授業は昨日の最後に決められた組み合わせでテレビかラジオのレポーターと取材相手になってのインタビューから始まった。イタリアのジョバンナがレポーター役で、こちらは8冊目の小説を出版した作家である。軽く打ち合わせをして、どんな質問にどんな答を返すかすり合わせる。こちらから要求したのは、ノーベル文学賞を取れると思うかという質問を入れてほしいということで、アメリカのトランプ大統領のツイッターでの発言にノーベル賞をくれてやれという回答をするためだった。平和賞と文学賞は必要ないと思うのである。
他は、インガとアナがオロモウツで撮影に入った人気ドラマの続編で主役を演じる女優、フェルディナントとアリツィアがキリンが二頭逃走するという事件が起こったブルノの動物園の園長、シモナとユスティナがプルゼニュのガンブリヌスの工場で発生した火事の消化の指揮をとっている消防隊長というのがインタビューの相手で、みんな熱演していた。こういうところで恥ずかしがったりして積極的にならない学生がいると全体的にしらけてしまうものだが、このクラスは全くそんな心配は要らない。
と、ここまで書いたのが金曜日の夜。最後のテストの後に午前中からお酒を飲みに行ったせいで、午後ずっと使い物にならなかった上にいつもより早く睡魔に襲われ沈没。ここ何日かと同様に土曜日の早朝に書き上げようと思っていたのだが、四週間の疲れがたまっていたのか寝坊。時間が足りずに書き上げることができなかった。これが久しぶりに「落として」しまった原因である。ここ数日筆が進まなくなっていたのが頂点に達したようなものである。その辺は土曜日の日記で詳述しよう。
さて、気を取り直して木曜日の話に戻る。午後の発表は当然この日が最後で大トリを務めるのは、ドイツ三人組のインガ。この発表でフランス語を専攻してフランスに留学経験もあるというインガがどうしてチェコ語がよくできるのかというのが明らかになった。最初から不思議だったのだよ。西スラブを専攻するというフェルディナントはともかくとしても、どうして他の二人、チェコ語を専攻しているわけでもないインガとアナがポーランド人、スロバキア人と伍して授業を受けられているのかが。
発表はインガとフェルディナントが参加しているというチェコとドイツ共同のプロジェクトについてだった。両国の教育省も絡んでいるらしいこのプロジェクトは両国の若者を対象にしたもので、チェコとドイツからそれぞれ15人ずつ、計30人が集まって、一年半のサイクルで相互理解のためにさまざまなことをするらしい。その中にはもちろん互いの言葉を学ぶことも含まれていて、最初のうちはチェコ語ドイツ語交じりの会話をしたりもするようだ。
2000年代の初めに始まったプロジェクトはすでに九期目を迎えており、八期目に一般メンバーとして活動したインガは、現在コーディネーターとして活動の全体を統括するような立場にいるらしい。フェルディナントは広報担当でウェブの管理なんかを仕事にしているという。こういうのは国境地帯の人が中心になっているのかと思ったら、そんなこともなく、インガの話ではチェコ側はプラハの人が多いということだった。
インガが最初にこの活動に参加したのも、プラハに留学する予定があり、留学する前にチェコに知り合いを作るためだったという。それが参加してみたら想像以上にすばらしい活動で、のめりこんでコーディネーターを務めるまでになったと。とまれ、こんな活動で日常的にチェコ語を使っているから、ここまでチェコ語ができるようになっているのか。時に妙に早口で喋るのも納得である。
この日の午後のプログラムはなし。金曜日の試験に向けて勉強しろということのようだが、簡単なテストになりそうで張り合いがない。サッカーのシグマ・オロモウツがヨーロッパリーグの予選でカザフスタンのチームと試合するのが放送されるのを思い出して、テレビをつけたのだけど、疲れからか前半は寝こけてしまった。まあ勝って勝ち抜けを決めたからよしとしよう、次の相手はスペインのセビリアである。代表のバツリークが移籍したチームだったかな。
収まりがつかないけどこの日の分はこれでお仕舞い。
2018年8月19日23時40分。
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