掲載している以前の記事で少し触れた「杉」へのスポットです。
「土台・柱・梁は全て無垢材。エコな自然素材で。」
マイホームでは、垂直に立っている柱、全てが国産の杉です。
東北では、里山のまわりの森林のほとんどに杉が植林され、秋田杉で有名な秋田県においては、国立公園や国定公園以外の森林のほとんどが、杉 と言っても過言ではないくらいです。
秋田には3年ほど居住した時、紅葉になっても、遠方の景色は紅葉しないので、一種独特な秋を感じていました。
この、日本特産の代表的な樹種の杉は、日本全土で人工植栽され、その量はもちろん第一位です。
有名な所では、、秋田杉、吉野杉、屋久杉などでしょうか。
スギ科スギ属の常緑針葉樹。
学名は、 Cryptomeria japonica です。
英語でスギ、Japanese cedar
木材としての特徴は、やや軽軟で、比較的狂いは少なく、加工は容易、比重は 0.38です。
建築材料としての杉の特徴
各種木材全体との比較
価格 ★★★★★安価
強度 ★★★☆☆普通
硬さ ★★☆☆☆やわらかい
加工 ★★★★★容易
比重 ★★★★☆軽い
断熱 ★★★★★良い
冒頭でも書いたように、日本全土で人工植栽され生産量第一位のため一番安い木造建築の材料と言ってもよいかなと思います。
最も安いのは、「グリーンウッド」と言って、未乾燥の材料ですが、建築後の木割れの音が数年続くことや、見た目も良くないためほんとんど使われないと思います。
未乾燥に対して、人工的に乾燥した木材を、KD材(Kiln Dry Woodの略)といいます。
なお、天然乾燥(Air Dry)だけの木材は厳密に言えばKD材とは言わないようです。
日本では,木材の乾燥程度を日本農林規格(JAS)によって規定し、建築用針葉樹製材の乾燥度を,含水率によって三種類に区分しています.
含水率25%以下をD25、20%以下をD20、15%以下をD15としています。
KD材とは言え、木割れや極端な乾燥度合いの違いを防ぐため、何か月か自然乾燥させたのち機械乾燥させます。
昔の木造住宅建築では,乾燥の不十分な木材が多く使用されてきましたが,最近は強度や寸法精度の高い乾燥材を使っているようです。
乾燥させた材料には、機械乾燥したKD材とAD材があります。
AD材は、自然乾燥させた材料で、数か〜数年月、屋外や屋内で乾燥させたものです。
乾燥度合は、自然の湿度程度までとならざるおえません。
家屋の中は、エアコンや暖房により、自然界以上に乾燥するさめ、家屋完成後も収縮木割れが発生します。
AD材の方が、木の繊維が破壊されず、粘りも強度も耐用年数もあるようですが、自然乾燥する手間暇や、スペース、安定供給するためコストが上がり、なかなか難しい部分です。
建築材料、杉、のまとめ
現実的には、コストなどのトータルバランスとしては、ベターな材料であると思います。
杉のAD材が良いといっても、その木材を見極めて使える職人がいるのか、プレカットなのか、手刻みするのかなど、良い高価な材料を使うためには、全てにおい家全体のコストが上がってしまうことも否めません。
乱暴な言い方をすれば、家全体の良し悪しは、柱だけで構成、強度を保っているわけではなく、梁や筋交い、構造用パネルなどの配置や量、さらに間取や設計施工によっても変わってきます。
こんなKD材等の最低限の知識のある工務店等なら問題はないと思いますが、質問してみてどんな回答をするかによって、なんとなく程度がわかりそうです。
(追記、もうちょうと分かりやすく修正しよう。)
タグ: 建築材料
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