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2014.10.22
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カテゴリ: 歴史
図書館で『中国はなぜ「反日」になったか』という新書を借りて読んでいるのだが・・・
このところの大使の関心はナショナリズム、歴史認識、嫌中感になるわけです。



中国

清水美和著、平凡社、2003年刊

<「BOOK」データベース>より
 中国が「反日」姿勢を鮮明にしたのは、たかだか十数年、江沢民が実権を握ってからに過ぎない―。1972年の国交回復以来、親愛と憎悪の間を大きく揺れ動いてきた日本と中国の関係を、歴史の遠近法で検証してみると、なぜ中国側が首相の靖国参拝を問題とし、繰り返し「歴史問題」を取り上げて謝罪を要求するのかが明確になる。全土を覆うかにみえる「反日」は、中国側が仕掛けた戦略なのだ。

<大使寸評>
日本たたきも過ぎると、光栄に満ちた同床異夢のような歴史認識が生まれるようです。

また、日本たたき、言論統制、幹部の腐敗がセットで生まれるところが、中国の政治状況であるが・・・
民主主義が一度も根付かなかった中華帝国の特殊事情ではないだろうか。

amazon 中国はなぜ「反日」になったか


著者は、共産主義から愛国主義に変質する様を次のように述べているけど、この時期がまさに共産党劣化の出発点だったようです。

<「反日論」に対して「嫌中感」>
 90年代半ばから、日中間で歴史認識問題が深刻化し、中国メディアを反日的な論調が席巻した。その背景には、冷戦終結以降の日米同盟強化を、日本が米国と通じて、勃興する中国を牽制する動きととらえ、中国が不信感を強めたことがある。

 この時期はトウ小平をはじめとする革命第二世代が歴史の舞台から退場し、江沢民ら第三世代に権力が移行する不安定な時期にもあたった。そのため、江沢民政権は求心力を高める手段として、魅力を失った共産主義の代わりに愛国主義を鼓舞した。

 抗日戦争の烈火の中から生まれた共産党政権の正統性を強調するためには、民衆の中に潜在する「反日」という「感情の記憶」をかき立てることが効果的だったのである。

 しかも、90年代は市場経済の進展に伴い、社会が多元化していく時期でもあった。一定の範囲で拡大された報道・言論の自由は、感情的な日本たたきに向かう。それは言論自由の空間が、党や政府の高級幹部に対する批判を、あらかじめ封じられた「閉ざされた空間」だったため、行き場を失った世論の批判する力が、反日にはけ口を求めたという一面があった。

 しかし、これらの一切は中国指導部の意図を超えた副産物をもたらしたのである。「愛国主義」を掲げた大衆の社会的パワーが共産党政権の統制を乗り越え、対外政策を左右するまで突き進むようになった。グローバル化のうねりが経済の国境を押し流そうとしているにもかかわらず、行き過ぎた民族主義は、時に、その障害となり中国が至上課題とする経済建設を脅かす。

 日中関係では、中国に起きた反日の気運が、日本にも大きな反作用を起こした。国交正常化以来、中国に過去への謝罪を繰り返してきた日本が、98年の江沢民訪日では文書による謝罪を重ねることを拒否した。

 歴史問題では、中国に同情的で日本政府をたしなめる側に回っていた多くの新聞も、中国への反感を露にしはじめる。日本政府が、中国の強い反対にもかかわらず、李登輝・前台湾総統に対し病気療養のための入国を許可した(01年5月)のも、主要新聞の多くが社説でそれを求めたからであった。

 中国の反日論に対応した日本には「嫌中感」が広がり、それまで日本政府が受け入れてきた中国の主張する「正しい歴史観」を「自虐史観」と排撃し、日本の近現代史を光栄に満ちた物語として再構築しようとする動きが強まった。

歴史認識とかナショナリズムはこのように作られるわけですね。
日本たたきも過ぎると、光栄に満ちた同床異夢のような歴史認識が生まれるようです。

また、日本たたき、言論統制、幹部の腐敗がセットで生まれるところが、中国の政治状況であるが・・・
民主主義が一度も根付かなかった中華帝国の特殊事情ではないだろうか。

著者は中日新聞(後に東京新聞)の特派員として、中国滞在10年の経歴の持主だそうだが、歯に衣を着せない筆致が冴えていますね♪
・・・この調子で、さらに読み進めます。





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Last updated  2014.10.22 09:08:58
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