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2015.08.15
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カテゴリ: 気になる本
<あやしい日本語学校>

とにかく、就学生の国柄、境遇が多彩なことや、日本語の教授法が日本人にとって興味深いわけです。


【あやしい日本語学校】
日本語

吉武保子著、ビジネス社、1995年刊

<「BOOK」データベース>より
ボランティアの主婦が見たニッポンの中のアジア。憧れの国にやってきた留学生たちの夢の行方は。日本語教師になったお母さんの国際貢献奮戦記。

<読む前の大使寸評>
とにかく、就学生の国柄、境遇が多彩なことや、日本語の教授法が日本人にとって興味深いわけです。

日本語学校の学生が犯罪予備軍のように怪しいのだろうか?・・・・
じつは日本語学校そのものが、かなり胡散臭いのだが、それはさておいて日本語学校が興味深いのです。

rakuten あやしい日本語学校



日本語教師が意識する日本語が、興味深いのです。

<日本語を日本語で教える>よりp46~48
 まあ、最近の英会話学校も教室内は日本語禁止という学校も多いからおわかりだと思うが、現実には、ほとんどの日本語学校が、原則として日本語だけで教えている。

 というのは、さまざまな国の学生がいる日本語学校で、教師の方が、それぞれの学生に対応した言葉では教えられないし、各国別クラスなんていう余裕も学校側にはない。

 それに、学生にとっても日本語だけの授業の方が上達の近道のようである。どうしても母語に頼り、母語で考えてしまうから、日本語で思考しようとする姿勢が育ちにくく、上達が遅いと指摘されている。

 また、英語と併用してはと言われるかもしれないが、第二外国語の英語が使いものにならない場合が日本人にも多いのはよく御存知だろう。外国の学生も英語の苦手な人は多い。
 文化大革命の影響を受けた中国の学生などは、『英語よりロシア語を習えと言われて育った』と言っていた記憶がある。

 さて、そうして日本語だけの授業を始めてみると、これが日本語を日本語で教えて十分通じるのである。ひらがなカードの「あ」を見せて、「あ」と言えば、学生はかならず「あ」と言う。「い」という学生はいない。

「これは机です」
 と教えるときも、
「これは・・・です」
 の「・・・」を指で示すことによって、文型と意味が結びつく。その後、次々と名詞を変化させて教えていくことになる。

 それで、
「本をたたく」と 「机をたたく」
 を間違える学生はいない。

 だが、日本語教師が学生の母語の必要性を感じるのは、『学生が母語に引きずられた間違いをしているな』と感じるときである。やはり微妙な表現となると日本語で説明は難しい。そういうときは、韓国語や中国語がわかったらなあと思う。思うばかりで私は勉強していないが、そこは勉強熱心な日本語学校の教師たち。他の外国語を学習している人は当然たくさんいる。

 しかし、落とし穴もある。
 私は、ひとつの言語を他の言語に置き換えることの難しさを、日本語の研修中に教えられた。言語は長い歴史の中で培われたものである。使われ方も、文脈やさまざまな状況によって変化する。ひとつの語彙をとってみても、膨大な事例がある。それだけで、学問の一大テーマである。夏目漱石はこのように使っている。川端康成はこのように表現している。新聞ではこうだ。若い人たちの間にはこんな言葉も生まれているなど…。

 学者でもない日本語教師が、言葉を意識的に整理することは出来ないが、少なくともこうした言葉の難しさは知っておくべきだ。

 たとえば日本語の「ちょっと」と「少し」という言葉。
 この言葉を教えようとするときにどうするだろうか。まず、基本的には同じような意味の言葉として教えるだろう。

「もうちょっと近くに寄ってください」
「もう少し近くに寄ってください」
 とは言えても、
「ちょっと近くまで来たものですから」
「少し近くまで来たものですから」
 となると使えない。単純に言葉を置き換えると、こうした間違いが絶えず起こるのである。と言っていろんな事例を授業中に全部網羅するわけにはいかず、実際言葉を使う段になると、学生はかならずといっていいほど間違える。


お次はビザ更新にからむ話です。とにかく難民問題、違法就労にもからむわけで・・・・いよいよ怪しくなってきます。
(日本語学校が、出稼ぎ労働の隠れ蓑になっているという疑惑もあるようです)

<出席簿をめぐる攻防>よりp71~75
 学生と教師がいちばん緊張する場面は、授業で最も基本的な助詞の「は」と「が」の使い方を教えているときでもないし、「ぱ」や「ば」の発音をしっかり覚えてもらおうと、多少強引に教えるときでもない。

 最も緊張関係が高まるのは、出席簿をめぐってなのである。
 学生は入学した後も、6ヶ月に一度、大手町にある入国管理局にビザの更新に行かなければならない。そこで書類を提出し、面接をする。問題がなければビザは更新される。しかし、なにか不都合があれば3ヶ月のビザしかもらえず、決定的な問題ありとなれば、帰国準備のための1週間をもらって即帰国ということになる。

 書類は定期試験の成績証明書や教師の所見、身元保証人照明など過不足なく揃っていなくてはならないが、そこで最も重要視されるのが、ズバリ、出席率なのである。

 出席日数という数字が、重大な力を発揮する。
 そして、年々出席率の基準は上がっているらしい。以前なら80%の出席率でOKだった審査基準が、85%になり、近ごろは正当な理由がないかぎり、90%以上の出席率がないと6ヶ月ビザは下りない。だから学生たちの出席率をめぐる過敏な反応も、無理からぬところだ。

 なぜ、こうも入管のチェックが厳しいのかといえば、もちろん日本語学校が、出稼ぎ労働の隠れ蓑になっているという根強い疑惑があるからだ。

 ところで、3ヶ月ビザでもくり返し更新すればいいのではないかと思う人もいるだろうが、そこはお役所、しっかり道は塞がれている。3ヶ月ビザが2回続くと、以前なら大学入学の許可が下りない傾向にあった。そして現在では、即帰国である。となると2回目はなにがなんでも、6ヶ月ビザを取得しなければ、安心していられないと誰もが思うだろう。

 いったい出席率90%とはどんな数字だろうか。
 それは1ヵ月に3回休めるかどうかという数字である。だから、アルバイトの関係で遅刻や早退の多い学生、体調を崩して欠席がちな学生は、頻繁に出席簿をのぞきにくることになる。

 さて、それほど学生を不安にしている出席率であるが、しかしこの90%という数字だって推測の域を出ない。出席率を含め、入管側からのビザ更新の基準の説明は一切ない。学校側としても学生に書類を持たせ、入管から下りるビザを見るまでは、合格ラインが判断できないのだ。

「どうも、出席率の基準が引き上げられたらしい」
「保証人の年収は、扶養家族4人で800万円では少ないようだ」
「この結果を見ると、入管職員の心象もあるんじゃないか?」
 と学校関係者は噂する。

 というのも、ほとんど同じ記載の書類を持たせて、A職員が担当した学生は6ヶ月ビザを取得したのに、B職員が担当した学生には3ヶ月のビザしか下りなかったということが、一度ならず何度もあったからだ。

 笑えない冗談のような話も多々ある。
 面接で「あたりめ」という言葉を知っていたため、担当職員に水商売の仕事に就いていると判断され、3ヶ月ビザしか下りなかったとか・・・。

 日本語学校関係者の間では、そんな話がまことしやかに語られる。入国管理事務所は、学生にとっても学校関係者にとっても、不透明で気まぐれな場所に思えてしまうのだ。
 書類の内容や面接で総合的に判断されてはいるのだろうが、なにせ藪の中である。となると、まずは数字である。
 どうしても出席率に話が戻る。
 学生も教師も話題は出席簿が中心となって、学校ではそれをめぐる小さな事件が起こることになる。

 たとえば、休み時間。教師が教卓に出席簿を置いたまま、授業の捕捉や個人の質問に答えるために黒板に向かっているとする。とさっそく、すぐ後ろで出席簿の改ざんが始まる。また、静まりかえった授業中でさえ、教師が後ろの席の学生のノートを見ていたりすると、そのスキに、前の席の学生は何ヶ月分かの改ざんをやってしまう。のんびりした教師は、しばらくはそれに気づかない。改ざんがわかるのは月末の出席集計のとき、といったことになる。

 それで、こちらも対策を考えた。
「出席簿は肌身離さず持つことにしよう」
「職員室で記入するようにしよう」
 と、防衛策が話し合われる。

 だが、これで一安心と思いきや、学生は一枚上手だ。切羽詰ってくると職員室に入り込んで改ざんする。そのうえ、自分の出欠だけでなく、同じ境遇にいる友達のものまで直していく学生まで出てくる始末である。ことここに至って、出席簿を鍵の掛かる棚で管理することになった。

 出席簿は人の運命を左右しかねない。学生にとっては滞在期間を決定付ける大きな関門の一つであり、学校側にとっては学校運営に関わる。帰国者をなるべく出したくはないが、出席簿を甘くすることは学校の信用問題である。変な噂が流れたのでは、学校の認可取消し処分にまで発展するかもしれない。また日本国にとっては、不法滞在者や不法就労者を防ぐためのひとつの砦でもある。


就学生たちのアルバイト事情が、身につまされます。

<アルバイトは必要十分条件>よりp111~114
 円高、物価高の日本での生活は苦しい。就学生の多くはアルバイトで、学費や生活費を稼がなければやっていけないのが現実だ。
 日本で学ぶ就学生や留学生のアルバイトは、週20時間を越えない範囲で認められている(土日は別)。彼らのアルバイトは事前許可制になっており、入管で「」をもらい、それをアルバイト先に提出して働く。これで、雇う方も雇われる方も、「不法」という言葉にびくつくことはない。しかし、現実には、違法とわかっていても範囲を越えて働いている学生はかなりいる。

 以前のことだが、こんなことがあった。
 一人の新入生が、入学手続をしに学校へやって来た。
「あなたの名前は?」
「・・・・・」
「いつ、来たの?」
「・・・・・」

 なにも答えられない。付き添ってきた友人が通訳に入ってくれたが、彼の日本語もかなりわかりにくく、どうにも要領を得ない。仕方なく、外国語が話せる事務の人を呼び出し、手続きを済ませたが、これだけならめずらしいケースではない。来日したばかりなのだから日本語が話せないのは当然だ。しかし、この学生には驚いた。

 新入生の場合は、ふつう来日して三日後ぐらいまでに学校へ顔を出すのだが、彼はこの時点で、すでに2週間以上が経っていた。

(文字数制限により省略、全文は ここ )


不透明な入管の基準があったりするが・・・・
民間外交の最前線でがんばっているのが、日本語学校の教師たちなのかも知れませんね♪これこそ、クールジャパンなんだけど、お役所が邪魔ばっかりしているようです。







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Last updated  2015.08.15 10:36:57
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