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2021年01月15日
トラゲディエ(正月十二日)
正直な話、どれだけ多くの人が感染し、入院し、最悪の場合には亡くなったとしても、所詮は他人事でしかないので、ウイルスを輸出した中国に対する怒りを爆発させることはない。形あるものは必ず崩れ、命あるものは必ず死ぬのである。具体的にどれぐらいの人が感染したり亡くなったりしているかで警戒を強めたり緩めたりはするけれども、生活を大きく変えるつもりはない。
普段通りに自宅と職場を往復するだけの生活を、たまにコーヒーやパンを買うためにお店には寄るけど、続けていて感染してくたばるなら、それはそれで運命というもので、従容として受け入れるだけである。だから、規制を守らない人を大声で糾弾する人の気も、検査やワクチンを求めて大騒ぎする人の気も全く理解できない。そんな仏教的無常観を標榜して生きている人間にも譲れないものはあるのである。
しかし、ハンドボールとなると話は違う。しかもチェコ代表である。他の国の代表なら、それが日本代表だったとしても、ここまで激昂することもなかっただろうし、大会事態が中止、もしくは延期された場合も、もう少し穏やかな気持ちで受け入れられたに違いない。どうしてよりによって、チェコ代表だけが辞退に追い込まれなければならなかったのかと運命を呪ってしまう。受け入れられない運命も存在するのだ。
ああそうか、こうして人は陰謀論に堕ちてしまうのだ。チェコ代表がエジプトでの世界選手権に出場することは中国にとって極めて都合が悪いことだったに違いない。だから、一年がかりの計画で出場できないように、ウイルスをチェコに送り込んだのだ。それが間違いで世界中に広がってしまったのだろう。その極めて都合が悪いことの具体的な内容はわからないけれども、何かあるはずだ。チェコのハンドボール代表にはそれだけの価値があるのだから。
うーん、何だか政府の政策に、何か隠された意図があるに違いないとして批判する、リベラルと自称するところまで落ちた左翼の政治家やマスコミ並みに堕ちてしまったなあ。いや、東日本大震災の際に、あれは米軍の兵気実験の結果だという与太を本気で信じ込んで広めていた誇大妄想狂と同じか。あのときはそれを本気で信じていた知り合いを思い切り馬鹿にしてしまったのだったけど、こうなると人のことは言えないなあ。信じているわけではなく、言いたいだけなんだけどさ。
そんなことはどうでもいいのである。自分が堕ちることでチェコ代表の価値を高めることになるなら。いや、全く高めることになっていないような気がするけれども、それでもいい。こうして罵詈雑言(ってほどでもないけど)めいた陰謀論を喚くことで多少は気が晴れたような気がしないでもない。
とまれ、詳しい事情はわからないが、辞退を決めたチェコ代表の決定を批判することだけはするまい。苦渋の決断だったに違いないのだし、できるだけの感染対策はしていたはずなのだから。すべては中国の陰謀なのである。どうせなら世界選手権が延期になるような陰謀だったらよかったのになあ。
2021年1月13日23時30分。