全3192件 (3192件中 601-650件目)
< 1 ... 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ... 64 >
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[16]】はサトイモ科の植物です。第7回はマムシグサの花です。(2018年5月22日撮影)。☆マムシグサは、北海道から九州の平地から山地の野原、林内・林縁に生えるサトイモ科テンナンショウ属の多年草です。マムシグサの仲間は、外形の変異が著しく種別が難しいということなので、マムシグサの仲間としました。(2018年5月22日撮影)。☆マムシグサは、偽茎に紫褐色の斑点があります。偽茎は、葉柄下部の2つの葉鞘部分が重なってできたものです。(2017年10月11日撮影)。☆マムシグサの葉は2個つき、7~15個の小葉が鳥足状につきます。小葉は、形や大きさともに変異に富んでいます。小葉の形は、狭卵形、楕円形、長楕円形などさまざまです。小葉の先端の形も、鋭形、鋭尖形、全縁、鋸歯があるものなど、さまざまです。この写真では、小葉の形は細長い長楕円形で葉の縁には細かな鋸歯があり、小葉の先端の形は鋭尖形です。(2018年5月22日撮影)。☆この写真では、小葉の先端の形は鋭尖形ですが、小葉の形は丸みのある楕円形です。(2018年5月22日撮影)。☆この写真では、小葉の中肋(葉の中心部)に沿って白班が入っています。(2018年4月22日撮影)。☆マムシグサの花期は4~6月で、花序は葉より高く突き出るものや、そうでないものもあります。マムシグサの仏炎苞は、四国・九州の暖地では葉より早く開くものがありますが、他の地域では葉と同時期か葉より遅れて開きます。(2018年5月22日撮影)。☆マムシグサの仏炎苞は、淡緑色から淡紫色のものは、ふつうは白条(白いスジ)がありますが、白条がないものもあります。マムシグサの仏炎苞は変異に富み、口辺部が大きく開出するもの、ほとんど開出しないものがあります。(2018年4月22日撮影)。☆マムシグサの仏炎苞は、帯紫色(たいししょく:紫がかった色)から濃紫色のものは、つねに白条(白いスジ)があります。マムシグサの仏炎苞は、多くは筒部が舷部(先端の幅広い部分)より短くなっています。舷部の形も変異に富み、狭卵形、卵状三角形、卵形から広卵形で、先端は鋭頭から鋭尖頭です。(2018年5月22日撮影)。☆マムシグサの花序の付属体は、細い棒状から棍棒状で、上部で太くなるものから細くなるものまで変異があります。(2018年5月22日撮影)。☆マムシグサは、仏炎苞が枯れると果実が見えるようになり、最初は緑色で秋には朱赤色に変わります。(2017年10月11日撮影)。☆マムシグサの果実は、軸の周りに集合してつく液果で、マムシグサのそれぞれの果実には、種子が4個入っているそうです。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。(2017年10月11日撮影)。☆マムシグサ(蝮草)の名は、花の様子が鎌首をもたげたマムシを連想させるから、偽茎部の紫褐色の斑点模様がマムシに似ているから、2つの説があるそうです。(2018年5月22日撮影)。☆マムシグサの花言葉は、「壮大」だそうです。(2017年10月11日撮影)。
2018.12.27
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[16]】はサトイモ科の植物です。第6回はムサシアブミの花です。(2015年4月28日撮影)。☆ムサシアブミは、関東地方以西から沖縄に分布し、湿った林内に生えるサトイモ科テンナンショウ属の多年草です。(2016年4月24日撮影)。☆ムサシアブミの葉は2個つき、葉柄は高さ15~30センチで、小葉は3個です。(2016年4月24日撮影)。☆ムサシアブミの花期は3~5月で、葉柄の間から葉よりやや低い花茎を出し、仏炎苞に包まれた肉穂花序をつけます。(2015年4月28日撮影)。☆ムサシアブミの仏炎苞は、暗紫色から緑色まで変化があり、白い筋があります。筒部は長さ4~7センチで、口辺部は耳状に張り出し、舷部(先端の幅広い部分)は袋状に巻き込みます。肉穂花序の付属体は白い棒状だそうですが、確認することはできません。雌雄異株で雄株・雄花から雌株・雌花に性転換します。なお、雄花と雌花を持つ中間型もあるそうです。(2016年4月24日撮影)。☆ムサシアブミ(武蔵鐙)の名は、仏炎苞の形が、馬具の鐙(鞍の両側に垂らし乗る人が足先を差しこむようにのせるもの)に似ていることから名付けられたそうです。馬具の鐙は、古代から平安時代にかけて武蔵の国(関東中南部の埼玉県・東京都と神奈川県の一部)の特産品として作られていたので、「武蔵」の名が付けられたそうです。(2015年4月28日撮影)。☆ムサシアブミの花言葉は、「威厳」「偉大な勇者」だそうです。「威厳」は舷部が袋状に巻き込まれた仏炎苞の堂々とした姿から名づけられ、「偉大な勇者」はアブミ(鐙)の名前から鎧兜を身につけた武者を連想して付けたのではないかという記事がありました。
2018.12.26
コメント(1)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[16]】はサトイモ科の植物です。第5回はミミガタテンナンショウの花です。(2012年4月1日撮影)。☆ミミガタテンナンショウは、東北地方南部(岩手県と宮城県の太平洋沿岸)と関東地方と山梨県の低山地、中部地方から四国、九州(大分県)に分布するサトイモ科テンナンショウ属の多年草です。テンナンショウ属は日本には3節60分類群があり、変異が多く中間的な形態のものがあるので区別が難しいそうですが、仏炎苞の色や形からミミガタテンナンショウと考えました。(2014年4月1日撮影)。☆テンナンショウ属には、ヒガンマムシグサ群として6分類群が認められ、その一つがミミガタテンナンショウだそうです。詳しくは、記事末尾に紹介した小林禧樹氏の論文「テンナンショウとともに30年―ヒガンマムシグサ群の調査・研究からみえてきたもの―」(第16回日本植物分類学会賞受賞記念論文、2017年)を参照してください。(2015年3月30日撮影)。☆ミミガタテンナンショウの花期は3~5月で、葉の展開の前に花柄を伸ばして仏炎苞に囲まれた花序をつけます。(2018年3月29日撮影)。☆ミミガタテンナンショウの仏炎苞は高さ10センチ程度で、筒部は4.5~8センチと長く、舷部(先端の幅広い部分)は濃紫色または暗紫色で、口辺部は耳朶(みみたぶ)のように著しく張り出しています。(2015年3月24日撮影)。☆この写真でも、口辺部は著しく張り出し、暗紫色の筒部には多くの白条(白いスジ)が縦に入っています。肉穂花序の付属体は、棒状から棍棒状で、先端は丸く直径は3~10ミリです。ミミガタテンナンショウは、株が年を経て鱗茎が大きくなると、雄株が雌株に性転換するそうです。雄花には多数の雄蕊があり、雌花には多数の子房があります。(2012年4月1日撮影)。☆ミミガタテンナンショウの葉は2個で、小葉は鳥足状に7~13枚つきます。小葉は、線形から広楕円形で、中肋(葉の中心部)に沿って白班が入るものと入らないものがあります。(2017年8月24日撮影)。☆ミミガタテンナンショウは、仏炎苞が枯れると果実が見えるようになり、最初は緑色で秋には朱赤色に変わります。ミミガタテンナンショウの果実は、軸の周りに集合してつく液果で、少数の種子が入っているそうです。果実は、熟すと次第に軸から落ちていきます。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。(2017年8月24日撮影)。☆ミミガタテンナンショウ(耳型天南星)の名は、仏炎苞の口辺部が耳朶(みみたぶ)のように張り出していることと、「天南星」は中国で夜空に広がる星のことで葉が広がる形に由来するそうです。(2015年3月24日撮影)。☆ミミガタテンナンショウの花言葉は、「壮大な美」だそうです。由来は、わかりませんでした。(2015年3月30日撮影)。☆テンナンショウ属については、次のような研究があります。◎小林禧樹「テンナンショウとともに30年―ヒガンマムシグサ群の調査・研究からみえてきたもの―」(第16回日本植物分類学会賞受賞記念論文、2017年)https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunrui/17/2/17_01702-02/_pdf
2018.12.25
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[16]】はサトイモ科の植物です。第4回はウラシマソウの花です。(2014年4月9日撮影)。☆ウラシマソウは、北海道(日高・渡島)、本州・四国・九州(佐賀県)の山野の木陰に生えるサトイモ科テンナンショウ属の多年草です。(2013年3月26日撮影)。☆ウラシマソウは、地中の球茎が多数の子球を作って盛んに栄養繁殖をするので、数株が集まって生えることが多いそうですが、東伊豆で観察したウラシマソウは群生していました。(2013年3月26日撮影)。☆ウラシマソウは、根生する葉が普通は1枚で、11~17枚の小葉からなる鳥足状複葉です。葉柄は、高さ40~50センチで、太くて茎のように見えます。(2013年3月26日撮影)。☆ウラシマソウの花期は4~5月で、葉柄の基部から花茎を出し、葉の陰に紫褐色の仏炎苞に包まれ細長い付属体がついている肉穂花序に花をつけます。(2017年5月5日撮影)。☆仏炎苞の内面は濃紫色で白条があり、筒部は白色を帯びて淡紫褐色、口辺部はやや広がっています。(2013年3月26日撮影)。☆ウラシマソウの肉穂花序の先端の付属体は、細長く釣り糸状に伸び30~60センチにもなります。(2014年4月9日撮影)。☆ウラシマソウは雌雄異株で、若い株は雄花で、肥大した球茎をもつ大きな株になると雄花が雌花に性転換します。(2013年3月26日撮影)。☆ウラシマソウ(浦島草)の名は、肉穂花序の先端の付属体が細長く釣り糸状に伸び30~60センチにもなり、これを浦島太郎が持っている釣り竿の釣り糸に見立てたそうです。(2013年3月26日撮影)。☆ウラシマソウの花言葉は、「注意を怠るな」「回顧」「回想」「不在の友を思う」などだそうです。「注意を怠るな」は空けるなと言われた玉手箱を開けてしまったこと、「回顧」「回想」は竜宮城で過ごした日々を懐かしく思っていること、「不在の友を思う」は突然姿を消した浦島太郎のことを思うなど、浦島太郎にちなんだ花言葉ではないかという解説がありました。(2016年4月1日撮影)。
2018.12.24
コメント(0)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[16]】はサトイモ科の植物です。第3回はザゼンソウの花です。(2012年5月6日撮影)。☆ザゼンソウは、北海道と本州の湿地に生えるサトイモ科ザゼンソウ属の多年草です。(2013年3月27日撮影)。☆ザゼンソウの仏炎苞は、ミズバショウの仏炎苞のような筒部はなく、暗紫褐色の卵円形のボート状で、長さ20センチ、直径15センチほどになり、先端は尖っています。(2013年3月27日撮影)。☆ザゼンソウの葉は長柄があり円心形で、花の後にも伸びて、長さ幅ともに40センチになります。(2012年5月6日撮影)。☆ザゼンソウの花期は3~5月で、花序は葉に先立って出て、肉穂花序は高さ10~20センチになり、1本の肉穂花序には、4枚の花被片がある約100個の小花があるそうです。肉穂花序の下の仏炎苞の内側に、花粉が落ちているようです。(2012年5月6日撮影)。☆ザゼンソウの小花を見ると、上下左右に合計4枚の黄褐色の花被片が見えます。ミズバショウと同じく雌性先熟の花で、雌蕊が先に熟して、その後雄蕊が熟して花粉を出します。それぞれの小花の中央には雌蕊が伸びており、上下左右に雄蕊が4本あります。(2012年5月6日撮影)。☆この写真では、上下左右に合計4枚の暗紫褐色の花被片が見え、雌性期から雄性期に変わり、4枚の花被片の中から雄蕊が伸び始めています。ミズバショウの雄蕊の出方とは異なり、最初の1本の雄蕊の次に隣接する2本の雄蕊が出て、最後に最初の雄蕊と対生する雄蕊が出てくるそうです。(2013年3月27日撮影)。☆ザゼンソウは、開花する際に肉穂花序が約25度にまで発熱し、周りの雪を溶かして顔を出すことができます。また、この発熱と悪臭によって、花粉を媒介する昆虫(ハエ類)をおびき寄せることができるそうです。しかし、気温の低い時期なので訪れる昆虫が少なく、種子の結実率は低いそうです。全体に悪臭があるので、英名では「スカンクキャベツ」と呼ばれるそうです。(2013年3月27日撮影)。☆ザゼンソウ(座禅草)の名は、仏像の光背に似た形の仏炎苞とその中の肉穂花序の形が、僧侶が座禅を組む姿に見えることから名づけられたそうです。 また、別名はダルマソウ(達磨草)で、肉穂花序を達磨大師の座禅する姿に見立てたそうです。(2012年5月6日撮影)。☆ザゼンソウの花言葉は、「沈黙の愛」「ひっそりと待つ」だそうです。どちらも、ひっそりと静かに咲いている様子から名づけられたそうです。(2018年3月24日撮影)。
2018.12.23
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[16]】はサトイモ科の植物です。第2回はミズバショウの花です。(2010年5月5日撮影)。☆ミズバショウは、北海道から本州(兵庫県及び中部以北の日本海側)の湿地に群落を作って自生するサトイモ科ミズバショウ属の多年草です。(2010年5月5日撮影)。☆ミズバショウは、根茎と実生で繁殖し、大きな群落を作ります。大きく成長した個体の塊茎から、太くて長い地下茎が伸びて栄養繁殖するので、数株がまとまって株立ちします。種子は水に流されて散布(水散布)され、発芽率が高く、実生から3年程度で開花します。(2012年5月3日撮影)。☆ミズバショウの花期は3月から5月で、葉が伸びる前に、白い仏炎苞と肉穂花序が伸びてきます。(2017年4月4日撮影)。☆ミズバショウの仏炎苞は、筒部は長く、舷部(先端の幅広い部分)は卵形で先端は鋭く尖っています。ミズバショウの肉穂花序は高さ10~30センチになり、1本の肉穂花序には、4枚の花被片がある小花が数百個あるそうです。(2012年5月3日撮影)。☆仏炎苞をよく見ると、花序を包んでいたため、表面に花序の凹凸の後が残っています。(2010年5月5日撮影)。☆ミズバショウの花は雌性先熟の花で、肉穂花序の上から順に雌性期から雄性期へ移り変わっていきます。このミズバショウの花は、肉穂花序の上から順に雌性期から雄性期へ移り変わってきています。先端の方では、4枚の緑色の花被片の中央から雌蕊柱頭が顔を出しているものも見えます。少し下の花では雄性期に移りつつあり、緑色の花被片の中から雄蕊が顔を出してきています。(2015年3月28日撮影)。☆これは、開花直後の雌性期のミズバショウの花です。雌性期のミズバショウの小花を見ると、上下左右に4枚の緑色の花被片が見え、真ん中から白い雌蕊柱頭が顔を出し伸びています。(2017年4月4日撮影)。☆これは雄性期のミズバショウの花です。それぞれの花を見ると、上下左右に2つに分かれている葯がある雄蕊が1個ずつあり、合計4個見えます。雄蕊は、下の雄蕊、上の雄蕊、右の雄蕊、左の雄蕊の順に伸びてくるそうです。最初に伸びてきた上下の雄蕊からは花粉が出ていますが、左右の雄蕊の葯は花粉を出していません。(2015年3月28日撮影)。☆ミズバショウ(水芭蕉)の名は、花が終わったあとの葉が大きくなり(長さ80センチメートル・幅30 センチメートル)、沖縄で芭蕉布に利用されるバショウ(芭蕉)という植物の葉に似ていることと、水辺に自生していることに由来するとのこと。(2010年5月5日撮影)。☆ミズバショウの花言葉は、「美しい思い出」「変わらぬ美しさ」だそうです。いずれも湿地に咲くミズバショウの花の美しい雰囲気を表したもののようです。とくに「美しい思い出」は、尾瀬に群生している水芭蕉の風景を歌った曲「夏の思い出」から作られたそうです。
2018.12.22
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[17]】はサトイモ科の植物です。第1回はサトイモ科の植物の特徴です。なお、セキショウはサトイモ科からショウブ科に分類されましたが、【第10回・最終回】で紹介しています。写真は、ミズバショウの花です。◎肉穂花序の周りに仏炎苞がある。☆サトイモ科の植物は、小花が花軸に密集した肉穂花序と、それを囲むように発達した仏炎苞が特徴です。写真は、ザゼンソウの花です。☆サトイモ科のテンナンショウ属などでは、仏炎苞の筒状になっている部分を筒部といい、筒部の先端の幅広い部分で舌状に伸びる部分を舷部といいます。写真は、ミミガタテンナンショウの花です。◎両性花で4枚の花被片がある―肉穂花序の種類その1。☆サトイモ科のミズバショウ属・ザゼンソウ属は、小花は両性花で4枚の花被片があります。写真は、ミズバショウの花です。☆写真は、ザゼンソウの花です。◎雌雄同株・雌雄異花か雌雄異株で雄株・雄花から雌株・雌花に性転換する―肉穂花序の種類その2。☆サトイモ科ハンゲ属のカラスビシャクは、仏炎苞の中にある肉穂花序の上に白い雄花序があり、下に黄緑色の雌花序があります。写真は、苞の前面を取り除いたカラスビシャクの花です。☆サトイモ科テンナンショウ属は、雌雄異株で雄株・雄花から雌株・雌花に性転換します。なお、雄花と雌花を持つ中間型もあるそうです。写真は、マムシグサの花です。☆サトイモ科テンナンショウ属・ハンゲ属は、肉穂花序に様々な形の付属体があります。写真は、ウラシマソウの花です。◎単子葉植物なのに葉は線形でなく複雑な形のものが多い。☆サトイモ科の植物は、他の多くの単子葉植物と異なり、多くの小葉がある鳥足状複葉、3枚の小葉がある複葉、ハート形で先端が尖った葉、葉脈が網状になった葉を持つものなどがあります。写真は、鳥足状複葉のミミガタテンナンショウです。☆写真は、葉脈が網状になっているザゼンソウの葉です。
2018.12.21
コメント(0)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[15]】はキク科センダングサ属の植物です。第6回はアメリカセンダングサの花です。(2016年9月4日撮影)。☆アメリカセンダングサは、北アメリカ原産の帰化植物で、大正時代に渡来して、日本全土の道端や空き地に広がったキク科センダングサ属の1年草です。植物図鑑などでは「北海道を除く」となっていますが、2012年に道南で見つけましたし、2016年には道東でも見つけましたので、北海道を含む日本全土に広がっています。(2016年9月4日撮影)。☆アメリカセンダングサは、草丈が50センチから150センチで、茎には4つの陵があって角張っており、断面は4角形になります。茎は、よく枝分かれしており、先端以外の下の方の茎は暗紫色になっています。(2016年9月4日撮影)。☆アメリカセンダングサの葉は長い葉柄があって対生で、下部のものは2回3出複葉、上部のものは3出複葉です。小葉はすべて有柄で、細長く先が尖り、縁には鋸歯があります。(2016年9月4日撮影)。☆アメリカセンダングサの花期は9~11月で、上部の枝先に頭花を1個ずつつけます。(2016年9月4日撮影)。☆アメリカセンダングサの頭花は、葉状の総苞に囲まれ、筒状花とともに周辺に少数の舌状花をつけます。(2012年9月14日撮影)。☆このアメリカセンダングサの花は、苞が8枚、萼片が5枚、萼片の内側に舌状花が5枚、花の中央は筒状花です。筒状花の花冠は、浅く5つに分かれています。(2016年9月4日撮影)。☆2012年に道東で観察したアメリカセンダングサの花です。舌状花は見当たりません。舌状花が小さく、ほとんど目立たないものもあるそうです。(2012年10月7日撮影)。☆果実ができ始めたアメリカセンダングサの花です。茎は、先端まで暗紫色になっています。アメリカセンダングサの果実には2本の棘があり、これが「ひっつき虫」として衣服や動物に付着して散布され、また水に流されても広がるそうです。(2012年10月7日撮影)。☆アメリカセンダングサ(亜米利加栴檀草)の名は、アメリカ原産のセンダングサ(栴檀草)です。センダングサ(栴檀草)の名は、葉の形がセンダン科センダン属のセンダン(栴檀)に似ていることに由来するそうです。なお、センダン(栴檀)の葉は、2回(まれに3回)羽状複葉です。(2016年9月4日撮影)。☆アメリカセンダングサの花言葉は、「近寄らないで」「陽気で騒がしい」だそうです。「近寄らないで」は「ひっつき虫」と呼ばれる種が服に付くと取りにくいため、「陽気で騒がしい」は原産地のアメリカが陽気で騒がしいイメージがあるため名づけられたそうです。
2018.12.20
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[15]】はキク科センダングサ属の植物です。第5回はハイアワユキセンダングサの花です。(2014年4月16日撮影)。☆ハイアワユキセンダングサは、熱帯アメリカ原産の帰化植物で、観賞用に導入されたものが九州以南(九州地方南部、沖縄県、小笠原諸島など)で野生化しているキク科センダングサ属の1年草です。これは、沖縄県で観察したものです。☆アワユキセンダングサは、茎の下部が横に広がって葉が3枚の複葉になるものをハイアワユキセンダングサ(這淡雪栴檀草)といい、茎が直立して葉が5枚の複葉になるものをタチアワユキセンダングサ(立淡雪栴檀草)というそうです。これは、茎の下部が横に広がっており葉が3枚の複葉なのでハイアワユキセンダングサのようです。☆ハイアワユキセンダングサの葉は、3出複葉で対生し、小葉は卵形~楕円形で鋸歯があり、先は鋭く尖っています。☆ハイアワユキセンダングサの花期は周年で、枝先に頭花をつけます。☆ハイアワユキセンダングサは、白く大きい舌状花が特徴で、舌状花は5枚から6枚のものが多いようです。☆このハイアワユキセンダングサは、白く大きい舌状花が6枚見えます。☆このハイアワユキセンダングサは、白く大きい舌状花が8枚見えます。☆写真が鮮明ではありませんが、花とともに果実ができている頭花が見えます。果実はそう果で、冠毛を含めて長さ1.3~1.7センチです。「そう果」とは、薄くて硬い果皮の中に一つの種子が包まれている果実で、果皮と種皮が密着しているので一見すると種子のように見えますが、果実の一種だそうです。果実には鋭いトゲがあり、衣服などに付いて種子を拡散させる「ひっつき虫」です。☆ハイアワユキセンダングサ(這淡雪栴檀草)の名は、茎の下部が横に広がるので「這う」、白く目立つ花を「淡雪」に例えたセンダングサ(栴檀草)でしょうか。センダングサ(栴檀草)の名は、葉の形がセンダン科センダン属のセンダン(栴檀)に似ていることに由来するそうです。なお、センダン(栴檀)の葉は、2回(まれに3回)羽状複葉です。☆アワユキセンダングサの花言葉は、「調和」「忍耐力」だそうです。
2018.12.19
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[15]】はキク科センダングサ属の植物です。第4回はアイノコセンダングサの花です。(2013年11月10日撮影)。☆アイノコセンダングサは、コセンダングサとコシロノセンダングサ(シロバナセンダングサ)の雑種で、関東地方以西の河原や荒れ地に広く分布しているキク科センダングサ属の1年草です。草丈は、50センチから1メートルを超えるものもあります。なお、アイノコセンダングサやコシロノセンダングサを含めてコセンダングサとする説があるそうです。(2015年9月29日撮影)。☆アイノコセンダングサの葉は下部では対生し、上部では互生します。中部の葉は奇数羽状複葉で長さが12~19センチあり、多くの葉は3~5個の小葉に分かれ、頂小葉の先端は細長く尖っています。(2012年9月25日撮影)。☆アイノコセンダングサの花期は9~11月で、上部の枝先に頭花をつけます。雑種の特徴として、頭花には中間的なさまざまな変化があるようです。(2012年9月25日撮影)。☆アイノコセンダングサは、外周の筒状花の何個かが大きく白色になるのが特徴です。アイノコセンダングサの外周の筒状花は、典型的な筒状花から、筒状花が裂けているもの、ほとんど舌状花のように見えるものなどがあります。写真では、白く大きくなった筒状花の花冠の中から柱頭が2つに分かれている雌蕊が伸びてきています。(2012年9月24日撮影)。☆この写真では、黄色い花冠の先端が5つに分かれている筒状花とともに、外側に白い花冠の先端が5つに分かれている筒状花が見えます。(2013年11月3日撮影)。☆こちらの写真でも、黄色い花冠の先端が5つに分かれている筒状花とともに、外側に白い花冠の先端が5つに分かれている筒状花が見えます。(2012年9月13日撮影)。☆花が終わった時期のものです。開いてきていませんが、果実の先端には突起が見えます。(2015年9月29日撮影)。☆アイノコセンダングサの果実はそう果で、冠毛を含めて長さ1.3~1.7センチです。「そう果」とは、薄くて硬い果皮の中に一つの種子が包まれている果実で、果皮と種皮が密着しているので一見すると種子のように見えますが、果実の一種だそうです。果実には、下向きの刺のある刺状冠毛が2・3本あり、これが、ズボンなどの洋服に付く「ひっつき虫」ですが、一度付いたら簡単には取れそうにありません。(2015年9月29日撮影)。☆アイノコセンダングサ(合の子栴檀草)の名は、コセンダングサとコシロノセンダングサの雑種(合の子)であることから名づけられました。(2012年9月13日撮影)。
2018.12.18
コメント(0)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[15]】はキク科センダングサ属の植物です。第3回はコシロノセンダングサ(シロバナセンダングサ)の花です。☆コシロノセンダングサ(シロバナセンダングサ)は、北米原産の帰化植物で、本州中部以西に広がってきているキク科センダングサ属の1年草です。草丈は、50センチから1メートルを超えるものもあります。なお、植物図鑑によって説明が異なりますが、シロノセンダングサは、江戸時代の弘化年間(1844~1846年)に渡来し栽培されていたものが野生化したもので、頭花の直径が3センチほどになるそうです。☆コシロノセンダングサの葉は対生し、奇数羽状複葉で3~5個の小葉に分かれ、頂小葉の先端は細長く尖っています。☆コシロノセンダングサの花期は9~11月で、明瞭な白色の舌状花があることが特徴で、舌状花の長さは5~7ミリで、5つであることが多いそうです。☆コシロノセンダングサの舌状花は、8つ程度ある場合もあり、小さくて不完全な舌状花や屈曲したものが混じることも多いという植物図鑑がありました。この写真では、大きな舌状花が6枚、小さくて不完全な舌状花や屈曲したものが10枚見えます。☆この写真では、大きな舌状花が5枚、小さくて不完全な舌状花が10枚見えます。☆この写真では、大きな舌状花が5枚、小さくて不完全な舌状花が3枚見えます。☆この写真では、大きな舌状花が8枚(5枚+3枚)見えます。☆コシロノセンダングサ(小白栴檀草)の名は、草丈が大きいものでは1.5メートルになるセンダングサ(栴檀草)と比較して小さく、舌状花が白いことから名づけられたそうです。別名のシロバナセンダングサ(白花栴檀草)は、同じように舌状花が白いことから名づけられたそうです。☆コシロノセンダングサの花言葉は、「不器用」「忍耐力」だそうです。「不器用」は、舌状花の形が様々できちんとしていないことからという解説がありました。
2018.12.17
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[15]】はキク科センダングサ属の植物です。第2回はコセンダングサの花です。(2015年10月13日撮影)。☆コセンダングサは、熱帯アメリカ原産で、関東地方以西の河原や荒れ地に広く分布しているキク科センダングサ属の1年草です。草丈は、50センチから1メートルを超えるものもあります。コセンダングサを基本種としてコシロノセンダングサをその変種とする説と、逆にコシロノセンダングサを基本種としてコセンダングサをその変種とする説があるそうです。(2013年11月3日撮影)。☆コセンダングサの葉は下部では対生し、上部では互生します。中部の葉は奇数羽状複葉で長さが12~19センチあり、多くの葉は3~5個の小葉に分かれ、頂小葉の先端は細長く尖っています。(2016年9月27日撮影)。☆コセンダングサの花期は9~11月で、上部の枝先に黄色の頭花をつけます。(2014年10月11日撮影)。☆コセンダングサの総苞片は、箆(へら)形で先が尖り、7~8個が1列に並びます。(2015年10月13日撮影)。☆コセンダングサの頭花には舌状花はなく、黄色い両性の筒状花だけが集まっています。花冠の先は5つに分かれています。(2013年11月3日撮影)。☆コセンダングサの果実には鋭いトゲがあり、衣服などに付いて種子を拡散させる「ひっつき虫」です。花の後、まだ緑色ですが、鋭い棘が伸びています。(2015年10月13日撮影)。☆熟して広がったコセンダングサの果実です。コセンダングサの果実はそう果で、冠毛を含めて長さ1.3~1.7センチです。「そう果」とは、薄くて硬い果皮の中に一つの種子が包まれている果実で、果皮と種皮が密着しているので一見すると種子のように見えますが、果実の一種だそうです。(2015年10月13日撮影)。☆コセンダングサのそう果は、やや平たい線形で4稜があり、先端には下向きの刺のある冠毛が3~4個あります。冠毛は3個のものが多いですが、2個の場合もあります。(2014年10月11日撮影)。☆コセンダングサ(小栴檀草)の名は、草丈が大きいものでは1.5メートルになるセンダングサ(栴檀草)と比較して、舌状花が無く小さいので小さいセンダングサと名づけられたそうです。センダングサ(栴檀草)の名は、葉の形がセンダン科センダン属のセンダン(栴檀)に似ていることに由来するそうです。なお、センダン(栴檀)の葉は、2回(まれに3回)羽状複葉です。(2013年11月3日撮影)。☆コセンダングサの花言葉は、「悪戯好きな子供」「移り気な方」「近寄らないで」「味わい深い」などだそうです。「悪戯好きな子供」「移り気な方」「近寄らないで」の花言葉は衣服などに付く「ひっつき虫」であることに由来し、「味わい深い」の花言葉は花をよく見ると美しいことに由来するそうです。
2018.12.16
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[15]】はキク科センダングサ属の植物です。第1回はセンダングサ属の植物の特徴です。写真は、沖縄で観察したハイアワユキセンダングサの花です。◎一般的に観察できるセンダングサの仲間は帰化植物が多い。☆身近に観察できるセンダングサの仲間は、北アメリカ原産や熱帯アメリカ原産の帰化植物がほとんどです。写真は、熱帯アメリカ原産で関東地方以西の河原や荒れ地に広く分布しているコセンダングサです。☆こちらは、北アメリカ原産で、大正時代に渡来して日本全土の道端や空き地に広がったアメリカセンダングサです。◎頭花は、舌状花があるものと舌状花が目立たないものや無いものもある。☆明瞭な白色の舌状花があるコシロノセンダングサ(シロバナセンダングサ)の花です。☆こちらは、頭花には舌状花はなく、黄色い両性の筒状花だけが集まっているコセンダングサの花です。◎葉は、奇数羽状複葉で多くの葉は3~5個の小葉に分かれる。☆アメリカセンダングサの葉は長い葉柄があって対生で、下部のものは2回3出複葉、上部のものは3出複葉です。センダングサの仲間の葉は、下部では対生し、上部では互生します。◎筒状花は、花冠の先端が5つに分かれている。☆コセンダングサの頭花です。花冠の先は5つに分かれています。☆アイノコセンダングサの頭花です。花冠の先は5つに分かれています。◎果実はそう果で、下向きの刺のある冠毛がついている「ひっつき虫」。☆アイノコセンダングサの果実(そう果)です。「そう果」とは、薄くて硬い果皮の中に一つの種子が包まれている果実で、果皮と種皮が密着しているので一見すると種子のように見えますが、果実の一種だそうです。☆コセンダングサの果実(そう果)です。コセンダングサのそう果は、やや平たい線形で4稜があり、先端には下向きの刺のある冠毛が3~4個あります。写真では、冠毛に下向きの棘があるのがよくわかります。これが、ズボンなどの洋服に付く「ひっつき虫」ですが、一度付いたら簡単には取れそうにありません。
2018.12.15
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[14]】はススキノキ科ワスレグサ属の植物ですが、第6回は番外編で同じススキノキ科でアロエ属のキダチアロエの花です。(2017年1月13日撮影)。☆キダチアロエは、南アフリカ原産のススキノキ科アロエ属の多肉性の多年草です。アロエは、ユリ科、アロエ科、ツルボラン科に分類されていたことがありましたが、APG植物分類体系第3版ではススキノキ科に分類されているそうです。☆キダチアロエは、観賞用・食用に栽培されています。☆キダチアロエの葉は肉厚で、ロゼット状に広がっています。葉の幅は、大きいもので5センチ、厚さは1~2センチです。☆このキダチアロエは東伊豆で観察したものですが、暖かい地方では屋外でも育つことができ、冬に赤橙色の花を咲かせます。☆キダチアロエは、葉の間から長い花茎を伸ばして総状花序をつけ、下から順に次々と花を咲かせます。☆キダチアロエの花序の先端を見ると、一つひとつの花がピンク色で赤い筋がある苞に被われているのがわかります。苞が重なって鱗(うろこ)のように見えます。少し下の花を見ると、苞の中から花被片が伸びているのがわかります。☆キダチアロエの花は管状で、花被片が6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)です。外花被片は、内花被片より少し短く色が濃いようです。奥の花を見ると短い花柄があり、6枚の花披片が合着せずに筒状に集まり基部が膨らんでいる形は、イヌサフラン科のホウチャクソウの花を思い出させます。☆6本の雄蕊が花被片から突き出しており、花被片と同じ長さの雌蕊が1本見えます。☆キダチアロエ(木立アロエ)の名は、木のように枝分かれして立ち上がる姿から名づけられました。アロエは、アラビア語の「alloeh(アロエ)」に由来し、「苦味がある」という意味だそうです。日本では、江戸時代に「Aloe」のことをアロエではなく「ロエ」と訳し、当て字で「蘆薈」と書きました。この漢字を「ロエ」と読まずに「ロカイ」と読むようになってしまったので、アロエの別名は「蘆薈(ロカイ)」と呼ばれるそうです。☆アロエの花言葉は、「健康」「万能」「信頼」「苦痛」「悲嘆」だそうです。「健康」「万能」は、アロエの効能に由来するそうです。「苦痛」は、葉に鋭いトゲがあることに由来するようです。
2018.12.14
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[14]】はススキノキ科ワスレグサ属の植物です。ワスレグサ属は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第5回は、ヘメロカリスの花です。(2017年7月4日撮影)。☆2017年7月、気仙沼大島の宿泊先の庭で観察した花は、ススキノキ科ワスレグサ属の多年草で園芸植物のヘメロカリスでした。品種は、「ステラ・デオロ」のようです。イギリスでは「デイリリー」とも呼ばれる一日花で、カップ咲きの黄色い花を、初夏から秋に毎日次々と咲かせ続けます。暑さ寒さに強いうえ、土壌もあまり選ばず、植えっぱなしでよく育つので、庭などに植えられるようです。☆園芸では、日本や中国原産のユウスゲやカンゾウ類(ノカンゾウ、ヤブカンゾウなど)を元として、品種改良で生まれたものをヘメロカリスと呼ぶそうです。ヘメロカリス属は初夏から夏にかけて次々と花を咲かせる多年草で、日本ではニッコウキスゲやノカンゾウ、ヤブカンゾウが自生し、古くから親しまれています。☆ヘメロカリスの葉は線形で、品種によって幅広のものから細いものまであるそうです。☆ヘメロカリスの花期は6~8月で、品種によっては秋まで咲くものもあるそうです。☆ヘメロカリスは、長い花茎を伸ばし、数個の花をつけます。☆ヘメロカリスの花を横から見ると、6枚の花被片が基部で合着して細長い筒状になっています。花筒があるのが、ユリ科の花と異なるワスレグサ属の特徴です。葉の形や花の形がユリ科の花とは明らかに異なりますので、ユリ科でなくススキノキ科に分類されたのも理解できます。☆ヘメロカリスの花のつくりは、花被片6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)、雄蕊6本、雌蕊が1本です。外花被片3枚は細長く、内花被片3枚は幅広く、形が違っています。☆ヘメロカリスの名は、ワスレグサ属の学名「Hemerocallis」です。ギリシャ語の「hemera(イメラ・1日という意味)」と「kallos(カロス・美という意味)」が語源だそうです。「1日」は、ふつうは朝開き夕刻に閉じる一日花であることに由来するようです。☆ヘメロカリスの花言葉は、「宣言」「媚態」「とりとめない空想」「苦しみからの解放」「一夜の恋」「憂いを忘れる」「微笑」「愛の忘却」などだそうです。
2018.12.13
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[14]】はススキノキ科ワスレグサ属の植物です。ワスレグサ属は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第4回は、ヤブカンゾウの花です。(2016年7月8日撮影)。☆ヤブカンゾウは、北海道から九州の道端や土手、林の縁、平地や丘陵地の斜面などいたる場所に生えるススキノキ科ワスレグサ属の多年草です。有史以前に中国から渡来し、各地に広がったと考えられているそうです。ヒガンバナと同じく染色体が3倍体で結実しません。(2016年7月8日撮影)。☆ヤブカンゾウの葉は、長さ40~60センチ、幅25~40ミリの広線形です。ノカンゾウの幅10~15ミリよりも幅広です。(2016年7月8日撮影)。☆ヤブカンゾウの花期は7~8月で、花茎は高さ80センチから1メートルになり、直径約8センチの橙赤色の花を数個つけます。(2014年7月4日撮影)。☆ヤブカンゾウの花は八重咲きで、雌蕊と雄蕊の一部または全部が花弁化して八重咲きになります。この花は、雌蕊も雄蕊も見当たりませんので、全部が花弁化して八重咲きになったようです。(2017年7月10日撮影)。☆ヤブカンゾウの花は、花筒が約2センチです。花筒があるのが、ユリ科の花と異なるワスレグサ属の特徴です。(2012年7月8日撮影)。☆この花では、花糸の先端に葯がある雄蕊が4本見えます。他の2本は花弁化しており、花弁の縁に花糸が見え先端に葯が見えます。(2017年7月18日撮影)。☆花びらの端の白い雄蕊の花糸状のものと葯は、花びらが雄蕊から変化したものであるという痕跡を残しているようです。(2016年7月8日撮影)。☆ヤブカンゾウ(藪萱草)の名は、藪に咲く萱草から。「藪」は、「野」よりも人家の近くに生えることを意味するそうです。カンゾウ(萱草)は、漢名の音読みです。「萱(かや)」は、屋根を葺くのに使われるカヤなどの総称で、細長い葉を持つ植物に使われる名前だそうです。(2015年7月10日撮影)。☆ヤブカンゾウの花言葉は、「悲しみを忘れる」「憂いを忘れる」「愛の忘却」「順応性」「宣告」「媚びを弄ぶ」「理想郷」などだそうです。「ワスレグサ」に由来するものが多いようです。(2014年7月4日撮影)。
2018.12.12
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[14]】はススキノキ科ワスレグサ属の植物です。ワスレグサ属は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第3回は、ノカンゾウの花です。(2017年6月25日撮影)。☆ノカンゾウは、本州から沖縄に分布し、野原や田んぼの畔など、湿った場所に生えるススキノキ科ワスレグサ属の多年草です。(2017年6月26日撮影)。☆ノカンゾウの葉は、長さ50~70センチ、幅10~15ミリで、ヤブカンゾウより細いそうです。(2017年6月26日撮影)。☆ノカンゾウの花期は7~8月で、花茎は高さ50~70センチ、花茎の上部には小さな苞があります。(2017年6月26日撮影)。☆ノカンゾウの花のつくりは、橙赤色で先がやや反り返る花被片が6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。結実することは少ないそうです。(2017年6月25日撮影)。☆ノカンゾウの花は、花筒が2~4センチあり、他種よりはるかに長いという特徴があります。ノカンゾウの花を横から見ると、6枚の花被片が基部で合成して細長い筒状になっており、明らかに百合の花とは違っています。ノカンゾウの花は、この中に子房があるので、ユリ科の花と同じ子房上位となりますが、形は明らかに違っています。花筒があるのが、ユリ科の花と異なるワスレグサ属の特徴です。(2013年6月24日撮影)。☆ノカンゾウの花の色は変化が多く、赤みの強いものはベニカンゾウと呼ばれるそうです。(2017年6月26日撮影)。☆ノカンゾウ(野萱草)の名は、漢名の萱草(カンソウ)をそのまま音読みして、野山に咲くカンソウからノカンゾウに転訛したそうです。「萱(かや)」は、屋根を葺くのに使われるカヤなどの総称で、細長い葉を持つ植物に使われる名前だそうです。(2017年6月26日撮影)。☆ノカンゾウの花言葉は、「憂いを忘れる」「待ちかねる」「いつも一緒」「気品」「崇高」「決意」「宣告」などだそうです。(2017年6月26日撮影)。☆ノカンゾウの花や茎には、毎年たくさんの白い虫がついています。調べたところ、虫の正体は、キスゲフクレアブラムシでした。キスゲフクレアブラムシは、ノカンゾウやニッコウキスゲなどのユリ科ワスレグサ属の植物、ゴンズイやミツバウツギなどの樹木に寄生する昆虫です。(2017年6月26日撮影)。☆キスゲフクレアブラムシは、ノカンゾウやヤブカンゾウなどの蕾や茎に寄生し吸汁します。キスゲフクレアブラムシは、初夏から秋にかけてはノカンゾウやゼンテイカ(ニッコウキスゲ)などに寄生し、秋から春にはゴンズイやミツバウツギに寄生するそうです。(2016年6月17日撮影)。☆キスゲフクレアブラムシの無翅型は体色が黄色で、背中側がロウ物質に覆われていて白っぽく見えます。キスゲフクレアブラムシは、ノカンゾウやヤブカンゾウなどの蕾や茎に寄生し吸汁します。(2016年6月17日撮影)。
2018.12.11
コメント(0)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[14]】はススキノキ科ワスレグサ属の植物です。ワスレグサ属は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第2回は、ゼンテイカの花です。(2018年7月3日撮影)。☆ゼンテイカは、北海道や本州中部以北の山地または亜高原に自生し、海岸近くでも見られるススキノキ科ワスレグサ属の多年草です。各地で別々に同定されたため、和名・学名ともに混乱が見られるそうです。写真は、群馬県の谷川岳・天神平で観察したゼンテイカです。(2014年7月15日撮影)。☆従来、北海道から本州島北部のものをエゾゼンテイカとし、本州中部のものをゼンテイカ(ニッコウキスゲ)として区別し、別種や変種としましたが、地理的には分けられますが形態的には連続して分けられるのが難しいので、一緒にしてヒメカンゾウ(Hemerocallis dumortieri var. dumortieri)の変種とすることにしたそうです。こちらの写真は、東京都の奥多摩・鳩ノ巣渓谷で観察したゼンテイカです。この地域に咲くものを愛称で「多摩川キスゲ」と呼んでいるそうです。(2015年5月30日撮影)。☆こちらの写真は、福島県の裏磐梯・五色沼周辺で観察したゼンテイカです。(2018年7月3日撮影)。☆ゼンテイカの葉は、長さ60~70センチ、幅16~20ミリです。(2014年7月153日撮影)。☆ゼンテイカの花期は7~8月(奥多摩・鳩ノ巣渓谷は5月末~6月)で、花茎は高さ60~80センチ、花序には3~10個の花がつきます。(2015年5月30日撮影)。☆ゼンテイカの花は、花柄がごく短いものから3センチ位のものまで様々です。(2015年5月30日撮影)。☆ゼンテイカの花は、花筒の長さが15~20ミリ、6枚の花被片の長さが6.5~8センチです。花筒があるのが、ユリ科の花と異なるワスレグサ属の特徴です。(2018年7月3日撮影)。☆ゼンテイカの花のつくりは、花被片が6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。(2015年5月30日撮影)。☆ゼンテイカ(禅庭花)の名は、日光の戦場ヶ原を中禅寺の庭に見立て、そこに咲く花ということで禅庭花と名付けられたそうです。ニッコウキスゲ(日光黄菅)の名は、栃木県日光に多く、黄色い花を咲かせ、葉がカヤツリグサ科のスゲ(菅)に似ていることに由来するそうです。(2014年7月15日撮影)。☆ゼンテイカの花言葉は、「日々あらたに」「夏美人」「元気溌剌」「単純」だそうです。なお、ニッコウキスゲの花言葉は、「晴れた日の喜び」「心安らぐ人」だそうです。☆なお、ゼンテイカは、APG分類体系第4版(2016年)では、ススキノキ科ワスレグサ属からツルボラン科ワスレグサ属に改められたそうです。
2018.12.10
コメント(0)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[14]】はススキノキ科ワスレグサ属の植物です。ワスレグサ属は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第1回は、ワスレグサ属の植物の特徴です。写真は、ノカンゾウの花です。◎葉は根生し、葉の形は線形。☆ワスレグサ属の植物の葉は根生し、葉の形は線形です。写真は、ゼンテイカです。◎花茎を伸ばし、茎先に集散花序をつける。☆ワスレグサ属の植物の花期は6~9月で、花茎を伸ばし、茎先に2出集散花序をつけます。写真は、ヤブカンゾウです。◎花被片は6枚、雄蕊は6本、雌蕊は1本。☆ワスレグサ属の植物は、花被片が6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。写真は、園芸植物のヘメロカリスです。◎花被片が基部で合着して細長い筒状の花筒となっている。☆ワスレグサ属の植物は、花被片が基部で合着して細長い筒状の花筒となっています。写真は、ゼンテイカです。◎花筒中に子房があり子房上位となっている。☆ワスレグサ属の植物は、花筒中に子房があり、花被片の付け根より上に子房がある子房上位です。写真は、ノカンゾウです。◎属名のワスレグサ(忘れ草)の名前の由来について。☆属名のワスレグサについて調べてみると、いくつかの説がありました。写真は、ヤブカンゾウです。(1)昔、中国では、春先に萱草の刀のような葉を交互につけた若芽を食べると「憂いが晴れる」といわれており、「忘草」「忘憂草」とも呼ばれていた。やがて、花を身につけたり見たりするだけで「憂いを忘れさせてくれる」という意味に変わっていったという説。(2)花の蕾(つぼみ)を調理して食べると、心配事をすべて忘れる程美味しいことからきているという説と、その美しい花を見ると憂さを忘れることからきているという説。(3)「今昔物語」には、「忘れ草と忘れない草」にまつわる話がある。
2018.12.09
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第10回は、アツバキミガヨランの花です。(2015年10月13日撮影)。☆アツバキミガヨランは、日本には明治時代に渡来した北アメリカ原産のキジカクシ科ユッカ属(イトラン属)の常緑性の多年草(低木)です。キミガヨランの仲間は、北アメリカ大陸の砂漠を中心に40種くらい分布しているそうです。樹高は、1~1.5メートルになります。(2015年10月13日撮影)。☆アツバキミガヨランの葉は、厚くて硬く細長く鋭利な刀のような形で、長さ30~80センチ、幅約3センチ、多数集合して放射状に広がっています。葉の先端には、鋭い刺状の突起があります。(2015年10月13日撮影)。☆アツバキミガヨランの花期は5~6月、9~11月の年2回で、放射状に広がった葉の中心部から、高さ1~1.5メートルの長い花茎を真っ直ぐに伸ばします。(2014年10月8日撮影)。☆アツバキミガヨランの花序は円錐花序で、花茎は分枝し、下向きの純白(黄白色)の花を多数つけます。(2015年10月13日撮影)。☆アツバキミガヨランの白い花被片は6枚で、外側の3枚は萼片由来の外花被片で、内側の3枚は花弁由来の内花被片です。(2015年10月13日撮影)。☆花を後ろから観察してみました。外側の3枚は、萼片由来の外花被片です。花柄から伸びる小花柄の付け根には、褐色で披針形の苞葉が見えます。(2015年10月13日撮影)。☆花の中を見ると、6本の雄蕊と先端が3つに分かれる雌蕊が見えます。ただし、日本にはアツバキミガヨランの受粉を媒介する蛾(俗名ユッカ蛾)がいないので、自然環境では受粉・結実しないそうです。(2015年10月13日撮影)。☆アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)の名は、学名(Yucca gloriosa)の種小名「グロリオサ(gloriosa)」の「栄光のある」という意味を「君が代は栄える」と解釈して名づけられたそうです。「厚葉」は、文字通り葉が肉厚であることから。(2014年10月8日撮影)。☆アツバキミガヨランの花言葉は、「勇壮」「雄壮」「偉大」「勇ましい」「颯爽とした」「立派」「全てを持つ」「私に近づかないで」などだそうです。「勇壮」「雄壮」「偉大」「勇ましい」「颯爽とした」の花言葉は、「君が代蘭」という名に由来するのでしょうか。「私に近づかないで」の花言葉は、葉の先端に鋭い刺状の突起があることに由来するのでしょうか。(2015年10月13日撮影)。☆アツバキミガヨランとユッカ蛾について調べてみると、興味深い記述(筑波実験植物園「植物図鑑」)がありました。アメリカの自生地には、体長1センチほどの可憐な白銀色のユッカ蛾いるそうです。このユッカ蛾の幼虫はユッカの若い種子しか食べることができないので、母親のユッカ蛾は生まれてくる幼虫のために花粉を集めてきて雌蕊につけ、その後で花に卵を産み付けるそうです。卵からかえったユッカ蛾の幼虫は、ユッカの種を食べて成長します。☆ユッカ蛾の幼虫が大きく成長でき、ユッカも種ができ子孫を残すことができる。こんな不思議な「持ちつ持たれつ」の関係は、4000万年という気の遠くなるような年月の間続いて来たと考えられているそうです。
2018.12.08
コメント(0)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第9回は、リュウゼツランの花です。(2014年11月18日撮影)。☆リュウゼツランは、キジカクシ科リュウゼツラン属の常緑性の多年草です。リュウゼツランは、メキシコを中心に、米国南西部と中南米に自生し、食用作物・繊維作物・観葉植物として栽培されているそうです。リュウゼツラン属は、以前はユリ科やリュウゼツラン科、研究者によってはヒガンバナ科に分類されていましたが、APG分類体系第3版(2009年)でキジカクシ科に分類されました。☆リュウゼツランの葉は、根元から20~30枚の多肉質の葉を叢生(そうせい)し、根生葉が放射状に展開するロゼットの直径は2~3メートルになります。☆リュウゼツランの葉は、長さ1~2メートルの肉厚の披針(ひしん)形で、色は青白色、先端と葉縁に鋭い刺があります。リュウゼツランは、斑なし品種を「アオノリュウゼツラン」というそうです。斑入りの品種が先に日本に輸入され、その斑入り品種に「リュウゼツラン」という名前がつけられたため、基本種である斑なし品種はアオノリュウゼツラン」と名づけられたそうです。☆リュウゼツランの花期は7月下旬から8月上旬で、ロゼットの中心から高さ5~8メートルの太い花茎を伸ばし、円錐花序に多数の花をつけます。花茎は、1日に10センチほど成長し2カ月ほどで高いものでは高さ10メートルにもなり、数千の花をつけるそうです。リュウゼツランは、十年から数十年に一度開花し、開花・結実後に枯れてしまう一回結実性(一稔性植物)だそうです。☆リュウゼツランの花茎は、太さが直径10セント以上あるようです。開花期には、葉から茎へ養分が移動し花茎が急成長するそうです。この花茎を伸ばす前の茎から糖分を採りだしアルコール発酵させたものが、メキシコで作られるテキーラだそうです。☆花茎の先端に、円錐花序をつけます。☆観察したのは、11月中旬でした。花は終わり、果実が成長してきています。咲いた花のうち、実をつけるのは2割程度だそうです。果実の中には多数の種子がありますが、発芽率は低いそうです。☆リュウゼツラン(竜舌蘭)の名は、葉に長くて固いトゲがあり、肉厚の葉を竜の舌に見立てたことに由来するそうです。☆リュウゼツランの花言葉は、「繊細」「気高い貴婦人」だそうです。「繊細」という花言葉は、1度花を咲かせると枯れてしまうので名づけられたそうです。また、「貴婦人」という花言葉は、ゆっくりと生長する姿が高貴なプライドを感じさせることに由来するそうです。
2018.12.07
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第8回は、スズランの花です。(2012年5月12日撮影)。☆スズランは、北海道・東北・本州中部以北の山地や高地の草原に生えるキジカクシ科スズラン属の多年草です。スズラン属の日本在来変種は、Convallaria majalis var. keiskeiのみだそうです。園芸品種が、庭や公園に植えられています。(2012年5月12日撮影)。☆ヨーロッパ原産のドイツスズラン(Convallaria majalis var. majalis)は、大型で花の香りが強く、日本に自生するスズランの花茎が葉より低く短いのに対して、ドイツスズランは花茎が葉と同じ高さか葉より高く上に伸びます。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの葉は、2枚(まれに3枚)が根生し、葉身は楕円形から卵状長楕円形で長さ10~18センチ、幅3~7センチ、裏面はやや粉白色です。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの花期は4~6月で、花茎は高さ20~35センチで、花が10個ほどつきます。(2012年5月12日撮影)。☆このスズランの花序は、8個の花が見えます。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの花は、広鐘形で、直径は10ミリ程で、裂片は外側に反り返っています。スズランの花は、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)が付け根の部分で合着しています。雄蕊が6本、雌蕊が1本あるそうです。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの苞は広披針形で長さ4~10ミリ、小花柄は長さ7~12ミリです。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの果実は球形の液果で、直径6~12ミリ、秋には赤色に熟します。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。(2012年12月16日撮影)。☆スズラン(鈴蘭)の名は、広鐘形の鈴のような形の花を咲かせること、葉の形が蘭に似ていることに由来します。別名のキミカゲソウ(君影草)は、花が葉の下に咲き葉の影に隠れるように見えることに由来するようです。(2012年5月12日撮影)。☆スズランの花言葉は、「再び幸せが訪れる」「幸福の再来」「希望」「純愛」「純粋」「純潔」「謙遜」「無意識の美しさ」「リラックス」「平穏」などだそうです。「再び幸せが訪れる」は、スズランが北国の人々にとって春の訪れの喜びのしるしになっていることに由来するそうです。「純粋」は、スズランがヨーロッパで「聖母の涙」と呼ばれていることにも関係するそうです。「癒やし」は、イギリスで語り継がれている森の守護神であるセント・レオナードの伝説から来ているそうです。
2018.12.06
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第7回は、ムスカリの花です。(2015年3月15日撮影)。☆ムスカリは、地中海沿岸や西南アジア原産で、キジカクシ科ムスカリ属(Muscari)の多年草です。耐寒性が高く非常に丈夫な性質を持ち、野生化しているものを見かけます。(2010年3月28日撮影)。☆葉はやや肉厚の線状で、数本が根生します。葉は秋に芽を出し、花が咲いた後、夏には地上部を枯らせて休眠し、再び秋に芽吹きます。(2014年1月5日撮影)。☆ムスカリの花期は3月から5月上旬で、10~30センチに伸びた花茎の上部に、直径3~5ミリ程度の小さな花を総状に密に咲かせます。(2016年3月22日撮影)。☆ムスカリの花は壺型で、下向きに咲きます。ムスカリの一つひとつの花をよく見ると、花の先端が浅く分かれ、白い先端が反り返っているように見えます。(2015年3月15日撮影)。☆花を注意深く観察すると、ムスカリの花は、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)が壺状に合わさり、先端がわずかに反り返っています。壺状の花冠が先端で6つに分かれているのではなく、6枚の花被片が重なって壺状の形になっており、それぞれの白い先端が反り返っていることがわかります。6枚の花被片は、外側の3枚の外花被片と内側の3枚の内花被片に分かれていることもわかります。(2015年3月15日撮影)。☆花被片の中を観察すると、6本の雄蕊があるようです。(2015年3月15日撮影)。☆「ムスカリ」の名は、ムスカリ属の花の総称です。アルメニアクム(Muscari arumeniacum:ブドウムスカリ)の青花・白花が花壇で多く栽培されているそうです。ムスカリは、ギリシャ語のムスク(moschos、麝香:じゃこう)のことで、ある種の花が強い芳香を放つところからきているそうです。ムスカリの花の姿はブドウの房のように見え、英名はグレープヒヤシンスだそうです。(2012年4月13日撮影)。☆ムスカリの花言葉は、「明るい未来」「通じ合う心」「寛大な愛」「絶望」「失望」「失意」などだそうです。(2010年3月28日撮影)。☆ムスカリは、世界最古の埋葬花としても有名で、6万年前から埋葬花として人を送り出す役割を担っていたことが分かっているそうです。「絶望」「失望」「失意」などの花言葉は、そのような歴史から名づけられたのでしょうか。(2016年3月22日撮影)。
2018.12.05
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第6回は、ヤブランの花です。(2015年7月23日撮影)。☆ヤブランは、本州以南の山地の林下に生えるキジカクシ科ヤブラン属の常緑の多年草です。(2014年8月21日撮影)。☆ヤブランの葉は根生し、線形で長さ30~60センチ、幅0.8~1.2センチ、鈍頭で縁に小さな鋸歯があります。(2013年7月24日撮影)。☆ヤブランの花期は7~10月で、高さ30~50センチの花茎を伸ばし、淡紫色の小さな花を総状に多数つけます。(2015年7月23日撮影)。☆ヤブランの花は、1つの苞腋から3~8個の花を上向きにつけます。花柄があり、長さは3~4ミリ程度です。(2014年8月21日撮影)。☆左の花は苞腋から3個の花、右の花は苞腋から6個の花が出ています。(2016年8月5日撮影)。☆ヤブランの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、クリーム色の長い葯がある6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。花被片6枚を観察すると、萼片由来の外花被片は細長い楕円形で、本来の花弁である内花被片は丸みのある楕円形です。(2015年7月23日撮影)。☆ヤブランの果実は蒴果ですが、果皮が薄く、果皮が脱落して種子がむき出しになって成長します。写真では、子房を破ってむき出しになって間もない濃い緑色の種子が見えます。種子は、1つの花に1~4個付くそうです。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2017年10月3日撮影)。☆ヤブランの種子は、11月には光沢がある紫黒色の球形に熟します。(2013年11月27日撮影)。☆ヤブラン(藪蘭)の名は、林内の藪に生えて葉が蘭に似ている植物から。(2013年7月24日撮影)。☆ヤブランの花言葉は、「忍耐」「隠された心」「謙遜」「無邪気な」などだそうです。「忍耐」は耐寒性・耐暑性が強く日陰でも丈夫に育つことに由来するといわれ、「隠された心」は葉の間に隠れるようにして咲く花のひかえめな姿にちなむとも言われているそうです。
2018.12.04
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第5回は、ノシランの花です。(2014年9月5日撮影)。☆ノシランは、本州(東海地方以西)・四国・九州の海岸線にある林の下などの薄明るい場所に生えるキジカクシ科ジャノヒゲ属の常緑性多年草です。栽培品種もあり、観察したのは海岸とは遠く離れた林の中でした。☆ノシランの葉は、長さ30~80センチの線形で、質が厚く光沢があります。縁はほぼ平滑で、わずかにざらつき、先端が垂れ下がります。☆ノシランの花期は7~9月で、花茎は高さ30~50センチ、幅10~15ミリ、扁平な2稜形で狭い翼があるそうです。花茎は斜上しますが、倒れやすい特徴があります。☆花序は長さ10~20センチの総状花序で、披針形の苞の腋に花が3~8個ずつ下向きにつきます。☆上の花序を見ると、緑色の披針形の苞の腋に花がついているのがわかります。☆ノシランの花柄は、長さ1~2.2センチで、花柄の中部より上に関節があります。☆ノシランの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。☆ノシランの花被片は、白色~淡紫色の広披針形で長さは約6ミリです。雄蕊の花糸はごく短く、葯は長くて先が尖り、2つに分かれています。葯の色は、咲き始めは緑色で、しだいに黄色になるそうです。☆ノシラン(熨斗蘭)の名は、葉や茎が扁平でノシ(熨斗)に似ているという説、葉も茎も火熨斗(ひのし:昔のアイロン)で伸ばしたように平べったいことに由来するという説がありました。蘭の名は、葉が常緑で光沢があり蘭の葉に似ていることに由来するそうですが、この由来はヤブラン(藪蘭)などと同じです。☆ノシランの花言葉は、「ひっそり」だそうです。「ひっそり」は、細長い葉の間に隠れるようにして咲く控えめな花の様子からなづけられたようです。☆花が終わると、種子が直径9~10ミリの倒卵形~楕円形に成長し、12~1月に熟すと美しいコバルトブルーになるそうです。その美しい実を観察したいものです。
2018.12.03
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第4回は、ツルボの花です。(2016年8月15日撮影)。☆ツルボは、北海道西南部以南の日本全土の山野の日当たりの良いところに生えるキジカクシ科ツルボ属の多年草です。(2015年8月28日撮影)。☆ツルボの葉は、春と夏、年に2回出ます。春には5~10枚の春葉が出て夏草が茂る頃には枯れ、初秋に2~3枚の葉が出て葉の間から花茎を伸ばして花穂をつけるそうです。葉は倒披針状線形で先が尖り、長さ10~25センチ、幅4~6ミリ、表面は浅くくぼみ、厚く軟らかいそうです。写真では、花茎の両側に2枚の葉が見えます。(2016年8月15日撮影)。☆ツルボの花期は8~9月で、高さ20~50センチの花茎の先端に総状花序をつけます。(2012年9月4日撮影)。☆ツルボは、花序に長さ3~6ミリの花柄がある花が密に付き、花穂の下から順に咲いていきます。花穂の先端の蕾は緑色で、次第に淡紅紫色に変わり、花が咲いていく様子がわかります。(2015年8月24日撮影)。☆ツルボの花は斜上向きに咲き、ツルボの花のつくりは、淡紅紫色の花被片が6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。花被片の中央には、紫色のスジが見えます。(2012年9月4日撮影)。☆6本の雄蕊は花被片とほぼ同じ長さで、花糸の先端の葯は2つに分かれています。子房は3室に分かれており、子房から伸びる雌蕊花柱は紫色です。(2012年9月6日撮影)。☆花序の下の方で花が終わったものは、果実ができ始めています。ツルボの果実は蒴果で、熟すると裂開して黒い種子が散布されます。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2013年8月22日撮影)。☆ツルボ(蔓穂)の名は、球根の外皮をとると、つるりとした坊主頭に似ているので、「ツルボウズ」からツルボになった説などがあるようです。また、「ツルイイボ(蔓飯粒穂)」が略されてツルボになったという説がありました。「ツル(蔓)」は長く連なることや長く伸びることを表す言葉、「イイ(飯粒)」は飯粒(めしつぶ)で「イイボ(飯粒穂)」は飯粒状のものが花穂を作っていることだそうです。「ツルイイボ(蔓飯粒穂)」が「ツルイボ」になり、そしてツルボ(蔓穂)になったという説です。(2016年8月15日撮影)。☆ツルボの花言葉は、「流星のような」「不変」「志操堅固」「我慢強い」「寂しさ」「悲しみ」「哀れ」などだそうです。ツルボは、球根(鱗茎)の分球と種子の散布で増えるため、大きな群落を作っています。(2014年8月31日撮影)。☆ツルボの別名はサンダイガサ(参内傘)で、公家が内裏に参内するときに従者に持たせた長い柄がある傘をたたんだ形に、ツルボの花序の形が似ているため名づけられたそうです。
2018.12.02
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第3回は、コバギボウシの花です。(2013年8月4日撮影)。☆コバギボウシは、本州から九州までの日当たりのよい湿地に生えるキジカクシ科キボウシ属の多年草です。コバギボウシは、横に這う根茎があるそうで、横に広がって群生しています。コバギボウシの葉は、多数根生し斜上します。(2015年8月10日撮影)。☆コバギボウシ葉身は長さ10~16センチ、幅5~8センチの狭卵形から卵状長楕円形で、先は尖り、基部は翼状になって葉柄に流れています。表面は灰緑色で光沢はなく、脈は凹んでいます。(2013年8月11日撮影)。☆コバギボウシの花期は7月から8月で、花茎は高さ30~40センチで、淡紫色から濃紫色の花を横向きに開きます。(2012年8月21日撮影)。☆コバギボウシの花は、長さ4~5センチの筒状鐘形で、下半部は細く上部は広がり先端が6つに裂けています。内側に濃紫色のスジがあります。(2012年8月4日撮影)。☆雄蕊は6本で花冠から出ており、花糸は大きく曲がって上を向いています。雌蕊はさらに長く、花冠から外に突き出しており、花柱の先が上向きに反り返っています。(2013年8月11日撮影)。☆花の基部の苞は緑色で、舟形にくぼんでいます。(2012年8月4日撮影)。☆コバギボウシ(小葉擬宝珠)の名は、葉が小さいギボウシ(擬宝珠)です。(2013年8月11日撮影)。☆ギボウシ(擬宝珠)の名は、花の蕾が橋の欄干の上端につける装飾具の擬宝珠に似ていることから名づけられたそうですが、先端の蕾の部分は確かに擬宝珠のように見えます。(2012年8月4日撮影)。☆コバギボウシの花言葉は、「気持の穏やかな」「沈静」だそうです。(2012年8月2日撮影)。
2018.12.01
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第2回は、オオバギボウシの花です。(2017年6月26日撮影)。☆オオバギボウシは、北海道西南部から九州の草原や林内に生えるキジカクシ科キボウシ属の多年草です。(2017年6月26日撮影)。☆オオバギボウシの葉は全て根生葉で、長い葉柄の先に名前の通りの大きな葉をつけます。葉脈が凹んでいるのが目立ちます。(2016年6月29日撮影)。☆オオバギボウシの花期は6月から8月上旬で、花茎を長く伸ばし、紫白色や白色の筒状の花を咲かせます。(2012年7月2日撮影)。☆花の長さは4~5センチで細長く、先端は6つに裂けています。雄蕊は6本で花冠から少し出ており、雌蕊は長く花柱の先が曲がっており花冠から外に突き出しています。(2016年6月29日撮影)。☆花の付け根にある苞は白色から淡緑色で、花茎が伸長し花が開く前には星形になっており、白い花のように見えます。(2016年6月29日撮影)。☆苞は、花が開くと花茎から扁平に開出します。(2016年6月29日撮影)。☆オオバギボウシの果実は狭長楕円形の蒴果(さくか)で、種子が多数あり、種子は黒色・扁平の長楕円形で翼があります。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2018年11月1日撮影)。☆オオバギボウシ(大葉擬宝珠)の名は、キボウシ属の中では葉が大きく、花の蕾が橋の欄干の上端につける装飾具の擬宝珠に似ていることから。擬宝珠は、ネギの花に似ていることから「葱台(そうだい)」とも呼ばれるそうです。(2016年6月29日撮影)。☆オオバギボウシの花言葉は、「落ち着き」「静寂」「沈静」「変わらない思い」などだそうです。半日陰の林内で下向きの白い花を静かに咲かせている姿からは、どの花言葉もピッタリだと感じました。(2012年7月2日撮影)。☆なお、オオバギボウシの別名には、トウギボウシ(唐擬宝珠)などがあります。以前は、日本海側のものをトウギボウシ、太平洋側と北海道西南部のものをオオバギボウシと分けて別種としていましたが、最近では同一種とするのが一般的だそうです。
2018.11.30
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年9カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[13]】はキジカクシ科(クサスギカズラ科:Asparagaceae)の植物です。キジカクシ科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第1回は、オオアマナの花です。(2012年5月14日撮影)。☆オオアマナは、ヨーロッパ、アフリカ、アジア西部原産で、日本には明治の終わり頃に観賞用植物として渡来したキジカクシ科オオアマナ属の多年草です。古くから庭などで栽培されてきた品種は「オーニソガラム・ウンベラツム(Ornithogalum umbellatum)」で、写真はウンベラツムです。栽培品種が野生化して、広がっています。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナの葉は、1つの鱗茎から6~10個出て、長さは30センチ以下、幅は8ミリ以下の線形です。(2012年5月13日撮影)。☆オオアマナの葉は、表に白色の線があるそうですが、写真でも確認できます。(2012年5月13日撮影)。☆オオアマナの花期は4~5月で、散房状の総状花序に6~20個の花をつけます。(2014年5月14日撮影)。☆オオアマナの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。花被片の外側は緑色で、白色の縁取りがあります。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナの雄蕊の花糸の根元は幅広くなり、6本の雄蕊が王冠のように見えます。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナの雌蕊下部の子房は、緑色で大きく、6つの陵があります。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナ(大甘菜)の名は、花の形がユリ科のアマナ(甘菜)に似ていて大型であることに由来します。ただし、アマナと違って鱗茎は有毒だそうです。(2013年4月15日撮影)。☆オオアマナ花言葉は、「潔白」「純粋」「無垢」「才能」「清純な誘惑」などだそうです。「潔白」「純粋」「無垢」は、大きく白い花を咲かせることに由来するのでしょうか。(2013年4月15日撮影)。
2018.11.29
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[12]】はイヌサフラン科の植物です。イヌサフラン科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第3回は、イヌサフラン科のホウチャクソウの花です。(2018年4月22日撮影)。☆ホウチャクソウは、日本全土の丘陵や原野の林下に生えるイヌサフラン科チゴユリ属の多年草です。(2018年4月16日撮影)。☆ホウチャクソウの茎は上部で分枝し、高さ30~60センチになります。(2017年5月5日撮影)。☆ホウチャクソウの葉は互生し、長楕円形~広楕円形で先は尖り、表面は光沢があります。(2018年4月22日撮影)。☆ホウチャクソウの花期は4~6月で、枝先に淡緑白色の花が1~2個垂れ下がってつきます。(2018年4月16日撮影)。☆ホウチャクソウの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。ホウチャクソウの6枚の花披片は、長さ2.5~3センチで合着せずに筒状に集まっています。花被片の基部は淡緑白色でふくらみ、先端部は緑色が濃くなっています。(2017年5月5日撮影)。☆ホウチャクソウの花は、雄蕊が6本、雌蕊が1本で、雌蕊花柱の先端は3つに分かれています。(2015年4月29日撮影)。☆ホウチャクソウの果実は、直径約1センチの球形の液果で、8~10月に熟し、熟すと黒くなります。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。(2017年9月7日撮影)。☆ホウチャクソウ(宝鐸草)の名は、花の形が寺院の軒先に下がっている宝鐸(四隅に吊り下げられた飾りの大型風鈴)に似ていることから。(2013年4月15日撮影)。☆ホウチャクソウの花言葉は、「追憶」「よきライバル」「嫉妬」「あなたを離さない」などだそうです。由来は、わかりませんでした。(2017年5月5日撮影)。
2018.11.28
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[12]】はイヌサフラン科の植物です。イヌサフラン科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第2回は、イヌサフラン科のチゴユリの変種と思われる花です。◎茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリを発見。☆2018年4月16日と19日、昭和記念公園の「こもれびの丘」を訪ね、自然観察を行ないました。茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリを見つけました。(2018年4月19日撮影)。☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、まるでホウチャクソウの茎にチゴユリの花が咲いているようなチゴユリの群落を2カ所見つけました。草丈は、20~25センチ程度です。近くには、茎が斜めに伸び、茎先に下向きに花を咲かせているチゴユリも生えていました。(2018年4月19日撮影)。☆茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花と、ホウチャクソウの花が混在して咲いています。いずれも草丈は25センチ程度で、茎が立ち上がり枝分かれする姿は、全く同じように見えます。(2018年4月19日撮影)。◎茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花。☆写真のように茎が立ち上がり、3つに枝分かれしています。(2018年4月19日撮影)。☆植物図鑑やインターネットの記事で、茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花について調べてみると、次の3種類でした。(1)オオチゴユリ。・草丈は40~70センチで、よく分枝する。花は大きく花被片の長さは15~20ミリ、花被片は緑色を帯びる。雌蕊の先は大きく裂ける。(2)ホウチャクチゴユリ。・高尾山で発見されたホウチャクソウとチゴユリの雑種で、花被片の長さは2~3センチ。(3)エダウチチゴユリ。・チゴユリの変種で、花被片の長さや雌蕊の先の裂け方はチゴユリと同じ。現在では、チゴユリの変種としないという記事もありました。☆今後の観察のために、花の特徴などを記録しておきます。茎は立ち上がり、3つに枝分かれしています。草丈は25センチ、花の大きさ(花被片の長さ)は17ミリです。葉をよく見ると、縁が波打っているように見えます。(2018年4月16日撮影)。◎花被片の長さは17ミリで雌蕊花柱の先端が大きく裂けている。☆花は茎先に1~2個ついており、下向きに咲いています。花被片の長さは17ミリです。ホウチャクソウとチゴユリの雑種のホウチャクチゴユリは、花被片の長さが2~3センチだそうですので、高尾山で発見されたホウチャクチゴユリではなさそうです。(2018年4月19日撮影)。☆花を下から観察してみると、チゴユリに比べて雌蕊花柱の先端が大きく裂けており、後ろに丸まるようにそり返っています。チゴユリの雌蕊の先端は、少ししか裂けていないため、明らかに異なっています。チゴユリの変種のエダウチチゴユリは、花被片の長さや雌蕊の先の裂け方はチゴユリと同じですので、エダウチチゴユリではありません。(2018年4月19日撮影)。☆こちらの花も、雌蕊花柱の先端が大きく裂けており、後ろに丸まるようにそり返っています。雌蕊の特徴だけを見ると、オオチゴユリと共通しているようです。(2018年4月19日撮影)。☆このような花の大きさや雌蕊の特徴から考えると、草丈は25センチと低いですが、オオチゴユリと共通しているようです。◎茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花。引き続き調査していきます。☆茎が立ち上がり枝分かれするチゴユリの花。茎が立ち上がり枝分かれする姿は、ホウチャクソウと全く同じように見えます。(2018年4月19日撮影)。☆花の特徴はオオチゴユリと共通しているようですが、草丈や花被片の色など疑問が残ります。草姿から見るとホウチャクソウとチゴユリの雑種のようにも見えますが、高尾山で発見されたホウチャクチゴユリとは花の大きさが異なります。引き続き調査していきます。(2018年4月19日撮影)。
2018.11.27
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[12]】はイヌサフラン科の植物です。イヌサフラン科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第1回は、イヌサフラン科のチゴユリの花です。(2015年4月28日撮影)。☆チゴユリは、北海道から本州・四国・九州の山野の林内に生えるイヌサフラン科チゴユリ属の多年草です。茎は高さ15~30センチ、枝分かれしないか、わずかに枝分かれすることもあるそうです。(2013年4月18日撮影)。☆チゴユリの葉は、楕円形または長楕円形、葉柄はほとんどなく、先は尖っています。(2018年4月16日撮影)。☆チゴユリの葉の縁に「半円形の突起がある」と書いている植物図鑑がありましたが、葉の縁が波打っていることを指しているのでしょうか。(2018年4月16日撮影)。☆チゴユリの花期は、4~5月です。チゴユリは、茎先に1~2個の花を斜め下向きにつけます。(2017年4月14日撮影)。☆茎先の花は、ほとんどが1個ですが、これは2個の花が見えます。(2016年4月24日撮影)。☆花のつくりを見るため、花を下から撮影してみました。付け根が黄緑色の6枚の白い花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、雄蕊より長く突き出している1本の雌蕊が見えます。6本の雄蕊のうち、外側の3本が先に熟して花粉を出しているようです。(2017年4月14日撮影)。☆この写真では、雌蕊花柱の先端が3つに分かれており、裂片が反り返っているのがわかります。(2014年4月24日撮影)。☆チゴユリ(稚児百合)の名は、花が小さく可愛らしくチゴ(稚児)のようなユリ(百合)の花を咲かせることに由来します。名前の通り、直径1センチメートル位の小さな花を下向きに咲かせています。☆チゴユリの花言葉は、「私の小さな手をいつもにぎって」「恥ずかしがりや」だそうです。「私の小さな手をいつもにぎって」は、稚児のように小さくかわいらしい花の姿から連想されたのでしょうか。「恥ずかしがりや」は、うつむき加減に咲く白い花の姿から連想されたのでしょうか。どちらも、チゴユリにふさわしい花言葉だと共感しました。
2018.11.26
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[11]】はメランチウム科(シュロソウ科)の植物です。メランチウム科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第3回は、メランチウム科(シュロソウ科)のホソバシュロソウの花です。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウは、本州(関東以西)・四国・九州の山地の林内や林縁、湿った草原に生えるメランチウム科(シュロソウ科) シュロソウ属の多年草です。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウは、シュロソウの母種にあたり、葉幅が3センチ以下と狭く、葉が長いのが特徴です。葉は根生し、葉の長さは20~40センチで、幅は1~センチです。草丈は30~60センチで、茎葉は細長い数枚の葉が互生します。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの花期は6~8月で、茎頂に円錐花序をつけます。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの花茎は枝分かれし、黒紫色の花をつけます。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの花茎には、白い毛が密生しています。花柄は、10~17ミリと長く、花柄の付け根には苞があります。(2012年9月14日撮影)。☆ホソバシュロソウの花は、直径1~1.5センチで、雌蕊のない雄花と雌蕊のある両性花が混じるそうです。ホソバシュロソウの花は、花被片の付け根より上に子房がある子房上位です(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの両性花は、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。この写真では鮮明でありませんが、雌蕊の柱頭が3つに分かれているのがわかります。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウ(細葉棕櫚草)の名は、葉の幅が狭く葉が細いシュロソウ(棕櫚草)に由来します。別名のナガバシュロソウ(長葉棕櫚草)は、葉が細長いシュロソウ(棕櫚草)に由来します。シュロソウ(棕櫚草)は、葉が枯れて葉の付け根に残る葉鞘の繊維がシュロの毛に似ていることに由来します。(2013年9月3日撮影)。☆ホソバシュロソウの花言葉は、「静かな人」だそうです。(2012年9月14日撮影)。
2018.11.25
コメント(0)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[11]】はメランチウム科(シュロソウ科)の植物です。メランチウム科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第2回は、メランチウム科のオオバナノエンレイソウの花です。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウは、北海道から本州北部の原野の林下に生えるメランチウム科(シュロソウ科)エンレイソウ属の多年草です。(2012年5月6日撮影)。☆オオバナノエンレイソウは、茎の高さは25~70センチで、茎の先端に3枚の葉が輪生し、大きな花を咲かせます。葉は葉柄がなく、菱形状広卵形で先端は尖り基部は広いくさび型です。(2014年4月27日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの花期は5~6月で、3枚の葉の中心から花柄を伸ばし、直径5~8センチの白い花を横向き(やや上向き)につけます。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの花のつくりは、3枚の萼片、3枚の花弁、6本の雄蕊、柱頭が3つに分かれている雌蕊です。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの雄蕊は、葯が長さ10~15ミリですが、花糸がごく短いのが特徴です。この写真では、雌蕊の柱頭が3つに分かれているのが、よくわかります。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの花は、花被片の付け根より上に子房がある子房上位です。(2013年3月27日撮影)。☆オオバナノエンレイソウ(大花延齢草)の名は、大きな花が咲くエンレイソウ(延齢草)です。エンレイソウ(延齢草)の名は、中国では薬草として用いられていて、漢名を延齢草根(えんれいそうこん)という胃腸薬として用いられていたことから。大きな花がドレスのようで気品が感じられる花であることから「森の貴婦人」といわれています。(2012年5月3日撮影)。☆オオバナノエンレイソウの花言葉は、「奥ゆかしい美しさ」だそうです。(2012年5月6日撮影)。☆オオバナノエンレイソウは、北海道では各地に群生が見られます。広尾町には、日本最大規模のオオバナノエンレイソウの群生地があります。エンレイソウの仲間は、種子が芽生えてから開花するまでに10~15年かかるそうです。その後、10年以上は毎年花を咲かせるそうです。この写真は、神奈川県の箱根湿生花園で撮影したものです。(2013年3月27日撮影)。
2018.11.24
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[11]】はメランチウム科(シュロソウ科)の植物です。メランチウム科は、従来の分類(新エングラー体系、クロンキスト体系等)ではユリ科に含められていました。第1回は、メランチウム科のエンレイソウの花です。(2018年3月29日撮影)。☆エンレイソウは、北海道から九州の山地の林内のやや湿った場所に生えるメランチウム科(シュロソウ科)エンレイソウ属の多年草です。(2012年5月6日撮影)。☆エンレイソウは、茎の高さは20~40センチで、茎の先端に3枚の葉が輪生し、小さな花を咲かせます。エンレイソウの花は、花被片の付け根より上に子房がある子房上位です。葉は葉柄がなく、菱形状広卵形で先端は短く尖り基部は広いくさび型です。(2014年4月27日撮影)。☆エンレイソウは、葉の形や大きさ、外花被片の大きさや色など、種内の変化が多いのが特徴です。(2018年3月24日撮影)。☆エンレイソウの花期は、3~6月です。花柄は長さ2~4センチ、花びらのように見えるのは3枚の緑色または褐紫色の外花被片(萼片)です。内花被片は普通ありませんが、まれにあるものがあるそうです。雄蕊は6本で葯は長楕円形、雌蕊柱頭は3つに分かれています。これは、東京都の高尾山で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は緑色で、薄い褐色の縁取りがあります。(2018年3月29日撮影)。☆これは、東京都の高尾山の別の場所で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は緑色ですが、明瞭な褐色の縁取りがあります。(2018年3月24日撮影)。☆これは、青森県弘前市で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は緑色と褐色の中間の色です。(2014年4月27日撮影)。☆これは、北海道旭川市で観察したエンレイソウですが、3枚の花被片は褐紫色です。(2012年5月6日撮影)。☆エンレイソウ(延齢草)の名は、中国では薬草として用いられていて、漢名を延齢草根(えんれいそうこん)という胃腸薬として用いられていたことから。(2018年3月29日撮影)。☆エンレイソウの花言葉は、「奥ゆかしい美しさ」「落ち着いた美しさ」「叡智」「熱心」などだそうです。(2014年4月27日撮影)。☆エンレイソウの仲間は、種子が芽生えてから開花するまでに10~15年かかるそうです。その後、10年以上は毎年花を咲かせるそうです。
2018.11.23
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第15回は番外編で、旧ユリ科(ユリズイセン科、アルストロメリア科)のユリズイセンの花です。(2013年6月24日撮影)。☆ユリズイセンは中南米原産で、日本には1926年(大正15年)に渡来しましたが、観賞用に栽培されていたものが各地で野生化しているそうです。クロンキスト体系ではユリ科、新エングラー体系ではヒガンバナ科に分類されていましたが、APG分類体系ではユリズイセン科(アルストロメリア科)に分類されています。☆ユリズイセンの葉は互生し、長楕円形、葉柄が捻じれて葉の表と裏が逆転しています。左上の葉は、葉柄が捻じれて葉の表と裏が逆転しているのがわかります。☆ユリズイセンの花期は6~7月で、茎先に散形花序をつけます。☆花は長さ2.5~5センチで、花被片は赤色で6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)、先端と基部は黄緑色です。花の内側には褐色の班点が見えます。☆ユリズイセンの雄蕊は、内側3本と外側3本の6本です。写真では、外側の3本の雄蕊の葯が花粉を出しているようです。雌蕊は1本ですが、写真では確認できません。☆ユリズイセンの花は、花被片の付け根より下に子房がある子房下位です。このことからも、ユリ科からヒガンバナ科に分類が変わり、ユリズイセン科に分類されたことに納得できます。☆ユリズイセン(百合水仙)の名は、花の特徴が百合にも水仙にも似ていることからつけられたそうです。☆ユリズイセンの花言葉は、「未来への憧れ」「エキゾチック」「持続」「機敏」「援助」「幸福な日々」などだそうです。☆ユリズイセンの仲間は花が美しいものが多く、園芸植物として改良が進んでいるそうです。
2018.11.22
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第14回は、ユリ科のチューリップの花です。チューリップは、園芸植物として、様々な品種が栽培されています。チューリップは、日本には江戸時代後期に伝来しましたが普及せず、大正時代に入って、ようやく新潟県で本格的な球根栽培が始まったそうです。(2012年4月13日撮影)☆チューリップは、ユリ科チューリップ属の多年草です。原産地はトルコで、トルコからオランダにチューリップが伝わったのは16世紀頃だそうです。日本のホームセンターや園芸品店で販売されている球根は、ほとんどがオランダからの輸入だそうです。チューリップの球根は正確には鱗茎といい、短縮茎に葉が重なり合い層状になっているものです。(2012年4月13日撮影)。☆2月、チューリップの芽が、たくさん出てきました。(2016年2月20日撮影)。☆チューリップは、葉が2枚向かい合っているものは、内部に花芽ができており、今年花が咲きます。球根が小さいものは、内部に花芽ができず、葉が1枚出るだけです。葉が1枚だけのものは、花が咲くのは翌年以降になります。(2016年2月20日撮影)。☆チューリップの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、柱頭が3つに分かれている雌蕊です。(2015年4月6日撮影)。☆チューリップには、自家不和合性という性質があり、自分の雄蕊の花粉が雌蕊についても受精して種子を作ることができません。そのため、球根の分球でクローンとして増やしていきます。多くの場合、同じ形や色の花を咲かせる同じ品種の株を並んで植えることが多いそうです。実生(種)は、品種改良の際に行われ、開花までに5年以上かかるそうです。(2012年5月3日撮影)。☆チューリップの名は、チューリップ(学名Tulipa)属の花の総称です。「学名Tulipa」は、ペルシャ語の古語「tulipan(頭巾)」が語源といわれ、花が頭巾にやや似ていることによります。(2015年4月6日撮影)。☆チューリップの花言葉は、花の色によって異なるそうです。赤いチューリップの花言葉は、「愛の告白」だそうです。(2015年4月6日撮影)。☆黄色いチューリップの花言葉は、「秘めた想い」「実らぬ恋」「正直」だそうです。(2015年4月6日撮影)。☆ピンク色のチューリップの花言葉は、「年頃」「愛の芽生え」「誠実な愛」だそうです(2015年4月6日撮影)。☆紫色のチューリップの花言葉は「永遠の愛」、オレンジ色は「照れや」、白色は「思い出の恋」「失われた愛(失恋)」「新しい愛」、緑色は「博愛・思いやり」だそうです。
2018.11.21
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第13回は、ユリ科のオオウバユリの花です。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリは、北海道と本州(中部地方以北)に自生するユリ科ウバユリ属の多年草です。(2016年8月1日撮影)。☆広がり始めたオオウバユリの花序です。下の方には蕾全体を包んでいた総苞片が見え、それぞれの花にも苞があるのがわかります。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの根元の葉です。花の時期にも、葉は残っています。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの花期は、7~8月です。オオウバユリの花は、茎頂にたくさんの花が、総状につきます。オオウバユリはウバユリの変種で、ウバユリより全体的に大きく、ウバユリの数個に対して10~20個と花の数が多いのが特徴です。(2016年8月2日撮影)。☆オオウバユリの花は緑白色で、横向きに咲き、花被片は6枚(外花被片3枚と内花被片3枚)が不規則に並んでいます。オオウバユリの花は、先端が少し開くだけで、ヤマユリやオニユリのようには開花しません。(2016年8月1日撮影)。☆花被片の中を見ると、6本の雄蕊は長さが異なり、雌蕊花柱に沿って並んでいるようになっています。花被片内側には、黒褐色の斑点が見えます。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの果実は蒴果(さくか)で、中には大量の種子が入っています。(2017年10月10日撮影)。☆裂開し始めたオオウバユリの果実です。裂片が格子状の繊維でつながっているのがわかります。果実は3室に分かれ、それぞれに2個の種子が並んで積み重なっています。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2017年10月10日撮影)。☆オオウバユリ(大姥百合)の名は、文字通り大きいウバユリです。ウバユリ(姥百合)の名は、花が満開になる頃には葉が枯れてくる事が多いため、歯(葉)のない「姥」にたとえて名づけられたそうです。(2016年8月1日撮影)。☆オオウバユリの花言葉は、「威厳」「無垢」だそうです。オオウバユリが、林の中で凛として立って花を咲かせているように見える姿から名づけられたのでしょうか。
2018.11.20
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第12回は、ユリ科のウバユリの花です。(2016年8月16日撮影)。☆ウバユリは、本州(関東地方以西)から四国・九州の藪の中や山中の木陰に生えるユリ科ウバユリ属の多年草です。年を経て鱗茎が太ると、大きな茎が伸び50~100センチになって、花をつけます。(2016年8月16日撮影)。☆ウバユリの葉は、茎の中部以下に数枚集まってつきます。葉は、卵状心形で長い柄があります。葉身は、長さ15~25センチで、網状脈があります。(2016年8月16日撮影)。☆ウバユリの花期は、7~8月です。ウバユリの花は、茎頂に数個、総状につきます。緑白色の花が横向きに咲き、花被片は不規則に並んでいます。花被片内側には、黒褐色の斑点が見えます。(2015年8月24日撮影)。☆花被片の中を見ると、雄蕊の長さが違い、クリーム色の葯が雌蕊に沿って縦に並んでいるようです。花被片内側には、黒褐色のスジが見えます。(2015年8月24日撮影)。☆ウバユリの果実です。(2015年8月24日撮影)。☆写真は鮮明でありませんが、果実ができた時期にも、枯れ始めた葉が見えます。(2015年8月24日撮影)。☆ウバユリの花は横向きですが、実は上向きです。種子は扁平で、周りに広い膜があります。(2015年8月24日撮影)。☆ウバユリ(姥百合)の名は、花が満開になる頃には葉が枯れてくる事が多いため、歯(葉)のない「姥」にたとえて名づけられたそうです。『牧野植物図鑑』によると、「昔の人はこの様子を見て、娘が花の十八になるころ、世話をした人が歯(葉)のない姥になることにひっかけウバユリと名づけた」そうです。しろうと自然科学者が観察したところでは、ウバユリは花の時期にも果実ができた時期にも葉がたくさん残っていました。なお、枯れ始めているのも見かけました。(2016年8月16日撮影)。☆ウバユリの花言葉は、「純潔」「威厳」「無垢」だそうです。(2016年8月16日撮影)。
2018.11.19
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第11回は、ユリ科のホトトギスの花です。日陰で育つ秋の花で、園芸植物として利用されています。(2012年10月2日撮影)。☆ホトトギスは、北海道西南部・本州(関東地方以西・福井県以南)・四国・九州の山地の半日陰に生えるユリ科ホトトギス属の多年草です。日本には13種分布していますが、この内の10種は日本だけに生育する日本固有種だそうです。(2012年10月21日撮影)。☆ホトトギスの葉は互生で、葉の基部が耳のような形で茎を取り囲んでいます。葉腋から花茎が出ており、2~4個の花がついています。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの葉や茎には、白い毛が見られます。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの花期は、8~10月です。このホトトギスは、葉腋から出る花とともに、茎の先端に散房花序をつけています。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの蕾です。外花被片(萼片)には腺毛があり、3枚の外花被片は下部が球状に膨れています。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの蕾と開花した花です。開花した花でも、3枚の外花被片のそれぞれの下部に2つの球状の膨らみがあるのが特徴的です。この球状の膨らみには、蜜がたまっているそうです。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギスの花です。花は上向きに咲いています。白い6枚の花被片(外花被3枚、内花被3枚)には、紫色の多数の斑点があり、下部には黄色い斑点が見え、最下部の花被片の付け根には斑点がなく白いようです。(2016年10月10日撮影)。☆6本の雄蕊は、白い花糸に紫色の斑点があり、上部は外側に湾曲して、先端に紫色の葯があります。雌蕊花柱は、白く紫色の斑点があります。花柱は3つに分かれ、先端はさらに2つに分かれ、多数の腺毛状の球状突起があります。(2016年10月10日撮影)。☆ホトトギス(杜鵑)の名は、花被片に紫色の斑点があり、これを野鳥のホトトギスの胸の紋様に見立てて名づけられました。(2012年10月21日撮影)。☆ホトトギスの花言葉は、「永遠にあなたのもの」「秘めた意思(思い)」「秘めた恋」「恥ずかしがりや」「永遠の若さ」などがあるそうです。「永遠の若さ」や「秘めた意思(思い)」は、夏の初めから秋の終わりまで咲き続けており、その花が長くひたむきに咲いている姿に由来するという解説がありました。
2018.11.18
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第10回は、ユリ科のヤマホトトギスの花です。(2017年8月24日撮影)。☆ヤマホトトギスは、北海道西南部・本州(岩手県以南)・四国・九州の山地の林下に生えるユリ科ホトトギス属の多年草です。(2017年9月9日撮影)。☆ヤマホトトギスの葉は、長楕円形または楕円形で長さ8~15センチ、先は短く尖っており、下部の葉は無毛ですが上部の葉には毛があるそうです。(2017年9月8日撮影)。☆ヤマホトトギスの花期は7~9月で、茎の先端や葉腋に花が数個の散房花序を出します。花は、上向きに開きます。ヤマホトトギスは、花被片が強くそり返って下を向くようになることなどで、ヤマジノホトトギスと区別できます。(2017年9月9日撮影)。☆ヤマホトトギスの花のつくりは、強くそり返り紫色の斑点がある6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、雄蕊6本、紫色の斑点がある雌蕊の花柱は3本で先端が2つに分かれています。花被片6枚のうち、幅の広い3枚が外花被片(萼片)、幅の狭い3枚が内花被片(花弁)です。ヤマホトトギスの花柄には毛があり、外花被片の外面に腺毛があります。(2017年9月8日撮影)。☆ヤマホトトギスの蕾です。3枚の外花被片は下部が球状に膨れており、少し太めのロケット弾のような形です。蕾を見ると、外花被片の外面に腺毛があるのがよくわかります。(2017年9月9日撮影)。☆ヤマホトトギスの雌蕊の花柱と分枝には、紫斑があります。花柱と分枝をよく見ると、腺毛状の突起が見えます。雄蕊の花糸にも毛状突起と紫斑があるそうですが、この写真では確認できません。(2017年9月8日撮影)。☆ヤマホトトギスの果実は蒴果で、長さが約3センチです。(2017年9月9日撮影)。☆ヤマホトトギス(山杜鵑草)の名は、山地に咲くホトトギスから。ヤマホトトギスは、平地にも咲きます。ホトトギス(杜鵑草)の名は、花被片の斑点模様が野鳥のホトトギス(杜鵑、不如帰)の胸の模様に似ていることから。(2017年9月8日撮影)。☆ヤマホトトギスの花言葉は、「優柔不断」だそうです。(2017年9月9日撮影)。
2018.11.17
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第9回は、ユリ科のキバナノアマナの花です。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナは、北海道から本州中部以北の山野の日当たりの良い林縁などに生えるユリ科キバナノアマナ属の多年草です。(2012年4月30日撮影)。☆キバナノアマナの根出葉は、白っぽい緑色をしており、線形でやや厚く、長さ約15~30センチで、花茎よりも高く伸びます。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナの花期は4~5月で、高さ15~25センチの花茎の先に4~10個の花が散形状につきます。細長い花柄は、長さが不規則です。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナは、細長い花柄の付け根には2枚の苞葉があります。(2014年4月27日撮影)。☆よく観察すると、キバナノアマナの葉の縁や花茎に軟毛が見えるようです。調べてみると、根出葉は全体に軟毛があり、後に脱落するという記事がありました。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。花被片の内側は黄色く、外側は緑色を帯びています。(2012年4月30日撮影)。☆キバナノアマナの花被片は、線状長楕円形で長さ12~15センチ、先端はアマナのように尖らず、丸くなっています。雄蕊は花被片に比べてかなり短く、雌蕊花柱の先端は3つに分かれているようです。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナ(黄花の甘菜)の名は、黄色い花で、球根(鱗茎)を煮て食べると甘みがあることから名づけられたそうです。食べられる山野草には、菜(な)の文字が付くとのこと。(2010年5月5日撮影)。☆キバナノアマナの花言葉は、「前途洋洋」「運が向いてくる」だそうです。(2010年5月5日撮影)。
2018.11.16
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第8回は、ユリ科のアマナの花です。(2014年3月29日撮影)。☆アマナは、福島県以西の本州・四国・九州に分布し、日当たりの良い草原に生えるユリ科アマナ属の多年草です。アマナの葉は線形で、長さ10~25センチ、幅は5~10ミリです。(2014年3月29日撮影)。☆アマナの花期は、3~5月です。アマナは、中央がくぼんでUの字になった2枚の葉の間から花茎を伸ばし、その先端に花を1つだけつけます。花被片の外側には、紫のスジがくっきりと見えます。(2013年3月20日撮影)。☆花の形は同じユリ科のチューリップに似ており、かつてはチューリップ属に含められていたこともあるそうですが、花茎の途中に2枚(~3枚)の苞があるので別属のアマナ属に分類されたそうです。(2013年3月20日撮影)。☆アマナの苞は2枚か3枚で、左の花は苞が3枚、右の花は苞が2枚です。(2016年3月23日撮影)。☆「アマナは2枚の葉の間から花茎を伸ばし、その先端に花を1つだけつけます」と書きましたが、このアマナは花茎の先端とともに、花茎の途中にも花をつけています。調べてみると、1茎1花ですが、2~3個の花をつけることがあるそうです。(2017年3月29日撮影)。☆アマナの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。(2016年3月23日撮影)。☆雄蕊6本のうち内側の3本の雄蕊の葯からは花粉が出ていますが、外側の3本の雄蕊の葯からは花粉が出ていません。時期がずれているのでしょうか。雌蕊花柱の先端は3つに分かれています。(2017年3月29日撮影)。☆アマナ(甘菜)の名は、球根(鱗茎)や葉に甘味があり食べられることに由来するそうで、食べられる山野草には、菜(な)の文字が付くとのこと。学名は「Amana edulis」で、属名は「Amana」(アマナ)で、種小名の「edulis」は「食用の」という意味だそうです。日本以外では朝鮮と中国東北部に分布しているそうで、学名の属名には和名のアマナが採用されたようです。(2014年3月29日撮影)。☆アマナの花言葉は、「お天気屋」「運が向いてくる」だそうです。「お天気屋」は、陽があたると開花し陽がかげると閉じてしまうことに由来するそうです。「運が向いてくる」には、どんな由来があるのでしょうか。写真は、15時58分に撮影した花が閉じたアマナです。「お天気屋」の花言葉が納得できます。(2016年3月25日撮影)。
2018.11.15
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第7回は、ユリ科のカタクリの花です。(2014年4月1日撮影)。☆カタクリは、北海道・本州・四国・九州の平地から山地の落葉樹林に自生するユリ科カタクリ属の多年草です。(2015年3月28日撮影)。☆カタクリの長楕円形の葉には、暗紫色の模様がありますが、地域によっては模様がないものもあるそうです。(2015年3月28日撮影)。☆カタクリの花期は、4~6月です。カタクリの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。(2018年3月24日撮影)。☆6枚の花被片を裏側から見ると、内花被片には明確な2本のスジが見えます。(2018年3月24日撮影)。☆6枚の花被片を下側から見ると、内花被片・外花被片ともにW字状の濃紫色の斑紋があります。(2015年3月28日撮影)。☆6本の雄蕊は、長短2種が3本ずつあり葯は暗紫色です。写真を見ると、雄蕊は長いものと短いものがあるのがわかります。長い雄蕊の葯が先に成熟して裂開するそうです。雌蕊の花柱の先端は、3つに分かれています。(2018年3月24日撮影)。☆カタクリの果実です。果実には3室あり、その中に種子ができるそうです。カタクリの種子は長さ2ミリほどの長楕円形で、5月に種が落ちるそうです。(2012年5月6日撮影)。☆カタクリ(片栗)の名は、カタクリの花が「傾いた籠状の花」の意味から「カタカゴ」とよばれ、この「カタカゴ」が「カタコ」→「カタコユリ」→「カタクリ」になった説、カタクリの葉の形が栗の子葉に似ていることから「片栗」となった説があるそうです。(2013年4月1日撮影)☆カタクリの花言葉は、「初恋」「寂しさに耐える」「消極的」などだそうです。花が下向きに咲いている姿から付けられたのでしょうか。(2016年3月25日撮影)。☆カタクリの生活史について、紹介したことがあります。カタクリは、種が落ちて7~8年目、地表から20~25センチの深さで鱗茎が5~6センチの大きさになった時に、2枚の葉が出て花茎を伸ばして開花します。◎カタクリの生活史(2017年4月26日)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20170426/
2018.11.14
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第6回は、ユリ科のカノコユリの花です。(2014年7月29日撮影)。☆カノコユリは、四国・九州の山地に自生するユリ科ユリ属の多年草です。茎は、高さ1~1.5メートルです。花がきれいなので、古くから観賞用に栽培されており、白やピンクなどの品種があるそうです。自生地では、イノシシが球根を食べたり、人が摘み取ったりする影響などで「絶滅の危険が増大している種」として環境省のレッドデータブックの絶滅危惧II類に指定されているそうです。(2013年8月3日撮影)。☆カノコユリの葉は互生で、卵状披針形で長さ10~18センチ、短い葉柄があります。(2015年7月26日撮影)。☆カノコユリの花期は7~9月で、茎の先に数個から20個の花が咲く総状花序をつけます。(2013年8月3日撮影)。☆カノコユリの花のつくりは、後ろに反りかえっている6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。(2012年8月9日撮影)。☆カノコユリの花びらには、名前の由来になった赤い斑点があります。斑点は、よく見ると花被片から盛り上がっており、花の中心のものは突起状になっているようです。(2013年8月3日撮影)。☆カノコユリの雄蕊は、長く伸びた花糸と先端にぶら下がるように付く葯からなり、葯は赤褐色で黄色い花粉を出します。花粉は、油分が多いので、水をはじく蝶の羽にもしっかりつくそうです。(2016年7月28日撮影)。☆カノコユリ(鹿の子百合)の名は、花被片に鹿の子模様の斑点があることから名付けられたそうです。(2016年7月28日撮影)。☆カノコユリの別名は、ドヨウユリ(土用百合)、タナバタユリ(七夕百合)で、花が咲く季節に由来するようです。ほとんどの百合は花期が6~8月ですが、カノコユリの花期は7~9月で、他の百合よりも遅くなっています。(2013年8月3日撮影)。☆カノコユリの花言葉は、「荘厳」「慈悲深さ」「富と誇り」「飾らない美」などだそうです。(2013年8月3日撮影)。
2018.11.13
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第5回は、ユリ科のタカサゴユリの花です。(2016年8月16日撮影)。☆タカサゴユリは、台湾原産の帰化植物でユリ科ユリ属の多年草です。日本には1924年に導入され、庭園や切り花用に栽培されてきましたが、各地で野生化しています。(2016年8月16日撮影)。☆タカサゴユリは、地下の鱗茎から1.5メートルほどの直立茎を出し、幅約1センチ、長さ15センチほどの線形の葉をやや密につけます。(2012年8月19日撮影)。☆タカサゴユリの花期は8~10月で、茎の頂部にラッパ状の花を総状につけます。(2014年8月21日撮影)。☆タカサゴユリの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、中央には1本の雌蕊が伸びています。(2014年8月21日撮影)。☆タカサゴユリの花は、6枚の花被片が基部で合成して細長い筒状になっています。花の外側(外側脈沿い)は、紫褐色になっています。(2014年8月21日撮影)。☆タカサゴユリは、果実が11~12月に熟して、種子を飛ばします。果実は裂開しており、裂片が格子状の繊維でつながっているのがわかります。タカサゴユリの果実は3室に分かれ、それぞれに2個の種子が並んで積み重なっています。(2016年12月8日撮影)。☆タカサゴユリの種子は、長さが6~9ミリで、周囲に幅1~2ミリの翼があります。タカサゴユリの種子は、翌年の発芽から6カ月ほどで1年目に開花してしまうため繁殖力が強いのが特徴です。(2016年12月8日撮影)。☆タカサゴユリ(高砂百合)の名は、沖縄方言で台湾を指す言葉「サカサング」産の百合に由来するそうです。台湾では、「台湾百合」「高砂百合」と呼ばれているそうです。(2012年8月15日撮影)。☆タカサゴユリの花言葉は、「正直」「甘美」「威厳」「純潔」「無垢」などだそうです。ただし、これはユリ全体に共通する花言葉のようです。キリスト教では白いユリ(マドンナリリー)が聖母マリアに捧げられた花であることから純潔のシンボルとされ、「純潔」「純粋」といった花言葉はこれに由来するそうです。「威厳」の花言葉は、ユリの堂々たる花姿にちなむそうです。(2014年8月21日撮影)。
2018.11.12
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第4回は、ユリ科のコオニユリの花です。(2016年7月20日撮影)。☆コオニユリは、北海道から九州の山地などの日当たりの良い場所に自生するユリ科ユリ属の多年草です。☆コオニユリ(小鬼百合)は、名前の通りオニユリに似ていますが草丈や花が小さいのが特徴です。茎の高さは、30~60センチです。☆コオニユリの葉は互生で、下部の葉は線形で茎に密についています。☆オニユリは葉腋にムカゴがありますが、コオニユリにはムカゴがありません。コオニユリは種ができますが、実生から花が咲くまでには6~8年かかるそうです。☆コオニユリは、茎の先に2個から10個の花が咲く総状花序をつけます。☆コオニユリの花は橙赤色で、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、よく目立つ雄蕊が6本、雌蕊が1本です。☆コオニユリの後ろに反りかえる花被片には、オニユリと同じように斑点があります。☆コオニユリ(小鬼百合)の名は、オニユリ(鬼百合)と比べて草丈や花の大きさが小さいことに由来しますが、全体の印象もほっそりと清楚な印象です。オニユリは中国から古い時代に朝鮮半島を経由して渡来し、古くから食用に栽培され人里近くに野生化していますが、コオニユリは日本の自生種です。☆コオニユリの花言葉は、「情熱」「賢者」「陽気」「愉快」などだそうで、オニユリと共通しています。花が咲いている様子からイメージしたのでしょうか。
2018.11.11
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第3回は、ユリ科のオニユリの花です。(2017年7月24日撮影)。☆オニユリは、日本全土の野原や田の畔など人里近くに生えるユリ科ユリ属の多年草です。茎は、高さ1~2メートルになります。オニユリは、中国から古い時代に朝鮮半島を経由して渡来したと考えられているそうです。日本全国で古くから食用に栽培され、人里近くに野生化しています。(2015年7月23日撮影)。☆オニユリの葉は互生し、長さ5~18センチ、幅0.5~1.5センチの披針形~広披針形で、先は尖っています。葉には柄がなく、基部に黒紫色の珠芽(ムカゴ)ができます。(2017年7月24日撮影)。☆オニユリは、染色体が3倍体なので種子ができません。オニユリは、地下の鱗茎と葉の付け根にできる珠芽(ムカゴ)で繁殖します。なお、一部に2倍体で種子ができるものがあるそうです。なお、よく見ると、オニユリの茎には綿毛があります。(2017年7月24日撮影)。☆オニユリの花期は7~8月で、茎の先に数個から20個の花が咲く総状花序をつけます。(2015年7月10日撮影)。☆オニユリの花のつくりは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊です。花被片はオレンジ色で、濃褐色・暗紫色の斑点があり、強くそり返っています。(2017年7月24日撮影)。☆濃褐色・暗紫色の斑点は、よく見ると花被片から盛り上がっており、花の中心のものは突起状になっているようです。(2013年7月14日撮影)。☆秋に観察したオニユリのムカゴです。根が伸びていました。ムカゴから3~4年目くらいで開花するそうです。(2012年10月20日撮影)。(2012年10月20日撮影)。☆オニユリ(鬼百合)の名は、形が大きく豪快なので「鬼」の名がついたとか、花の様子が赤鬼に似ているので「鬼百合」になったなどの説があるそうです。(2015年7月10日撮影)。☆オニユリ花言葉は、「華麗」「愉快」「陽気」「賢者」「純潔」「富と誇り」「嫌悪」「荘厳」などだそうです。「華麗」「愉快」「陽気」は花が咲いている様子からイメージできますが、他は由来はよくわかりませんでした。(2013年7月14日撮影)。
2018.11.10
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第2回は、ユリ科のヤマユリの花です。(2017年7月8日撮影)。☆ヤマユリは、本州(北陸地方を除く近畿地方以北)の山地の草原や林の中に生えるユリ科ユリ属の多年草(球根植物)です。(2016年8月1日撮影)。☆ヤマユリの花期は7~8月で、花は茎先に横向きに付き、数個から多いものでは20個にもなるそうです。球根の成長とともに1株に咲く花の数が増えていくようです。(2012年7月15日撮影)。☆ヤマユリの葉は互生、卵状披針形で5脈が目立ち、基部には丸い短柄があります。(2016年8月1日撮影)。☆ヤマユリは、6枚の花被片(外花被片3枚と内花被片3枚)、6本の雄蕊、1本の雌蕊があります。花被片は白色で先端が外側にそり返り、内側には赤褐色の斑点と中脈に沿って黄色い帯があります。内花被片は外花被片より幅が広く、基部の内面に突起があります。(2016年8月1日撮影)☆雄蕊は、花糸が基部では雌蕊に沿って伸びており、上部が外側に広がり、葯から出る花粉は鮮やかな赤褐色です。雌蕊の柱頭は、3つに分かれています。(2016年8月1日撮影)。☆花被片の赤褐色の斑点は、上部では盛り上がっていますが、基部では突起状の形になっています。(2016年8月1日撮影)。☆ヤマユリの果実は蒴果(さくか)で、中には大量の種子が入っています。果実は6つの陵がある紡錘形で、3室に分かれ、それぞれに2個の種子が並んで積み重なっています。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2017年10月10日撮影)。☆ヤマユリ(山百合)の名は、山に咲く百合から。「百合」の名の由来は、日本釈名(にほんしゃくみょう、1700年)に「茎細く花が大きく、風にゆり動くので、ユリと呼ぶ」という記述があるそうですので、風に揺れるさまに由来するようです。(2016年8月1日撮影)。☆ヤマユリの花言葉は、「純潔」「荘厳」「高貴な品性」「飾らぬ美」「威厳」などだそうです。林の中で大きな花を堂々と咲かせていることに由来するのでしょうか。(2015年7月10日撮影)。
2018.11.09
コメント(2)
☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年8カ月、連載は連続2,400回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[10]】はユリ科の植物です。第1回は、ユリ科の花の特徴とAPG分類体系による分類の変化です。写真は、ヤマユリです。◎花は花茎の先に総状花序か1個つき、多くが両性で、放射相称か左右相称。☆花茎の先に総状花序をつけるオニユリの花です。☆花茎の先に1個の花を咲かせるカタクリの花です。◎花被片の付け根より上に子房がある子房上位。☆花被片の付け根より上に子房があるアマナの花です。◎花被片は6枚で外花被片3枚と内花被片3枚。☆外花被片3枚と内花被片3枚のヤマホトトギスの花です。☆外花被片3枚と内花被片3枚のチューリップの花です。◎雄蕊は6本で子房は3室に分かれている。☆雄蕊が6本で、雌蕊柱頭が3つに分かれているヤマユリの花です。☆雄蕊が6本で、雌蕊柱頭が3つに分かれているホトトギスの花です。☆子房が3室に分かれているオオウバユリの果実です。◎葉腋に珠芽(ムカゴ)ガできるものと、できないものがある。☆オニユリの珠芽(ムカゴ)です。オニユリは、染色体が3倍体なので種子ができません。オニユリは、地下の鱗茎と葉の付け根にできる珠芽(ムカゴ)で繁殖します。なお、コオニユリには珠芽(ムカゴ)ができません。◎多年草で葉的器官が多肉化した球根(鱗茎)がある。☆ユリ科の球根(鱗茎)は、塊茎(ジャガイモ、キクイモ)のように茎が肥大するのでなく、葉的器官が多肉化して多くの貯蔵物質を貯えたものです。短縮茎に葉が重なり合い、層状になっているものです。◎APG(Angiosperm Phylogeny Group)分類体系による分類の変化。☆APG(Angiosperm Phylogeny Group:被子植物系統グループ)とは、この分類を実行する植物学者の団体です。旧い分類法の新エングラー体系やクロンキスト体系は、マクロ形態的な仮説を根拠に演繹的に分類体系を作り上げたものです。これに対して、APG分類体系は、ミクロなゲノム解析から実証的に分類体系を構築するもので、以前の分類手法とは根本的に異なる分類手法です。[新エングラー体系(modified Engler system 又は updated Engler system)]☆アドルフ・エングラーが提唱したエングラー体系をもとに、1953年及び1964年にハンス・メルヒオール(Hans Melchior)らが提唱した植物の分類体系です。[クロンキスト体系(Cronquist system)]☆1980年代にアーサー・クロンキスト(Arthur Cronquist)が提唱した、被子植物の分類体系です。1990年代にAPG体系が登場するまでは最新の分類体系でした。☆APG分類体系では、従来の分類手法でユリ科に分類されていたものが、次のように分類が変わっています。これまでに観察し紹介したものに限って、説明します。(1)ネギ属は、ヒガンバナ科に分類されています。(2)ユリズイセン属は、ユリズイセン科に分類されています。(3)エンレイソウ属、シュロソウ属は、メランチウム科(シュロソウ科) に分類されています。(4)チゴユリ属は、イヌサフラン科に分類されています。(5)オオアマナ属、ギボウシ属、ツルボ属、ヤブラン属、ムスカリ属、スズラン属、リュウゼツラン属、ユッカ属は、キジカクシ科(クサスギカズラ科)に分類されています。(6)ワスレグサ属は、ススキノキ科に分類されています。☆ネギ属は、ヒガンバナ科の振返りで、11月7日に紹介しました。それ以外については、ユリ科の振返りの後に順次紹介していきます。
2018.11.08
コメント(2)
全3192件 (3192件中 601-650件目)