クレジットカードでの支払いが増えたのは、武漢風邪の流行で、現金での支払いが一次禁止されていたことも原因の一つとなっている。一定の金額までは暗証番号をいれずにカードを端末にふれされるだけで支払いが終了するから、感染の可能性を下げられるといわれれば納得してしまう。それで毎週のようにコドーでコーヒーを買う際にカードで支払っていたら、それが当然になってしまった。
政府がクレジットカードでの支払いを求めたのには、いわゆる「スマート隔離」政策も関係している。これは感染者の同意の下に携帯電話会社とカード会社に個人情報を提供させて、どこにどのぐらいいたかを確認し、同じ場所にいた可能性のある人を探し出して検査の対象にするというもので、これが稼動したことも、政府が規制の緩和、解除に舵を切った理由の一つになっていたと思う。比較的早い時期から導入が計画されていながら、検証実験に時間がかかって実際に全国的に導入されたのは五月になってからだったかな。
配達のしかたも武漢風邪によって変わった。一番規制が厳しかったころは、配達の人が、受け取る人に直接手渡すのではなく、アパートの入り口の前、もしくは家の門の前に商品を置いて、電話で受け取る人を呼び出して、少し離れたところから受け取りを確認するという方法が取られていた。もちろん配達の人も受け取る人もマスクをしていなければならならず、後払いで受け取りの際にお金を払う方法も禁止されていた。武漢風邪以前は受け取りの証明のために、サイン、最近は配達の人の持っている端末に指でサインすることが多かったのだけど、そのサインは省略されることになった。
四月の下旬にネットショップで買い物をしたときには、状況が改善されていたので、建物の前に置くなんて配達方法はなくなっていて、普通に手渡ししてもらった。ただ、サインは不要ということだった。以前から配達の効率を上げるために、配達の直前に電話をかけて待っているように連絡が来ていたのだが、それを本人確認の代わりにし始めた考えていいのかな。
それが、最近、またちょっと変わったことに気づいたのは、郵便局から届いた間違いSMSのおかげだった。どうもネットショップで買い物をするときに、電話番号を間違えて登録する人がいるようで、何度か身に覚えのない注文の配達の連絡や、ネット上で注文を確認するようにという連絡が届いていたのだが、二三日前に郵便局から届いた配達のSMSに、受け取りの際に必要となるという暗証番号が記されていたのだ。
どうやってこの暗証番号を使うのだろうと不思議に思っていたら、今回の日本の食材の配達で答が明らかになった。電話をもらって家を出て建物の前で待っていたら、すぐに配達の車がやってきた。うっかりマスクを持ってでるのを忘れたのだが、配達の人もつけていなかったからいいのだろう。暗証番号が必要になるのだろうと、紙に書いて準備しておいたのだが、荷物をどうぞと手渡されておしまい。思わず、これだけでいいのと聞いてしまった。
そうしたら、配達の人は端末が入っているポケットを叩いて、これにサインもらうわけにはいかないんだと言っていた。武漢風邪の流行以来配達の際にサインを求めるのは、単に省略されたのではなく、禁止されているようだ。それで、暗証番号がSMSで届いたんだけどと言ったら、それは本人が不在で代理の人に渡すときに使うんだと言っていた。初めての配達じゃないから本人確認も要らないよなんてことをいっていたかな。こちらは回りはチェコ人ばかりで、配達のお兄ちゃんの顔を覚えていないけど、世にも珍しい日本人への配達ということで記憶に残りやすかったのかもしれない。
今日の夜、配達業者から、今日荷物を受け取ったのでこれから配達に回しますというメールが届いた。これまでは前日の夜に届いていて、明日来ると心構えができていたのだが、今回は届いていなかったので、今日の配達はないものと思っていたら、朝SMSの連絡が来てびっくりしたのだった。ネットショップでの販売が増えて配達業者が人手不足で対応しきれなくなっているということだろうか。これも武漢風邪が社会にもたらした影響のひとつである。
2020年6月12日9時。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/
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