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4月30日(火) 万葉秀歌(上巻)(28) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(28) いざ子(こ)どもはやく日本(やまと)へ大伴(おほとも)の御津(みつ)の浜松待(はままつま)ち恋(こ)ひぬらむ (巻一・六十三)山上憶良 山上憶良が大唐(もろこし)にいたとき、本郷(ふるさと)(日本)を憶って作った歌。 茂吉:一首の意は、「さあ皆のものどもよ、早く日本へ帰ろう、大伴の御津の浜のあの松原も、吾々を待ちこがれているだろうから」、というのである。 「大伴」は、難波の辺一帯の地名の名。「御津」は、難波の湊(みなと)のこと。
2019.04.30
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渡辺幸一氏の短歌(30) (注)渡辺幸一氏はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌 「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまし て精力的にご活躍しております。(ブログ作成者) ナショナリズム(3) (2007年4月25日発行;世界樹 八号より) ブラジル移民の歌を読みて(六首) 南米の移民の苦闘印したる歌を読みつぐ霧暗き夜に 母国語でブラジル移民が遺したる声なき声のごとき歌群(うたむら) 巧まざる言葉なれども胸を打つ老いしブラジル移民の歌は 無名者の重き歴史の証しなる老移民らの歌を読むなり 我もまた移住者なれば哀歓を母語に託して詠ひ来たりき 誰がためにあらず我がため書きつげり母なる国の言葉に拠りて (つづく)
2019.04.30
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4月30日(火) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より 浅薄の確証 深く学びなさい。そうすれば、批評ばかりする人間にはならないでしょう。深く感じ入りなさい。そうすれば、不平ばかり言う人間にはならないでしょう。真理は謙虚です。真理は沈黙を愛します。宇宙の真理は調和です、喧(やかま)しさを憎みます。例えれば、常に真理の泉を飲み、宇宙の琴線と触れていれば、たとえ浅薄な人間になろうとしてもなれないのです。逆に、批評ばかりしている人、不平ばかり言っている人は浅薄な人間であることの証拠です。
2019.04.30
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4月30日(火) 北原白秋歌集(35) 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月十日初版 「雲母集」(2) 新生(2) 鱶(ふかざめ)は大地の上は歩かねばそこにごろりところがりにけり 大空に何も無ければ入道雲むくりむくりと湧(わ)きにけるかも 流離抄(1) 雪深し黙(くぐ)みゐたれば紅(くれなゐ)の月いで方となりにけるかな 朝霧に光りゆらめくみをつくしいまだ死なむと吾(わ)が思はなくに 来て見ればけふもかがやくしろがねの沖辺はるかにゆく蒸汽(ふね)のあり (つづく)
2019.04.30
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後藤瑞義の短歌(381) 4月30日(火) 旧作備忘記録 平成18年2月25日(土) 白梅にカラスがすっと止まり来て恥ずかしそうに小首かしげる 見えること見られることを好むという米国人の話聞いてる 習慣という代物(しろもの)を目の前に出してみなさい退治してやる 習慣という代物は探しても解剖しても何処にもあらず 至福の時間(2) 石白く乾ける河原石投げて時を過ごせるわが子は二十歳 もの言わず自閉児わが子は石を投げまた石を投げ川と語らう ひたむきに浅瀬に向きて石投げる今年二十歳となれる息子は 自閉症という病名にもの言わぬ息子は二十歳われは見守る 離れ住む東京の子に週一度メール送るも返事はあらず 田植え終え蛙の声の満ちる夜半東京の子にメール打ち継ぐ 心障の子と透析の妻抱え離れ住む子のことを忘れる (つづく)
2019.04.30
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4月29日(月) 万葉秀歌(上巻)(27) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(27) いづくにか船(ふな)泊(はて)すらむ安礼(あれ)の埼(さき)こぎ回(た)み行(ゆ)きし棚(たな)無(な)し小舟(をぶね) (巻一・五十八)高市黒人 高市黒人(あけちのくろひと)の経歴は、はっきりしませんが、持統天皇に仕えていたので、大体柿本人麿と同時代の人です。「安礼の埼」は参(み)河(かわ)国の埼であろうが現在の何処かは不明。 茂吉:一首の意は、「今、三河の安礼の埼のところを漕ぎめぐって行った、あの舟棚(ふねたな)の無い小さい舟は、いったい何処に泊るのか知らん」というのである。 茂吉:旅中の歌で、他の旅の歌同様、寂しい気持ちと、家郷(妻)とおもう気持と相まっている。その上で、客観的な写生をおろそかにしていない。そして、「何処にか船泊すらむ」と感慨をもらしているところに特色がある。
2019.04.29
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渡辺幸一氏の短歌(29) (注)渡辺幸一氏はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌 「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまして 精力的にご活躍しております。(ブログ作成者) ナショナリズム(2) (2007年4月25日発行;世界樹 8号より) イギリス暮らし十七年(七首) やはらかきチエロの音聴く心地せり真冬の空が明けてゆくとき わずかずつ暗き陶器に満ちてゆく水のごとくに寂しさは来つ 物言ひは慇懃なれどしたたかなロンドン市民の中で生きゆく しばしの間(ま)金融街の辻に立ち夕くれなゐの空を見てゐつ 来歴をすべて棄て去りあてのなき旅にふらりと出たき夕暮れ イギリスの丘の人家にひとつずつ寂しき宵の灯がともりゆく 青白き月の光で鍵穴を探りぬひとり真夜に帰りて(つづく)
2019.04.29
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4月29日(月) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より キリストと武士 人類の理想はキリストだと思います。そして、日本人の理想は武士の魂であると思います。そうして、武士の魂を失わないでキリストを信じることをわたしは理想とします。キリストを信じない武士は単なる野蛮人です。また、町人根性を去らないでキリストを信じる人は偽りの信者です。本物のキリスト信者は、武士の魂をもって信じる信者です。しかし、今なんと本物のキリスト信者が少ないのでしょうか。
2019.04.29
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4月29日(月) 北原白秋歌集(34) 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月初版 「雲母集」(1) 新生(1) 煌々(くわうくわう)と光りて動く山ひとつ押し傾(かたぶ)けて来(く)る力はも 大きなる手があらはれて昼深し上から卵をつかみけるかも 大鴉一羽渚に黙ふかしうしろにうごく漣(さざなみ)の列 大鴉一羽地に下り昼深しそれを眺めてまた一羽来し 昼渚人し見えねば大鴉はつたりと雌を圧(おさ)へぬるかも (つづく)
2019.04.29
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後藤瑞義の短歌(380) 4月29日(月) 旧作備忘記録 平成18年2月24日(金) 事務室の机の上に紅椿ひとつ頭を上げて落ちてる 一枝の梅のつぼみが確実に花ひらきおり一輪挿しに 至福の時間(1) 母親を手助けすると三郎はシチューの鍋に飴玉入れる 自閉症の吾子を叱ってばかりいる君は喜ばそうとするのに 熱下がり施設に戻り行く息子長く伸びたる髭剃りてやる 施設へと自閉児吾子を送る道「お花きれい」と言えばうなずく あんなにも叱らなくてもよかったに施設に戻ししわが子を思う 週末に迎えに来ますと帰れるも施設へ行けぬ子は待つらんに 自閉児の息子の今をそのままに受け止めわれは生きる外なし(つづく)
2019.04.29
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4月28日(日) 万葉秀歌(上巻)(26) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(26) 引馬野(ひくまぬ)ににほふ榛原(はりはら)いり乱(みだ)り衣(ころも)にほはせ旅(たび)のしるしに (巻一・五十七)長 奥 原 大宝二年(文武)に太上天皇(おおきすめらみこと)(持統)が参河(みかわ)に行幸せられたとき、長忌寸奥麿(ながのいみきおきまろ)(伝不詳)の詠んだ歌。 茂吉:一首の意は、「引馬野に咲きにおうて居る榛原(萩原)のなかに入って逍遥しつつ、此処まで旅し来った記念に、萩の花を衣に薫染せしめなさい、」というのであろう。
2019.04.28
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渡辺幸一氏の短歌(28) (注)渡辺幸一氏はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌 「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまして 精力的にご活躍しております。 ナショナリズム(1) (2007年4月25日発行;世界樹 8号より) 従軍慰安婦のことなど(七首) 粗雑なる論理用ひて日本の首相が慰安婦のことを語れり 慰安婦をめぐりたちまち孤立する世界の中の日本を思ふ 拉致よりも慰安婦のことを重く見る英文記事を繰り返し読む 内向きの思想と言葉に統(す)べられしナショナリズムの暗き火の色 外交の非力に触れず「反核のための核」なる論興(おこ)りゆく (つづく)
2019.04.28
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4月28日(日) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より 弁解の無効 世の中の人が誤解しているといって、その誤解を解こうと努めても無駄です。なぜなら、彼らはあなたを誤解したがっているのです。ですから、誤解を解こうとすることは、誤解したがっている人たちの意志に反することになるのです。わたしは、わたしのことを正しい人間と思っている友人の誤解を解くようにします。かれらはわたしの正しいことを常に信じています。ですから、わたしの弁解を聞き喜んで受け入れます。ピラトと祭司長の前におけるキリストの沈黙は、敵の前では弁解は不要、また無効であるということをわたしたちに教えているのです。
2019.04.28
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4月28日(日) 北原白秋歌集(33) 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月十日初版 「桐の花」(33) 哀傷篇(5) 死ぬばかり白き桜に針ふるとひまなく雨をおそれつつ寝ぬ ひなげしのあかき五月(さつき)にせめてわれ君刺し殺し死ぬるべかりき 男泣きに泣かむとすれば竜胆(りんだう)がわが足もとに光りて居たり 煤烟(すすけむり)たあなびくもとに葛飾(かつしか)の青菜畑ははるばると見ゆ ぐろきしにあつかみつぶせばしみじみとから紅(くれなゐ)のいのち忍ばゆ (「桐の花」完結)
2019.04.28
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後藤瑞義の短歌(379) 4月28日(日) 旧作備忘記録 平成18年2月23日(木) 2月23日(木) 事務室の机に置かれた花瓶から一夜明けたる椿開きぬ 事務室の花瓶にさしたる紅椿かたき蕾が今朝開きたり 白梅の蕾椿のつぼみさす花瓶に春の生命(いのち)を開く 太郎杉 天城(あまぎ)嶺(ね)の雪道ザックザック踏む太郎杉まで二キロとなりぬ ザクザクと雪踏む音の心地よき天城嶺にして妻と子とわれ 天城嶺の雪道そろり登り来てたどり着きたりこれ太郎杉 太郎とふ杉の巨木を雪道に尋ね着きたり家継がぬわれ 真っ直ぐに四百年を生き来たり杉の巨木を仰ぎ見て立つ 黙々と四百年を生き来たり拳を上げる如き杉の木 自閉症病む子よ見よやもの言はず四百年を経たる杉の木(つづく)
2019.04.28
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4月27日(土) 万葉秀歌(上巻)(25) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(25) 采女(うねめ)の袖吹(そでふ)きかへす明日香(あすか)風(かぜ)都(みやこ)を遠(とほ)みいだづらに吹く (巻一・五十一)志貴皇子 明日香(あすか)(飛鳥)の京から藤原(ふじわら)の京に遷(うつ)られた後、明日香のさびれたのを悲しんで、志貴皇子(しきのみこ)の詠まれた御歌。 采女は諸国から身分も好く容貌も端正な妙齢女を選抜して宮中に仕えしめたもの。 茂吉:一首は、「明日香に来て見れば、既に都も遠くに遷り、都であるなら美しい采女等の袖をも翻(ひるがえ)す明日香風も、今は空しく吹いている、」というぐらいに取ればいい。
2019.04.27
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渡辺幸一氏の短歌(27) (注)渡辺幸一氏はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌 「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまして 精力的にご活躍しております。 冬木(4) (2006年12月20日発行;世界樹 7号より) 悲しみに耐えて屈まる姿にて運河に架かる黒き鉄橋 強(したた)かに異郷に生きし歳月を思ひて冬の夜を独り居り イギリスの冬の夜空にかすかなる雷(らい)聞くときの深き寂しさ この国で老いて果てむと思ふ夜のきびしき霜に月光の射す 狂ひゆく日本語なれど異郷にて生きの証しの歌書かむとす (つづく)
2019.04.27
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4月27日(土) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より 犬を慎めよ 「なんじら犬に慎めよ」(フィリピの信徒への手紙三章二節)。つまり、当代のいわゆる批評家なる人を慎みなさい、発言だけして実績のない人を慎みなさい、破壊を好んで建てることの出来ない人を慎みなさい、害することが多くて癒すことが出来ない人を慎みなさい。そして、あなたたちはそういう人にならないようにも注意しなさい。もちろんそういう人の話に耳を傾けてはいけません。またそういう人の書いたものを読まないようにしなさい。そうしないと、あなたたちの霊魂は死滅します。そして、飢えることだけで満足することが出来ない人間になります。
2019.04.27
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4月27日(土) 北原白秋歌集 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月十日初版 「桐の花」(32) 哀傷篇(4) 曇り日の朝の瓦の見はるかしを鳩歩み居れりさみしきか鳩よ 喨々(りやうりやう)とひとすぢの水吹きいでたり冬の日比谷の鶴(つる)のくちばし かなしみに顫へ新たにはぢけちるわれはキャベツの球(たま)たらなくに 春くれば白く小さき足の指かはゆしと君を抱きけるかな 手にぎりてかたみに憎み蒪菜(じゆんさい)の銀の水泥(みずどろ)を見つめつるかな (つづく)
2019.04.27
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後藤瑞義の短歌(378) 4月27日(土) 旧作備忘記録 平成18年2月22日(水) 紅梅が満開となるとげとげとごつごつとした幹や枝先 曇りたる空の隙間を縫うように陽が差している温かい陽が 休耕の畑(はた)一面の菜の花に大地の力がみなぎっている 菜の花が畑いっぱい咲いている雲の間に陽が差している 丈高き伸び放題の梅林をさみしみ歩む香りかぎつつ 出世せん金儲けせんそのこころ捨て去り咲けり紅梅の花 感情の虜(とりこ)となって怒ってるわれを静かにわれが見ている 悟るとか悟らないとかサルトルもサンスクリットもさっぱり捨てる
2019.04.27
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4月26日(金) 万葉秀歌(上巻)(24) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(24) 日並(ひなみし)の皇子(みこ)の尊(みこと)の馬並(うまな)めて御猟立(みかりた)たしし時(とき)は来(き)向(むか)ふ (巻一・四十九)柿本人麿 これも前に述べた四首中の一つで、最後のもの。 茂吉:一首は、「いよいよ御猟をすべき日になった。御なつかしい日並皇子が御生前に群馬を走らせ御猟をなされたその時のように、いよいよ御猟をすべき時になった、」というのである。
2019.04.26
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渡辺幸一氏の短歌(26) (注)著者はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌 「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまし て精力的にご活躍しております。(ブログ作者) 冬木(3) (2006年12月20日発行;世界樹 7号より) 簡潔な一行の詩と見てゐたり直(すぐ)に立ちたる硬き冬木を ロンドンの橋の上より冬空のはかなき色の虹を見てゐつ 民族の和解遠のく街々を染めて真冬の日が沈みゆく 夕映えに薄墨色の雲群れて恩寵のごと空うるはしき 青白き果実のごとき残月を眺めてをりぬバスの窓から (つづく)
2019.04.26
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4月26日(金) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より 聖書そのもの あなたは、聖書そのものを読みなさい。聖書について書かれたものを多く読んではいけません。生命は聖書そのもののなかにあって、聖書をあれこれ論ずる書物にはありません。聖書について疑ったり、聖書の言葉を疑ったりして深く入れないのは、多くの場合、聖書そのものを真剣に読まないで、聖書について色々聞いたり読んだりすることによるのです。
2019.04.26
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4月26日(金) 北原白秋歌集 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月十日初版 「桐の花」(31) 哀傷篇(3) 空見ると強く大きく見はりたるわが円(つぶ)ら眼に涙たまるも 烏羽玉(ぬばたま)の天竺牡丹咲きにけり男手に取り涙を流す いと酢(す)き赤き柘榴(ざくろ)をひきちぎり日の光る海に投げつけにけり やはらかにローンテニスの球(たま)光る公園に来てけふもおもへる
2019.04.26
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後藤瑞義の短歌(377) 4月26日(金) 旧作備忘記録 平成18年2月21日(火) わが内に不平不満の小人(こびと)さんたくさん住んで悪さをするか 良いことを思えば良いことやってくるこの理(ことわり)よこの言霊(ことだま)よ 備忘記録 ふた駅の旅 ふた駅を電車に乗るを待ちかねて夜半起き出せり自閉児わが子 託さるる鞄をしかと抱(いだ)き持ち自閉児わが子が得意顔せり 自閉児の十六歳と約したる二人の旅はふた駅のたび 喧騒を自閉児わが子と逃(のが)れきてイルカのショーの喚声遠し 純粋というもの問うや自閉児の十六歳のものを乞う顔 ぼろぼろのピーターパンの絵本置き眠れる十六歳こころ閉ざす子 絵本よりピーターパンは飛び立たむ自閉児わが子の眠りいる間に
2019.04.26
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4月25日(木) 万葉秀歌(上巻)(23) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(23) ひむがしの野(ぬ)にかぎろひの立(た)つ見(み)えてかへり見(み)すれば月(つき)かたぶきぬ (巻一・四十八)柿本人麿 これも前の歌のところで述べた四首の中の一首。 茂吉:一首の意は、「阿騎野にやどった翌朝、日出前の東天に既に暁の光がみなぎり、それが雪の降った阿騎野にも映って見える。その時西の方をふりかえると、もう月が落ちかかっている、」というのである。 茂吉:「古へおもうに」などの句がないが、全体としてそういう感情が奥にかくれているもののようである。そういう気持があるため、「かへりみすれば月かたぶきぬ」の句も利(き)く。人麿がかく見、かく感じ、詠嘆し写生している。それが、すなわち犯すべかざる大きな歌を得る所以(ゆえん)となった。
2019.04.25
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渡辺幸一氏の短歌(25) (注)渡辺幸一氏はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌 「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまし て精力的にご活躍しております。(ブログ作成者) 冬木(2) (2006年12月20日発行;世界樹 七号より) 語るべき言葉あるごと老い犬がしばし我が目を見つめてゐたり 氷雨降る異国の細き石路(いしみち)を藤の柄の傘さして歩めり ひとり来て死者たちの声聞かむとす真冬の森に風響(とよ)むとき 気配して振り返れども人はゐずただ葉を散らす冬木立つのみ 人知れず真冬の森の午後に射す光のなかを葉は散りつげり (つづく)
2019.04.25
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4月25日(木) 北原白秋歌集(30) 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月十日初版 「桐の花」(30) 哀傷篇(2) 編笠(あみがさ)をすこしかたむけよき君はなほ紅(あか)き花に見入るなりけり 向日葵(ひぐるま)向日葵囚人馬車の隙間(すきま)より見えてくるくるかがやきにけれ 鳳仙花(ほうせんくわ)よ監獄(ひとや)にも馴(な)れ罪にも馴れ囚人にさへもなれむとするか 監獄(ひとや)いでぬ重き木蓋(きふた)をはねのけて林檎函(りんごばこ)よりをどるここちに 監獄(ひとや)いでてじつと顫(ふる)へて噛む林檎林檎さくさく身に染みわたる(つづく)
2019.04.25
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4月25日(木) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より 愛の行為 愛をもって、その人のためになるようにと、愛をもってどんなこともしなさい。そうでなければどんなことでもしないようにしなさい。愛をもってするのでなければ、怒ったりしてはいけません、愛をもってするのでなければ施したり恵んだりしないようにしなさい。愛は勇気の根底です。その人が善人になるよう祈り念じるのであれば、どんな大きなこともその人のためにすることが出来るでしょう。
2019.04.25
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後藤瑞義の短歌(376) 4月25日(木) 旧作備忘記録 平成18年2月20日(月) 水仙が皆かたまって潮風に吹かれているよ笑いころげて 短歌にて笑って遊ぼう指折って三十一文字(みそひともじ)に言葉詰め込み 備忘記録 日めくり(2) 玉ねぎを刻むも涙出ぬと言うなみだの出(い)でぬ悲しみ思う 自閉症わが子の好むカレーライスいつしか吾の好物となる ユズさんも風呂に入ると自閉症わが子に言いて柚子湯に入れる いつしかに十六歳と子はなるや雨あめと言い髪洗いやる
2019.04.25
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よみうり文芸 入選歌 たましいがあこがれ出づるごとくして立ち昇りゆき山覆う霧 下田市 後藤瑞義 (読売新聞静岡版 よみうり文芸 四月二十四日 入選 渡 英子 選)
2019.04.24
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4月24日(水) 万葉秀歌(上巻)(22) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(22) 阿騎(あき)の野(ぬ)に宿(やど)る旅人(たびびと)うちなびき寐(い)も寝(ね)らめやも古(いにしへ)おもふに (巻一・四十六)柿本人麿 軽皇子が阿騎野(宇陀郡松山町付近の野)に宿られ、御父日並知皇子(草壁皇子)を追憶せられ、その時人麿が作った短歌四首の一首。 茂吉:一首は、「阿騎の野に今夜旅寝する人々は、昔のことが色々思い出されて、安らかに眠りがたい、」というのである。
2019.04.24
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渡辺幸一氏の短歌(24) (注)渡辺幸一氏はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌 「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまして 精力的にご活躍しております。(ブログ作成者) 冬木(1) (2006年12月20日発行;世界樹 7号より) 異なれる神々の声谺(こだま)して欧州暗き冬に入りゆく 宗教と人種の壁に対(むか)ひつつ変はらむとしてもがくイギリス 同化でも孤立でもなき生きざまを遂げむ人種の坩堝(るつぼ)の国で 譲らざる矜持を秘めて異郷なる多人種社会を生き抜きにけり 日本の核武装化を予言する記事読みてをり異国の冬に (つづく)
2019.04.24
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4月24日(水) 北原白秋歌集(29) 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月初版 「桐の花」(29) 哀傷篇(1) ひとすぢの香(かう)の煙のふたいろにうちなびきつつなげくわが恋 紅(くれなゐ)の天竺牡丹(てんじくぼたん)ぢつと見て懐妊(みごも)りたりと泣きてけらずや 鳴きほれて逃ぐるすべさへ知らぬ鳥その鳥のごと捕へられにけり かなしきは人間のみち牢獄(ひとや)みち馬車の軋(きし)みてゆく礫道(こいしみち) 大空に円き日輪血のごとし禍(まが)つ監獄(ひとや)にわれ堕(お)ちてゆく (つづく)
2019.04.24
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4月24日(水) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より 愛の利殖 あなたは、人に愛されようと思うのであれば、あなた自身まず人を愛することです。あなたはあなたが愛した以上の愛を受けることは出来ないのです。あなたは、あなたが愛した分だけ愛を受けることになるのです。そして、不思議なことは、あなたから出た愛は多くの人の手に渡ってあなたに戻って来ます、しかしそれはもとのあなたが愛した愛ではありません。たとえれば、愛は貨幣のように人から人へと渡るあいだ増えて行くのです。愛いされないと嘆く人は、人を愛さない人なのです。愛を求めるだけで、人を愛さない人は、愛の守銭奴となって常に愛の欠乏を嘆いて死ぬのです。
2019.04.24
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後藤瑞義の短歌(375) 4月24日(水) 旧作備忘記録 平成18年2月19日(日) 紅梅の咲きたる庭に黙々と木蓮の枝蕾はぐくむ あらかたの葉は枯れ蕾枯れて立つ椿は何を訴えるのか この宇宙いかなるものか分らぬがその法則にわれは則(のっと)る ひたすらにただひたすらに歌作る死ぬ寸前に火にくべてくれ あっはっはあっはっははと笑い出すわが家は笑いの健康家族 備忘記録 日めくり(1) 日めくりの残り少なききのう今日ひと日と言ふは一枚の紙 朝焼けの空に染まらずかがやけるこの三日月の真白き孤独 リストラに友は去りたり残さるるあまた短きエンピツの束 カニやエビ殻持つものを好むなり殻噛みしむる時の哀しみ 純粋のこころを持ちて掃除機を恐るるわが子十六となる 草じらみ一つひとつを丁寧に自閉児わが子は取り終りたり
2019.04.24
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4月23日(火) 万葉秀歌(上巻)(21) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(21) 吾背子(わがせこ)はいづく行(ゆ)くらむ奥(おき)つ藻(も)の名張(なばり)の山(やま)を今日(けふ)か越(こ)ゆらむ (巻一・四十三)当麻磨の妻 名張山は伊賀名張郡の山。伊勢へ越える道筋。「奥つ藻の」は「名張」へかかる枕詞。 茂吉:一首の意は、「夫はいま何処を歩いていられるだろうか。今日ごろは多分名張の山あたりを越えていられるだろうか、」というのである。
2019.04.23
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渡辺幸一氏の短歌(23) (注)渡辺幸一氏はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまして精力的にご活躍しております。 姉逝きぬ(3) (2006年8月25日発行;世界樹 6号より) 日本より戻りて欧州の酷暑に驚く 熱の波襲ひ来たればたちまちに渇きてゆけり獣も人も 渇きゆく地上より我が仰ぐとき神不在ゆゑ空麗しき 薄玻璃(うすはり)の脆さで青く透りたる異界のごときイギリスの空 祈るごと言葉選びて書く夜(よ)あり我がなつかしき死者たちのため (つづく)
2019.04.23
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4月23日(火) 北原白秋歌集(28) 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月十日初版 「桐の花」(28) 白き露台(3) どくだみの花のにほひを思ふとき青みて迫る君がまなざし かはたれの白き露台に出でて見つわがおもふ人はいづち去(い)にけむ 仏蘭西のみやび少女がさしかざす忽忘草(わすれなぐさ)の空いろの花 にほやかに君がよき夜ぞふりそそぐ白き露台の矢ぐるまの花 夕かけて白き小鳥のものおもひ木にとまるこそさみしかりけれ 空いろのつゆのいのちのそれとなく消(け)なましものをロベリヤのさく (つづく)
2019.04.23
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4月23日(火) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より 成功の秘訣 わたしは世の中に勝ってそれによって神様に身をゆだねるのではありません。わたしは神様にすべてお任せすることによって世の中に勝つのです。わたしは義人になることによって神様に認められるのではありません。わたしは神様にすべてお任せすることによって義人になるのです。わたしは神様にすべてお任せすることによって、知者になるのです。わたしは神様にすべてお任せすることによって、勇者になるのです。いままでわたしはすっかり思い違いをしていました。たとえれば、活き活きとして人を生かしてくれる泉である神様に頼らず、水漏れがする溜め桶の自分に頼ろうとしていたのでした。
2019.04.23
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後藤瑞義の短歌(374) 4月23日(火) 旧作備忘記録 平成18年2月18日(土) 突然に一挙に咲いた梅の木に戸惑うようなヒヨドリの声 長いことなずんでいたる喫煙の慣(なら)いが何故か今なくなった こんな道あんな道またいろいろな道があるんだ未来にあふれ 君の道ひとつではないただ君が歩かなければ先に行けない 感情が君の体に棲んでいてきみをあやつっているというのか 備忘記録 栗の花 栗の花青く匂える散歩道十五となりぬ自閉児わが子 性欲を抑える薬あるという十五となりぬ自閉児わが子 自閉児のわが子と風呂に入りつつこの幸せを語り合えなく 自閉症のわが子が言葉話してる夢にはあれど涙あふれる 自立にはほど遠けれど自閉児のわが子千円の月給を得ぬ 缶潰しを終日なして授産所に子はうれしげと妻帰り言う
2019.04.23
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4月22日(月) 万葉秀歌(上巻)(20) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(20) 潮騒(しほさゐ)に伊良虞(いらご)の島辺榜(しまべこ)ぐ船(ふね)に妹(いも)乗(の)るらむか荒(あら)き島回(しまみ)を (巻一・四十二)柿本人麿 「伊良虞(いらご)の島」は、三河渥美郡の伊良虞崎あたり。「島」は「崎」。 茂吉:一首は、「潮が満ちて来て鳴りさわぐ頃、伊良虞の島近く榜ぐ船に、供奉してまいった自分の女も乗ることだろう。あの波の荒い島のあたりを、」というのである。 茂吉:船に慣れないことに同情してその難儀をおもいやるに、ただ、「妹乗るらむか」とだけ言って、結句「荒き島回を」に応接せしめている。
2019.04.22
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渡辺幸一氏の短歌(22) (注)渡辺幸一氏はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌 「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまして 精力的にご活躍しております。 姉逝く(3) (2006年8月25日発行;世界樹 6号より) 山の背に真白き雲の峰の湧く我がふるさとの夏の静けさ ふるさとを捨てたる我を責めて鳴く激しき蝉の声に耐へゐつ 誰か我が名を呼びてゐむ見えざれど夏陽炎の道に向かうに 姉逝きしふるさとで見る夕空のかく痛ましく美(は)しき茜よ 哀歓は遠き彼方ぞ無韻なる夏の夜空に星流れゆく (つづく)
2019.04.22
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4月22日(月) 北原白秋歌集 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月十日初版 「桐の花」(27) 白き露台(2) やはらかに赤き毛糸をたぐるとき夕とどろきの遠くきこゆる なまけものなまけてあればこおひいのゆるきゆげさへもたへがたきかな ものおもふわかき男の息づかひそなたも知るやさるひあの花 なまけもの昼は昼とてそことなきびんつけの香にも涙してけれ 嗅(か)ぎなれしかのおしろいのいや薄く冷たき情(なさけ)忘られなくに (つづく)
2019.04.22
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4月22日(月) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より われの改革法 わたしは、政治を改めようなどと考えていません、ただひたすらイエスキリストの福音を説いているだけです。わたしは社会を新しくしようなどとは考えません、ただひたすらイエスキリストの福音を説いているだけです。そして、わたしの説く福音は、社会と国家の根底を改めるため、新しい社会の地盤の石を少しずつ据えようと努力しているのです。
2019.04.22
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後藤瑞義の短歌(373) 4月22日(月) 旧作備忘記録 平成18年2月17日(金) 備忘記録 サーカス(2) 山を越え四時間かけてロケ隊を見に行きしなり少年の日に サーカスを見んと幾重に列作る自爆テロなどあらざる日本 悠久の時の流れよサーカスの四時間待ちに地団駄のわれ 吹き溜る落葉の上に露ありてダイヤモンドの光り輝く 四時間を待ち入りたるサーカスも四十分が子の限界と知る 四時間を待ちサーカスを見たること良かったよかったと言いて帰れる 口少し開き電車に眠る妻四時間待ちを思い出として サーカスの曲芸なみの日常を生きおる妻か透析かかえ 今日ひと日無事に過しし幸思う心障の子と透析の妻と 良き事が明日はあらんかあるだろうあるさあるあるきっとあるある
2019.04.22
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4月21日(日) 万葉秀歌(上巻)(19) 斎藤茂吉著 昭和13年11月発行 (注)作品は書籍通りです、解説は簡略化、意訳している場合もあります。(後藤) 巻第一(19) 英虞(あご)の浦(うら)に船乗(ふなの)りすらむをとめ等(ら)が珠裳(たまも)の裾(すそ)に潮満(しほみ)つらむか (巻一・四十)柿本人麿 茂吉:一首は、「天皇に供奉(ぐぶ)して行った多くの若い女官たちが、阿虞の浦で船に乗って遊楽する。その時にあの女官等の裳の裾が海潮に濡れるであろう」というのである。「玉裳」は美しい裳ぐらいに取ればよい。
2019.04.21
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渡辺幸一氏の短歌(21) (注)著者はイギリス在住、第41回角川短歌賞を受賞しています。 掲載につきましては、許可を受けました。 渡辺幸一氏は、郷隼人氏をはじめ海外在住の歌人をご自身の短歌誌 「世界樹」(自費出版)で紹介したり、海外歌人のまとめ役としまし て精力的にご活躍しております。(ブログ作者) 姉逝きぬ(2) (2006年8月25日発行;世界樹 6号より) 嫁ぐことなくて老いたる我が姉の良き弟でなかりき我は 異母姉弟ゆゑの遠慮も葛藤もありたる日々をかみしめてをり 信仰に生きし女(ひと)にて乱れなき手跡で長き遺書を残せり よみがへる記憶果てなしふるさとの輝く夏の海に向かへば あまりにも眩しきゆえに一瞬(ひととき)を盲ひて夏の海に真向かふ (つづく)
2019.04.21
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4月21日(日) 「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より (注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。 明治36年より 恥辱の原因 神様に頼るしかないと言いながら、人に頼ろうとするから恥辱を得るのです。神様に頼ると決めたら神様のほか何者にも頼るべきではありません。神様に頼ると言いながら人に頼る人は偽善者です。神様は人間を離れて存在されるものですから、人間から離れて頼らなければなりません。神様に頼りなさい、天地を創造された神様を頼りなさい。人間世界のあらゆる権威や能力とも離れて神様に頼りなさい。ローマ人への手紙第十章十一節に「主を信じる者は、だれも失望することがない」と書かれています。
2019.04.21
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4月21日(日) 北原白秋歌集 中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より 昭和49年十一月十日初版 「桐の花」(26) 白き露台(1) 歎けとていまはた目白僧圓の夕の鐘も鳴りいでにけむ 君見ずば心地死ぬべし寝室の桜あまりに白きたそがれ 温かに洋傘(かさ)の尖(さき)もてうち散らす毛莨(きんぼうて)こそ春はかなしき 定斎(ぢやうさい)の軋(きし)みせはしく橋わたる江戸の横網鶯(よこあみうぐひす)の啼く 鐸(すず)鳴らす路(ろ)加(か)病院の遅(おそ)ざくら春もいましかをはりなるらむ (つづく)
2019.04.21
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