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最初の皿は、ハンガリー産鵞鳥のフォアグラの冷製ココット仕立て。低温でゆっくりと火を通し、冷やし固めたもので、100%フォアグラの塊です!この贅沢な皿にはやはりソーテルヌなどの貴腐ワインですね。同じハンガリーのトカイ産の甘口ならさらに良いかもしれません。ハンガリーの銘ワイナリーボデガス・オレムスのレイトハーベストも用意してあります。 二皿目は、ハンガリー産鵞鳥のフォアグラのカツレツと広島産牡蠣のムニエル。ソースは煮詰めたバルサミコと蜂蜜にほんの少しウスターソースを混ぜたもの。フォアグラのカツレツはとても難しい料理で、とにかく加熱すると溶けるフォアグラにカツレツの衣をつけて揚げるわけだから、しっかり衣がついた状態で、なおかつ中までしっかり火を入れるのは至難の業なんですね。下手をすれば衣だけ残ってもぬけの空なんてことにもなりかねません。カキのムニエルとフォアグラのソテーというちょっと異質な感じの組み合わせと感じるかもしれませんが、表面がカリッとしていて中がしっとりという共通したニュアンスがあるんです。これは私がかなり以前からやっている組み合わせです。これには、牡蠣に合うしっかりしたシャルドネの白ワインが良いでしょうね。 メインはハンガリー産鵞鳥のフォアグラのソテー、スペイン産セープ(ポルチーニ)茸のフリカッセと新鮮な自家菜園の野菜添え。ソースは、フォアグラともキノコとも相性が良いマデラ酒風味。フォアグラのソテーとセープ茸の組み合わせは、かつて夭折した天才シェフアラン・シャペルが、「真実の味がする」といったそうです。 小さなアバンデセール(デザートの前のデザート)をはさんで、これがデザート。パン・ペルデュ、要するに甘いフレンチトーストですね。そこにフォアグラに砂糖をまぶして焼いたものをのせ、仕上げにカナダ産のメープルシロップをかけてあります。ホットケーキにバターをのせて食べるでしょ?あのバターの替わりにフォアグラをのせたという感じです。ほんの少しシナモンパウダーを振りかけてあって、実に違和感なくスウィーツになっていると思います。フォアグラのデザートも色々作ってきましたが、今回はかなりうまくまとまった気がします。これにワインを合わすなら、軽いカラメルのフレーバーがあるマデラ酒を少し冷やしてやってみたらどうでしょう。 フォアグラマッドネスのコース2009秋は、11月中旬ごろまでやっています。ご予約お問い合わせは、ホームページからどうぞ。
Sep 30, 2009

昨日は、ほんの出来心でスーパーの生ハム・ハモンセラーノのスライスパックを買ってきて食べてみると、、、、うわぁー!不味いーー! それは、何か問題があったわけでは無いのです。ちゃんとした普通のハモンセラーノでした。でも、近頃グランパルマの生ハムを食べているので、それがすっかりスタンダードになってしまった自分に気付きました。困ったもんです。人間贅沢になる一方ですが、もう戻れませんね、、、。うちの生ハム大好き娘に食べさせてみても、彼女ももうグランパルマの洗礼を受けているので、「なんかしょっぱいだけで味がないね」なんて言ってました。 さて、今日は10月からの秋のコースのお知らせです。Cinq au pied. Menu d'Automne 2009サンク・オ・ピエ秋のシェフお勧めコース ご予約限定!10月1日より11月中旬もしくは、生ハムグランパルマが売切れるまで!お一人様¥5200 Enteree前菜Proscuitto di Grand Parma et Lardo d'Ibericoavec legume saison,e.t.c生ハムグランパルマと自家製ラルド・イベリコ、自家菜園の野菜いろいろを添えて PotageスープChauder d'huitre aux champignons広島産牡蠣とキノコのチャウダー仕立て PrincipaleメインディッシュRisotte aux duxcelles de champignons et caille sautesFricasee de Cepes d'espagne et foie gras chaudキノコのデュクセル風味のリゾット、フランス産ウズラのソテー添えスペイン産ポルチーニ茸のフリカッセ、フォアグラのソテー添え DssertsデザートPanache de desserts de marrons et chocolat栗とショコラのデザートの盛り合わせ Cafe ou The , 2painsコーヒーまたは紅茶、2種類のパン付 以上のような内容です。ホームページにもすでにアップしてあります。http://www7a.biglobe.ne.jp/~cinq-au-pied/生ハムグランパルマは、今年の入荷はもうありません!早くて来春以降の予定です。赤身の生ハムに究極の脂の旨味のイベリコのラルドの盛り合わせは、かなり美味しい組み合わせです!さらにきのこの旨味を10倍以上に濃縮したデュクセル風味のリゾットにウズラと、スペイン産のポルチーニ茸とフォアグラのソテーというとても凝ったメインディッシュのコースで、デザートも秋らしい新作というサンク・オ・ピエ・ファンには外せないコースですよ!ご来店お待ちしております。 サンク・オ・ピエ chef 中村雅信
Sep 29, 2009

秋の初めごろに黄桃が出回ることがあります。長野県産や福島県産などが多いです。白い桃より香りが強く焼き菓子にはもってこいの素材。まあ、缶詰の黄桃でも結構使えますけどね、、、。 タルトは190度くらいで1時間ほど、このようにしっかりと焼きこんだほうが美味しい。私のタルトは、天才シェフ、ジョエル・ロブション氏のレシピをもとにしています。しょっちゅう作るわけではありませんが、常連さんの予約が多い時に作ります。 こちらは、養老渓谷産のもち豚のモツの白ワイン煮込み。モツは、大腸小腸胃袋などのミックスで、水は使わず白ワインのみで煮込む。フレンチにモツ料理?などと思う方もいるでしょうが、肉食の歴史が長いヨーロッパはモツ料理の本場といっても良いくらいで、内臓料理は実に豊富なんです。 大腸、小腸は腸詰に使われることが多いです。ソーセージやサラミの類ですね。中には腸に腸を詰めたアンドゥイユとかアンドゥイエットなどと呼ばれるソーセージもあります。軽くあぶって食べたりしますが、アンドゥイエットをシャンパ-ニュで煮込んだ料理なんていうのもあります。 さてこれは、以前テレビで見たシチリアのペンションのおかみさんが作っていたイタリア風の田舎料理を参考にしたやり方で、イタリアンとフレンチの良いとこ取りのような作り方です。 まず、多めのオリーヴオイルでニンニクのみじん切りを炒めます。ちょうどペペロンチーノを作るときのようにカリッと香ばしくなるまで炒めます。そこに玉葱とニンジンのスライスを入れ、しんなりするまで炒めたらモツを入れてオイルが良くからむように炒めます。辛口の白ワインをひたひたに注いで強火で沸かし、あくをひきます。アルコール分が飛んだらモツが柔らかくなるまで弱火で煮込みます。ローリエを一枚入れておきましょうか。2時間くらい煮込めば良い感じです。あまりにも柔らかくても美味しくないので煮込みすぎに注意です。 味付けは塩だけ!臭みもなくさっぱりしていて美味しいです。蓋つきココットに入れて、グツグツいわせて前菜に出しています。これもそう滅多に作りません。 スーパーなどに売っているモツだと柔らかく下茹でしてあるものがあるので、そういう場合はサッと煮込むだけでできますが、出来上がったら味が染みるまで半日くらいおいてから温めなおすといい感じになります。 もちろん煮込みに使ったワインを飲みながら食べれば当然よく合いますし、シャンパーニュで合わすなら、モツ煮込みにもシャンパーニュを少したらすと最高です!笑っちゃうほど美味いですよ!
Sep 25, 2009

涼しくなって、猫はますます良く寝ます。もうすぐ1kgに届きそうです。涼しくなるとワインが美味しくなってきますね!そういうわけで、サンク・オ・ピエでは、秋に向けて新しいワインを仕入れました。 まずは、うちの人気ワインアメリカワシントン州のダックポンドセラーのカベルネのヴィンテージが2004年に変わりました。味わいは前の2003年よりも端正な感じで、相変わらず美味しいです。 こちらは、シャンパーニュ。ルコルタン・マニュピランのブラン・ド・ブランでミシェル・ツルギー。ブラン・ド・ブランと言えば、有名なSalonという銘柄がありますが、あれは小売価格で4~5万しますね。ということは、レストランでは10万以下といことはないでしょう。とても飲めませんねぇ、、。一時に比べればだいぶ安くなってきたのですが、それでもやはり高いです。このシャンパーニュは、Salonに匹敵するとまでは言いませんが、かなりいい線いってます。サンク・オ・ピエ価格¥11,500です。グランクリュ(特級)100%ですからかなりリーズナブルだと思います。 サンタベルという会社のブルゴーニュの白です。世界の白ワインの聖地ル・モンラッシェの畑のすぐそばのサントーバン地区のブドウを使って仕込まれているので、素性はとても良いようです。ミネラル感がたっぷりで、キレが良いすっきりした味わいです。これからの時期生牡蠣なんかにも合いそうですし、魚料理やあっさりした鶏の料理にも使えそうです。サンク・オ・ピエ価¥4,350です。水っぽくないまともなブルゴーニュで¥5,000を切るのは貴重だと思います。このワインは赤もあります。値段も同じで、クオリティーも高いです。 ル・オー・メドック・ド・ジスクール2004年。ボルドーのオー・メドック地区のマルゴー村にある第三級格付けのシャトー・ジスクールが近くの別畑で作るワインです。栽培も醸造も本家のジスクールと全く同じで、丁寧に作られています。ジスクールをレストランで飲むなら、2~3万が相場でしょうが、これはサンク・オ・ピエ価格¥5,300です。2004年は早く熟成しそうな年ですから、もう飲んでも良いころですよ。 これは、ボルドー・スペリュール1999年。10年熟成古酒です。シャトー・サンクリックは無名の小さいシャトーなんですが、収穫はすべて手摘みで行い、さらに手作業で二度も選別をかけるという普通なら超一流シャトーでしか行わないような丁寧な仕事で、腐敗果や未熟果を取り除いて仕込まれています。10年たっていますが、まだしっかりと果実味もあり、熟成感のある滑らかな味わいも楽しめます。しかも、サンク・オ・ピエ価格¥5,600。これはお得ですよね。 ボジョレー・ヌーボー、今年の解禁は11月19日です。現地情報によると7月までは涼しく冷害が心配されましたが、8月に好天が続き一気にブドウが熟し大変良い作柄だそうです。7月までの涼しさがかえって好影響でワインには適度な酸がのりバランスの良い味わいに仕上がりそうだという話でした。 今年は、今まで毎年使っていたボジョレー・ヌーボーの銘柄を一新しまして、ボジョレーでもっとも力強いワインができるモルゴン地区の作り手ペール・ギヨのワインを予約しました。この作り手は、あのワインコミック神の雫でも取り上げられた秀逸なドメーヌです。 それから、いつもボジョレーを二銘柄用意していましたが、今年は一銘柄を南仏ラングドック地方のプリムール(新酒)にしてみました。今年の南仏は大当たり年!素晴らしい果実味と南仏ならではの力強さも期待できます。それから、白ワインのプリムールも少し入れてみました。 今年もボジョレー・ヌーボーのコースをやります!ご期待ください! サンク・オ・ピエでは、ワインの味やタイプに合わせて10種類以上のグラスを使い分けています。グラスの大きさや形、ワインの温度などでワインは美味しくも不味くもなってしまいますからね、、、。
Sep 24, 2009

日本でも最近はかなり洋ナシが出回るようになりましたね。一昔前は市場や高級果物店でしか売ってなかったもんですが、、、。 今の時期はバートレットが多いです。秋も深まるとラフランスなんかも出てきますね。ラフランスと言えば前は山形県産がほとんどでしたが、最近は長野産も良いです。ラフランスの完熟をベストタイミングで食べると、実に美味しいものでフルーツの女王なんて思ってしまいます。フランス語で洋ナシpoireは女性名詞ですからね。ちなみに果物fruitは、男性名詞。果物でもアンズ、パイナップル、メロン、グレープフルーツ、ブドウは男性で、バナナ、サクランボ、イチゴ、オレンジ、桃、リンゴは女性名詞です。覚えるのが大変です。だから私は覚えてません(笑)辞書ひけばわかりますからね。 これは、バートレットを白ワイン風味のシロップでコンポートにしたものをバターでソテーしてフォアグラの付け合わせにしたもの。こうなるとやはりワインは、アルザスのゲヴェルツトラミネールということになりますね。実によく合います。 うちの子猫は、テレビ好きです。体重は倍以上になりました。380g→860g猫の成長は早いです。
Sep 20, 2009

もう一週間近く経ってしまったが、先日の日曜日のお昼に さかもとこーひーのさかもとさんが、奥様とお店の女性スタッフとさかもとさんのお店のフラワーアレンジメントも担当しているフローリストの女性4人で食事に来てくれました。いつものようにお任せコースです。 最初の皿は、入荷したばかりの生ハムグランパルマの口切りと、私の手作りラルド・イベリコに水茄子のサラダや自家製ピクルスとドライトマトを添えたもの。ワインはシェリーの逸品、アルマセニスタ・マンサリーニャ・パサダ・デ・サンルカール。シェリーの生産地の三つの地区のうち一番海に近いサンルカール・デ・パラメーダの街で醸造熟成されたもので、かすかに潮の香りと塩分が感じられるという特別なシェリー。 生牡蠣やエビやカニ類などにとても良く合うワインなのだが、生ハムやラルドやチョリソーやサラミなどの豚肉加工品とも抜群の相性を示す。この組み合わせは、ベテランのソムリエさんでも意外に知らない人も多い。かなり美味しい組み合わせです。サンク・オ・ピエでは、シェリーだけでも3種類用意してあります。 二皿目は、フォアグラのソテーに自宅庭のイチジクのローストのシナモン風味とサルタナレーズンのコンポートを添えたもの。これには、北フランスアルザス地区の香り高い白ワイン 、ゲヴェルツトラミネールを合わせる。ライチや桃やユリの花のような甘い香りに混じって、胡椒や山椒、クミンやクローブのようなスパイシーな香りも感じるとてもユニークな半辛口なワイン。ソムリエ試験でこれをかぎ分けられなければ、絶対に不合格!といっても良いくらいに個性的なワインです。サンク・オ・ピエでは、フォアグラに合わせるグラスワインを数種類要してありますが、このゲヴェルツトラミネールは一番人気がありますね! 香ばしく焼けたフォアグラにイチジクやレーズンの甘さや風味が重なり、それがワインと合わさって実に素敵なマリアージュを醸し出してくれます。 三皿目は、さかもとさんのリクエストで魚料理。この日は、カサゴと牡蠣をポワレして、デュッカというローストして砕いたナッツをソース替わりに添えた料理。イタリア料理でよく肉に使われるデュッカを魚用に私がアレンジしたものだ。くるみとカシューナッツと白ゴマを炒って、フェンネルシードと塩を加えてフードプロセッサーで細かく砕いたものを、カリッとソテーしたカサゴと牡蠣の上に振り掛ける。隠し味的にシェリーヴィネガーとバルサミコにレモン汁を少し混ぜたものをたらし、サルディニア島産の特上のオリーヴオイルをかける。 これに合わせたのは南イタリア産のシャルドネ。イタリア風の料理にイタリアのワインだから、当然のようにマッチするし、シャルドネにはナッツ系のニュアンスがあるから相性が悪いはずもない。 メインの肉料理は、スペイン産のデュロック豚の肩ロース肉の低温長時間ローストとシャラン産窒息鴨のフィレ肉のローストの盛り合わせ。デュロック豚は、弱い火でゆっくりと時間をかけ、休ませながら火を通したもので、言わば肉の温泉卵のような感じ。つまり肉に火は通っているが、固まってしまうほどは熱を加えていないのだ。独特の食感です。シャラン産の鴨は、皮はカリッと赤身の肉はしっとりと焼き上げる。 私の肉料理は火の通しと塩が命!魚料理もそうなんですが、複雑な味付けの重いソースをたっぷり使うということはあまりないので、素材そのものにしっかり味をつけて仕上げるようにしてます。この日 料理に使ったバターは、4人でピンポン玉一つ分あるかないかというところ。フレンチにしてはかなり少ないです。バターやクリームをほとんど使わないから、私の料理をたくさん食べても以外にもたれないんです。 デザートには、最近数年ぶりにレシピを変えた定番のチーズケーキとガトーショコラ、それにうちのデザートの一番人気の蜂蜜と牛乳のシャーベットを添えた。 この日さかもとさんがもって来てくれたこーひーは、グァテマラとブラジル。ブラジルの軟らかい味わいが蜂蜜と牛乳のシャーベットに、、、グァテマラが、チーズケーキとガトーショコラに、、、それぞれすばらしいマリアージュ。 定番中の定番のケーキのレシピを変えてみようと思ったのは、実はさかもとさんのスペシャリティーコーヒーがきっかけなんです。長年作り続けて自分なりにかなりの完成度を持っていると思っていた、二つのレシピなんですが、、、レベルの高いこーひーとの組み合わせを考えると、もう少し何か一味欲しくなったというわけなんです。 チーズケーキには、メープルシロップを組み合わせ、ガトーショコラにはスペイン産のオレンジピールとレモンピールを組み合わせたました。 レベルの高い食材やワインやもちろんこーひーやお茶にしても、それらに見合った技術や知識が自分にあるのか?というのはいつも自問自答しています。職人の本能ですかね?そういうわけで、さかもとさんの仕事にはいつも触発されるものがあります。
Sep 19, 2009

スペインの豚肉コースが、おかげさまで大好評です!特にこのメインのデュロック豚の低温長時間ローストのしっとりとした肉の仕上がりに驚かれるお客様が多いようですね。 イメージとしては、肉の温泉卵なんですね。ゆっくり休ませながら火を入れることによって内部がたんぱく質凝固点ぎりぎり位の温度で焼けているわけですから、ちょっと普通の焼き豚とは違いますね。 月曜日に光回線の工事をしまして、今まで最高でも40メガくらいだった速度が常時100メガ程度に上がりました。一応規格は1ギガなんです。まあ、実際パソコンやサーバーの性能から言って1ギガなんて速度は出ないんでしょうが、回線に余裕があるのは良いですね。将来ネットテレビなんかつないでも全く心配なさそうですから、、、。 ついでに絶不調だったノートパソコンをリセットかけて、新たに無線LANもセットして絶好調になりました。ただ、回線を変えたのでメインのデスクトップPCのメールソフトやセキュリティーソフトなどに若干不具合が出たりして、その設定などでこの数日ずっとパソコンばかり触っていたので、ちょっと疲れました。 普通の料理の仕事とはまた違った疲れです。まあ、頑張ったおかげで2台のパソコンも好調で、かなり使いやすくなりました。これで、ホームページもブログの更新も一層ストレスが無くなりそうです。 もともと、パソコンはあまり好きなほうではないんです。XPが出るまでパソコン持ってなかったですからね!ただお店の情報発信のためにホームページが必要だということで、仕方なく勉強したんです。 大学で物理やったくらいで、根が理系な部分があるので、今ではかなり使いこなせるようになりましたが、やはりソフトやハードの進歩にかなり助けられてますね。通信速度だって、もうギガの時代ですからねぇ、、。テクノロジーはどこまで進んでゆくんでしょう?
Sep 17, 2009

カサゴは。カリッとポワレします。カキは、しっとりと香ばしくムニエルにします。盛り付けて、美味しいオリーヴオイルをかけてから、デュッカを振りかけます。 デュッカというのは、イタリア料理で使われるもので、ナッツ類をローストして細かく砕いたもの。普通は肉料理に使われることが多い。肉の時には、コリアンダーやクミンなどの甘くて重い香りのスパイスを混ぜるのだが、今回は魚なので、スパイスはフェンネルシード。ナッツ類は、胡桃、カシューナッツ、白ゴマ。 香ばしくローストしたナッツ類とフェンネルのさわやかな香りがソース替わり。 これかなり美味いです!ナッツの香りが重厚なシャルドネなどの白ワインに合いますし、軽いシェリーなんかもよさそうです。 これが、デュッカ。
Sep 13, 2009

グランパルマの生ハム2本目が入荷しました!以前にも詳しく書きましたが、、、これは、パルマの生ハムの中から100本に1~2本だけピックアップされる特上品なんです。さらに、、、通常のパルマハムは、骨を抜いた後整形して強めにプレスをかけてちょっとギターのような形になっているんですが、グランパルマの場合整形のためのプレスを強くかけていないので、肉が柔らかくしっとりしています。 これが普通のパルマハム。乾燥熟成品という感じで、そこそこ硬そうに見えるでしょ? 一方こちらが、グランパルマ。だいぶしっとりしている感じが分かりますか?まあ、食べてみればすぐわかるんですけどね! 一本で7キロ余りありますから、しばらくメニューに載っています。お昼でも夜でも食べられますから、ぜひどうぞ!本当に美味しいです。
Sep 12, 2009

実は、私、イタリア料理が得意です。(笑)フランス料理をまじめに勉強していると、どうしてもイタリア料理に行きつくんです。なぜかというと、フランス料理は16世紀にアンリ二世がイタリアフィレンツェのメディチ家からカトリーヌ姫をお嫁さんにもらうところから始まるんです。ちょうどルネッサンスのころですね。 当時のフランスはまだ文化が低く、王様といえども料理を手づかみで食べていたそうです。一方、メディチ家といえばダビンチやミケランジェロやボッティチェリなどの芸術家のパトロンであり、当時世界で最も裕福で高い文化をもつお家柄。そんな家から見ればフランスは、ど田舎なわけです。そんなわけですから、嫁入り道具に料理人や食器などをたくさん持たせたわけです。 彼女のおかげでフランス人は初めてフォークというものを知り手づかみで食べることが下品ということになり、山賊料理のようだった食事も洗練された宮廷料理へと進化していくんですね。 ですから、フランス料理の元はイタリア料理なんです。彼女は子供をたくさん産んで、そのうち3人もフランス王にしました。フランスの文化や政治経済に多大にかかわっている人です。預言者として有名なノストラダムスもカトリーヌ妃の庇護を受けていたようです。 まあ、歴史の話はこれくらいにして、、、フランス料理も美味しいですが、イタリア料理もスペイン料理も美味しいので、美味しいものを作ろうと思えばいろいろと研究するのは当然ですね。 さて、リゾット。米は洗ってはいけません。玉葱のみじん切りか粗切りをオリーヴオイルで軽く炒め、そこに生米を一人前につき80gくらい入れてオイルを吸い込ませるように炒めます。一度に作るのはせいぜい5人前くらいまで、それより多い場合は鍋を増やしたほうが良いです。 米にオイルが浸みこんで、米の一部が白ぽっくなるくらいになったら、別の鍋に沸かしておいたスープ(薄味の鶏のブイヨンや薄めに作ったインスタントのコンソメなどでも良い)を最初はお玉で2~3杯入れます。リゾットは軽くかき回しながら、中火で沸かし続けます。水気が無くなってきたらお玉で1杯づつスープを足してゆきます。 約15分間でアルデンテに仕上がります。米の硬さを確認して火からおろし、バターを一人前につきサイコロ2つか3つ分とパルミジャーノチーズのパウダーを大匙山盛り一杯くらい入れたら、空気を含ませる気持ちでちょっと強めに攪拌します。最後に味を見て足りなければ塩を加えます。これが最もベーシックなパルミジャーノのリゾットです。イタリア人ならバターもチーズも倍以上入れますね!好きな方は好きなだけ入れてください。 ところで、リゾットは雑炊と思っている方がいますが、それは間違い。スプーンではなくフォークで食べるものですし、皿に盛り付けて傾けても落ちないくらいの固さに炊くのが普通です。それにイタリアンリゾットは、アルデンテが基本。お米の芯を少し残します。 フランスのリゾットの場合は、ほぼ日本風にお米を炊きまして、それを生クリームとパルミジャーノチーズで和えるんですね。ちょいと固めのクリーム粥という感じですかね。フランス風のリゾット、私はあまり好きではありません。リゾットはイタリア風のほうが好きです。 ウズラは小さい鶏なので、一人一羽ではちょいとボリューム不足。そこで美味しいリゾットを添えてメインディッシュに仕立てるというわけです。 イタリア料理のコースは、前菜(アンティパスト)、プリモピアット(パスタやスープや米料理)、セコンドピアット(肉や魚のメインディッシュ)、ドルチェ(デザート)というコースが一般的です。このウズラの皿のようにメインとプリモピアットを一緒に盛り込むことをピアット・ウニコ(一皿仕上げ)といいます。代表的なのが、オッソブーコ(骨付き子牛スネ肉の煮込み)とミラノ風サフランリゾットの盛り合わせですね。古典的名作です。
Sep 11, 2009

猫の丸まり具合に秋を感じます。だいぶ涼しくなってきたので、フォアグラ・マッドネスのコースを始めます!今回はハンガリー産のフォアグラを使います。サンク・オ・ピエでいつも使っているフランスランド産の鴨のフォアグラよりはちょっと重くて濃厚な味わいです。 メニュー内容は、、、¥7350(お一人様)entrees冷前菜Foie gras d'oie de Hongrie en cocotteハンガリー産ガチョウのフォアグラの冷製ココット仕立て フォアグラをココットやテリーヌ等の耐熱容器に入れてオーブンでゆっくり火を通します。サラダやレーズンのコンポートなどを添えて召し上がっていただきます。甘い貴腐ワインとの相性が抜群ですね!entrees chaud温前菜Foie gras d'oie de Hongrie pane et Huitre de HIROSHIMA meuniereハンガリー産ガチョウのフォアグラのカツレツと広島産牡蠣のムニエル フォアグラにカツレツの衣をつけて揚げます!広島産の大ぶりな牡蠣は粉をつけてムニエルにします。この牡蠣が一種フォアグラのソース替わりになります。ちょっと異質な感じがしますが、これが絶妙な相性で私の隠し技の一つです。しっかりしたシャルドネやアルザスやドイツのワインも合わせて面白いかもしれません。principaleメインディッシュFoie gras d'oie de Hongrie saute avec cepes et legumes d'automneハンガリー産ガチョウのフォアグラのソテーとスペイン産セープ茸(ポルチーニ)と、自家菜園の有機秋野菜添え 早世した天才三ツ星料理人アラン・シャペルがいみじくも「真実の味わい」と呼んだフォアグラとセープ茸の組み合わせです。自家菜園の有機野菜とともに真実の味わいをお試しください。キノコに合う赤ワイン、サンテミリオンやポムロール、ブルゴーニュならコート・ド・ボーヌ、またはスペインのリオハなども、、、いろいろ楽しめそうです。petit avant dessert小さなアヴァンデセール デザートの前の小さなデザートです。口直し的にシャーベットなどをお出しします。dessert de foie grasフォアグラのデザートPain perdu au foie gras et au sirop d'erableフォアグラ風味のパン・ペルデュ、カナダ産オーガニックメープルシロップ風味 パン・ペルデュとは、直訳するとダメになったパンという意味。要するに固くなったパンで作るのが一般的ないわゆるフレンチ・トーストのことです。ほんのり甘いカスタード的なパン・ペルデュとフォアグラを組み合わせ、カナダ産のオーガニックなメープルシロップで仕上げます。フォアグラを使った斬新なデザート!ほんのりカラメルの風味を感じる甘口のマデラワインやよく熟成したピレネー山麓のバニュルス等の甘口ワインと合わせると楽しそうですし、コーヒーにも合いそうです。2pains cafe ou the2種類のパン、コーヒーまたは紅茶付き ご予約は、4~5日前までにお願いします。最初の料理ココットの仕込みに数日を要しますので、ご理解ください。 ご予約やお問い合わせはこちらから、、、。
Sep 10, 2009

寝ているところを邪魔されて超悪顔の子猫です。 先輩とは仲良くやってます。 まずは朗報!グランパルマの生ハムの2本目をゲットしました!次はいつ入るかわからないといわれていましたので、嬉しいです。ちょっとした争奪戦があったのですが、見事勝ち取りました。間もなく入荷予定です。前回食べられなかった方はぜひどうぞ!本当に美味いですよ!普通のパルマのハムとは違います。 それから、近々あの好評だったフォアグラ・マッドネスのコースをやろうということで、今メニューを画策中です。 かなり面白いデザートを思いつきました。もちろんフォアグラがらみです。メインや前菜も大体めどが立ちました。近日中に公開予定です。期待しててくださいね。
Sep 8, 2009

今年はどうもイチジクが当たり年らしい。自宅の庭にあるイチジクもいつもより早い6月頃から取れ始めているし、市販のイチジクを見ても供給量が多いのか値段が安い。 イチジクというのは、生で食べてもさほどのインパクトがあるわけではなく、香りも独特だからあまり人気がある果物とはいえないかもしれないが、生ハムと合わせたり、フォアグラと組み合わせたりするとかなり深遠な味を醸し出してくれるという不思議な魅力がある。フランスには、果肉が紫色のもっと甘い品種があってそちらのほうがインパクトがあるのだが、日本では見たことがない。 さて、画像はイチジクのタルト。ここに使っているのは、全部自宅の庭でとれたものだ。イチジクは一斉に熟すのではなく、数日おきにポツリポツリと熟して2個か3個くらいづつ採れるので、このようにまとまった数が集まるのは稀なものだから、自宅のイチジクだけで作ったタルトは年に一回か二回くらいしか焼けないのだ。 イチジクは無花果と書くように、花が咲かずに実がなるのだが、実は実そのものの内部が花。花を食べるのだから、あの独特な香りがあるのかもしれない。イチジクは、1/6くらいにカットしてグラニュー糖とシナモンパウダーをまぶして漬けこんでおく。タルトの皮はパート・シュクレ(砂糖とバターがたっぷりのクッキーのようなリッチな生地)タルトの中身はクレーム・アマンド(アーモンド粉、粉糖、バター、卵が大体同割のこれもリッチな生地)。レシピは、20世紀最高の料理人といわれるジョエル・ロブション氏のものがベースになっている。 タルトの皮を色づかない程度に空焼きしてから冷まし、クレーム・アマンドとイチジクを入れて約1時間190℃位のオーブンでゆっくり焼き上げる。しっかりと焼きこんで、水分が飛んでイチジクがジャムのようになって生地と一体化させなければ美味しくない。どうもこの手の菓子は、焼きが甘い人が多いような気がする。フランスの焼き菓子をみるともう焦げているくらいにしっかり焼きこんだものが多く、香ばしさが日本の焼き菓子とはちょっと違うようだ。そういえばさかもとこーひーのさかもとさんのブログでも日本とフランスの洋菓子違いについて書いていましたね。興味のある方はこちらを、、、。 このタルトには、焼き菓子全般に合うシャンパ-ニュのドゥミ・セック(甘口)なんかよく合うでしょうが、もしあればアルザスのゲヴェルツトラミネールのヴァンダンジュタルティーブ(完熟遅摘み)があれば、おそらく身がよじれるほどの素晴らしいマリアージュだろう。
Sep 8, 2009

3本目のロゼ・ド・リセ2003年は、ロゼとは言っても色合いはほとんど赤ワインに近いくらいに濃い。やはり2003年も記録的猛暑でとても濃いワインができた年だからか、、、。 これに合わせたのが、鴨の冷製木イチゴ風味。脂の少ないバルバリー種の鴨の胸肉を焼き室温で冷ます。木イチゴはつぶして、蜂蜜、砂糖、木イチゴ風味のヴィネガー、塩少々で味を整え、木イチゴのソースとする。よく冷やした皿に木イチゴのソースを敷き、薄切りにした鴨肉を並べる。その上にゆるいコンソメのジュレを盛り付ける。 肉の冷製料理というと、すっかり冷蔵庫で肉を冷やしてしまう人が多いが、多くの場合冷やしすぎは禁物。冷やしすぎた肉は、固くなるし風味も感じられず美味しくないのだ。焼き冷まして室温程度の肉を冷たい器に盛りつければ、肉は固くないし、風味も豊かに美味しく楽しめる。 ロゼ・ド・リセは、ブルゴーニュの赤と同じピノ・ノワールのブドウから作られているから、木イチゴ系のフレーバーがある。そこにピノ・ノワールと相性の良い鴨肉を持ってくるのだから、ワインと料理の相性は文句なし。合わせたコンソメジュレがさらに全体の余韻を醸し出すでしょう。 力強い2003年ヴィンテージのボランジェと長く熟成した1973年ヴィンテージのロジャー・アドノ(これはブラン・ド・ブラン、つまり白ブドウのシャルドネのみで作られたもの)に合わせてメインディッシュは、ときめき鶏モモ肉の遠赤グリエとハンガリー産鵞鳥のフォアグラのソテー レーズンのコンポートとイチジクのロースト添え。 暑い夏にはあまり使いたくない(笑)遠赤グリラーで、フライパンにのせた鶏を皮目のほうからだけ火を通す。カリッと焼けた皮が、蓋替わりになり身のほうはしっとり蒸し焼きのような状態になる。8分通り火が通ったら、肉を取り出し暖かい場所で休ませ余熱で残りの火を通す。フライパンにはかなりの量の肉汁が出ているので、これを一度フライパンの底に焦げ付いてしまう寸前まで煮詰める。煮詰まったら脂を捨てる。そこに鶏のスープストックを加えて、焦げ付いた鶏の旨味をこそげとって、軽く煮詰め、味を調えてソースとする。これがいわゆるグレービーソース。一度鍋底に焦げ付くほどに詰めることで、いわゆるメイラード反応が起こり、香ばしさと旨味が格段にアップするわけです。焼きおにぎりのお焦げが美味しいのと一緒ですね。 サンク・オ・ピエでいつも使っている鴨のフォアグラよりずっと重厚な風味のハンガリー産のガチョウのフォアグラは、粉をまぶしてカリッとソテーし、白ワインでコンポートにした甘酸っぱいレーズンとほんのりとシナモンを香らせたイチジクのローストを添える。 力強く若々しい2003年としなやかで複雑味が増した73年のシャンパーニュが、それぞれがっぷり四つに組んだり、軽くいなしたり、料理とワインが楽しく絡み合う。こういう風に同系統でもヴィンテージがかなり違うものを同じ料理に合わせるというのも面白い。それぞれのワインの良さや、料理との調和の仕方の違いが楽しめて実に愉快です。 さて、ここでいつもなら食後酒でデザートということになることが多いのだが、今回は食後酒の出品は無かったので、デザートに合わせてさかもとこーひーのパナマとグァテマラを淹れる。 デザートはサンク・オ・ピエの定番のチーズケーキとガトー・ショコラのそれぞれ改造版。コーヒーなのにまるでワインのように 柑橘系やベリー系の香りと心地よい酸味や葉巻や煙草のフレーバーまで醸し出すさかもとさんのプレミアムコーヒーをイメージして、わたしのスタンダードなレシピを数年ぶりにいじってみたのだ。 まず、ガトー・ショコラには最近見つけたスペイン産のオーガニックなオレンジピールとレモンピールを加えてみた。スペインはもともと農薬の使用が法律で厳しく制限されていて、事実上使用禁止の国だ。オレンジやレモンの皮を使うとなると、アメリカから輸入されたものの場合防かび剤やワックスがたっぷり使用されているので怖くて使えない。また国産のオレンジやレモンでは香りがいま一つ足りない。そういうわけでヴァレンシアオレンジというくらいだから、本場スペインなら良いものがあると思い調べてみたら見つかったというわけです。特にオレンジピールの香りが素晴らしく、まるでオレンジリキュールのグランマルニエに漬け込んだかと思うほどの良い香り!しっとり加減が自慢の私のガトー・ショコラがさらに進化したという感じで、特にパナマとの相性は最高でした。 もう一つは、いつものチーズケーキにメープルシロップで風味をつけてみた。いつものレシピより1/3ほど砂糖を減らして焼いたケーキの焼き上がりの熱々にメープルシロップをたっぷりとしみ込ませる。メープルシロップももちろんカナダ産のオーガニックの品。メープルシロップは、砂糖よりカロリーが低くカリウムなどのミネラル分もあってヘルシー。それにあの独特の香ばしい香りが、コーヒーの中のカラメル風味などとよく合って、さかもとこーひーとはいっそうの相性を見せる。 今回もワインのコンディションは良いし、料理もデザートもこーひーもどれも楽しく響きあい、皆さんの会話も盛り上がって、素晴らしいひと時でした。お客さまと一緒に私も幸せを感じました。
Sep 5, 2009

スタートは、ボランジェのスペシャルキュベ。辛口で厚みもあり、香りも複雑。マッシュルームやトーストの香りに混じって、フレッシュな果実系の香りもちらほら、、、。よくシャンパーニュはすべての料理に合うといいますが、複数年のワインをブレンドしたノンヴィンテージものに言えることなんですね。いろいろな要素が含まれているので、幅広く対応力があるワインになるわけです。 これに合わせた皿は、イベリコ豚ベジョータの手作りラルドの薄切りとスペイン豚とフォアグラのテリーヌに水茄子のサラダやドライトマトやピクルスを添えたもの。ラルドやフォアグラの脂肪分が口の中で溶けて、それをシャンパーニュの泡が心地よく流し、最後にその両者の余韻が心地よく残って、、、またもう一口という具合です。 2本目は、コートー・シャンプノワの白2005年。この地域の白ワインは、ブルゴーニュなどよりかなり北なので、気候が冷涼だから線の細いものが多いのだが、さすが当たり年の2005年だけあって、繊細ながらも十分にボディーがあるタイプで非常に上品!これには、ちょいとクラシックな魚料理、舌平目のドーリア風を合わせた。 フィレに卸した舌平目をロール状に巻き、白ワインとベルモットで蒸し煮にする。火が通ったら、魚をとりだし保温しておく。キュイソン(煮汁)を煮詰めてバターでつなぎ仕上げてソースとする。塩水とバターで軽く火を通した胡瓜を添える。 このタイプの料理は、ソースの濃さを加減すればほとんどのシャルドネの白ワインには合うはず。これはかなり軽く仕上げてあるが、蒸しににする時にマッシュルームやエシャロットなどを加えて野菜の旨味を加えたり、魚のだし汁フュメ・ド・ポワソンを加えたりして旨味を増強したり、バターだけでなく47パーセントくらいの濃い生クリームを加えたり、さらに卵黄とバターで作るソース・オランデーズなどでつないだりすれば、どんどん重厚になる。私がやった方法はすべてそぎ落としてシンプルな極みというやり方で、滞りなく一気に仕上げて、香りを重視して作っているので、今回のようなきれいな味わいのすっきりした白ワインにはよく合うわけです。付け合わせの胡瓜が、また爽やかでさすが古典的王道の組み合わせという感じですね。 続きはまた、、、。
Sep 4, 2009

ここ数年恒例化している、毎年のシャンパーニュの会。主宰はソムリエの資格を持つK氏。毎回参加のさかもとこーひーのさかもとさんを含め味にこだわる方々ばかりの手強いワイン会です。 さて、シャンパーニュといってもいくつかのタイプがあるのをご存じだろうか?一番生産量が多いのは、ノンヴィンテージタイプ。つまり年号は付いていなくて、複数の年代のリザーヴといわれる貯蔵されたブレンド用のワインを調合して、そのメーカーやブランドの味をブレンド(アッサンブラージュ)で維持しているもの。まあ、各メーカーの看板的商品ですね。基本的に出荷時にはいつも変わらぬ味を維持して作られているわけです。また、味を維持するための古酒のストックの豊富さが、各メーカーの底力とも言えるわけです。当然大きくて資本のある会社が有利です。 これは、ボランジェのスペシャルキュベ。ノンヴィテージものです。ボランジェは老舗メーカーのひとつ。 もうひとつの代表的なシャンパーニュは、ヴィンテージものといわれるもので普通のワインのように単年のブドウで作られるものです。複数の畑のブドウを混ぜたりすることはできますが、古酒のブレンドはできないので毎年のブドウの出来がもろに出てきます。ですから、こだわったメーカーだと、ブドウの出来の良い年にしか作らず、出来の悪い年には、ブレンド用として他社に売ってしまうという徹底したメーカーもあります。逆にヴィンテージシャンパーニュなら古酒のストックがいらないので、小さな作り手でも腕が良ければ、かなり美味しいシャンパーニュもできるわけです。近頃よく話題になる、ルコルタン・マニュピランというのも畑仕事からワインの醸造、熟成出荷までを一貫して行う比較的小規模な生産者という感じの意味ですね。だから、レコルタン・マミュピランは、ヴィンテージシャンパーニュ専門の所が多いです。 これもボランジェの2003年ヴィンテージ。隣はかなり熟成した1973年のロジャー・アドノというヴィンテージものの古酒。 味の幅も多く、非常にクールな辛口から、かなり甘い甘口までありますし、色も白がほとんどですが、ロゼもあります。(赤のシャンパーニュはないのですが、ほとんど赤ワインに近いロゼシャンパーニュはあります) その他に泡の立たないシャンパーニュ、コトー・シャンプノワ(白、ロゼ、赤ワイン)とロゼ・ド・リセ(ロゼワイン)も地域から言ってシャンパーニュの仲間です。 コトー・シャンプノワの白ワインとロゼ・ド・リセ(この2本は泡なし) これだけの味の幅があるシャンパーニュですから、ノンヴィンテージやヴィンテージもの、辛口甘口、熟成したものや若いもの、泡のあるものないものその他の条件をいろいろ組み合わせると食事のフルコースの一皿一皿にそれぞれ合わせて楽しいワインが見つかるんですね。 これがこのワイン会の楽しみなわけです。ワインを選ぶにもかなりの知識とセンスが必要ですし、それに合わせる料理を作るには、かなりの技術と経験が必要だと言えるでしょう。実際には、ワイン会の2~3週間前にK氏から選んだワインの銘柄と 珍しいワインの時は簡単な説明がメールで送られてきます。 そのワインの銘柄を見ながら、食事のコースを考え、料理と合わせるワインの温度を考え、使用するグラスも選び、料理の仕上げ方を決めておきます。私の場合、料理とワインという課題とはもう長い付き合いですから、特に大変というわけではないのですが、ワイン会を進めながら、開けたワインはかならず真っ先に試飲して料理の味付けの最後の微調整をしてから出しています。 ここがただ好きなワインを並べて、お料理も特に考えずにワインに合いそうなものを並べただけのワイン会とは違うところなんですね。せっかくレストランでワイン会をやるなら、少し丁寧にやって、何というかちょっとしたコンサートのようなワイン会というか、音楽を聴くようにワインと料理のマリアージュを楽しみましょう!というのが私の考え方なんです。 きっと堅苦しいワイン会なんだろうなと思う方もいるでしょうが、そんなことはありません。参加者は、ワインと料理とおしゃべりを普通に楽しむだけです。たまたま参加者の中にワインの専門家がいて、コーヒーの専門家がいて、アマチュアですがベテランのワイン愛好家がいて、、、と、教条的でなく楽しい「へぇー!」話を聞かせてくれてとても楽しい会だと思います。 どんな料理を合わせたかというと、、、長くなりそうなので次回。
Sep 2, 2009
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