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2013.11.14
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カテゴリ: 気になる本
 図書館で『大阪 くいだおれ学』という本を借りて読んだけど、食における東西対決では、関西の圧勝!という内容になっていて・・・

大阪を愛する著者のスタンスが感じられて、神戸在住の大使としても、この本を関西人にお奨めする次第です。



大阪

前垣和義著、葉文館出版、2010年刊

<「MARC」データベース>より
旨くて安いものを才覚を用いて創造してきた食い倒れの街・大阪。その食を再確認し、新認識する。大阪の土地が今日の食文化とどう関係しているのかを明らかにし、食べものを通して東西の文化比較も試みる。

<読む前の大使寸評>
そもそも旨くて安いという価値観が、大阪的だと思うわけです。・・・・そういう見方で、うどん、そばあたりを読んでみます。

amazon 大阪くいだおれ学


 カラオケの禁断症状が出る大使は、鶴橋の焼肉にも禁断症状が出るわけです。その焼肉でもホルモン焼き定食が好きなわけで、この点からも・・・
大使には大阪のセンスが身についていると自負しておるのです(笑)。

著者の前垣さんは、大阪の「ほらない文化」を以下のとおり、讃えています。

<ホルモンは、「ほらない文化」> よりp132~135
 日本では仏教伝来以来、食肉はタブー視されていました。が、江戸時代、猪などを薬喰いと称して食したのをはじめ、江州彦根藩は牛肉をも“薬用”として口にしていたのです。井伊直弼の桜田門外事件は、牛肉の恨みがからんでいるとの説もあります。明治になり食肉が奨励されますが、それでも、内臓部分は「ほるもん(捨てる)」であり、この「ほるもん」が「ホルモン」になった、というのが通説です。
 別には、ホルモンを分泌する臓器説があります。性ホルモンとの連動で精力のニュアンスがあり、いかにもという感じがしないでもないですね。ただし、昭和15年(1940)に北極星という店がホルモンを商標登録しています。「おいしけりゃ、いわれなんて、どっちゃでもええ」というご意見、大阪っぽくてええですなあ。そのとおり、大阪では「おいしけれ」ば、理屈などいらないのです。

 牛や豚の内臓を焼いて商品化したのは、昭和に入ってからだといわれます。ここでも鶴橋からスタートした、いや、鶴橋の南に位置する桃谷・御幸通商店街だ、いえいえ、新世界や千日前辺りの店が最初、といった説が入り乱れ賑やかです。けれど、それらをくるんで、「発祥は大阪」であることは間違いない、といっておきましょう。西成区津守に巨大なと殺場があったことも、大阪を「ホルモン王国」にしたゆえんです。それに、大阪人の食に対する貪欲な好奇心が誰も食べなかった牛の内臓を人間の内臓へ収めさせたとも考えられます。「見た目は良くないかど、どんな味しよるんやろ」と牛や豚の内臓を焼いて食べたにがいありません。これが旨かった!もともと、内臓は「ほって」いたものですから、値段はあってないようなものでした。つまりは、「旨くて、安い」という、大阪人が最も愛するフレーズにあてはまったわけです。大阪の場合、安いだけではダメで「旨い!」がなければ商売にはなりません。ホルモンは、最上級の「旨くて安い」食べもの。おまけに栄養価が高く、からだにエエときています。誰も「ほって」はおけなかったのです。

 こうして、ホルモン焼きは大阪で誕生し、やがて全国へと味の旅を始めます。終戦直後、京都の闇市では「いれもん」の名で売られていたと記す書もありますが「いれもん」とは多分、内臓の意味でしょう。大阪が「ほる」で、京都が「いれる」と逆の言い方になっているところに、両都の性格がみえてきそうで興味深いものがあります。

 昔の船場では、旦那さんやご寮さんが食した塩鯖の頭や骨もほったりしませんでした。そんなもったいないことをしたら、バチがあたります。どうしたか?「リサイクル」したのです。
 鯖の頭や骨でダシをとり、短冊に切った大根などの野菜を入れ、青ねぎを浮かせ汁物にする、というように。これは「潮汁」に属するもので、船場では「船場汁」と呼ばれ、丁稚どんが食しました。鯖や大根の量と人数によっては、汁を加減し「船場煮」にすることもあったようです。
 この骨を「あら」といいます。鯖の骨は硬いですが、包丁の背でコンコンと叩いて、グツグツと炊きあげるのと、口に入れたとき骨がホグホグと砕けて旨味がじわ~と広がったそうです。おいしそうや、ないですか。「骨まで愛して」という歌が以前流行りましたが、昔の大阪は「骨の髄まで食して」だったのですね。

 うなぎの頭は「半助」という商品になり、天かすも捨てない。「ほらない文化」が根づいていると解釈できます。
 飽食の時代といわれますが、いまこそ「あら!あらも生かせるのね」と、昔の大阪人の精神を見直すべきでしょう。今日の環境問題の解決策も、かつての大阪人はちゃんと指し示しているのですから。


 著者は「立ち飲み」は、大阪や神戸から広まったと述べています。
神戸で職を得た大使の経験からいっても、それは言えていると思うのです。

<立ち飲みは、大阪の味やねん> よりp163~166
 立ち飲みと串カツは、「なにわのバイタリーと文化が語れる味な関係」です。
 東京人が大阪に来て梅田の地下街にある立ち飲み屋にカルチャーショックを受けます。東京人は、立ち飲みの業態になじみが薄いこともありますが、梅田は近代的ビジネス街との先入観も影響しているはずです。しかも店は昼間から営業しており、その時間帯でも繁昌している・・・とくれば、目が点になってしまっても致し方ありません。大阪人からすれば、ビジネス街だからこそ立ち飲み屋との反論が成り立ちます。「肩ひじ張らずに行けて、居酒屋よりも安くつく。隣の客との壁がなく気軽に話しあえる。立っているから長居は無用で、気持ちよく切り上げられ、無駄な出費が防げる」と、合理的な計算ができるところが大阪的なのです。

 キタの地下街には、地下鉄御堂筋線梅田駅、四つ橋線西梅田駅の改札近くの店を含めて6軒の立ち飲み屋があります。ミナミの地下街は、3軒。ミナミが若者の街で、キタがビジネスマンの街である「性格」の差が現れているといえますか。
 宮本又次著「関西と関東」に、江戸時代に大阪の酒屋では立ち飲みを商売にしていたと記されています。当時、大坂をはじめ京・灘は酒処。この立地と格好をつけない大阪人の気質が、酒店での「一杯飲み」のスタイルをビジネスとして確立し継承発展させたのでしょう。ちなみに「一杯飲み屋」は、大阪の酒屋が店で一杯飲ませるところから出た言葉なのだそうです。今日、大阪と神戸に立ち飲み屋が多いのも、歴史の所産だとうなづけます。京には流行らないのは、風土・気質面から理解できますね。

 大阪の酒店併設型の立ち飲み屋も、店頭でのコップ酒が一時中止させられた歴史をもちます。このあたりを、「立ち飲みジャーナル」の発刊に携わっておられる新山ひろしさんに伝授してもらいました。新山さんが古本屋で発見した「酒類昭和史」(昭和60年発行)によれば、『昭和24年7月、酒類の統制が解除されて酒類の販売が許可されたが、小売酒店の店頭コップ酒販売は衛生上好ましくないという理由で許可されなかった』とあります。しかし、ここからが大阪的。『コップ酒販売は低収入の労働者や零細庶民並びに日雇い労働者にとって、唯一の疲労回復と慰労の妙薬だった。(中略)大阪における著名な日雇い労務者の密集地帯である西成地区で小売販売業を営む西浦渉がこれを知って立ち上がり、昭和24年8月上旬に単独で上京し国税庁関税部酒税課を訪問して、コップ酒販売の復活を陳情した』。大阪人は一人でも「お上」にもの申す気風をもっています。西浦さんの情熱が、『椅子を置かないなら、ツマミを出さないなら、紙コップでなら』の条件付きで大阪のみに「立ち飲み」を認めさせたのです。「立ち飲み戦後史」の第一頁は、大阪・西成から開きました。西浦渉酒店は、現在も西成区にあります。嬉しいじゃないですか。

 3名で発行する「立ち飲みジャーナル」は、7年の歴史があります。「大阪立ち呑み倶楽部」の活動も併行させ、大阪の立ち飲み屋マップの作成や体験ツアーなどを実践。「立ち飲みは大阪の文化である」との思いが、原動力のようです。

とにかく、低収入の労働者や零細庶民という底辺の消費者がいないかぎり、酒屋での「立ち飲み」文化が成立しないわけですね。

おじさんが入って来て、一言「冷や」と告げ、出されたコップ酒を一息で飲むと、金を払って出ていきました。
こうなると(アル中みたいなもので)酒飲みのプロという感じがして、お見それしたのです(笑)
それから、現在の立ち飲み酒店では温かい料理のツマミは規制されているが、乾き物のツマミが認められているようです。

立ち飲みジャーナル がええでぇ♪
ドングリ国なら B級グルメぐるぐる紀行(神戸中央・西) になりまんな♪





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Last updated  2013.11.15 20:02:46
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