海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2003.07.01
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カテゴリ: Overseas Europe
今日は逸品ぞろいの絵画が揃っているハーグにあるマウリッツハイス美術館を紹介したいと思い、1997年4月訪問時の写真アルバムを開いて見たのですがレンブラントもフェルメールも皆ピンぼけですので、お見せ出来ません。
そこで、家にあるフェルメール画集に「デルフトの眺望」がありましたので、デジカメ撮影及びスキャンして紹介することに致します。



「デルフトの眺望」を含め、フェルメールの作品5点をスライドショーでご覧ください!


「デルフトの眺望」を“世界で最も美しい絵”と評したのはゲーテだと思ってきましたが、もしかしましたらプルーストだったかも知れません。ゴッホもこの絵には感激した様で“想像していたのと全く異なった色が使われている。”と驚いています。風景画でこれほど人に感動を起こさせる絵も珍しいと思います。

画商で画家のフェルメールは1632年に、オランダのデルフトに生まれました。1653年画家のギルドに登録されています。1655年家業の画商を継ぎ、絵画鑑定にも能力を発揮したようです。その頃にはギルドの会長にも推挙され、名声は高まり、寡作であった彼の絵は完成と共に全て売れてしまった様です。 1674年にオランダの新しい税制導入と共に画商が立ち行かなくなり、生活は困窮を極め、同年彼が亡くなった時には負債しか残さなかったと言われています。
寡作であり、デルフト付近のみに収蔵されたこともあり、彼の仕事は急速に忘れ去られたのです。所が突然19世紀末に評価が高まり、フランス20世紀前半の小説家プルーストが取り上げることで決定的となり、“17世紀はレンブラントの時代であると共に、フェルメールの時代である。”とさえ言われる様になりました。

彼の作品は36点しか残されておりません。マウリッツハイスに3点、アムステルダムにも3点のみで、ルーブルには1点、ロンドン王立美術館に3点、ニューヨーク・メトロポリタンに3点、ワシントン国立美術館にも3点と散在して展示されているに過ぎません。


画家が見たままに何のデフォルメも加えないで、「日常生活を、非物質化し、霊化し、永遠化する。」と言われる画法は、多くの鑑賞者を優しい幸福感に包み込むようです。
彼の描いた絵の質感は、布にしろ糸にしろ、パンにしろ牛乳にしろ、驚く程で思わず近づいて見て、じっと観察しなければならない程なのです。





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Last updated  2005.07.12 14:10:42
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カーク船長4761 @ Re[1]:米国を懐かしんでスコーンを食する(05/01) maki5417さんへ イギリス発祥なのかも知…
maki5417 @ Re:米国を懐かしんでスコーンを食する(05/01) 英国が起源かと思っていました。
通りすがり@ Re:桜ヶ丘公園のキンランとギンラン(04/25) 掲載画像はギンランではなくササバギンラ…
maki5417 @ Re:ツツジ・花水木の美しい季節(04/27) こちらもハナミズキが咲き始めました。 ア…
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