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2015.01.04
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カテゴリ: アート
今、本屋に平積みで置いてある『キャプテンサンダーボルト』が、売れっ子作家2人による合作ということで気になるわけです。

『雑誌BRUTUS(特集:読書入門)』に読書遍歴に関するお二人の対談が載っているので、見てみましょう。
なんか、出版社の回し者みたいになったけど・・・ま いいか♪
合作


<小説家を作る“読書遍歴”>
 本を書く人は、本を愛し、読書を愛する人。完全合作というスタイルで書かれた小説『キャプテンサンダーボルト』も話題沸騰中の2人の小説家に、彼らを作った読書の歴史と、小説家の頭の中身を教えてもらった。

阿部:読書への入門は、映画やミュージシャンの影響が大きかった。初めて自分で買って読んだ純文学は三島由紀夫なんですが、それも映画『戦場のメリークリスマス』の周辺情報として、デヴィッド・ボウイが『禁色』を読んでいたと知って。伊坂さんの読書遍歴は非常に正統な歴史を辿っている感じがします。

伊坂:母が推理小説好きだったのでドイル『シャーロック・ホームズ』、アガサ・クリスティ『名探偵ポワロ』シリーズ、江戸川乱歩などを読むようになりました。阿部さんは小学生にしてニーチェですか!?

阿部:いや、映画『2001年宇宙の旅』で同名の音楽が出てきたので手にとってみたけど、すぐ棚へ(笑)。
 家の前に本屋があって、本が身近にある環境ではありましたが、マンガと映画雑誌ばかり読んでいました。小説を意識的に読むようになったのは映画学校に入ってからです。

伊坂:僕も純文学は大学生頃からで。恥ずかしながらSFに至っては本当に最近です。名作を今頃読んで、自分が考えたアイデアがすでに使われていたりするので本当にすごいと思ったりしています。
 エンタメはミステリーや冒険小説が多くて、今もその読書体験がベースになっています。

阿部:フィリップ・K・ディックの『ヴァリス』は僕のデビュー作『アメリカの夜』でも大きく取り上げています。まぁあの作品に出てくる小説は自分にとってどれも大変重要なものばかりで、ベースといえばそれらが大きなものなっているかなぁ。

伊坂:ディックは新訳も話題ですね。

阿部:日本語訳としては問題があるのかもしれないですが、僕は前の訳が好きです。あれでもう自分の体に入っている感じがある。しんどかった『ピストルズ』の連載中も、『ヴァリス』を開くと、小説っていいもんだな~と思えた。モチベーションを上げる起爆剤のような存在です。

伊坂:そういう存在ってありますね。島田荘司『本格ミステリー宣言』のあとがきに、「あまり広いとは言えない日本列島だが、この中には現在の推理文壇を震撼させる才能が潜んでいる」とあって、高校生の僕はまだ小説を書いてもいないのに「ここにいます!」と思っていました。あとは坂崎乙朗『絵とは何か』を読んで、創作をして生きていきたいと考えるようになりましたね。

阿部:僕は19歳で村上龍『限りなく透明に近いブルー』を読んで、それまで自分の世界と切り離されていたと思っていた作家という職業が、自分の未来としてあり得ないものではない、と思ったのを覚えています。

伊坂:“日本一のニワカ村上龍ファン”を自称する僕からすると、阿部さんも村上龍さんが好きだというのが嬉しい。実は2014年になって、『五分後の世界』や『イン・ザ・ミソスープ』を初めて読みまして(笑)。

阿部:昔の作品に新鮮に出会うことができるのは小説の魅力ですね。文学に対する考え方は、セルバンテス『ドン・キホーテ』で培われました。文学というものは決まった枠の中で書かれなければならない、という固定観念を払拭してくれた作品です。

伊坂:小説はこんなにも自由だ!という驚きでしょうか。僕は佐野哲也『イラハイ』がすごく衝撃的でした。デビュー直前、こんな面白いものがあるのに自分が作家になっていいのか、と逡巡した覚えがあります。

<2人の文学青年を震えさせた大江健三郎という小説家>
阿部:純文学にもある種のストリート感覚がある、と知ったのは大江健三郎の『不満足』からでしたね。

伊坂:僕は初期の作品が好きで、強いて一作選ぶなら『洪水はわが魂に及び』が一番です。

阿部:物語的にも起伏があって、エンターテインメントですよね。『ピストルズ』を構想するにあたり、こういうものを書きたいと思い描いたのが『懐かしい年への手紙』でした。

伊坂:そうなんですか!大江さんの中期の集大成的な作品ですよね。

阿部:そうですね。大江さんと同じような経歴を辿った大江さんと思しき語り手が、自分の作家歴とか人生を回顧しつつ、現在の大きな事件につながっていくんですけれども。

伊坂:なるほど。『ピストルズ』につながりますね。僕には、これが一番面白い!と思う読書体験というのが数年に一度訪れる。例えば大西巨人『神聖喜劇』や莫言『転生夢現』。そして今その座に鎮座しているのは『ピストルズ』なんです。連載当時から、同世代だし嫉妬もあって(笑)、タイトルからしてやられたなぁと思っていました。

阿部:恐縮してしまいます。『神聖喜劇』、僕は柄谷行人、蓮実重彦『闘争のエチカ』で知り、ほかにも作中で語られるタイトルをいろいろ読みました。『闘争のエチカ』は現在絶版ですが『柄谷行人蓮実重彦全対話』で読めるようになりましたね。

伊坂:本が好き、といっても、美しい表現に文芸というものと、トンデモホラ話みたいな系譜の2つがあるような気がするんです。実は大江さんって純文学だし私小説風なんだけど、トンデモホラ話じゃないですか。最近『取り替え子』を読んだんですけど、ヘッドホンのことを“田亀”って書いていたり、言葉の選び方がかっこいいんですよね。その上真顔でホラを書く。やばいんですよ。

阿倍:おかしいですよね(笑)。

伊坂:それで「あれは作り話だ」って指摘されたら、次の作品にその事実を引用してみたりして。『ピンチランナー調書』に出てくる「リー、リー、リー」という響きにどきどきさせられたり、この言語感覚が本当に好きです。

阿倍:以降どんどん複雑化して、奇妙奇天烈な小説をさらにお書きになるわけですが(笑)。いつまでも丸くならず、これからも“最後の小説”を何度でも書いていただきたいなと。

伊坂:これが最後、という宣言を何度もされていますもんね。大江さんの本は若い人が読まないのはもったいないと思います。面白いし、大人げもなくて、パンクです。

お二人とも大江さんの作品に言及しているが・・・
ノーベル賞受賞作家だからというよりも、言語感覚とか奇妙奇天烈さに惹かれているのが、なんとも若々しいと思うのだ♪

くだんの読書フォームを作ってみました。


キャプテン

阿部和重, 伊坂幸太郎著、文藝春秋、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
世界を救うために、二人は走る。東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29。公開中止になった幻の映画。迫りくる冷酷非情な破壊者。すべての謎に答えが出たとき、カウントダウンがはじまった。二人でしか辿りつけなかった到達点。前代未聞の完全合作。

<読む前の大使寸評>
売れっ子作家2人による合作ということで気になるわけです。SF仕立てなので、それなりに面白そうである。
エキサイトニュース 阿部和重と伊坂幸太郎の合作で『キャプテンサンダーボルト』が抜群におもしろい に、合作のウラ話が載っています。

ところで、神戸市の図書館は、この本をいつ買ってくれるのだろう?

<図書館予約:未>

rakuten キャプテンサンダーボルト







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Last updated  2015.01.04 02:27:13
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