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12月の野鳥写真第2弾ですまず12月21日三番瀬海浜公園。あまり天気が良くない中、ビロードキンクロを探しに行きましたが、遭遇できず。代わりにダイシャクシギ。葛西臨海公園ではよく見かけますが、いつも1羽でいるので、4羽もいる(この写真では3羽ですが)のは初めて見ました。ズグロカモメ。かなり珍しい鳥ですが、毎年三番瀬で越冬しているようで、去年2月(2シーズン前の冬)にも観察しています。オニアジサシ。12月14日に初めて撮影した鳥ですが、この日も再び遭遇。ただ、距離が遠い上に曇りで暗いため、画質は御覧のとおりです。続いて葛西臨海公園この時も、葛西臨海公園でクロガモが記録されたというので行ってみたのですが、遥か遠方に、点のように小さく見える数千羽のスズガモの中から1羽のクロガモを探せって、絶対無理と早々に戦意喪失。しかし・・・・・・。代わりにヒクイナに遭遇しました。葛西臨海公園鳥類園のスタッフブログによると、今夏、葛西臨海公園でヒクイナが繁殖したそうです。この日も曇りで薄暗く、アシ原の中に隠れるヒクイナは暗くて、なかなか鮮明に撮影することは難しかったです。ウグイス。アカハラ。珍しくない鳥ですが、今冬は初めての撮影でした。そして本日12月31日は、なんと2か所で撮影しました。まず午前中、都心で笛練習した後、皇居のお堀でささっと鳥探し。オカヨシガモのメスオカヨシガモのオス(手前はヨシガモのオス)ヨシガモのオスヨシガモのオス。後頭部の緑色がきれいですが、見る角度によって頭全体が茶色に見える場合もあります。ヨシガモのメスオオバンとオカヨシガモのオスがえさの取り合い。同じような光景を何回か見ました。そして、午後は三番瀬へ。ビロードキンクロ!何度もフラれて、ついに、やっとビロードキンクロを撮影できました。ビロードキンクロ。初めて見た鳥です。撮影はできましたが、距離が遠い上に、今日は強烈に風が強く、双眼鏡もカメラの望遠レンズも風にあおられて揺れてしまい、手ブレとの厳しい戦いでした。ビロードキンクロ。白い眼が怖い、と言いたいところですが、目の周囲の羽の色が白いだけです。強風による手ブレに加えて、波が高いのでシャッターを押そうとすると波の陰に隠れてしまったりして、下手な鉄砲数撃ちゃ式にいっぱい撮影しましたが、失敗写真の山になってしまいました。ビロードキンクロ。その名前からカモの仲間と想像するのはなかなか困難です。というわけで、今年最後の投稿となります。最後の投稿が鳥の写真になるとは思いませんでしたが。皆様、1年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。少しでも皆様が幸せで、平和な社会が実現しますように。
2019.12.31
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前回の続きです。赤岩の頭に到達。ちょうど森林限界を超えたところで、視界が一気に開けます。赤岳と阿弥陀岳。中央アルプス北アルプス槍穂高連峰。左端の方は焼岳かな?阿弥陀岳の向こう側に南アルプスの北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳が見えます。目指すは硫黄岳。まだ雪が少ないので、ルートはほとんど夏道と同じようです。積雪期は登山道はあってないようなもので、時々の雪の状態でトレースは変わります。登ってきた道を振り返りつつ登る。赤岳、阿弥陀岳、南アルプス北部の山々硫黄岳山頂に到着。山頂はだだっ広いのです。正面に浅間山諏訪湖と、その向こうに乗鞍岳。横岳と赤岳硫黄岳の火口壁当初予定ではここから来たルートを引き返して赤岳鉱泉に戻るつもりだったのですが、夏沢峠からも次々と登山者が登ってきます。トレースはしっかりついているようなので、気が変わって本沢温泉に降りることに。夏沢峠。写真左側(多分)の山小屋には、20年以上前に一度宿泊したことがあります。9月末か10月でしたが。ここから更に本沢温泉に下山。本沢温泉に到着。野天風呂と普通の風呂がありました。入浴したいのはやまやまでしたが、ここから更にいっぱい歩くのに、風呂に入ってしまったらもう歩く気はなくなってしまいそうなので、やめておきました。次はここを目的地に来るのがいいかも。本沢温泉からさらに下山中、ニホンカモシカと至近距離で鉢合わせ。ニホンカモシカ。片方の角が折れている?八ヶ岳では、少なくとも3回カモシカに遭遇しており、いずれも至近距離ですが、まともに撮影できたのは今回が初めてです。本沢温泉入り口。ここで林道が十字路になっているのですが、そこを直進しなければいけないのに、間違えて右折(そっちの方が道が立派だったから)、40分も歩いて間違いに気が付いて引き返し、往復1時間20分もタイムロスをしてしまいました。失敗したーーーと悔やむことしきり。でも、日のあるうちに下山できました。あまり遅くなったら稲子湯にもう一泊しようか、なんて思っていたら、稲子に着いたら、そこはもう人里だったのですね。結局そのまま小海線海尻駅まで歩きました。海尻駅に着いたのは4時半過ぎ、まだ日没前だったのですが、次の列車は5時26分発、結局その間に日が暮れてしまいました。この駅も標高1000m以上あって、日が暮れると寒いのです。というわけで、最後まで晴天の素晴らしい雪山で、今年の山登りの最後を締めくくることができました。
2019.12.30
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昨日今日の1泊2日で八ヶ岳の硫黄岳に行ってきました。赤岳にするか硫黄岳にするか、ちょっと迷ったのですが、諸条件から今回は硫黄岳にしました。足の怪我以降、ひざ痛も加わった現在は、赤岳は正直なところあまり自信がない、というところです。(横岳はなおさら)行きの中央線、小淵沢付近から撮影した八ヶ岳。雪が少ない!!でも、冷静に考えると年末頃の八ヶ岳はだいたいこんなものかもね。八ヶ岳は、太平洋側気候に属するので、冬型の気圧配置のときはそんなに雪は降りません。いつもは新宿7時発のあずさに乗りますが、今回は8時発のあずさ。それに従って茅野から美濃戸口へのバスも始発ではなく2本目。美濃戸口には11時過ぎに到着して、登山届を出して出発です。登山者はかなり多く、バスは満員でした。始発で行く人の方が多いと思われるので、そちらは1代では乗り切れなかったかもしれません。。前日は職場の御用納めでしたが、お酒はそんなに飲んでないんだけど(缶ビール3本くらいかなあ)なんか「お酒を飲んだ翌日」の調子で、体調今一つで、歩速が上がりません。美濃戸口から八ヶ岳に登るとき、いつも最大の難所はここです(笑)美濃戸口から美濃戸までは車が入れるのですが、そのため道路上の雪が圧雪されてカチンカチンのアイスバーン状態。しかし、林道なのでアイゼンをつけるには中途半端。なのでノーアイゼンで歩くと、とにかく滑りやすいのです。特に、美濃戸のここが一番斜度があって、毎回下山時が怖い。ただ、今回はあまりツルツルになっておらず、それほど滑りやすくはありませんでした。(今回は登りのみ通過しました)で、美濃戸から南沢を登り、行者小屋を経て中山展望台へ。行者小屋と赤岳鉱泉を結ぶ登山道の途中、中山展望台という絶景ポイントがあります。この標識から急登ですが、距離は短いです。赤岳赤岳と横岳横岳大同心大同心と小同心。中山展望台、いつもは何人かは人がいるのですが、この日は誰もいませんでした。なので、写真はもちろん、笛も何曲か吹きました。小屋には4時頃到着、受付とか部屋の案内とかで時間が過ぎ、夕焼けを見損ないました。小屋の窓から赤く染まる赤岳が見えて、慌ててカメラを持って飛び出したのですが、もう夕焼け終わってました。10分遅かった。でも時刻はまだ4時50分、夕飯は2回目のグループで6時からでした。まだ時間があったので・・・・・・中山展望台では吹き足りなかったので、笛の練習つづき。でも、5時を回って寒い寒い、サンポーニャは手袋をしたままで吹きましたが、ケーナは手袋をしたままでは指穴が押さえられないので、素手になったら、2曲、5~6分で指がちぎれそうになりました。でも、そんな寒さでも案外指は回るのです(普段でも私はあんまり指が回る方ではない、というのは措いといて)。普段の8割9割くらいの感覚では指は回る。大幅にダメになるのは、むしろ唇です。寒さで口がこわばって、それに寒さのせいでケーナを吹くとすぐに激しく結露するせいもあるのでしょうが、高音がかすれてしまいます。赤岳鉱泉は料理のおいしいやまごやで、ステーキがウリ。ごはんとスープ(ポトフ)はお代わり自由です。私はご飯しかお代わりしませんでしたが。で、翌朝、つまり今日ですが。快晴です。まだ日が出ていない(赤岳の向こう側には日が出ているはずですが)赤岳。同じく赤岳鉱泉から日が出る直前の赤岳と横岳。赤岳鉱泉名物のアイスキャンディー。アイスクライミングの練習台です。私はまだ登ったことがありませんが。硫黄岳に向けて出発。今日は、昨日よりは体調いいみたいです。阿弥陀岳硫黄岳の山頂火口壁が見えてきました。森林限界直前の樹間から赤岳を望む。続きは次回です。
2019.12.29
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出生数、初の90万人割れへ 推計より2年早く 自然減50万人超・厚労省2019年に国内で誕生した日本人の子どもの数が86万4000人と、1899年の統計開始以来、初めて90万人を割り込む見通しとなったことが24日、厚生労働省の人口動態統計(年間推計)で分かった。前年の確定数91万8400人から約5万4000人の大幅減で、4年連続で過去最少を更新。同省の研究機関は出生数の90万人割れは21年と推計していたが、想定より2年早まることになる。一方、死亡数は137万6000人と戦後最多で、自然減は51万2000人と初めて50万人を超えた。44万4070人だった昨年、初めて40万人を超えたばかりで、人口減少が加速している。結婚は前年比約3000組減の58万3000組で戦後最少。ただ、元号が令和となった今年5月の婚姻件数が昨年同月比で約2倍だったことから、減少幅は縮小した。離婚は前年比約2000組増の21万組となる見通し。出生数の大幅減について厚労省は、昨年の婚姻数が大きく減ったことや、出産適齢期とされる25~39歳の女性人口が減少したことなどが要因と分析。今後も同様の傾向が続くとみている。---我が家は子どもが一人しかいないので、少子化に拍車をかける一員になっているかもしれませんが、正直言って、現在の日本の状況では、こうなるのも仕方がないのかな、と思います。うちの子が生まれた頃からその後数年にかけては、合計特殊出生率は1.3を切り、2005年にな1.26を記録、危機的な状況と言われました。その後、合計特殊出生率の数字上は回復傾向が見られ、近年は1.4台で推移しています(今年は合計特殊出生率もかなり下がるでしょうが)。しかしこれは合計特殊出生率の計算上のことにすぎません。合計特殊出生率の計算の分母は、全女性ではなく、15-49才の女性です。つまり、高齢化が進んで女性がどんどん50歳以上になっていけば、出生数が減っても、それ以上に分母が減って、合計特殊出生率は上がる、という現象が起こるわけです。事実、合計特殊出生率が1.26だった2005年の出生数は106万人なので、今よりまだずっと多いのです。出生数は、その後数年間だけ、ほんのわずかに増えただけですが、そういう事情で合計特殊出生率は目に見えて向上した。以降、出生数はどんどん減っていますが、合計特殊出生率はなんとなく小康状態が続いていたように見えます。でもそれは、本質的解決でも何でもなく、ほんの一時的な現象に過ぎなかった、ということです。この間、歴代政権は有効な策を講じることはできませんでした。安倍政権も同じです。民主党政権はまだしも子ども手当てと高校無償化という二つの策を講じました。高校無償化は、掛け値なしに賛同できる政策です。それに対して、子ども手当てについては、当時はよい政策とは思えず、当ブログでも批判しました。今でも子ども手当てが最善の策とは思いませんが、アベノミクスの財政赤字拡大に比べればそれでも「まだマシ」だったのではないかと思うようになりました。あまり効果的、効率的ではないにしても、全然意味がない、というものではないでしょうから。もっとも、直近十数年の、日本での出生率低下の原因は、おそらく不景気の直撃を受けた就職氷河期世代の多くが、不安定雇用、低収入のため結婚できないことが大きな原因を占めるものと思います。保育園の整備とか高校無償化とか、子ども手当てもそうですが、結婚して子どもをつくる準備が整っているカップルを後押しする効果はあるでしょうが、そもそも結婚できない人たちには効果はありません。それに対するもっとも有効な対策は、安定的な職(収入)を確保する、ということしかないでしょう。とはいえ、この問題は過去に何度か取り上げていますが、お隣の韓国も合計特殊出生率が1を切ったと報じられていますし、台湾も低い。中国も同様で、ヨーロッパ諸国でも2を越えている国はありません。特にドイツと、スペイン、イタリアなど地中海諸国の状況は日本並みに酷いようです。そればかりか、アジア、ラテンアメリカでは中進国、発展途上国でも合計特殊出生率は下がる一方です。依然として出生率が高いのは、アフリカだけ、という状況です。昔は「貧乏人の子沢山」なんてことが言われました。しかし、ひとたび現代社会の仲間入りをしてしまったら、もうそのような状態に戻ることはないのだろうと思います。人口は増えすぎたら大変ですが、減っても大変、しかし、社会にとって都合のよい程度の出生率を長期間維持するのは、おそらく針の穴を通すくらい困難なことで、現実的には無理、ということなのでしょう。言い換えれば、現代社会そのものの構造自体が、多分持続可能なものではない、出生率や人口の増減についても同じ、ということなのでしょう。ある意味、どうあがいても解決はしないのかな、と思います。なんとも悲観的な話ですが、楽観的な見通しを語れる材料はなにもないですから、仕方がありません。ただ、子どもがいる人生は楽しいよ。もちろん、楽しいだけじゃなくて、色々大変なこともあるし、特に子どもが小さいときは生活に制約も伴うけれど、そんなこんなを全部ひっくるめて、私は、子どもがいる人生が選択できて本当によかったと(これまでの時点では)そのことだけは声を大にして言いたいです。
2019.12.27
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秋元議員を逮捕、IRめぐる収賄容疑 認否明らかにせずカジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐり、IR参入をめざしていた中国企業側から370万円相当の賄賂を受け取っていたとして、東京地検特捜部は元内閣府副大臣でIR担当だった自民党の衆院議員、秋元司容疑者を収賄容疑で逮捕した。特捜部は、秋元議員に賄賂を渡していたとして、IR事業への参入をめざしていた中国企業「500ドットコム」副社長を名乗っていた鄭希、同社顧問の紺野昌彦、同じく顧問で元沖縄県浦添市議の仲里勝憲の3容疑者も贈賄容疑で逮捕した。秋元議員は17年8月から昨年10月まで内閣府副大臣のIR担当を務めていた。特捜部の発表によると、秋元議員は17年9月下旬、同社がIR事業を行うための便宜を図る見返りに、東京都内で同社側の3人から現金300万円を賄賂として収受。18年2月中旬にも、妻子とともに北海道への旅行の招待を受け、航空運賃や宿泊代など計約70万円相当の賄賂を受けていた疑いがある。---一連の疑惑については少し前から盛んに報道されており、選挙事務所の家宅捜索、逮捕令状の請求などの報もあったので、逮捕は時間の問題だったようです。安倍政権になってから与党の議員が逮捕まで至るのは初めてのケースです。(もっとも、政治資金規正法、公職選挙法違反の容疑を、ハードディスクをドリルで破壊して証拠隠滅を図るという暴挙に出た小渕優子など、どう考えてもアウトだと思われるのに不起訴で済まされた自民党の議員は何人かいます)そして、どうやら一連の疑惑はこれで終わりではなさそうです。白須賀貴樹衆院議員と、現在落選中の勝沼栄明前衆院議員(いずれも自民党)も地元選挙事務所が家宅捜索を受けたと報じられています。別記事によれば、秋元議員は直前まで「地検いい加減にしろ。絶対裁判勝つ」などと言って便宜を図ったり利益を供与したことを否定していたようですが、東京地検が現職の国会議員それも与党の議員を、絶対確実な証拠を握らずに逮捕するわけがないので、それは「見え透いたウソでしょ」と言うしかありません。IR推進法、つまりカジノ推進法が成立したのはまだ去年のことで、実際にはカジノはまだ一つも営業していません。それなのに、もうそれをめぐって賄賂が飛び交い、自民党の議員が1人逮捕され、ほかの議員と元議員も家宅捜索を受けているのです。つまりカジノの合法化がどれだけの不正と腐敗の温床になるかを端的に物語っている、ということです。このままいくと、日本の各所にカジノが林立するころには、どれほど巨大な不正と腐敗と利権の温床に発展するのか、まったく空恐ろしい限りです。やはり日本でカジノを合法化などすべきではなかったし、これからでも遅くはない、カジノの設置など一切やめるべきなのです。この事態に、カジノ合法化を推進した政党や議員の責任を問うべき、と私は思います。
2019.12.25
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伊藤詩織事件で残るTBSへの疑問伊藤詩織事件でマスコミがまだ騒いでいるが、これは犯罪事件としてはもう終わっている。真実は当事者以外にはわからないが、疑問が残るのは、山口氏が帰国するとき高輪署の取った逮捕状を警視庁が執行させなかったことだ。これは異例だが、その原因は今も不明である。コメンテーターは安倍首相との関係を憶測しているが、首相官邸が個別の犯罪捜査に介入することはありえない。それよりはっきりしているのは、山口氏が事件当時、TBSのワシントン支局長だったという事実である。TBSは警視庁クラブの加盟社であり、その関係に警察が配慮したことは十分ありうる。その経緯を時系列で整理しよう。2015年4月2日:ベトナム戦争のときの韓国兵の「慰安所」があったことを山口氏が書いた『週刊文春』が発売。4月3日:伊藤氏が一時帰国中の山口氏とホテルに行く。4月9日:伊藤氏が原宿警察署に相談する。4月23日:山口氏がワシントン支局長を解任され、営業局に異動。4月30日:伊藤氏が被害届けを高輪署に提出。告訴状も受理される。6月8日:山口氏が帰国したとき成田で逮捕する予定で捜査員が空港に待機していたが、直前に逮捕状の執行が停止される。8月26日:警視庁が山口氏を書類送検。2016年5月30日:山口氏がTBSを退社。7月22日:不起訴処分。2015年4月から2ヶ月ほどの間に、文春事件とホテル事件という二つの系列の(互いに無関係な)事件が連続して起こっている。文春に無断で記事を書いたことが社内規定に違反するというのがTBSが彼を解任した公式の理由だが、その直後にホテル事件が起こった。文春の記事とホテル事件には因果関係はないが、伊藤氏が警察に相談した直後に懲戒処分が出たのは偶然とは思えない。山口氏が文春に記事を書いたのは初めてではなく、それまでも何度かアルバイト原稿を書いて黙認されていた。1本の記事で支局長解任という処分は重すぎる。つまり警察からTBSに(4月中旬に)「山口氏が帰国したら逮捕する」という連絡があり、TBS幹部が警視庁に「逮捕だけは勘弁してほしい」と取引したと推測できる。ワシントン支局長が逮捕されたら大スキャンダルで、特に採用にからんだ事件となると経営責任も問われる。このとき警視庁が逮捕しない代わりに、TBSは支局長を解任して社会的制裁としたわけだ。(要旨・以下略)---また例によって池田信夫が、すぐに分かるウソを書いています。確かに、TBSが、公式発表のとおり、本当になにも知らなかったのか、という点については、この時系列から見れば強い疑念を抱かざるを得ないことは事実です。4月23日に山口がワシントン支局長を解任された裏の理由はTBSが山口の犯罪的行為について知ったからではないか、という限りにおいては、私もそうではないか、と思います(それについては後述します)。しかし、だから警察と裏取引で山口の逮捕をやめさせたのはTBSd、という理屈は成り立ちません。なぜなら、6月に山口は、逮捕状が取られて逮捕寸前の状態になっているからです。裏取引をしていれば、そんなことになっていない。TBSが警察とどのような裏取引を試みたにしても、それは役に立たなかったから逮捕状が取られたのでしょう。逮捕状(逮捕令状)は、警察が裁判所に請求して発行されるものです。捜査までの段階なら、警察は手抜きをしたり後回しにしたりということはあるかもしれません。でも、逮捕令状を取る、という裁判所を巻き込んだ、逮捕のための法的手続きを取ってしまった後で、報道機関という民間企業との裏取引で逮捕を見送る、なんてことができるのか、ということです。警察の側だって、そんなことが発覚すれば責任問題となるリスクを負います。冤罪が判明したのなら分かりますが、その後山口は書類送検されているのだから、その時点で警察は山口が無実だなどと認識はしていません。従って、それは外部の民間企業との裏取引ではなく、警察に対して指揮命令できる立場の者から発せられた指示、と考える方がはるかに自然です。そして、逮捕の見送りを直接指示した中村格警視庁刑事部長は、安倍首相にきわめて近い警察官僚です。それに、山口がこの件について、会社にではなく官邸に相談していることについては、それを伺わせる証拠が残っています。すなわち、この件は2年後になって週刊新潮が察知して記事にしたわけですが、その際週刊新潮から送られたメールの質問状を、北村滋内閣情報官に転送しようとして誤って「北村さま~転送します」という文面のメールを週刊新潮に返信するというミスを犯しています。従って、山口がこれ以前から、この件について首相官邸と連絡を取り合って、その判断を仰いでいたことが伺われます。逆に、山口がこの件について、会社に何かの相談をした証拠は、一切ありません。また、これとは別に、この間、山口は「総理」という安倍礼賛本を執筆して、TBSを退職した翌月の2016年6月に発行、さらに翌月の7月22日に不起訴処分となっています。安倍礼賛本を書いたご褒美として不起訴にしてもらった、タイミング的にはそのように受け取れます。もちろん、これらは状況証拠ではあります。ただ、逮捕状をとって逮捕直前の状況で、何らかの非公然的な取引、あるいは圧力によって逮捕が見送られた、その理由の説明として、「TBSが警察と取引した」よりはあるかに蓋然性の高い推測であることは間違いありません。そういうわけで、池田信夫のこの珍説は、唾棄すべき論外の主張であるとは思います。ただし前述のとおり、TBSが本当になにも知らなかったのか、については私も疑念は抱きます。この点に限定すれば、池田の言うとおりです。TBSの顔であり、山口の前のワシントン支局長であった金平キャスターが、報道特集の番組中、「今日は残念ながらお伝えできませんが、いつの日かこの問題を取り上げたいと私は思っています」と発言したとの報を見ても、TBSはすべてを正直には語っているとは思えません。有り体に言って、TBSは事態を秘密裏に知って、山口を左遷し、表沙汰になればともかく、ならなければそのまま退職で済ませようとした(実際、そうなった)のではないか、ということです。本来、山口のやった行為をきちんと把握していれば、自己都合退職などありえず、懲戒免職しかないはずですが、やったことを知りながら、そうしなかったのではないか、という疑念は消えません。この際、TBSも、この件での自社の対応がどのようなものだったのか、きちんと検証して公表すべきではないのか、と私は思います。
2019.12.23
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伊藤詩織さんが「この際ですから」と苦言。質問者に「私の下着を公開するな」元TBS記者の山口敬之さんとの民事訴訟で勝訴したジャーナリストの伊藤詩織さんが12月19日、記者会見を開いた。会見終了後に別室で報道陣が伊藤さんを囲んで行った補足取材中、山口さんの主張を支持してきた文芸評論家の小川榮太郎さんが姿を現し、伊藤さんと直接やりとりする場面があった。「カルテも動画も公開されておらず、(裁判所による)閲覧制限がかかっている。その状況で、世界中のメディアの前で、性被害を訴えるのはアンフェアだと思う。だから、きちっと全部情報を公開し、公開情報をもとにもう一度、世界のメディアと向き合われる方がいい」伊藤さんは、まずカルテに閲覧制限がかかっている点について説明した。「住所など個人情報が載っているからです」ホテル側の映像は「他に映っている人にモザイクがかかっていないといけない」ため、伊藤さんがホテル側に数十万円もの金額を支払って提供された映像だと説明した。「ですが、この映像を裁判以外の場所で公開すると損害が出かねないので、公開しないという一筆をホテル側に書かされました」「それにも関わらず、裁判資料となっている映像を、誰かが外部に流していることも事実です」「カルテの閲覧制限は住所等のみということですが、そうなると医師の診断部分は引用し、公に論じていいわけですね?」村田智子弁護士が「裁判所で閲覧制限がかかっていない部分に関しては結構です。」と回答した。伊藤さんは「この際ですから」と苦言を呈した。「(小川さんが)第1回目に書かれた記事を拝読しました。そこで、一般に公開されていない下着の写真を、小川さんは見ています。山口氏を通して写真を見ていたそうなんですけれど、下着のブランド名と特徴が書かれていたんですよね」「当時、私はすぐに全ての下着を洗濯してしまったので、(山口さんとのホテルでの件の際)どの下着を身につけていたか覚えていなくて、3つの黒い下着を警察に提出しています」「それは(小川さんが)言及されていたものもあれば、他のものもありました。私はやはり女性として、下着を公開したくなかったです。それを公にされた。いろいろとお考えになって書かれてほしい」(以下略・要旨)---小川榮太郎といえば、昨年「新潮45」を休刊(実質廃刊)に追い込んだ「LGBTが生きづらいなら痴漢も生きづらい」という意味不明かつ醜悪な「論文」を書いた人物として記憶に新しいところです。屁理屈にもほどがある「評論家」と呼ぶにはあまりに低レベルな、このネトウヨ文筆家が、いまだに文筆業を続けて、山口の支援をしている、まあ「いかにも」な話です。それにしても、一読して、「LGBTが生きづらいなら痴漢も生きづらい」の時と同様に、クズすぎる主張と言わざるを得ません。カルテを公開しないのは住所など個人情報が載っているから、という説明に対して、「そうなると医師の診断部分は引用し、公に論じていいわけですね?」という問いは、私に言わせれば「何言ってんだ、ボケ!」です。カルテに載っている情報は一から十まですべて最高度の個人情報に決まっているのです。裁判に訴えている以上、裁判所には証拠として提出しなければならないにしても、それを裁判所以外の場所で公開する必然性など、まったくありません。にもかかわらず「裁判所で閲覧制限がかかっていない部分に関しては結構です」という伊藤さん側の回答は、ちょっと心が広すぎると思うくらいです。裁判資料として山口経由で入手した伊藤さんの下着のブランド名や特徴を記事に公表するという行為も(私は、小川の文章を読む気にもなれないので、そんな論外の行為をしていたことを、この記事で初めて知りましたが)、まあ開いた口が塞がらない、という類のはなしです。そして、もう一つ伊藤詩織氏を風刺したイラスト拡散?「法的措置」発言受けて漫画家が苦しい釈明「フィクションであり…」はすみ氏は騒動勃発後、ツイッターやイラストなどを通じ、たびたび伊藤氏を批判~「枕営業大失敗!!」「米国じゃキャバ嬢だけど私ジャーナリストになりたいの! 試しに大物記者と寝てみたわ だけどあれから音沙汰なし 私にタダ乗りして これってレイプでしょ?」と書かれ、「山口」と書かれたTシャツを着用した女性のイラストを公開。問題視されていた。そんな中、伊藤氏は、記者がはすみ氏や雑誌「月刊Hanada」を挙げ、「もし東京高裁で勝訴した場合、そういうセカンドレイプ的な表現をしてきた人たちを訴える可能性はありますでしょうか」と訊いた際、「次にはこういった方々からの攻撃についての法的措置を考えています」と明言。これを受け、はすみ氏は自身がこれまでアップした伊藤氏への風刺画と思われる画像を複数アップ。「『山ロ(ヤマロ)沙織~オシリちゃんシリーズ(計5作品)』の風刺画はフィクションであり、実際の人物や団体とは関係がありません」と風刺画は伊藤氏のものではないと表明し、「故に今回の地裁判決により作品を削除する意向は、当方にはございません」と削除の意思はないとした。---これまた、どうにもならない醜悪な主張です。こいつは、以前にも「他人の金で難民しよう」という愚劣なイラストで物議をかもしたことがあります。反吐が出る今回のこのイラストも、すさまじく醜悪ですし、「実際の人物や団体とは関係がありません」という「言い訳」自体が、それで言い訳をしているつもりなのか、信じがたいレベルです。類は友を呼ぶといいますが、山口の擁護者は、こんな連中ばっかりだとすれば(他には杉田水脈とか百田尚樹とか)山口はもはや完全にネトウヨ界の住人ということになります。いや、元々が安倍礼賛者のひとりであり、伊藤さんの件で逮捕状まで取られていたのに、官邸に泣きついてその圧力で逮捕を免れたと言われる経緯からも、想像がつく話ではありますが。それにしても、小川榮太郎にしてもはすみとしこにしても、もちろん山口自身にしても、その主張は、ほとんど腐臭を発していると表現しても過言ではないくらい醜悪なものとしか私には思えません。にもかかわらず、「ジャーナリスト」「文芸評論家」「漫画家」として活動できてしまう、要するに腐臭を発するネトウヨ著名人を支える人たちが少なからずいる、ということです。暗澹たる思いを抱く部分もありますが、この際民事裁判に訴えられて、自らの言動の落とし前をきっちりつけていただくしかないだろうと思います。
2019.12.21
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「性 行為に合意なし」 伊藤詩織さん勝訴 元TBS記者に330万円賠償命令 東京地裁ジャーナリストの伊藤詩織さんが、性 的暴行を受けたとして元TBS記者の山口敬之氏に1100万円の慰謝料を求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、「性 行為には合意がなかった」として山口氏に330万円を支払うよう命じた。判決によると、伊藤さんは山口氏に就職の相談を持ちかけたことをきっかけに2015年4月、東京都内の飲食店で飲酒。その後、ホテルに入った。地裁は、伊藤さんが当時、強度の深酔い状態にあり、自らの意思でホテルには行っていないとした。さらに、その日のうちに産婦人科を受診し、数日後には友人や警察に相談していることを挙げ、合意のない性 行為だったと認めた。山口氏は「同意があった」と反論したが、地裁は、伊藤さんが意識を回復した後も、山口氏が体を押さえつけて行為を続けようとしたと指摘し、「信用性に重大な疑念がある」と退けた。山口氏は、伊藤さんに記者会見などで名誉を傷つけられたとして1億3000万円の賠償を求め反訴していたが、地裁は名誉毀損には当たらないとして請求を棄却した。---予想されたとおりの判決です。民事と刑事では事実認定の基準が違うものの、ホテルに入る際のドアマンの目撃証言は決定的と思えます。時を前後して、立憲民主党の初鹿議員が強制わいせつ容疑で書類送検されています。これまた、まったく弁護の余地がない。本人は謝罪し、捜査に協力すると言っているけれど、そのような行為に及んだことが事実なら、辞職すべきではないのか、と思います。少なくとも世の会社員や公務員なら、懲戒免職でしょう。とはいえ、犯罪の程度として、山口の行為の方がはるかに重大であり、またそれが露見したあとの被害者に対する態度もあまりに酷すぎるものがあります(もちろん、謝れば許されるというものではありませんが)。そもそも、性的な行為に及んだ点については山口も認めていて、そこに争いはありませんでした。既婚者でありながら奥さんではない女性に対してそのような挙にでること自体、法には触れないにしても、倫理的にはどうなの、と思います。しかも、自分の保身のためか、容疑を否認するだけではなく、伊藤さんに対して名誉毀損で1億3000万円を請求する反訴まで起こしている。人として唾棄すべき行動と思わざるを得ません。今回の判決差を受けての記者会見でも、伊藤さんについて「嘘をつく傾向がある」などと言ったようです。そんな山口は安倍のお友達で、その影響力によって逮捕を免れた、とささやかれているのは周知のとおりです。前述のとおり、初鹿議員が辞職もせずにいる(これから辞職するかもしれませんが、今のところその兆候は見受けられない)のも大概だと思いますが、山口のこの事態が露見した後もテレビ局が彼を出演させ続けたことは、それ以上に信じがたいことです。いかに考えても、彼の行動は、普通なら懲戒免職に値するでしょう。なぜそのような人物が不祥事発後もテレビに出続けていたのか、やはり安倍政権と特別に親しいから、としか考え難いものがあります。やはり「お友だち」にはどこまでも優しく、特別に優遇する安倍なんだなあと、改めて思います。
2019.12.19
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地上イージス 秋田見直し 反発に配慮、政府検討政府は地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場への配備計画を見直す方向で検討に入った。住宅密集地に近いことへの批判や、事前調査でミスを重ねた防衛省に対する地元の反発が根強く、理解を得るのが難しいとの異例の判断に傾いた。新たな配備先については、秋田県内を含む別の19カ所を中心に検討するとみられる。陸自弘前演習場のほか、青森、秋田、山形各県の国有地。地上イージス配備では、防衛省の調査ミスが問題化した経緯があり、政府は外部業者に委託して再調査を実施している。菅官房長官は住宅地との距離を考慮するよう既に防衛省へ指示。政権幹部は「再び新屋演習場を選ぶのは難しい。住民の理解が一番重要だ」と強調した。陸自幹部も「住民感情を考えると、新屋演習場が適地とは言えない」と説明。地元では、地上イージスのレーダー施設の設置場所から住宅地まで700mしか離れていないことを踏まえ、レーダー波による人体への影響に対する懸念が拡大。防衛省のずさんな事前調査を受け根強い反対が噴き出していた。秋田県の佐竹知事は県議会で、新屋演習場への配備について「非常に無理がある」と強調。秋田市市長も「常識的に候補地から除外されると思う」と話した。---引用記事には指摘されていませんが、そもそもイージスアショアの配備候補地が秋田と山口(東北北部と中部地方西部)というのは、これが「日本を守る」ためと考えるのはいささか疑わしい。北朝鮮、あるいは中国からの弾道ミサイルの経路から考えると、秋田はハワイ、山口はグアムに向けて発射されたミサイルを迎撃するためのもの、と考えるのが自然だからです。米国を守るためのミサイルなら日本が購入資金を負担する必要などないと思いますが、これがまたすこぶる高価なのです。以前に記事を書いたことがありますが、最初は1か所800億円と言っていたのに、それはなんとミサイル本体の値段が入っていないのでそれを含めて維持費なども考えると1か所2300億円だというのです。最初に提示した値段の3倍近い額です。このようなものを日本に導入する必要はありません。そして、特に秋田では反対が極めて強く、ついに秋田への配備は断念の方向にあるようです。それは良いニュースですが、それでイージスアショアの配備をやめる(少なくとも1か所は減らす)のではなく、近隣の別の場所に配備というのでは、巨額の負担は変わりません。前の記事にも書きましたが、日本の持つイージス護衛艦は現在6隻ですが、現在2隻が建造中なので、2年後には8隻にもなります。米国自身を除けば世界で最も多いイージス艦を運用しています。それで更に陸上イージスを建設する必然性は、とても理解しがたいものがあります。どうしてもというなら、浮き砲台あるいは安価で低性能な護衛艦でいいじゃないですか。陸上に設置してしまったら、何らかの情勢の変化で場所を移動したくても不可能か、とてつもない費用と時間を要してしまいます。それなら海の上に浮かべておく方がよほど良いのです。自力航行できないはしけでも、曳舟に引いてもらえばどこにでも移動できるのです。まして、10ノット程度の速力でも自力で航行できればなおさらです。
2019.12.17
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12月の鳥写真第1弾です。11月30日に成田線小林駅から「白鳥の郷」に行った際に気が付いたのですが、我が家からだと白鳥の郷より手前に手賀沼があります。ここにも鳥は多いんじゃないか、と思い、さっそく翌週12月8日に行ってみました。我が家からだと、白鳥の郷より更に交通費は安く上がります。まず我孫子駅から手賀沼公園に行ってみたのですが、取り立てて珍しい鳥はおらず、北柏ふるさと公園に向かう途中。シメ。アトリ科(カナリアなどの仲間)です。シメ。ちょっと頭でっかちで、漫画的というか面白いシルエットの鳥です。アオジ。珍しい鳥ではありませんが、この日は晴天の至近距離で撮影できました。北柏ふるさと公園を超えて、手賀沼南岸のアシ原沿いを東に進みます。アシ原には様々な鳥がいました。オオジュリン。ホオジロの雌。ホオジロの雄。これまでで最も鮮明に撮れたホオジロかも。この日は、ホオジロ、オオジュリン、アオジと、ホオジロ科が3種そろい踏みです。そして・・・・・・。アリスイ。最初、道のすぐ近くの灌木の陰にいたのですが、カメラのピントが迷ううちに飛んでしまい、そのあとしばらく粘ったら、アシ原の中の、少し遠くの立ち木に戻ってきたので、やや遠かったですが何とか撮影できました。アリスイ。トカゲに羽が生えました、みたいな色合いの地味な鳥です。実は、キツツキ科。子どものころ観察したことがあるようですが(昔の図鑑に手書きのメモが残っている)、撮影するのは初めてです。アリスイ。ちょうど探鳥会の一行が通り過ぎるところでしたので、「アリスイがいますよ」と声をおかけしました。そして12月14日三番瀬海浜公園。この日は、風が強く、波が高く、時期的にも12月なのでシギのシーズンは終わっています。この日の目当てはホオジロガモの雄(雌は以前に撮影したことがある)とビロードキンクロだったのですが、残念ながら見事にフラれました。しかし・・・・・・。シギで唯一いたのはハマシギ。すぐ近くまで寄ってきたので、トリミングなしでもアップで写せました。この時期としてはさほど寒くはありませんが風が強く、体感温度は寒く感じます。ハマシギも首をすぼめて丸まっています。シロチドリシロチドリ。こちらも、トリミングがいらないくらい近くまで寄ってきました。ウミアイサ護岸の上にハマシギがたくさん集まって休んでいました。風が強いせいでしょう、見てのとおり波が高く、時々護岸が波をかぶります。多少の波ではハマシギは動じませんが、大波が来るとさすがにみんな飛ぶ。ハマシギの向こう側にはミヤコドリとカモメ類が群れていましたが、その中に大物が1羽潜んでいることに、この時は気付いていませんでした。(帰宅後に気が付いた)ハジロカイツブリが何か魚をとらえました。ハジロカイツブリは目が真っ赤で、ちょっと妖しい雰囲気を漂わせていますが、よく見ると赤い目の中心に小さな瞳孔があります。赤いのは、我々で言う白目の部分のようです。沖合でミサゴが飛びました。そして・・・・・大物が来た!オニアジサシです。アジサシ類では最大級の大きさで、ウミネコと同じくらいの大きさがあるようです。先ほど、護岸の上のミヤコドリの群れの中にいたのがこのオニアジサシでした。日本への渡来はかなり稀で、三番瀬では10月下旬に観察されています(10月31日に行ったときは空振りでした)。その後断続的に葛西臨海公園と三番瀬で観察されていますが、どうも数日前から再び三番瀬に腰をすえているようです。オニアジサシ。もちろん初めて見る鳥です。先ほどの写真以外は全部、ピンボケしています。残念ですが、一枚だけでも(あまり)ピンボケしていない写真が撮れてよかったです。というわけで、今月も鳥写真の記事は第2弾があるものと思います。
2019.12.15
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『フルメタル・パニック!』作者、環境活動家グレタさんへの“暴言”ツイートを謝罪 「未成年女性を相手にさすがにひどい表現でした」~問題となっていたのは、賀東さんが8日に投稿したツイート。環境活動家グレタ・トゥーンベリさんのニュースに触れつつ、グレタさんについて「俺もこの子きらい」と言及。また「もし自分が世界の影の支配者だったら、すべてを奪って絶望のどん底に叩き落として嘲笑してやりたい」「あっつあつの超うまいステーキとか食わせてやって、悔し涙を流す姿が見たい」と、菜食主義者であるグレタさんをあざけるような文章も投稿していました(現在はツイートは削除済み)。この発言に対しネット上では、「フルメタの大ファンだから、作者がこういった発言をするのは正直悲しい」「『嫌い』は個人の感想なのでどうでもいいけど、16歳の少女を相手に『徹底して嫌がらせしてやろう』っていう根性がもう小学生未満の幼稚さ」など批判が集中。(以下略)---氷山の一角とでもいうのでしょうか、たまたまこの人の発言が非難の的になりましたが、この種の「グレタ叩き」の言動はかなり多いように思います。確かに、彼女は発達障害があると公表していますが、おそらくはそれも原因となって、やや言い方に攻撃的な面があり、バランスに欠ける面は確かに感じます。ある種の人たちからは嫌われるだろうな、叩かれるかもしれないなと思ったら、案の定でした。もう少し穏やかな言い方をした方が多くの人に聞く耳を持ってもらえるだろう、という気がする一方で、ああいう言い方でなかったら世界の注目を集めることなどできなかっただろうとも思います。言っている内容が間違っているわけではないし、言い方どうこうで第三者は誰も迷惑を受けているわけではありません。というわけで、「グレタ嫌い」という感情を抱く人がいるということ自体は、仕方がないことではあるでしょう。前述のとおり、万人に好かれるタイプのもの言いではないことは明らかですし、好悪の情は人それぞれ、腹の中で考えていることに第三者が介入できるものではありませんから。だけど、少なくとも表現行為で飯を食っているいい大人が、社会に向けて公言するのに、ただ感情をそのまま文字にしただけの批判って、どんだけ浅いの?と思ってしまいます。それは批判ではなく、ただの悪口、誹謗中傷でしかありません。地球温暖化問題の、ここが間違っているとかここに反対とか、そういった論で批判できないんですかね。そうできないくらい彼女の言い分が正しくて、正面から批判しようがないので腹いせで罵詈雑言を並べているだけ、ということなのでしょうか?まあ、そう考えざるを得ない程度のレベルの発言が、「グレタ嫌い」に多いことは歴然としています。
2019.12.13
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「反社勢力」定義は困難 政府答弁書政府は10日、首相主催の「桜を見る会」に参加していたことが問題になった「反社会的勢力」について、定義は困難との答弁書を閣議決定した。立憲民主党の初鹿明博衆院議員の質問主意書に答えた。政府が2007年、企業の被害防止のためにまとめた指針では「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」と定義していた。答弁書は「形態が多様で、その時々の社会情勢に応じて変化し得る」と指摘し、「あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難だ」と結論づけた。---唖然としました。反社会的勢力の定義は困難だと。しかし、引用記事にもあるように、「反社会的勢力」という言葉は、2007年6月に政府が「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」で使った言葉です。そこでは、反社会的勢力について暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である「反社会的勢力」をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である。と、確かに定義されています。おおむね妥当な定義だと思われますが、「犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ」としてこの指針が出されたのは、第一次安倍政権のときです。にもかかわらず、12年前に自分の内閣が出した定義に頬かむりして、「定義は困難だ」と言う。まったくあきれ果てた話です。それでは、反社会的勢力との関係を指弾されたあんな芸能人、こんな企業は、いったい何のために避難されたのか、という話にならざるを得ません。要するに、「桜を見る会」に反社会的勢力と言われる人間を招待したことについて、「反社会的勢力」の定義を明確にしてしまうとそれを認めざるを得ない、定義を明確にしなければ、どんなに真っ黒でもしらを切ることができる(と思っている)ということです。もはや「桜を見る会」は、反社会的勢力からマルチ商法の会長から、首相の選挙区の支持者から、見境なく招待して饗応する場となっていた、そのことについて安倍政権は、自らの非を認めて頭を下げる気は一切ない、ということだけは明らかです。かつて自分自身の内閣で定義した言葉を、都合が悪くなると「定義はない」とヌケヌケと言い放つ態度には、「朝令暮改」「李下に冠を正す行為」「巨大な犯罪ほど合法的である」という言葉を進呈するしかありません。指針を作る立場(さらに言えば法を定めて執行する立場でもある)の人間がこのような態度では、そのような指針、法律を、誰が真面目に守る気になろうか、というものです。
2019.12.11
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首相、憲法改正「必ず私の手で」 原案策定を加速安倍晋三首相は9日、臨時国会閉幕を受けて記者会見し、憲法改正について「必ずや私の手で成し遂げていきたい」と強調した。「与野党の枠を超えて活発に議論し、令和の時代にふさわしい改憲原案の策定を加速させる」と述べた。同時に「国のかたちに関わる大改革に挑戦し、新たな国造りを力強く進めていく。その先に憲法改正がある」とも表明した。衆院解散・総選挙について「国民の信を問うべき時が来たと考えれば、断行することはちゅうちょしない」と語った。一方で、来年4月に秋篠宮さまの「立皇嗣の礼」を予定することを踏まえ「即位の儀式をつつがなく行う責任があり、万全を期す」と述べた。---冗談じゃないよ、まったく、と思います。別報道によると、安倍は2020年改正憲法施行を断念し、2021年国民投票実施という目標に軌道修正したそうです。ところが、その一方で改憲は「必ずや私の手で成し遂げていきたい」のだと。つまり、それは2021年まで政権の座にしがみつき続けるぞ、という意思表示に他ならないわけです。今ですら、戦前の桂太郎を抜いて「憲政史上最長」の政権※となっているわけですが、更にあと何年政権に居座り続ける気なんでしょうか。※「憲政史上」と言ったところで、戦前の明治憲法下と現在の日本国憲法下では内閣総理大臣の役割も権限も異なります。明治憲法には「内閣総理大臣」についての規定はなく、「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス」という規定しかありませんでした。つまり、天皇を輔弼する国務大臣の中でのトップ、という位置づけです。一方日本国憲法下の内閣総理大臣は、行政権の属する内閣の首長です。その戦前と戦後の首相の在任期間を並べるのは、江戸幕府の将軍と室町幕府の将軍を比べてどちらの期間が長いと比べているようなもので、実質的な意味はありません。よりによって、これほどの「お友だち優遇」つまり依怙贔屓と不公正がまかりとおる内閣が「憲政史上最長」とは、「世界の恥」としか私には思えません。その世界の恥を更にあと2年続けようというのです。2年経ったらさらに「まだ」ということになるのでしょうか。このまま、死ぬまで永久首相を続ける気なんじゃないか、と危惧してしまいます。安倍の政策がひどいのは第1次政権から変わりませんが、お友だち優遇の程度は近年ますますエスカレートしているように感じられます。それこそまさしく、長期政権は腐敗する、ということなのでしょう。どんな立派な志の人でも権力を長く握れば腐敗と無縁ではいられないのですから、あのような元々が論外の人物が権力を長く握れば、とんでもないことになるのは自明です。ともかく、少なくとも安倍の手で改憲などさせてたまるか、と思います。あのような人物、あのような人物をトップに抱く政党が作る改憲案などロクなものではありませんから。
2019.12.09
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入試の根幹揺らぐ・現場の声に耳傾けず…「記述式延期」に困惑と批判政府・与党は2021年1月に始める大学入学共通テストで、国語と数学の記述式問題の導入を延期する方向で本格的な調整に入った。萩生田文部科学相は年内に導入の是非を判断する意向を表明した。記述式問題の延期が検討されていることで、関係者に戸惑いが広がっている。全国高校長協会は、生徒が既に、共通テスト対策として定期試験や模擬試験で記述式問題を解いているとして「延期されれば試験問題や時間はどう変わるのか。国は早く決めてほしい」と訴える。共通テストの延期を求める大学教授や予備校講師らは「共通テストで信頼できない採点が行われれば、入試の根幹が揺らぐ」との声明を発表。記者会見で「記述式の導入見送りなら、英語民間試験と合わせ共通テストの2本柱が失われる。制度設計の段階から専門家や教育現場の声に耳を傾けなかったことが原因だ」と批判した。河合塾では来月、高校2年生向けに共通テスト対策の模試を予定している。教育情報部長は「細かい条件に従った解答が必要な国語の記述式は対策が必要なので、見送りなら安堵する受験生は多いのでは」とみている。記述式の採点は、ベネッセのグループ企業が2020~23年度分を約61億6000万円で受注している。延期の検討について、ベネッセホールディングスは「コメントできない」としている。---1か月前に、入試における英語民間試験導入が延期されたのに続いて、国語と数学の記述式問題の導入も延期されることになりました。英語民間試験の時にも書きましたが、見送り自体は当然と思いますが、その決定があまりに遅きに失したといえます。せめて、英語民間試験導入延期と同時に決めることがどうしてできなかったのか、と思います。うちの子は高校2年生ではないので影響はそこまで大きくはないと思いますが、それでも影響はあります。それにしても、英語民間試験もそうですが、「マークシートでは論理的な思考が見につかない」などの批判があり、それが英語の読む聞く書く話すや国語数学の記述式問題という話が出てきたわけです。マークシートで人間の本当の能力が分かるものか、という批判自体はまったくそのとおりだと私も思います。記述式の方が(あるいは、英語なら読む聞く書く話すの能力を試す方が)本当の能力、実用的な能力を試すことができる、それもそのとおりであろうと思います。問題はしかし、記述式だの読む聞く書く話すの能力だのを、公平客観的に採点する手法はない、という点にあります。しかも、一人で採点できる人数(数十人から、どう頑張っても数百人まで)ならまだしも、何十万人という人数は、何百人もの採点者を必要とします。当然個人による判定基準のずれが発生するのですから。それにもかかわらず公平客観的な採点が可能だと考えたとしたら、あまりに認識が甘すぎるといわざるを得ません。あるいは公平客観的ではないことは承知の上で強行したのかもしれません。いずれにしても、18歳の若者の運命を決する大学入試制度を、粗雑なやり方で改変しようとした(と言われても仕方がない状況だと思います)挙句の事態というしかありません。それでも、実際にこの試験制度を導入して惨憺たる事態に至る以前に見直しが行われたことは、まだしも多少マシではあるでしょうが。この責任は、やはり「身の丈」発言の文科相が負うしかないだろうと私は思いますけどね。
2019.12.07
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銃撃された中村哲医師 が生前、本誌に語っていた夢「現地では優しくしてもらっている」〈週刊朝日〉アフガニスタンやパキスタンで人道支援活動に長年取り組んできた中村哲医師(73)が4日、銃撃されて亡くなった。現地の報道などによると、中村さんは現地時間4日朝ジャララバードを車で移動中、何者かに襲われ銃弾を受けた。病院に運ばれいったんは回復に向かったが、容体が悪化し息を引き取った。同乗していた運転手や警備員らも死亡したという。中村さんはNGO「ペシャワール会」の現地代表と、ピース・ジャパン・メディカル・サービスの総院長などを務めていた。アフガニスタンやパキスタンで30年以上にわたって、医療や農業用水路の建設などに携わってきた。その活動は国際的に評価され、2003年にはフィリピンのマグサイサイ賞を受賞。今年10月にはアフガニスタンのガニ大統領から名誉市民証を授与された。アフガニスタン大使館はホームページに次のようなコメントを掲載した。「中村医師はアフガニスタンの偉大な友人であり、その生涯をアフガニスタンの国民の生活を変えるためにささげてくださいました。彼の献身と不断の努力により、灌漑システムが改善され、東アフガニスタンの伝統的農業が変わりました」(以下略)ーーー非常に残念なことです。中村哲さんといえば、その業績ももちろん、平和と憲法第9条への思いを度々口らされてきた方でもあります。憲法9条なくては日本でない」 「豊かさの考え変えないと」 中村哲さんの言葉「100万発の銃弾より、1本の用水路の方がはるかに治安回復に役立つ。(日本政府は)米欧の軍事行動と一体と見なされない独自の民生支援を長期的に進めるべきだ」(2009年2月、オバマ米大統領がアフガニスタンへの増派を決めたことを受けての取材で)「憲法は我々の理想です。理想は守るものじゃない。実行すべきものです。この国は憲法を常にないがしろにしてきた。インド洋やイラクへの自衛隊派遣……。国益のためなら武力行使もやむなし、それが正常な国家だなどと政治家は言う。私はこの国に言いたい。憲法を実行せよ、と」「天皇陛下と同様、これ(憲法9条)がなくては日本だと言えない。近代の歴史を背負う金字塔。しかし同時に『お位牌(いはい)』でもある。私も親類縁者が随分と戦争で死にましたから、一時帰国し、墓参りに行くたびに思うんです。平和憲法は戦闘員200万人、非戦闘員100万人、戦争で亡くなった約300万人の人々の位牌だ、と」(いずれも13年6月、憲法についてのインタビューで)「戦争や事件に目が行きがちですが、そこだけつまみ出しても、現場の私たちから見ると真実は伝わっていないと感じます。気候変動の影響で干ばつになり、多くの人々が飢餓にあえぎ、傭兵にもなるという背景がある」 ---まったくそのとおりだと思うばかりです。事件を受けて、さっそく「憲法9条は命を守ってくれなかったじゃないか」みたいなことを書く連中が現れているようですが、そんなことはありません。アフガニスタンの現状は、言ってみれば戦国時代のようなもの。そんな国で、最後は不幸にして殺害されてしまったものの、それまでの何十年は、業績を残しながら生きながらえてきた。そのこと自体驚嘆すべきことです。普通だったら数十年の間に4回も5回も命を失っていた不思議はなかったわけですから。「憲法9条は命を守ってくれなかったじゃないか」みたいなことを書いている人たちがアフガニスタンで同じような場所に行ったらどうでしょう。1か月だって生き延びることは難しかろうと思います。もちろん、安全を守るための努力は慎重に重ねていたものと思います。イスラム原理主義勢力であるタリバンと良好な関係を築き、アフガニスタン政府の尊敬を得たことも、その一環だったのでしょう。ただ、今回の犯行を行ったと推定されるIS(イスラム国)だけは、そうやって良好な関係を作ることができなかった、ということでしょうか。残念なことではありますが、本人にしてみれば、引退して安全な日本で余生を過ごすことよりも、常に身の危険がありながらもアフガニスタンで活動を続けることを選んだのです。不測の事態は常に覚悟していたでしょうし、その意味ではある種「本懐」と言えなくもないのかな、とは思います。ともかく、ご冥福をお祈りします。
2019.12.05
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「国や社会を変えられる」と思う若者は5人に1人「自分で国や社会を変えられる」と思う日本の若者は5人に1人しかおらず、国や社会に対する意識の低さが浮き彫りになりました。日本財団が日本やアメリカ、イギリス、中国、韓国やインドなど9カ国の17歳から19歳、それぞれ1000人を対象にした調査によりますと、「自分で国や社会を変えられる」と考える日本の若者は18.3%で、残り8カ国で最も低い韓国の半数以下となっています。また、「将来の夢を持っている」「国に解決したい社会課題がある」という質問への回答も他国と比べて30%近く低い数字でした。さらに、「自分の国の将来についてどう思うか」という質問に「良くなる」と答えた日本の若者は9.6%で、9カ国中最低となり、トップの中国の10分の1にとどまりました。 ---ありていに言えば、日本全体に夢も希望もない、それなのに若者だけは「夢と希望を持て」と言っても、土台無理な話。夢も希望もない国にしてしまった責任の一端は、現在の大人にあるのだろうと考えると、その大人の一員である私も恥じ入るよりほかにありません。ただ、あえて言うならここ何十年か、自民党政権は若者の牙を抜くように、保守的体制に従順な子どもを育てるようにと、そういう方向の教育を熱心に進めてきて、その目論見は見事に成功した、というわけです。目論見が成功したから、将来の夢もなく、解決したい社会課題もなく、国や社会を変えることなど考えず、日本の将来に期待も持てない若者が多数派になったわけです。もちろん、それだけが原因のすべてではないにしてもね。「自分の国の将来についてどう思うか」という質問に「良くなる」と答えた日本の若者は9.6%だそうで、でも私が(若者ではないけれど)同じ質問をされたとしても、やっぱり「良くなる」とは答えないです。そうなるとはとても思えないですから。以前からたびたび書いていますが、私は当ブログでは政治的主張を全開にしていますが、実のところ政治に対してしらけ切っている側面もかなりあります。何かを期待しても結局後で失望するだけ、何を主張してもどうせ何も変わらない・・・・・といった絶望感、無力感は、他ならぬ私自身もかなり強く抱いているところです。私と今の若者の多数派では、政治的思想信条は違うかもしれないけれど、多分感性はそんなには違わないのではないか、なんて思ってしまいます。
2019.12.03
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中曽根元首相が死去、101歳 日米関係強化や民営化に功績日米関係の強化や国鉄民営化などで実績を残した中曽根康弘元首相が29日死去した。101歳だった。レーガン米大統領との親密な関係をもとに、日米関係の強化に尽力したほか、専売公社、国鉄、電電公社の3公社を民営化するなど、新自由主義的経済政策を進めた。1985年にはレーガン政権の財政悪化を受けた米ドル高是正のため国際協調の一環としてプラザ合意で円高誘導を容認。対応した日銀の利下げがバブルの誘因になったと、中国の政策当局者などはみている。「戦後政治の総決算」を掲げ戦後歴史教育の見直し、靖国神社公式参拝、防衛費1%枠撤廃などを打ち出して左派勢力から批判されたが、自主憲法制定をライフワークとしていた。冷戦が激化するなか日米同盟の強化を進め、「日米は運命共同体」「日本列島を不沈空母化」などと発言した。レーガン大統領とは「ロン・ヤス」と呼び合う親密な関係を築き、東京都日の出町の山荘に招き首脳会談を実現した。演出家で劇団四季代表だった浅利慶太氏をブレーンに登用するなど幅広い文化人とのネットワークが持ち味で、ドイツ語でカントを読むなど読書家で知られた。---中曽根元首相が101歳で死去した、とのことです。例によって、マスコミには中曽根の業績を高く評価する論調が満ち溢れているようですが、私はとても好意的に評価することはできません。国鉄民営化をはじめとする新自由主義経済推進、「ロン・ヤス関係」などという対米従属の強化、「戦後政治の総決算」を掲げて、幸い実現はしなかったけど改憲を前面に押し出す主張、そのいずれもが、現在の安倍政権の方向性の嚆矢となるものです。もちろん、現在の安倍よりはまだマシだとは思いますが、それは程度の差でしかなく、目指す方向性は基本的には変わらないところです。それはともかく、中曽根の首相在任は1982年から87年まで、私が中学生から大学生にかけての時期でした。ちょうど私自身の政治的な主義主張が固まっていく時期に首相だったのが中曽根、ということになります。その意味では、歴代首相の中でも自分にとって特別な存在(特別に反感を覚える存在)ではあります。しかし、それから30年以上、長生きはしましたね。101歳はさすがに驚きました。戦後政治の総決算ではなく、中曽根~安倍政治の総決算を果たさなければならないと思う今日この頃ですが、まことに残念ながら、なかなかその実現の見通しが立たないことも確かです。
2019.12.01
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