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2020年04月04日

自宅監禁日記(四月朔日)




 今年の四月一日で、よかったと思えることがあるとしたら、コロナウイルス騒ぎで余裕がないのか、エイプリルフールの頭の悪い冗談を聞かされずに済んだことぐらいだろうか。仲間内での話であれば、自分だけが面白いと思っているつまらない冗談でも、笑い話として済ませられるけど、そんな冗談を世界にさらして喜んでいる連中がいるのが信じられない。さらに信じられないのは、それを誉めそやして自分は冗談のわかる人間だと自慢したがる連中が多いことである。

 日本のネットのニュースの見出しを見ていたら、非常事態宣言を出すことを求めたり、東京のロックダウン(またまた意味不明な外来語にすらなっていない外国語の濫用である)を求める声を上げている人が多いのが目に付く。実際に非常事態宣言が出されて外出禁止状態に置かれている人間としては、行動に制限を受ける側が制限してくれと求めるのには、少々信じ難い思いがする。こんなのは、政府が決断してから、仕方ないなあと受け入れるものじゃないのか。
 恐らく、こんなことを主張している人たちは、非常事態宣言が出て、行動の自由が規制され、経済が停滞しても全く問題のない恵まれた生活をしている人たちなのだろう。経済的に余裕のない人々の中には、非常事態宣言が出たら生活が立ち行かなくなるという人もいるはずなのに、そんな経済的弱者の声があまり聞こえてこないのが不思議である。

 政府が、非常事態宣言と引き換えに、積極的な経済支援策を打ち出しているチェコでさえ、倒産の危機に悲鳴を上げている中小企業や、収入を失って困窮しそうな個人事業主たちがたくさんいるのだ。各家庭にマスクを配るなんていうエイプリルフールの冗談としか思えないような対策しか出てこない日本でやると、倒産やら破産やらが続出して、ただでさえ多いと批判されている自殺者数が激増することになりかねない。
 極論すれば、病気に対する弱者を守るために経済的弱者を切り捨てるのか、経済的弱者を守るために病気に対する弱者を切り捨てるのかという選択になる。お金よりも命が大事なんてのを正論だと思って、お題目のように唱えている連中もいるようだけど、この耳障りのいい言葉を使うということは、経済的弱者を切り捨てろと言っているに等しいことに気づかないのだろうか。ついでに言えば、金がなければ救えない命というものもあるし、多くの人が求めてやまないマスクなんかの医療品も金がなければ手に入らない。企業に金がなかったら生産すらできないということになるのだ。

 自粛ブームで経済的に困窮する人が増える中、何の対策もない状態で、非常事態宣言とか外出禁止令を求める人たちに対しては、金持ちはいいねえという感想しかでてこない。いや、混乱を利用して更なる金儲けをたくらんでいるんじゃないかという疑いさえ感じてしまう。
 仮に、この手の金持ちたちが私財の大半をなげうって、非常事態宣言で経済的に困窮することになりそうな人々を救うための基金を設立した上で、非常事態宣言を求めるのであれば、もろ手を挙げて賛成する。民間人がそんな基金を立ち上げたら、政府も対策しないと言うわけにはいかなくなるだろうしさ。ただ、そんな奇特な人たちは、非常事態宣言、非常事態宣言と騒いだりしないよなあ。

 非常事態宣言や外出禁止令で、最悪なのは、一度出してしまうと、撤回するタイミングを見極めるのが難しいところである。リトベルとウニチョフの地区閉鎖措置は、幸い延長されることなく解除されたけれども、非常事態宣言と外出禁止令は期限が来ても延長されるのは明らかで、撤回される見通しは立っていない。いつまでと期限を切られてその日までとがんばっていたのが、やっぱり延長と言われると、どっと疲れる。
 もし出すなら、事前にどんな状況になったら解除するという条件と、最短だけではなく最長の期日を決めておいたほうがいい。いつまでもずるずると延長を繰り返していくと、経済だけでなく、社会を構成する人々の気持ちが持たない。そうなった場合に苦しむのは、非常事態宣言によって守られる経済的にゆとりのある金持ちの高齢者ではない。

 日記といいつつ、またまた駄弁を積み重ねてしまった。今日は午前中真面目に仕事をしたせいで、午後から頭痛でPCの画面を見ていられなくなった。職場に出ていれば気合で無理して仕事を続けたのだろうが、自宅ではそこまでする気にもなれず、ソファーで昼寝をしてしまった。これは在宅勤務のいいところかもしれない。まあ体調が戻った夕食後に午後やる予定だった仕事を片付けたから、なんとも言い難いのだけど。これは残業か? 手当てが出ないのは確かである。
2020年4月2日10時。


https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19
https://www.krajpomaha.cz/





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