全11件 (11件中 1-11件目)
1

これは、フォアグラのフォンダン。Fondant de foie gras フォンダンとは、とろりととろけると言うほどの意味。 私の店、サンク・オ・ピエではフォアグラが大人気なのだが、、、定番はソテー(これはいつでもやっている)フォアグラ100%のテリーヌ(これはたまにおすすめメニューで作る)などを召し上がった方が多いだろう。まあ、確かにこの二つが王道なのは確か。 でもフォアグラ料理はこれだけじゃない。このフォンダンは、生のフォアグラをピュレにしてから、卵や生クリームでのばして、低温のオーブンで湯煎にかけてプリンのように火を通した物だ。これを冷やして仕上げにコンソメのジュレをあしらってある。 加熱すると融けて脂が分離しがちなフォアグラを卵のたんぱく質の凝固力と生クリームの乳化作用でうまく押さえ込んで固めなければならないので、結構難しい料理だ。 フォアグラの配合が多いほど美味しいのは言うまでもないが、当然多いほど難易度が上がるわけだ。まあ、50%ぐらいが限度ではないだろうか? 私の場合味を軽くするのとカロリーを控えめにするために生クリームを減らして少し牛乳を入れているので、よけいに難しくなるのだ。で、当然これは50%の限度いっぱいのフォンダン。だから、美味しい!口解けの良さが、シャンパーニュに絶妙にマッチする。連休明けに初夏のおすすめコースとして紹介しようと思っている。 このほかにも、100%のテリーヌを作り、それを裏ごしして、八分立ての生クリームと合わせると、これがパルフェ・ド・フォアグラParfait de foie gras意味は、完璧なフォアグラ!確かに美味いが、完璧にメタボリックな食べ物ではある。パルフェのほうは、軽めの貴腐ワインがおすすめ。 また、生やテリーヌのフォアグラのピュレで料理のソースを仕上げることも出来る。これもかなりヘビー級な料理。この場合はフォアグラの産地に近いラングドック・ルーションあたりの濃くて熱いワインがおすすめ。(熱いといってもワインをお燗するわけじゃないですよ!アルコール分が強いワインを熱いワインと言うことがあります)フォアグラソースは、予約時にリクエストしてくれれば、披露しますよ。 サンク・オ・ピエ
Apr 30, 2007
偉大なチェロ奏者で指揮者のムスチスラフ・ロストロポーヴィッチ氏が亡くなった。 チェロ奏者といえば、20世紀前半にまずスペインにパブロ・カザルスが現れ、それまで伴奏楽器としてしか考えられていなかったチェロという楽器を自ら開発した超絶技巧で、ソロ楽器としての地位を確立した。20世紀後半を代表するチェロ奏者というとその圧倒的なスケール大きさと、多くの有名作曲家から200曲近い作品を献呈されている事実からしても、やはりロストロポーヴィッチだろう。 実は私のバッハ好きは、映画の中で見たロストロポーヴィッチのバッハの無伴奏チェロ組曲の第五番のプレリュードのサワリの部分から始まったのだ。確か16~17歳のころのことだったと思う。五木寛之原作の「協奏曲」と言う映画だった。国際指名手配犯の元過激派の中年男と商社マンかなにかの妻となったそのテロリストの元恋人がフランスで再会して云々、、。屈折した中年男女の愛憎を描いた暗い映画だったと思う。 映画はともかく、私はわずか10秒ほどの彼のチェロ演奏を聴いて衝撃を覚えた!次の日に小遣い銭をかき集めて、レコード屋に行って手に入れたのが1960年録音のバッハの無伴奏チェロ組曲の2番と5番のLPレコードだった。何回聴いたか、、たった一本のチェロでこんなにも壮大な音楽が演奏できるなんて、聴けば聴くほど信じられないような演奏だった。今思えば、スラブ的ロシア的なその演奏は、現在のバッハ演奏の解釈からすれば、本道とは言いがたいのだが、、、そんなことは別にして物凄い演奏であることは間違いないと思う。 彼は晩年にバッハ無伴奏の全曲演奏も残している。
Apr 29, 2007

春キャベツは成長が早く、収穫のタイミングが少し遅れると、、、行き場を失った中身の葉が外側の葉を突き破って爆裂キャベツになってしまう。(まるで北斗神拳にやられてしまったように、、?) 味には何の問題もないので、たいていスープにするのだが、、、千切りにしたキャベツを3日間かけて炒めると上の画像のような状態になる。オニオングラタンスープ用に作る玉葱のソフリットのようなものだ。何しろ、完全に無農薬の野菜だからどんなに味を凝縮させても、嫌な味が出てこない。これをグラタン仕立てにしてもいいのだが、サラッと軽いビーフコンソメでのばしただけの方が、春らしい感じ。 かすかな酸味、ほんのりほろ苦さ、深い旨味のある味わい。なかなか美味しいですよ。ゴールデンウイーク中は、このスープをお出ししようと思っている。売り切れたらごめんなさい。
Apr 26, 2007

看板架け替えました。 5の字が立体で浮き出ているんです。次回ご来店の際は、チェックしてみてくださいね!
Apr 25, 2007

まずは、イタリアパルマ産の生ハムのサラダ仕立て。このハムはたっぷり50グラム。50グラムと言うと,市販のスライスパック1パック分。これには、レア物シェリー酒、マンサリーニャ・パサダ・サンルカールかカリホルニアのホワイトジンファンデルのブラッシュ・ロゼを合わせる。 二皿目は、イカ墨のリゾット、魚介のソテー添え。これは、ホタルイカと帆立を使っているが、今が時期の鯛なども使う。ワインは、イタリアの白、トレッビアーノ・ダブルッツォ。 メインは、バルバリーの若鴨の雌の胸肉のローストにチェリー、カシス、フランボワーズ、ブルーベリー、レッドカレンツなどの赤いフルーツのソースを使い、フォアグラのソテーを添えてある。これには、ブルゴーニュの軽い赤か、ロワールのソミュール・シャンピニィ。 どちらもベリー系の香りがきれいなワインでこの鴨にはぴったり。 デザートは、苺のゼリー寄せ、苺とヨーグルトのシャーベット、木苺風味のクレーム・ブリュレ。 このコースはご予約をお願いします。詳しくはホームページをご覧ください。
Apr 18, 2007

テリーヌのサラダにも、筍。 4月のコースのイカ墨のリゾットにも、筍。 真鯛のソテー、リゾット添えにも、筍。 シャラン産窒息鴨のモモ肉のタプナード風味にも、筍。 このほか、スープも筍!この時期サンク・オ・ピエは、筍三昧ですよ!
Apr 15, 2007

春ラディッシュが来ました!これが出来ると、もう使い切れないくらい春野菜が届く季節だ。春の柔かいラディッシュにフランス人は、バターと塩をつけて食べる。もっともパリあたりとノルマンディあたりにかけてだが、、、。この時期柔らかそうなラディッシュを見つけたら、上質な塩と発酵バターでもつけて食べてみてほしい。シャンパーニュの軽いブラン・ド・ブランなど合わせれば最高ですよ! それから、筍!! とうとう来ました!サンク・オ・ピエ は、フレンチレストランのくせに実は毎年の筍料理が常連さんには大人気なんです。フレンチで春野菜と言えば、なんと言ってもホワイトアスパラガスなんですが、、、フランスからの空輸の特上物は、一本500円近くします。しかも、アスパラガスの本当の美味しさは、摘み取ってからせいぜい半日が限度。だから、いくら空輸と言っても検疫などの都合もあり2~3日たったすっかり美味しさのピークの過ぎたものしか手に入らないわけで、そんな物に高いお金を払うくらいなら、取立ての筍のほうがよほど美味しい!と言うことで、妻の実家が掘りたてを届けてくれる筍を使っているわけ。 アスパラも筍にも共通していることなのだが、、、、摘み取ってしばらくするとある種の酵素が働いて木質化が進むのだ。つまり固くなりあくやエグ味が強くなってしまうので、いかに早く調理してその酵素の働きを止めるかが、ポイントになる。はっきり言って、採ってから一日以上たった筍やアスパラは使い物にならないと言ってもいいくらいだ。 よく東京のお高い店で、筍を京都や広島の一流の産地から取り寄せて、、、などと自慢しているところがあるが、現地で下茹でして取り寄せているなら意味があるが、生のままの筍なら何の意味もないと言うことになる。とにかく鮮度が大切なのだ。 もちろん京都に行って筍の専門料理の店などに行くと、さすがに美味しいですがね! サンク・オ・ピエの筍は美味しいですよ! 春メニュー更新しました!ホームページをご覧ください
Apr 11, 2007

これは、和牛のバベット。バベットというのは、フランス語でヨダレカケという意味。ヒレ肉にくっ付いているバラ肉の一部で牛一頭で2キロ弱しか取れない希少な肉だ。牛はアメリカ式やオーストラリア式また日本式そしてフランスにはフランスの流儀の解体法があって、肉の部位の呼び名やパーツの取り出し方が違っている。このバベットいう場所は、通常日本式の肉の分け方では、出てこない場所。ところが、フランス人はこの肉のステーキが大好きで、バベットステーキ専門のチェーン店があるほどだ。もっとも、あちらの肉は赤身だからこんなに美味そうな霜降りは入っていない。 この場所は、普通ヒレ肉のかぶりと言ってヒレに少しくっ付け、残りはバラ肉につけたまま出荷されてしまうので、バベットだけを手に入れることは出来ない。ところが、、、うちの取引先の肉屋さんが、頑張ってくれてこれからは、このバベット肉が手に入るようになった。 後ろ足の付け根の奥のほうにある肉なので、歩くときに動かす部位だからヒレ肉の様に柔かいわけではないが、おそらく牛肉の中で一番旨味がある部位だろう。 「和牛のステーキは二度心臓に悪い。」という業界ギャグがあるのだが、、、、特上の霜降り肉は、脂肪分がフォアグラ並みでコレステロールが多くて心臓に悪いと言うことと、和牛ステーキ屋でお会計をするときに余りに高いので心臓が止まりそうになる。と言う意味なのだ。 実際、今日本で一番高い大田原牛の特上ステーキ(脂肪融点がなんと28℃!つまり肉を手のひらに載せておくだけで体温で肉が融けてしまうわけだ。)を出す麻布の某ステーキ店では、サーロイン200グラムが一枚7万円でヒレ180gが9万5千円なりと言うことで、肉が主食の欧米人が聞いたら絶対に信用しないような値段だ。私もかつて勉強のためにコースで3万円くらいのステーキは食べたことはあるのだが、ステーキ一枚で10万円近くなるとさすがに躊躇する。まあ、まっとうな職業の人には関係ない世界だろう。世の中上には上があるものですね、、、。 ところで、このバベットステーキ、サンク・オ・ピエ では近日登場の予定です。値段? コースで¥5000くらいと考えています。安いでしょ?試食してみたが、かなり美味しいですよ!
Apr 11, 2007

シャラン産の窒息鴨の胸肉のロースト。このように火が通っているのにとろけるように柔かく焼き上げるには、かなりの技術が必要だ。この肉は、正確に火を通したときのみ美味しいのであって、少しでも調理がぶれるともうアウト。大変難しい肉でもある。ただし、うまく焼ければ異次元の美味しさの鴨なのだ。
Apr 6, 2007

この鴨は、バルバリーと言う種類でフランスの食用鴨では最も一般的な種類。その中でもこれは、雌の若鴨の胸肉で一番柔かくて美味しい肉。4月のおすすめコースのメインで使っています。 鴨肉についてちょっと話しましょう。鴨というのは、厳密に言うと真鴨のことで、本来は野生動物。これを古来より飼いならして、品種改良してきた物が家の鴨と書いて家鴨(アヒル)なわけです。合鴨とも言いますね。合鴨は、アヒルと鴨の掛け合わせなどと言う場合もありますが、要は純粋なのは真鴨で他は全てアヒルや合鴨のたぐいなわけです。 うちの店では、通常シャラン産の窒息鴨を使っているのだが、これは300年くらい伝統的に使われているシャラン特有の品種。それから、この画像のバルバリー種、それからフォアグラ用の品種としてミュラール種がある。ミュラールの鴨を太らせてフォアグラを作り、フォアグラを取り出した後の肉はマグレと呼ばれる。そのほかにも北京ダックのように皮の美味さを追求して出来た品種もあるし、日本の合鴨はかなり野生種に近い感じの物もある。 シャラン産の窒息鴨よりさっぱりしているこのバルバリー種の若鴨の雌の胸肉には、ダークチェリー、フランボワーズ、ブルーベリーなどの赤い果物を使ったソースで軽く仕上げる。煮切るだけで煮詰めない赤ワインとフルーツ、少しの砂糖とフランボワーズヴィネガーで作る軽いソース。クラシックな作り方だと、砂糖を焦がしたカラメルやジャムに煮詰めた肉汁やフォン・ド・ヴォーなどがたっぷり入るのだが、これは正反対に非常に軽いソース。軽くて若いブルゴーニュなどと合わせると美味しい。
Apr 4, 2007

ワインのあて(つまみ)と言うと誰もが思い浮かぶのが、チーズとハム類ではないだろうか?チーズは、フランスの主な物だけでも300種類以上はあるから、これとワインとの組み合わせと言うともう無限と言ってもよく、語りだしたらきりがない。かつて、フランスの大統領だったミッテラン氏が、在職中マスコミに失政を責められたときに、「フランスには300種を超えるチーズがあり、それぞれの地方の人々がおらがチーズが一番と言って絶対に譲らない。こんな国をひとつにまとめるなんて不可能だ。」と言って開き直った。と言うエピソードがあるくらいだ。 ハム類といっても生ハム、サラミ、ソーセージ類とくるとこれまたかなりの種類がヨーロッパ全土で作られているので、様々なタイプがあり、やはり軽く1000種類は超えるだろう。ワインとの組み合わせを考えると、これまた無限と言ってよいだろう。 そこで今回は話を生ハム、それもパルマ産の生ハムに限ることにする。まずは、シャンパーニュを試してみる、シャンパーニュにもいろいろあるが総じて可もなく不可もなくという感じ。ハムは肉だから赤か?と言うことで試すと、ボルドーの赤、ブルゴーニュの赤どちらもたいして合わない気がする。ではと言うことでイタリアの赤か?これもいっぱい種類がありますねぇ、、。バローロやバルバレスコみたいなクラシックな赤は合わない気がするし、トスカーナあたりの濃いやつもいまいちのようだ。ランブルスコと言うちょっと泡の立つ軽くて少し甘い赤ワインは、さすがにパルマの近くのワインだけあってとても良く合いますね。同じパルマ産のパルミジャーノチーズと合わせると、これはもう止まらないといってもいいくらいだ。じゃあ、ランブルスコで決定!じゃあ、つまらないですよね。なんといっても世界中の食材やワインが手軽に楽しめる国と言ったら日本ほど、何でも手に入る国はないのですから、、。そこで、色々試してみた私なりの結果、シェリーのマンサリーニャ・パサダ・デ・サンルカールとカリホルニアのジンファンデルのロゼを、今月のおすすめコースの生ハムに合わせていただけるように用意してあります。特にシェリーは入手困難なレア物です。 詳しくはこちらから、4月のおすすめコース 入り下の方のさらに詳しいメニューを見るをクリックしてください。
Apr 1, 2007
全11件 (11件中 1-11件目)
1
![]()
![]()
![]()