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2015.02.23
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。
・・・・で、今回のお奨めです。

・プーチンはアジアをめざす
・経済と人間の旅

なお朝日新聞デジタルのサービスが向上したせいか、書評欄は掲載日に見られるようになっています。(たまに、遅れることもあるけど)
***************************************************************

プーチンはアジアをめざす より
プーチン

<中国の存在の大きさ浮かぶ:吉岡桂子(本社編集委員) >
 ベテランのロシア専門家が豊富な蓄積から自在に見立てを展開した新書。かたや、30代の研究者が博士論文をもとに分析を積み上げた初めての単著。両書に共通するキーワードは、アジアだ。

 冷戦終結後も、大国の地位に執着するロシア。米国の覇権を牽制しつつ、台頭する隣国、中国には過度な依存を避けようと腐心する。世界の経済成長の中心にあり、中国の潜在的な脅威にともに向き合うアジアの国々との関係は重要度が増している。日本も、その方程式のなかにある。クリミア併合など「ウクライナ危機」に伴う欧米からの制裁が、ロシアを東方へとさらに押し出す。

 こうした現況を、下斗米氏は「脱欧入亜」と表現する。前半は、ロシアの視点で見たウクライナ問題を中心に描く。書名でもある第5章「プーチンはアジアをめざす」で、アジア太平洋経済協力会議(APEC)のウラジオストク開催に象徴されるシベリア・極東地域の開発強化と、その背景にある中国の存在を浮かびあがらせる。続く最終章で国際政治の均衡の変化を指摘し、日本にはロシアとの関係深化を説く。

 いっぽう、加藤氏は、ロシアが東南アジア諸国連合(ASEAN)とのつながりやAPECへの加盟、北朝鮮の核問題をめぐる6者協議といったアジアの多国間の枠組みを利用し、「地域からの政治的・経済的な孤立を克服」しようと動いてきた姿をみる。米国を重要な構成員とする、面として広がるアジアとのかかわりを丁寧に追う。そして、これからも対外強硬路線は捨てないものの、対話と政策を表明する場を確保するために「多国間主義」は維持すると見通す。

 いずれも、ロシアの対中外交を特別にとりあげた仕立てではない。にもかかわらず、中国の存在の大きさを読後に残す。視点を変えて中国を考えるきっかけにもなる。
◇

下斗米伸夫著、NHK出版、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
ウクライナ危機が生んだのは、冷戦以来とも言われる深刻な米ロ対立であった。国際政治はなぜここまで緊迫化してしまったのか?日本が取るべき道はどこにあるのか?すべてのカギを握るのは、プーチンが舵を取る「脱欧入亜」戦略である。クレムリン内外に通じる著者が、日ロ関係を含む国際政治の大変動を展望する一冊。

<読む前の大使寸評>
吉岡桂子委員が選んだ本だから、外れはないだろう。
いずれにしても、ロシアにとって対中戦略が死活的に大きいようです。

<図書館予約:未>

rakuten プーチンはアジアをめざす



経済と人間の旅 より
経済

<効率より人を重んじた思想家:水野和夫(日本大学教授・経済学) >
 宇沢弘文は経済学者の枠には収まらない。思想家と呼んだほうがふさわしい。ある時宇沢は「本来は人間の幸せに貢献するはずの経済学が、実はマイナスの役割しか果たしてこなかったのではないかと思うに至り、がく然」とし、そして確信する。「経済学は、人間を考えるところから始めなければいけない」

 米国の主流派が「人間疎外の経済学の必然的な帰結」となったのは「平等、公正といった社会的、人間的な含意をもつ概念は無視され、効率という経済的なもののみが、形式論理のわく組みの中で論じられてきた」からである。

 人間疎外の萌芽は66年、マクナマラ米国防長官が議会公聴会で「もっとも効率的な、経済的な手段によってベトナム戦争を行ってきた」と証言したときにあり、著者は「ことばに言いつくせない衝撃を受けた」。

 遡れば32年にライオネル・ロビンズが「経済学者は、目的の正当性について語る資格はない」と考えた時にすでにその予兆があった。
 その後の経済学の発展は、著者が71年に書いた新古典派経済学に疑問を投げかける論文や、ジョーン・ロビンソンの「経済学の第二の危機」講演での警告を無視し、「ケインズ以前の新古典派理論の復活」の形を取っていった。

 著者は90年夏、ローマ法王からの手紙をうけとり、翌年の新たな「レールム・ノヴァルム」(革命)のテーマとして「社会主義の弊害と資本主義の幻想」を提案し、採用された。直後にソ連が崩壊、今、格差を問題視するピケティの『21世紀の資本』が世界的ベストセラーとなって顕在化している。まさに宇沢の慧眼が証明されたのである。

 評者の臆測では、スウェーデン王立科学アカデミーは、たとえ受賞させたくても、混沌とする時代を憂いリベラルアーツや倫理学を重要視する宇沢には、ノーベル経済学賞を贈れなかっただろう。思想賞があれば別だが。
    ◇

宇沢弘文著、 日本経済新聞出版社、2014年刊

<商品説明>より
行動する知識人の唯一の自伝。
「私は経済学者として半世紀を生きてきた。そして、本来は人間の幸せに貢献するはずの経済学が、実はマイナスの役割しか果たしてこなかったのではないかと思うに至り、がく然とした。経済学は、人間を考えるところから始めなければいけない。そう確信するようになった」--。
2014年9月に亡くなった行動する経済学者、宇沢弘文氏。2002年3月に日本経済新聞に連載したものの、長く入手困難だった唯一の自伝「私の履歴書」が初めて単行本になりました。

<読む前の大使寸評>
水野和夫さんが選んだ経済学著作だから、外れはないだろう。
宇沢弘文氏唯一の自伝ということなので、読むしかないでしょうね。

<図書館予約:未>

rakuten 経済と人間の旅


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Last updated  2015.02.23 00:15:41
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