いつもはフローラの公園の中を突っ切って旧市街に向かうのだが、何となくトラム通沿いを歩いた方がいいような気がして、停留所のほうに足を向ける。このあたりの人出は平日の昼間と比べてもそんなに大きな差はなかったのだが、いまだに運行を続けているトラムに乗っている人の数に驚いた。2両編成の1両目に1人、2人乗っているだけで、2両目には1人も乗っていなかったのだ。こんな状況でも運行を続けなければいけないのが公共交通機関の辛いところである。
フローラの会場に向かう途中の昔麦芽工場があったところでは、マンションの建築工事が非常事態宣言が出る前と同様に進められている。工事現場で働く人たちはもともと防塵用のマスクをつけているだろうから、コロナウイルスがあってもなくても装備に違いはなさそうだ。工事現場の砂埃が風に吹かれて道路に流れ出してくる中を歩いて、マスクをしていてよかったと思った。
喫茶店は、店頭で持ち帰り用の、もしくはセボウ用の飲み物や食べ物を販売することは許可されているとはいえ、外出禁止令で人出そのものが減っている中、買い物に立ち寄る人は少ないだろうから、経営的には大変だろう。入り口のドアを利用して作った販売用の窓口のところにクッキーなんかを置いて少しでも客の目に止まるようにしているところもあったが、効果のほどは不明である。
旧市街に入っても人の少なさは変わらず、こちらはいつのも平日の昼間とはまったく違っていた。週末の、何のイベントも行なわれていない週末の人出よりも少なかった気がする。ほとんどのお店が閉店中だからそれも仕方のないことか。うちのが行列ができていたといっていたマスク用の布地を売るお店も営業はしていたが、行列はできていなかったし、店内に人がいるようにも見えなかった。マスクの自作ブームも落ち着いたのかな。
ホルニー広場を抜けて、コーヒー豆屋のコドーに向かう。豆はまだ残っているがフィルターが切れているし、次にいつ外に出るかもわからないので、機会があれば立ち寄って買い物するしかない。コドーの在庫は十分にあるのだろうかと考えて、一瞬いつもより多めに買かおうかとも思ったが、買い物客も減っているだろうし、ひいてから一ヶ月もたったようなコーヒーを飲むのは避けたいと思い直した。窓口に置かれている呼び鈴を鳴らして、奥の豆のおかれたところにいる人に注文を注げる。遠いのとマスクをしているのとで大声を出さなければならなかった。
旧市街は、外側よりは人出は多かったが、歩いている人たちが、いつもよりも他人との距離をとることに気をつけているように見えた。どのお店が営業中なのかもわかりにくく、すべての店が閉鎖されているようにも見えて、これでは買い物に来る気にもなれないだろうという印象を抱いた。新しい眼鏡を作りたいんだけど、眼鏡屋も開いているのかどうか判然としなかったり、営業時間が短縮されたりで、営業禁止が解かれるのを待った方がましに思える。
職場は、うちのに警告されていた通り、寒かった。非常事態宣言が出されて、原則在宅勤務に切り替えられた際に、暖房を落としてしまったらしく石造りの建物が冷え切ってしまっているのだ。ついてすぐは歩いてきたおかげで体が火照っていたので気にならなかったが、時間が経つにつれて寒さが辛くなっていった。3時間ほどで用件を片付け、寒さから逃げるように職場を後にした。外の方が暖かいというのは夏場ならば歓迎なのだけど、この時期ではやめてほしいとしか思えない。
帰りはフローラの公園を通ったのだが、意外と散歩やジョギングなどに出ている人が多く、非常事態宣言下の外出禁止に人々がなれてきたことがわかる。ほとんどみな手製のマスクをつけていたし、グループは子供連れ以外は最大でも2人だったしさ。マスクをして走るのは心肺機能の訓練にいいんじゃなかったっけ? これは長距離選手にとっては災い転じて福となすじゃないかい?
ところで、日本政府が非常事態宣言みたいなものを出すことに決めたらしい。衆愚政治もここに極まれりである。非常事態宣言を出した場合には、真っ先に、真よりも偽の情報を垂れ流して、人々の恐怖を煽っているマスコミに活動停止命令を出すべきであろう。特に非常事態宣言を出せと主張したメディアに対しては、先ず隗より始めよで、他の規範となるべく活動を強制的に停止させて、事態の深刻さを訴える必要がある。取材と称して動き回る連中、スタジオに集まってあることないこと喚きたてている連中が感染源となる可能性は高いのだから。
そもそも外出を自粛しろと本気で思っているのなら、まず自分たちが外出をやめるべきだと思わないのかね。そんな頭があったら頭の悪い批判を繰り返したりはしないか。一回聞いただけならアホかと思うようなことでも、何度も繰り返されると信じてしまう人も出るんだろうな。戦前の亡霊が再び立ち上がったというところか。いやな時代になったもんだぜ。
昨日書いたフランスの患者の受け入れは、フランスの病院で十分対応できるようになったということでマクロン大統領から断りの連絡が入ったらしい。マクロン大統領がバビシュ首相に借りを作るのを嫌ったのかな。ドイツとフランスの医療における協力関係に、チェコという異分子が入り込むことを警戒したドイツが横槍を入れたかな。
2020年4月7日9時30分。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/
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