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2012.11.26
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カテゴリ: お役所システム
大阪府市が今朝、岩手県の震災がれき100トンを試験処理のために受入れたと報道が伝えているが・・・・


11/26 震災がれき 大阪府市が舞洲工場へ搬入 29、30日に試験焼却 より
 東日本大震災で発生した岩手県のがれきの試験処理を進める大阪府と大阪市は26日、放射性セシウム濃度が1キロ当たり100ベクレル以下の可燃物約100トンを同市此花区のごみ処理施設「舞洲工場」で29、30両日に試験焼却すると発表。可燃物を舞洲工場へ運び込んだ。

 本番と同じ手順で可燃物を燃やし、排ガスや焼却灰の放射性セシウム濃度や工場周辺の空間放射線量などが安全基準を満たすかを確認する。焼却灰は同市此花区の人工島「夢洲」の最終処分場「市北港処分地」の一角で埋め立てる。

 26日は、密閉式コンテナに詰めた可燃物を、トラックで市北港処分地内の一時保管所から舞洲工場へ搬入する作業が行われ、厳重な警備体制が敷かれた。


各地の自治体が取り組む震災がれき処理は、迷惑施設クレーマーに対抗して進めることになるので、各自治体の本気度が試されるわけですね。

ここで、ややおっとり刀にはなるけど・・・・
環境省が主導する放射性震災がれき処理について『環境省の大罪』という本を読んでいるところです。


<組織として体をなしていなかった原子力安全・保安院>p20~21
 原子力規制庁が2012年に発足する予定だ。
 といっても原子力安全・保安院の看板を掛け替えるだけで、ぶらさがる先が保安院の所属する資源エネルギー庁から、環境省に替わるだけだ。福島第一原発事故を発端として、保安院は猛烈なバッシングを受けた。

 そもそも、この保安院は組織としての体をなしていなかった。院長は経済産業省のキャリア官僚で、大半の職員が経産省から来て、2年もたつと、古巣に戻っていく。原発関連のメーカーから派遣された社員も中に混じるが、原子力のエキスパートはいないし、経産省も保安院の幹部たちも、そもそもエキスパートを育てるつもりがなかった。実際に原発の定期検査を行う検査官はまったくの素人で、その下で実際に検査業務を行うのは2003年に設立された独立行政法人・原子力安全基盤機構の検査院たちだった。
 基盤機構の理事長を含め幹部らは経産省の天下りで、検査といっても事前に検査内容を電力会社に示したうえで行うという、まるで八百長のような検査だった。さらに問題があっても検査報告書が電力会社に都合よく改竄されていたことが、北海道の泊原発での検査記録の改竄を告発した元検査員の藤原節男氏の証言からも常態化していたことがうかがわれる。
「2009年3月4日の検査記録を削除するように指示しました。これは記録改竄に他なりません。挙げ句のはてには、私がその要求に従わない場合、『評価を絶対に下げてやる』と恫喝したのです。保安院に気をつかって、不都合な証拠を、もみ消したかったということでしょう」(週間現代2011年6月18日号)。
 一方の独立行政法人・原子力研究開発機構は、一義的には文部科学省の所管だが、文科省だけでなく経産省の官僚の天下り先にもなっている。この二つの組織が、原発事故後も組織の維持のために、測定・調査や除染にフル回転し、巨額の予算が流れ込む仕組みになっている。この両組織が、裏で原発事故後のさまざまな基準づくりを行っているのである。



<環境省には放射能の知識も実績もノウハウもない>p21~23
 (1日文字数制限の関係で省略、全文はミラーサイト参照)



<地域ごみ処理の実情を知らない官僚>p64~66
 環境省は、10月7日、再度、都道府県に「東日本大震災により生じた災害廃棄物の受入れ検討状況調査について」と題した要請文を送った。各市町村と一部事務組合への転送ととりまとめを依頼したが、その調査票は、A「既に受入れを実施している」、B「被災地への職員派遣や検討会議の設置等の具体的な検討を行っている」、C「被災地への職員派遣や検討会議の設置等の具体的な検討を行っていないが、受入れに向けた検討を行っている」の三つから選べというものだった。つまり、「受け入れない」という選択肢がなかった。
 検討している場合は、廃棄物の種類や受入れ施設名、量などを記入するとし、回答期限は10月21日。休みを除くと、一週間あまりで回答文をまとめねばならない。
 さらに自治体を刺激したのが、添付された文書だった。環境省は、地方環境事務所に提出された自治体の回答を、岩手、宮城、福島3県にある環境省の出先機関に送り、出先機関が広域支援してほしい被災自治体と、応援する自治体のマッチングを行う。地方環境事務所は条件が整えばキックオフミーティングを行い、地元住民に理解してもらうために有識者を派遣する、としていた。
 がれきを受け入れるには、処理施設のある地元の住民に説明会を開き、納得してもらわねばならない。それには相当の時間と労力を要する。それなのに環境省は、通知一本でこんなふうにすいすいできると思っていただろうか。自治体をあごで使うような通知文に、多くの自治体が怒り、そして無視した。

 案の定、自治体でBの「検討を行っている」と回答したのは、11都道府県42市町村しかなく、この時点で、環境省の広域処理計画はほぼ破綻した。環境省の担当者は「聞き方に誤解を与えるような表現もあった」と反省してみせたが、環境省の官僚たちは、処分場や焼却施設を造るときに、反対する住民から同意を取り付けるために、自治体の担当者がどれほど苦労しているかを知らない。住民説明会に出たこともなく、住民から罵声を浴びせられた経験もない。地域のごみ処理の実情を知らない官僚が、頭だけで考えた計画がスムーズに運ぶわけがなかった。

 放射能汚染が福島県内に広がるにつれ、県内の自治体は政府を突き上げていた。もちろん原発事故の収束が第一だが、環境省には放射能に汚染された恐れのある震災がれきをどうするのか、問い合わせが相次いでいた。しかし、環境省は明確な返事ができないでいた。
 それまで政府は、放射能で汚染されたがれきは福島第一原発の直近から出たものととらえたいた。しかし、それは、高レベルのどこにも持ち出せないような廃棄物のことだ。それ以外の広範囲に存在する中レベル、低レベルの汚染されたがれきをどうするのか。環境省の官僚たちの頭からすっぽり抜け落ちていた。

 廃棄物の処理・処分を定めた廃棄物処理法は環境省の所管だが、官僚たちは、放射能は同法の規制の対象外だとし、放射能は文部科学省と経済産業省の原子力安全・保安院の所管だととらえ、踏み込もうとしなかった。

 しかし、福島県や県内の自治体から「放射能で汚染された震災廃棄物をどうするのか」「これを自治体に行わせるのか」と突き上げられ、原子力安全・保安院の協力を得ながら、5月中旬から仮置き場にある震災ごみの放射線量を測定し、環境省内部に識者を集めて検討することを決めた。



<環境省と文科省、保安院が所管の押し付け合い>p67~68
 放射性物質で汚染されたがれきの検討が遅れたことについて、伊藤廃棄物・リサイクル対策部長は「いや、検討しなかったわけではない。どうしようか、最初のころから内部で話しあっていた」と反論する。環境省は原子力安全・保安院、文部科学省と協議した。「放出された放射性物質で環境が汚染されている。それをどうするのか」。環境省の担当者が尋ねると、保安院の担当者はだんまりを決め込んだ。文部科学省の担当者は、「原子炉施設の敷地外の放射性物質は文科省の所管ではない」と逃げた。
 こんな膠着状態が続いたのち、やっと環境省が踏ん切りをつけた。
 5月2日、環境省の南川秀樹事務次官は福島県庁を訪れ、放射線量の測定を行うことと、警戒区域と計画的避難区域内の震災がれきは仮置き場も含め、しばらく移動させないことなど、当面の方針を伝えた。どれぐらいの放射線量のがれきをどう処分するかについて基準がないので、安全評価検討会をつくって議論することを伝えた。松本友作副知事は「福島は他の県に比べ廃棄物の処理が遅い。汚染の恐れがあるというだけで遅れが出ないよう廃棄できるものは早く処分させてほしい」と語った(福島民放、3日)。岩手、宮城両県ががれき処理の計画作りを進めているのに、福島県はすべて環境省任せの姿勢に終始した。なにごとも国任せにする福島県の体質は、このあともずっとついて回り、ごく少数ではあるが、献身的に働く環境省の官僚を悩ませることにもなる。

 伊藤部長は「環境省も放射性物質は所管していないが、環境汚染に対処するのが環境省の役目だ。それなら環境省がやるしかないと、検討を始めた。事務次官が福島県にその方針を伝えるのが5月2日にんあったのあは、方針が定まるのに時間がかかったから。何しろ初めてのことだったから」と釈明する。坂川勉企画課長は「南相馬市など浜通りの震災廃棄物は移動させない。福島市など中通りの震災廃棄物は、仮置き場においたままとし、環境省が処理の基準を決めるまでは移動させないという方針を出すのに、いろんな関係者の了解を取り付けねばならなかった。それで時間がかかった」と言う。
 だが、関係者によると、環境省が具体的にこの問題を検討したのは、4月中旬ごろだったという。南相馬市だけでなく、郡山市、福島市などの市町から「早く基準を決めないと、復興どころじゃなくなる」と、苦情が押し寄せ、さらに政治家からの圧力もあったからだ。「権限のある官庁がやらないなら環境省がやるしかない」と、率先して行動したわけではなかったようだ。



<下水汚泥から33万4000ベクレル>p68~69
 (1日文字数制限の関係で省略、全文はミラーサイト参照)



<とめどなき基準緩和のアリ地獄>p70~71
 (1日文字数制限の関係で省略、全文はミラーサイト参照)



<ゼネコン業界の独占に>p99~101
 (1日文字数制限の関係で省略、全文はミラーサイト参照)


とまあ、関心のあるページを書き写したわけですが・・・
書き写すことで、借りた本の要点がおつむにインプットされるのではないかと思うわけです。


【環境省の大罪】
環境
杉本裕明著、PHP研究所、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
進まない震災がれき処理、無駄だらけのごみ行政、偽善のエコロジー政策。「環境マインドなき環境官僚」の実態を元環境省担当記者が暴露。

<大使寸評>
環境省のイメージは理念、規制、利権が混ざった釈然としないものであるが、この本で問題点を探ります。
このたび、環境省は名前を変えただけの原子力規制庁を取り込んだが、どう変わったかが試金石かも。

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Last updated  2012.11.28 09:04:00
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