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2013.08.30
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カテゴリ: 経済
 自民党政権のバカタレどもが、国民はもちろん、党内反対派まで無視して進めるTPP交渉であるが・・・
このたび、図書館で「よくわかるTPP48のまちがい」という冊子を借りて読んだのです。

とにかく、ツイッターでこの本がよく引用されるので、TPP問題の教科書のようなこの冊子を読む必要性を感じていたわけです。

48の疑問を設けて、ことごとく論破するという構成になっているが・・・
そのうちの一つを紹介します。

<TPPを契機に規模拡大してコストダウンすれば「強い農業」になる>
 これは間違いである。
 日本の農業が単純に規模拡大してコストダウンしても、オーストラリアなどと同じ土俵で競争すればとうてい勝てない。
 日本の農業は米国やオーストラリアなどよりも圧倒的に小規模なのだから、少々高いのは当たり前で、高いけれどもモノが違う、品質がよいということが、本当に強い農業の源になる。このことを生産側と消費側の双方が納得する「つながり」が重要である。
 それは、スイスですでに実践されている。スイスの農業の強さのキーワードは、ナチュラル、オーガニック、アニマル・ウェルフェア(動物福祉)、バイオダイバーシティ(生物多様性)、そして景観である。生産者は、コストダウンだけではなく、生産過程においてこれらの様々な要素を考慮した丁寧な農業をやっている。そして、できたものは人の健康にも優しく本当においしいということが、国民に理解されている。だから、生産コストが周辺の国々よりも3割も4割も高くても、決して負けてはいない。
 たとえば、スイスで小学生ぐらいな女の子が1個80円もする国産の卵を買うのか聞いた人がいた。その子は「これを買うことで私たちの生活が成り立つのだから当たり前でしょ」と、いとも簡単に答えたという。
 欧州では平飼いによる鶏卵がかなり普及していて、日本はまずその点からして水を開けられている感がある。

 日本の消費者は価値観が貧弱だから駄目だといってしまえば身も蓋もないが、スイスがここまでになるには、本物の価値を伝えるための関係者の方々の並々ならない努力があった。日本の関係者も努力している。だが一番違うのは、スイスではミグロ(Migros)という生協が食品流通の7割を握っているので、ミグロが「この値段が必用なんだ」と提示すれば、それが通りやすいということである。
 一方、日本では、農協にも生協にも1組織でそれだけの価格形成力はない。しかし、個々の組織の力は大きくなくても、ネットワークを強めていくことで、かなりのことができるようになる。
(中略)
 日本でも、農業が地域コミュニティの基盤を形成していることを実感し、食料が身近で手に入る喜びを共有して、地域住民と農家が支え合うことで自分たちの食の未来を切り開こうという自発的な地域プロジェクトが芽生えつつある。また、地域の旅館が中心になって、農家の手取りがコメ1俵当り1万8000円を確保できるように購入し、おにぎり作りや加工などを工夫して販路を開拓している地域もある。
 また、スイスの農産物が高く買われていても、生産費用も高いので、農業の多面的機能への対価として政府からの直接支払いが手当てされ、農家の農業所得の95%がまかなわれている。たとえば、養豚では豚の食事場所と寝床を区分して自由に外に出て行けるように飼うと、環境支払いとして230万円、また、草刈りをし、木を切り、雑木林化を防ぐことで生物多様性を維持する作業を行うと、特別支払いとして170万円など、きめ細かい基準で支払いが行われている。支払い根拠を具体的に積み上げて予算化し、国民の理解を得ているから、直接支払いもバラマキとは言われないし、生産者は誇りをもって農業をやっていける。
 一方の日本では、漠然とした「多面的機能論」は国民から保護の言い訳だと批判されてしまう。こういう点でも、日本は欧州に水を開けられている。もっと具体的な指標をつくって国民の理解の促進を急がねばならない。 


生物多様性、食の安全、地域コミュニティなど、農業の多面的機能に言及しているが、もしこれらをなくしたら金で買うことはできないわけで・・・計り知れないほど高価なモノだったりして。TPPは経済だけ、金だけの問題ではないわけですね。



TPP

鈴木宣弘×木下順子著、農山漁村文化協会、2011年刊

【目次】(「BOOK」データベースより)
1 入門編「わかりやすいTPP賛成論」の基本的まちがい6つ(アジアの成長を取り込むためにTPP参加は不可欠だ/お互い関税を撤廃して安いものが買えるのはいいことだ/貿易自由化の流れは世界的な潮流なので逆らうのは時代錯誤だし、抵抗できるものではない ほか)/2 貿易ルール、経済、国の針路全般に関わるまちがい編(TPPはアジア太平洋地域の貿易ルールになるから参加しないと孤立してしまう/いずれにしてもFTAAPが目標で、どのルートで登るかが違うだけだ/中国も韓国も孤立を恐れて、いずれTPPに参加せざるを得ない ほか)/3 強い農業、食料安全保障、日本農業過保護論などのまちがい編(関税を撤廃しても農家には所得補償があるから大丈夫/輸入米価格は、自由化の被害を過大に見積もる3000円ではなく9000円程度と見込むべきだ/ゼロ関税まで10年の猶予があれば、農業はコスト削減して補てんの財政負担を縮小できる ほか)
<大使寸評>
ツイッターでこの本がよく引用されるので、TPP問題の教科書のようなこの冊子を読む必要性を感じていたわけです。
48の疑問を設けて、ことごとく論破するという構成になっています。
rakuten よくわかるTPP48のまちがい


ツイッターで見られるTPP交渉反対ツイートを TPP交渉反対の輪40 で紹介します。





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Last updated  2013.08.30 22:35:57
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