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2015.09.17
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カテゴリ: 気になる本
日曜日の朝日新聞に読書欄があるので、ときどき切り取ってスクラップで残していたのだが、これを一歩進めて、無料デジタル版のデータで残すことにしたのです。
・・・・で、今回のお奨めです。

・第2図書係補佐
・スクリプトドクターの脚本教室・初級篇 

***************************************************************

第2図書係補佐 より
又吉

<お笑いと文学、意外な近さ:速水健朗(コラムニスト)>
 芥川賞を受賞した又吉直樹『火花』は、純文学作品として前代未聞のベストセラー。お笑い芸人と権威ある文学賞の間にはギャップがある。そこに人は関心を示しているのだろう。本作は、又吉のエッセー集。エッセーの題名には太宰治から村上春樹まで、名作文学の題名が並ぶ。だが大半は、これらとは関係のない話が語られる。

 テレビでマラドーナを見た又吉少年は、その日以来、サッカー部の練習で左でしかボールを蹴らなくなる。周りは大変困る。又吉は元来右利き。蹴ったボールはコースをずれ、パスがつながらなくなる。周りからは「右で蹴れや!」と怒号が飛ぶ。だが、怒号はむしろ、ギャップのあった又吉とチームの間の交流のきっかけになっていく。

 又吉に小説の執筆の依頼をした編集者は、彼のエッセーからその文才を見出したという。なるほど、確かにエッセーのうまさは際立っている。
 カフカ『変身』の項では、珍しく小説の中身についてたっぷり触れられる。虫に変身してしまうという異常な状況に晒されながら、主人公は自分がセールスマンという職業を選んでしまったことを悔いている。又吉は、そのずれに笑う。一方、本作が戦時下「運命に身を委ねるしかない」一般市民の不条理が描かれていると知り真剣に再読する。でもやっぱり「笑ってしまう」のだ。

 小説『火花』には、世間一般との「ずれ」を追求する天才肌のお笑い芸人が登場する。彼は、それを追求し過ぎて苦難の道を歩むことになる。お笑いとは「ずれ」である。そして、文学との間に「ずれ」は意外とないのかもしれない。実際、カフカも自作を爆笑しながら友人に読み聞かせた逸話があるようだ。
 お笑い芸人と文学。ギャップがあるようでない。それがこの一冊から強く感じられる。
◇

又吉直樹著、幻冬舎、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
お笑い界きっての本読み、ピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通して自身を綴る、胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。巻末には芥川賞作家・中村文則氏との対談も収載。
【目次】
尾崎放哉全句集/昔日の客/夫婦善哉/沓子(『沓子・妻隠』より)/炎上する君/万延元年のフットボール/赤目四十八瀧心中未遂/サッカーという名の神様/何もかも憂鬱な夜に/世界音痴〔ほか〕

<読む前の大使寸評>
又吉直樹のエッセイはどんなかな?♪ということです。

<図書館予約:とりあえずカートに入れておこう>

rakuten 第2図書係補佐



スクリプトドクターの脚本教室・初級篇 より
スクリプト

<ひとの心と向き合う指標に:三浦しをん(作家)>
スクリプトドクターは、映画やドラマの脚本が行き詰まったとき、主にプロデューサーから依頼を受けて、問題点を客観的に分析し、助言やサポートをする。つまり、「体調不良に陥った脚本を治療するお医者さん」だ。

 本書を読んで、「ここまで作り手の気持ちに寄り添い、的確な指摘をし、作品をより良い方向へ導こうと全力を尽くしてくれるひとがいるのか!」と驚き、感動した。それもそのはず、著者の三宅氏は多数の作品を手がけてきた脚本家・映画監督であり、心理カウンセラーの資格まで取得ずみ。「生みの苦しみ」を知るゆえに、スクリプトドクターとして仕事をするときにも、実作者の迷いや悩みを深く感受し、具体的な解決策を提示することができるのだろう。

 本書は、スクリプトドクターという珍しい職業を紹介すると同時に、脚本の書きかた、読みかたについて、かなり詳細かつ実践的に指南してくれる。「はじめに」で、脚本家志望者が書きがちな作品を四つのタイプに分類しているのだが、たしかに私もそのうち二つを、小説で、プロになってから、書いたことある! 的確すぎる分析に爆笑かつ背筋が凍った。

 脚本とは、映画やドラマを作る人々の思いや人間模様が反映した、複雑で奥深いものなのだ。まるで、ひとの心そのもののように。そして、その脚本を「治療」する三宅氏の姿勢は、きわめて慎重で繊細だ。だれかの心を解きほぐすには、じっくりと話に耳を傾ける必要があるのと同じように。

 本書は、実は脚本ではなく、ひとの心について語っているのだとも言える。「物語」に関連する職業のひとに限らず、人間関係とはなんなのか、考えたり悩んだりしたことがあるひとは必読だ。実生活で他者や自己の心と向きあう際にも、重要な指標となる内容だからだ。嗚呼、私もドクターに往診を頼みたい!

◇

三宅隆太著、新書館、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』で特集され知られる存在となった、日本に数人しかいない“脚本のお医者さん”こと“スクリプトドクター”=三宅隆太の初の脚本指南書。あなたにやさしく語りかけるかつてない画期的な一冊。

<読む前の大使寸評>
「脚本のお医者さん」ってか・・・・
三浦しをんが選んだ本なので、単なるハウツー本ではないと思うのだが。

<図書館予約:とりあえずカートに入れておこう>

rakuten スクリプトドクターの脚本教室・初級篇


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Last updated  2015.09.17 05:27:06
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