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2015.06.21
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カテゴリ: アート
図書館で『近代日本版画の見かた』を手にしたが・・・
画家別に、教科書のように丁寧な編集がなされていて好感を持ったわけです。

大使一押しの川西英には触れているが、残念、小村雪岱には一切触れていません。

【近代日本版画の見かた】
版画

岡本祐美著、東京美術、2004年刊

<「BOOK」データベース>より
浮世絵の伝統に立脚し、あるいは反発しながら、さまざまな試みに挑戦して時代時代の傑作を生み出してきた日本の近代版画。やがて日本版画は、国際的なコンクールで受賞を重ね日本を代表する美術にまで発展した。明治から昭和までの、個性きらめく版画家42人の特徴・技法・人間像がわかる一冊。

<大使寸評>
浮世絵版画から新版画への移行期の作家たちについても充実した内容になっています。
個人的には、山本鼎、川西英、棟方志功、浜田知明、池田満寿夫あたりが気になるのです。
ただ、この本では小村雪岱に一切触れていないのが、腑に落ちないのです。

rakuten 近代日本版画の見かた


浮世絵版画から創作版画までの変遷を見てみましょう。

<浮世絵版画から新版画へ>よりp10~11
 江戸時代、複製技術の発達を促し、絵画芸術としても高い水準に達した木版画である浮世絵は、明治に入り次第に衰退していく。そのもっとも大きな原因は、銅板、石版、木口木版という、西洋から伝えられた新しい技術によって制作された印刷物の写実的表現が、平面的な浮世絵に比べて、当時の人々にとって新鮮で説得力をもつ表現であったことである。

 そうしたなかにあって、月岡芳年、小林清親など、浮世絵の伝統に新しい西洋の表現技法を取り入れ、絵画的にも優れた作品を創造した絵師たちがいたことは忘れることはできない。
小林小林清親

 日本国内では、明治20年代には浮世絵は生命力を失い顧みられなくなるが、欧米では浮世絵の評価は高まるという皮肉な現象となった。

 この状況を見聞きしていた浮世絵商渡邊庄三郎は、美しい日本の木版画の衰退を憂い、版元となって絵師・彫師・摺師の分業による伝統版画の復活をめざし、新版画運動を展開する。

 それは、明治末期から巻き起こる創作版画運動に対抗するものであったが、結果的にみれば、この二つの活動が、日本の近代版画の隆盛時代を作り上げることにもなった。



<山本鼎>よりp46~47
■芸術としての版画をめざす
 木口木版の彫師であり、画学生でもあった山本鼎が明治の末に直面したもの、それは彼が愛してやまない「版」が単なる複製手段と化し、その役割すら写真に奪われようとしている現実であった。

 海外の創作版画、とりわけイギリスの作家ウィリアム・ニコルソンに感化された彼は、画家が版工程のすべてを手がける自画自刻自摺というシステムを日本にも根づかせ、版画を芸術の一分野として、油彩画や木彫と同等の地位に引き上げようとしたのである。

 そして自らの力強い作品でもって、また技法解説の執筆や雑誌『方寸』の発行により、創作版画の「種蒔く人」としての歩みを進めてゆく。

山本

■斬新な色面構成
 1911年、さらなる芸術修業のため渡仏した鼎は、新たな素材を得て珠玉の作品群を生む。それまでの骨太な造形から一転、パステル調の広々とした色面と表情豊かな刀遣いによる構成は素朴でありながら斬新、まさに木版ならではの表現である。

 1916年(大正5)に帰国、18年には日本創作版画協会を結成。自ら蒔いた種が着実に育つのを見ることになるが、この頃から鼎は版を離れ、油彩あるいは美術運動へと傾いてゆく。したがって版画の制作期間は短く、残された作品も多くはない。しかしながら大正から昭和へ、そして戦後へと及び、数々の作家を世に送った創作版画の力強く太い流れの源は、山本鼎その人なのである。



<版画王国と戦後版画史の形成>よりp125
 日本は1951年のサンパウロ・ビエンナーレに戦後はじめて参加した。このとき駒井哲郎と斎藤清の版画が受賞して以来、版画家たちがわが国の代表者として、もしくは自主的に世界各国で開催される国際版画展に出品し、頻繁に受賞の栄誉に輝いた。

 中でもヴェネチアでの棟方志巧と池田満寿夫の版画大賞受賞は、版画大国日本の呼び名を決定的にした。

 また1957年より79年まで全11回開催された東京国際版画ビエンナーレは国際版画展の中では最大規模のもので、戦後の日本の版画史は同展での受賞者作品によって形成されてきたといえる。

池田池田満寿夫


小林清親の画像

山本鼎の画像

池田満寿夫の画像






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Last updated  2015.06.21 15:28:03
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