瞬時に着装して最大火力の必殺技を繰り出すユウ。横薙ぎの黄金の光波が真邪王の操る四人に向かっていく。「オン」「怨」「おん」「ON」 四人から放たれた暗黒の波動が凄剣イクスバーンの光波と衝突。「ぐうっ!」『流石勇者の必殺技なのです、四人がかりで相殺とはね』「もう一発!」『ここでやり合うのもいいですが今の一撃をもってカウントダウンを開始したのです! さぁさぁ残り時間は5分弱なのですよ』「くそう……」『よーく考えて悩んで傷つくのです! 全員は救えないし救える者をお前が選ぶのです! アハハハハハハー! 自分も他も全員死亡の超絶バッドエンドも期待してますよ』続く
Sep 9, 2024
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DHHUその25 ユウ達は一度撤退し東京のマンションの最上階にあるギルドに戻っていた。「ユウさん、防弾装備の準備できていますよ」 財団の女が言った。「ありがとう」 台車で運ばれてきた防弾プロテクターとヘルメットを確認するユウ達。「超軽量の素材で造られた軍用装備です。財団が東京で活動する際に準備していたものですどうぞ」「召喚防具が使えない状況でもこれを着けてれば少しは安心できるね」「ダンジョンつーよりかあの場所は戦場だしな。いつもと違った装備で挑まなきゃな」「うむ、十分な備えをしていこう」「あーしも今回はガチガチに固める」 装備を着けていくユウ達。「そういえば兜金柄留さんはどこに?」「ああ、彼女は今シャワー中です」 財団の女がそう言うと奥の浴室から兜金柄留が出てきた。「ふーさっぱりした……あ」 濡れた髪にタオルを当てながらそのままの姿で出てきた柄留。「やば……」 その場の空気が固まったことを察した柄留は申し訳程度に体を隠しながらムーンウォークめいて後ずさりして浴室に戻っていく。「えへへ……どもども……気ゆるみすぎてた」 舌をぺろりとみせてバスタオルを巻いた柄留が出てきた。「着替え着替えっと」 カバンから着替えを持って再び浴室に戻っていく柄留。数十秒後服を着て出てくる。「こほん……まぁ今のはなかったことにして……始めまして兜金柄留でーす!」 固まっているユウとハオラン。肩をすくめるドウェインに笑いをこらえている桃色桜、あきれ顔の財団の女。「そこの少年、お兄さん! ボクの体を見て忘れられないのはわかるけど一旦忘れよう、ほらあっちのソファに座って話しよ」 柄留は無意味に側転をしてソファに勢いよく座る。「ほらぁ」 何の前触れもなく突如柄留の右手に現れた銀色のレトロフューチャーな銃を天井に向かって撃つ。弾丸は発射されずに空砲が響く。「は!?」「大丈夫大丈夫、空砲だし。少年勇者にハイエナ獣人武道家にドクターに愛来薔薇(メグルージュ)ちゃんのママだね?」「え、あ、はい」「座って座って、お話しよ?」 マイペースな柄留に戸惑いながらユウ達は新宿御苑のダンジョンについて話した。「弾丸飛び交うダンジョンねー……確かにボク向けだわ。ステルス迷彩もそんなに長い時間は無理だけど着けてあげられるよ」 柄留はまた唐突に銃を撃ちスタンドライトに命中させる。するとスタンドライトは壊れることなく徐々に透明化して全員の目の前から姿を消した。「多分1発3分くらい持つかな? ボクも疲れるし無駄撃ちはあんまり出来ないケド」「いや、凄いけどさっきからパンパン軽く銃撃ちすぎじゃね?」ハオランが言った。「え? 別に良いでしょ? グレイブラスターは只の銃じゃないしボクの体の一部のようなもんだし危ない弾は込めてないし」「いやいやいや」「生まれた時からボクはグレイブラスターと共にあるんだよ。他にもデモンズエッジ・スキャバードとかも。キミの爪や牙と何も変わんないよ」「俺の獣人姿見た事あるのか」「資料でさっき見たよパーティー全員分のね」「そうか。で、アンタが全弾飛び交う戦場向きってのはその特殊な銃があるからか?」「半分は正解。グレイブラスターは弾丸作成だけでなくって銃作成もできるんだよ。使い捨てになるけど簡易版グレイブラスターを誰でも持てる」「俺たちがその銃を持てば楽々攻略できるってそういう事か?」「いや~それはまぁ……どっちかというとボクには弾が当たらない事の方が大きい理由のような。グレイブラスターと一体化してるボクにはありとあらゆる弾とされてるものが当たらないんだ。理由は知らない造った本人はもういないし」「は? そんな出鱈目な……」「判定微妙な弾は当たるけど軽減される感じかな? 水鉄砲の水とか……そういうの」「銃使いってより……魔法使いに近いんだね」桃色桜が言った。「そうなの! 流石愛来薔薇ちゃんのママ!! 弾丸はボクが知らないもの理解できないものは造れないし効果によっては長持ちしないんだ」「あ、じゃあ俺の【狼の銃士】に簡易版グレイブラスターっての持たせられる!?」「うん、いけるよ。素材になる銃は用意しといてね?プラスチックのモデルガンとかだとすぐ壊れるから見た目よりも頑丈さ優先でお願い。無かったら鉄パイプとかでいいから」「そんなんでいけるんだ……」「そだよ、それが強みっていうか……ボクじゃなくてこれを作ったグレイキャリバーってのはやる気になれば1週間でオータムホースの住民全員兵にして簡易版持たせる事もできたっぽい」「え」「簡単で強烈な思考を植え付ける弾丸を最初の一人に撃ち込んでその弾丸を込めた簡易版で撃たせて……を繰り返せば……すぐらしい。宗教団体とか大企業のトップにグレイブラスターを最初に持たせればすぐに実行できたんだけどしなかったんだって」「ちょっと怖すぎるんだけどその銃」「だよね? ボクもそう思うし前の持ち主もそう思ってた。グレイキャリバーが前の持ち主を選んだ理由は『魂の波長』が合ったからなんだって。その子が極悪人でも私利私欲の塊でも快楽主義者でも無かった。純粋な怒りと守りたいものの為に自分を投げだせる覚悟があって挫けない……そういう子」「怖い銃なのに何か……」ユウはじっとグレイブラスターを見つめる。「グレイキャリバーってのは不屈の精神を持つ革命家とか叛逆者とかそういったのが好みだったわけね」桃色桜が言った。「で、前の持ち主はどうなったんだ?」ハオランが言った。「死んじゃった。グレイキャリバーとのシンクロ率が上がりすぎて人間を辞める寸前の所でその子の親友が止めに入って相打ちでね。親友の子も生死の境をさまよった。あと一日止めるのが遅かったらグレイキャリバーに飲み込まれてたし更に1週間放って置いたらオータムホースはキャリバーの軍勢に支配された街になってたはずだよ。ある意味平和になると言えばそうなんだけど……」「君は大丈夫なのかね?」ドウェインが言った。「うん、もう一つの力が中和して別の魂になってるし大丈夫」「ふむ……もう一つの力とは先ほど少し触れたデモンズエッジ・スキャバードかね?」「そう! 流石ドクタードウェイン頭いい! 剣の白魔女ミレーヌ・ジンデルがもってたデモンズエッジ・スキャバードのおかげ!」「君がグレイブラスターとデモンズエッジ・スキャバードを所持してるのは……キャリバーと白魔女の対決後何があったんだね?」「えっと……説明が難しいんだけど白魔女側が頑張ってグレイキャリバーと適合者の分離をなんとかしようとしてちょっとうまくいかなくて……ボクが偶然生まれたんだ」「なんと……」「え!」「は!?」「ふむ」「だからボク実年齢1歳なんだよね……えへへ」 胸を張って頭を掻く柄留。「宇宙人と白魔女と人間の魂が合わさってるのがボク」「非常に興味深いな……姿形は三者の誰に一番似ているのかね?」ドウェインが柄留の目を見て言った。「それが……この姿はその三者誰でもないんですよねー……生死の境を彷徨うほど頑張って助けようとした適合者の親友の女の子にそっくりなんだー」「益々興味深い……君はオータムホースシティの警察という事だが」「うん、そのおかげでまぁまぁ快適にすごせてます。ボクはあまりに特殊だから実験動物にされそうだったし実際そうなりかけたっぽいけど」 全員が言葉を失う。「しんみりしないで。ボクは今の生活気に入ってるし好きな人もいるし気の合う相棒もいるし上司は厳しいけど理解あるやり手だし暗くなる事なんてなにもないから!」「柄留さん……」ユウは顔を近づける柄留に照れながら言った。「ダンジョン攻略しちゃうよー!」*** 新宿御苑に到着するユウ一行。 大勢の警備ロボを眺める柄留。「は~なるほどね~……火炎放射装備の警備ロボがあんなに沢山……ユウくん、アイツらってダンジョン消えたら居なくなるの?」「多分……消えますね。場合によっては何か別の形で残るかもですが」「じゃあ無視して突入しよう。気を付けることはある?」「恐らくだけど入ったらランダムでダンジョンのどこかに現れるんだ。前回入った時パーティー全員少し離れた場所に出たから」「それは面倒だね」「ハオランが匂い辿ってくれたおかげで皆と合流してホムラちゃんを救出出来たので」「そっか、じゃあ入ったら下手に動かずにハオランくん待ちがいいのかな?」「あの……出来たらでいいんだけど柄留さんが敵に気づかれないようにマーカー弾とか出来るだけ着けてって欲しい」「おっけ~もし見つかったら全力で騒ぎにならないように倒すよ」「お願い」「前回侵入した時にホムラちゃんのデータとあーしのマッピングで簡単な地図作っておいたからみんな一人一枚持っていきな。アナログは慣れないだろうけど傾いている高層ビルがあっただろ?そいつを見て方角を合わせながら地図を確認すればいい」「ありがとう才賀」革製の地図を受けとる。「それとこの骨も渡しておく、地図に乗せると現在地が解るよ」 桃色桜は小さな指の骨を全員に渡す。「助かるよ」「私からはこれを」ドウェインは小さなスプレー缶をカバンから取り出す。「救急スプレーだ応急処置に使ってくれ」「離れ離れになる事が分かっているからありがたいよ」「最後にボクがみんなに閃光弾が入った簡易グレイブラスターミニを渡しておくね」 柄留は手のひらに収まるサイズのデリンジャーを4人に渡す。黒と白とグレーのモザイク模様の奇妙な銃だった。「2発撃てるよ。威力もそれなりにあるからもしもの時にも使って」「了解」 柄留のステルス迷彩弾で全員透明化してダンジョンに突入する。「ん?」 ユウは式典などが行われるようなホールに出た。壇上には縛られ棒に張りつけられた人が何十人と見える。「なんて事だ……あの虫機械兵士あんなことまでするのか」 ユウからは聞こえないが虫機械兵同士が何かを話すと壇上の袖から勲章を大量に取り付けた軍服の男が出てきた。そして縛られている人々の顔を覗き込む。「チガウ! コイツもチガウ!」 そういうと懐から取り出した拳銃で縛られている人を撃った。「何っ!」 ユウは柱の影から飛び出しそうになるが何とかこらえて周囲を見渡す。ホールにいる虫機械兵は50体以上は居る。「どうしたら……まずはホールから出るべきかな……」 そっと蛇の暗殺者を着装し足音を立てずに出口を探す。階段を降り温度感知で敵が居ないのを確認して扉を開けると目の前には傾いた高層ビルが見えた。「あれは……地図と骨で確認しよう」 地図を広げ骨を置くとユウは傾いたビルの6時の方向に居ると確認できた。「ホムラちゃんを見つけたのがここから2時の方向……じゃあ虫機械兵の巡回円の中心はこの近くになるのか……」 ハオランが見つけやすくするために屋外に出たが現在地が敵が多い。「ユウ君聞こえるか……?」 声がした。ドウェインがホールから少し離れた物陰で囁いている。蛇の暗殺者の超感覚で聞き取ることができた。「よかった……」 素早く物陰に隠れながらユウはドウェインの元に移動する。「ステルス迷彩弾の時間切れになる前に合流出来て良かった……」「君が蛇の暗殺者を装備してくれてて良かったよ。いくらステルス迷彩弾で透明化していても物音は消せないからな。敵の数が多くて動けなかった……ざっと見た所虫機械兵は大隊規模の数だぞ」「見つかったら面倒な事になるね。洞窟型のダンジョンなら少しずつ相手にできるんだけど今回は開けた箱庭型だしね」「ここは幸いにも風上だハオラン君も探しやすいだろう。ステルス迷彩弾の時間がある間はしばらくここで様子見だ下手に動き回らないほうがいい」「うん、一応【怪盗コウモリ】をタイミングを見て飛ばしてみようかな」「敵の警戒レベルが上がらなければ良いがこのままじっとしているのも勿体無いか」「混乱させるのもいいかもしれない。ホールで殺されてる人たちを見た。これ以上奴らに好き勝手させたくない」「ふむ……ではこういうのはどうか。怪盗コウモリにスイカ爆弾のカードを持たせて探索、才賀君やハオラン君や柄留君が見つかれば良し、見当たらなければ適当に敵を空爆して敵の注意を惹かせよう」「それでいこう! 怪盗コウモリにスイカ爆弾のカードを持たせるよ。遠隔発動で100発は召喚して落とせるはず」 ユウが準備をしていると10時の方向で大きな爆発音、視線をやると大きなキノコ雲が上がっていた。「なんだあれ……」***「やっちゃったやっちゃった! みつかったものしょうがないよね?」 純白で肉々しい鞘と剣のデモンズエッジ・スキャバードに跨って空を飛ぶ柄留。地上から柄留に向かって放たれる銃弾の雨あられ。虫機械兵はアサルトライフルや拳銃を装備している。「撃っても無駄当たらない! ボクの方からはドカンともう一発いくよー!」 グレイブラスターの銃口からペットボトル大の砲弾が出現。「エルボムカッター!」 砲弾を虫機械兵のいる足元に炸裂させる。まばゆい閃光と共にキノコ雲があがり周囲10メートル程を完全に焼き払った。「ジャジャッジャー!」 飛行タイプの虫機械兵が近くの建物から3体飛び出してくる。「そこ!」 マグナム弾に匹敵する弾丸を腰だめで撃つ柄留。火花を散らして虫機械兵の頭部装甲が吹っ飛ぶ。「硬い! じゃあこれだ!」 後ろから接近してくる虫機械兵をトンボ返りで回避して緑光のプラズマ弾を背中に打ち込む。衝突で光の爆発が起き虫機械兵の体を円形にえぐり取った。「ビンゴ! オータムホースの企業兵みたいに電磁バリアー張ってないからプラズマ弾が効く!!」続く
Sep 5, 2024
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