海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2002.11.13
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カテゴリ: Technology
ディーゼルエンジンの生みの親はRudolf Diesel(1858-1913)です。又、その命名は彼の奥さんとのことです。

今や大型自動車、舟は100%ディーゼルエンジンで動いていますが、健康に害のある浮遊粉塵、窒素酸化物をまき散らす公害の元凶と化し、東京都では未対策車締め出しを図ろうとしています。
しかし、必ずや近未来に粉塵除去、窒素酸化物除去が成功するものと思っています。省エネの観点からは、通常のガソリンエンジンより30%程良好で、炭酸ガス排出量もその分少ないのですから、COP3適合の為に、日本の技術者が培って来た環境技術応用が生かされる筈です。

ルドルフ・ディーゼルは1858年生まれで、ミュンヘン工科大学で開びゃく依頼の素晴らしい成績で卒業、若い発明家としてクルップ社とディーゼルエンジンの開発に挑み、1896年完成して特許取得、アウグスブルクで生産を始めました。
ドイツは産油国では無かったので、高価なガソリンでなく安価な重油を使用出来、信頼性の低かった電気点火を使用しない本当にドイツ向き(その他経済水準の低い日本等でも)の画期的なエンジンでした。

彼が商才にたけていたら、多分ダイナマイト発明で財をなしたノーベル以上の財をなすことも容易だったことでしょう。
だが彼は一貫して偏狭な物の見方をきらい、自分の発明が世界の人々の利益になるように、誰でも少額の特許料で新技術の使用を許しました。このことは人類にとっては幸運となり、彼自身にとっては不幸なこととなりました。

1900年代初頭はドイツ帝国海軍は、強大な大英帝国海軍に追いつこうと必死の努力をしており、対抗手段としての潜水艦に白羽の矢を立てました。この主機としてディーゼルエンジンが最適と判断されました。しかし英国でも注目したのです。1910年代になりますと独英関係は緊張し、ベルリンの海軍省は彼を呼びつけ、特許全てを国家に帰属させるように要求したのですが、彼は拒絶したのです。チャーチル率いる英国海軍はそのノウハウを使うことが出来そうに思えました。
1913年イギリス行きの汽船に乗った後、失踪したのです。
2週間後オランダのトロール漁船の網に一つの遺体が掛かりました。それが彼の死体でした。
状況から推察出来ることは、英国に特許ノウハウをを渡すことは“利敵行為”と見なし、ディーゼルを“売国奴”としてドイツ秘密警察が同行者に命じて殺害させた、と言うことでした。
しかし、確たる証拠は無く同行者は罪に問われることは無かったのです。





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Last updated  2005.01.25 13:40:23
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カーク船長4761 @ Re[1]:米国を懐かしんでスコーンを食する(05/01) maki5417さんへ イギリス発祥なのかも知…
maki5417 @ Re:米国を懐かしんでスコーンを食する(05/01) 英国が起源かと思っていました。
通りすがり@ Re:桜ヶ丘公園のキンランとギンラン(04/25) 掲載画像はギンランではなくササバギンラ…
maki5417 @ Re:ツツジ・花水木の美しい季節(04/27) こちらもハナミズキが咲き始めました。 ア…
オジン0523 @ Re:花のある生活(04/21) 奥様との思いでいいですね。 我が家でも家…

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