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ウン、ソウ、ソウ! という紹介を一つ
字を書く人、字を読む人なら、白川靜の三部作「字統」(6602円)「字訓」(6602円)「字通」(21905円)のうち、少なくも「字統」の一冊くらいは座右に置いてほしいと思う。 白川静 って、ごぞんじですか?
漢字の学は、久しく「説文解字」を最大の典拠とし、二千年近くんわたって、ほとんど進歩らしい進歩がなかったが、二十世紀に入って、大量の古代甲骨文、金文の資料が出て、それをもとに漢字の歴史が書きかわりつつある。それを最も包括的にやりとげ、中国の学者も驚倒させたのが「字統」である。同書は、どの一ページを開いても、驚くほど広くて深い知識がこめられており、碩学とはこのような人をいうためにある言葉かと讃嘆せざるをえない。その白川静の著作集全十二巻が平凡社から刊行されることになり、第一回配本として、第六巻「神話と思想」(8000円)が出た。これまた一読驚かざるをえない碩学の書で、月報によると、白川はこの著作集に収録されたような論文を、この五十年間、平均すれば年に十篇も書きつづけてきたのだという。それと同時並行であの三部作を書きあげたのだから、超人といってもまだ足りないような仕事ぶりである。月報氏は、漢字学にノーベル賞があればさしあげたいといっているが、まことにその通りで、文化勲章もさしあげていない日本国は恥じるべきである。
白川は、文部省の漢字政策を徹底的に批判して、「誤りを正当として生きねばならぬという時代を、私は恥ずべきことだと思う」とまでいっているが、まさかそういう批判が災いしているわけではあるまい。
「神話と思想」を読むと、真に中国文化を知るためには(儒教の経典、老荘の書ですら真に読み解くためには)、神話の世界まで行かねばならないということがよくわかる。そしてまた、神話の世界がめっぽう面白いのである。
「知らない!」 ですむ人ですよね。
「ちょっとまって!」 の気持ちからです。別に、文化勲章もノーベル賞のどうでもいいのです。ただ、 白川静の漢字学 の片りんにも気づかないまま、たとえば、高等学校で漢文とか教えるのは、ちょっと恥ずかしいかもしれませんね。別に、気にすることはありません。ボクと同じ世代にも、そんな人はたくさんいましたからね(笑)。
古くて新しい「ホン」の世界 いかがですか(笑)?
追記
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