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2014.03.12
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カテゴリ: 気になる本
昨今の国会審議でも、木質バイオマス、未利用間伐材、熱利用という言葉が飛び交うようになったが・・・
これは2014新書大賞ナンバー1になった「里山資本主義」のおかげなんでしょう♪

「生きるのに必要なのは水と食料と燃料だ」・・・藻谷さんが何度も強調していました。
アメリカが仕組んだマネー資本主義のなかで惑うことのないように押さえておきたい戦略思考とも言えるのでしょうね。、
米英主導のマネー資本主義では世界経済がうまく回らないことが、次第に明らかになってきたがではどうすればいいのか?

ということで、藻谷さんの提言を、じっくりと読んでみましょう。

<マネーに依存しないサブシステムを再構築しよう> p120~122より
 もう一度問おう。われわれが生きていくのに必要なのは、お金だろうか。それとも水と食料と燃料だろうか。

 間違えてはいけんない。生きるのに必要なのは水と食料と燃料だ。お金はそれを手に入れるための手段の一つに過ぎない。手段の一つ?生粋の都会人だと気付かないかもしれない。だが必要な水と食料と燃料を、かなりのところまでお金を払わずに手に入れている生活者は、日本各地の里山に無数に存在する。山の雑木を薪にし、井戸から水を汲み、棚田で米を、庭先で野菜を育てる暮らし。最近は鹿も猪も増える一方で、狩っても食べきれない。先祖が里山に営々と築いてきた隠れた資産には、まだまだ人を養う力が残っている。これに「バイオマスチップの完全燃焼技術」といった最先端の手段を付加することで、眠っている前近代からの資産は、一気に21世紀の資産として復活する。

 さらには、震災で痛感した人も多いはずだ。お金と引き換えに遠くから水と食料と燃料を送ってきてくれているシステム、この複雑なシステム自体が麻痺してしまえば、幾ら手元にお金があっても何の役にも立たないということを。あのとき一瞬だけ感じたはずの、生存を脅かされたことへの恐怖。貨幣経済が正常に機能することに頼り切っていた自分の、生き物としてのひ弱さの自覚。その思いを忘れないうちに、動かなくてはならない。

 お金という手段だけに頼るのではなく、少なくともバックアップ用として別の手段も確保しておくという方向に。そう難しい話ではない。家庭菜園に井戸に雑木林に石油間缶ストーブがあるだけ、世界はまるで変わる。お金で結ばれた関係だけではない、日ごろの縁と恩でつながった人間関係があるというだけで、いざというときにはかけがいのない助けとなる。

 「里山資本主義」とは、お金の循環がすべてを決するという前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え方だ。お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安全安心のネットワークを、予め用意しておこうという実践だ。勘違いしないで欲しいのだが、江戸時代以前の農村のような自給自足の暮らしに現代人の生活を戻せ、という主義主張ではない。お金を媒介として複雑な分業を行っているこの経済社会に背を向けろという訳でもない。庄原の和田さんも言っている。「お金で買えるものは買えばいい、だがお金で買えんものも大事だ」と。前章のオーストリアの例のように、森や人間関係といったお金で買えない資産に、最新のテクノロジーを加えて活用することで、マネーだけが頼りの暮らしよりも、はるかに安心で安全で底堅い未来が出現するのだ。

 ただし里山資本主義は、誰でもどこででも十二分に実践できるわけではない。マネー資本主義の下では条件不利とみなされてきた過疎地域にこそ、つまり人口当たりの自然エネルギー量が大きく、前近代からの資産が不稼動のまま残されている地域にこそ、より大きな可能性がある。また里山資本主義は、マネー資本主義の評価指標、たとえばGDPや経済成長率を、必ずしも大きくするものではない。それどころかまじめに追求していくと、これらの指標を縮小させる可能性もある。しかしそれは、「簿外資産の活用による金銭換算できない活動が、見えないところで盛んになって、お金に換算できない幸せを増やす。ついでに、お金で回る経済システム全体の安定性も見えないところで高まっている」という話にほかならない。

この提言に・・・
過疎地域のワーキングプアたちが生き残こるヒントも見えるのではないでしょうか。


なお、朝日デジタルの書評がこの本を取り上げたので、紹介します。

『里山資本主義』 より
里山

<持続可能なシステム目指す:梶山寿子(ジャーナリスト)>
 赤字国債の増発も、原発の再稼働を進めるのも、とにかく今を乗り切るため。刹那的な行動に走り重要な問題を先送りするのが、マネー資本主義に染まった人間の病理だと本書は説く。

 その対極にあるのが、山林など身近にある資源を活かしてエネルギーや食糧を自給し、地域の経済的な自立と安定を図る「里山資本主義」である。例えば岡山県の製材工場では、通常なら廃棄する木くずによるバイオマス発電で電力を賄い、余剰分は売電。木くずはさらにペレット燃料にも加工されて、地域家庭の暖房などに使われる。

 NHK広島の番組がベースのため、紹介される事例は中国地方中心だが、同様の試みは全国で始まっている。本書の魅力は「里山資本主義」という絶妙なネーミングに尽きよう。取り組みが拡大すれば過疎の町に雇用が生まれ、地域内でお金が回る。持続可能なこのシステムをマネー資本主義の自壊に備える“保険”とせよ、というわけだ。

 「先進国・オーストリア」では木造ビルも建築可能な新集成材が開発されるなど、木の潜在能力は侮れない。最先端技術で甦る古くて新しい経済モデル。里山には年金問題、少子化、無縁社会を解決するヒントも潜む。長所だけを強調しているきらいもあるが、日本の有力な選択肢として熟考したい。
 ◇

『里山資本主義』藻谷浩介・NHK広島取材班著、角川oneテーマ21、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
課題先進国を救うモデル。その最先端は“里山”にあった!!危機を超え未来を生む、すり潰されない生き方を提言!!
【目次】
はじめに 「里山資本主義」のススメ/第1章 世界経済の最先端、中国山地ー原価ゼロ円からの経済再生、地域復活/第2章 21世紀先進国はオーストリアーユーロ危機と無縁だった国の秘密/中国総括 「里山資本主義」の極意ーマネーに依存しないサブシステム/第3章 グローバル経済からの奴隷解放ー費用と人手をかけた田舎の商売の成功/第4章 “無縁社会”の克服ー福祉先進国も学ぶ“過疎の町”の知恵/第5章 「マッチョな20世紀」から「しなやかな21世紀」へー課題先進国を救う里山モデル/最終総括 「里山資本主義」で不安・不満・不信に訣別をー日本の本当の危機・少子化への解決策/おわりに 里山資本主義の爽やかな風が吹き抜ける、2060年の日本

<大使寸評>
大震災前の2011年1月、NHKスペシャル「2011ニッポンの生きる道」が放送された。その後2011年夏、藻谷さんを推進役としてNHK広島で「里山資本主義」の番組造りがスタートした。
マネー資本主義の対極を志す「里山資本主義」という造語はここで開発されたそうです。
経済と森林を結びつけて、発想の転換を促しているわけで・・・・
ウォール街のバカタレどもの対極をなしていると思うのです♪

rakuten 『里山資本主義』



未来を変えようとする意志が求められているんでしょうね♪
金融工学で儲けに走るなど、語るにおちるんだけど。

藻谷さんの里山資本主義1
藻谷さんの里山資本主義2
藻谷さんの里山資本主義3


地方分権に関する藻谷浩介さんのご意見「中央集権こそムダの温床だ」が、朝日デジタルに載っていました。
3/07 (未来への発想委員会)地方分権を問い直す





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Last updated  2014.03.12 00:05:11
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