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2015.11.14
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カテゴリ: 中国
南沙諸島沖では、安保や領土の国際ルール解釈について米中がしのぎを削っています。
一方、経済活動では、インドネシアの高速鉄道受注に見られるように、「そんなのありか…」自己中、陰謀…まるで三国志のようである。

かくして、お人よしのニッポンは、中国の競争ルールによって、一敗、地にまみれたのである。

その中国の競争ルールについて、ダイアモンドのChina Reportを見てみましょう。


中国が競争ルールを歪める限り途上国開発で日本は敗北し続ける:姫田小夏 より
中華

 インドネシアの高速鉄道の建設計画の受注をめぐり、日本の新幹線案が中国に敗退したことは周知のとおりだ。その後、計画は着々と進み、先月16日にはインドネシアと中国の企業連合が合弁会社の設立で正式な契約調印に至った。

 中国による受注の背景には、いくつかの要素が存在した。その決定的な要素となったのが、中国側からの「インドネシアの財政負担をなくし、債務保証を求めない」という提示だった。ことの経緯はこうである。

 この東南アジア初の高速鉄道は首都ジャカルタと西ジャワ州バンドン間150kmを結ぶもので、将来的にインドネシア第二の都市である東ジャワ州スラバヤへ延ばすという計画がある。これに、日本と中国が入札を争っていたが、今年9月3日、インドネシア政府はこの計画を白紙に戻すと宣言した。

 もともと日中は「インドネシア政府の支出がある」ことを前提に競り合っていたが、その前提がここで揺らいでしまった。そして、インドネシア政府は計画を凍結させると同時に、「高速ではなく低速に」と計画を変更させ、挙句は「政府は建設コストを負担しない」と条件を二転三転させて行ったのである。

 その後、わずか4週の間に、インドネシア政府は中国案の採用を決定してしまう。同月29日のことだ。「インドネシアの財政負担をなくし、債務保証を求めない」という中国の提案が決定的となった。

 この要求の変化をものともせずに食らいついて行ったのが中国だ。国際問題に詳しい専門家は、この間髪入れずしての提案をこう分析する。

「インドネシア政府の要求に合わせてすかさずカードを切り返したのが中国。内容の精度はさておき、中国は(上記の政府支出ありから出資なしまでの)“3枚のカード”を携えていたと見ることができる」

■激しいロビー活動と実績に対する自信も勝因
 また、この専門家は「民間企業が主体となることで、政府の支出を低減させるやり方は、途上国のニーズがインフラの質よりも財政的負担の軽減にあることを中国は見抜いていたという証左だ」と指摘している。

 一方で、インドネシアには公的資金はジャワ島以外の他の島に振り向け、人口や経済が集中するジャワ島の開発は民間投資に委ねようとする政策がある。中国案はこの政策とうまく合致したとも言える。

 これに対し、日本案は債務保証に拘泥した。これが敗北につながったという説は有力だ。ちなみにこの「債務保証なし」というのは、事業主体への融資に返済リスクが生じた場合、それを相手国政府が返済するのを通例とするが、中国案はそのリスクも中国が負うことを意味するものだ。

 計画が最終的に中国の手に落ちた理由は他にもある。外交的揺さぶりもそのひとつだろう。

 党中央、国務院、国家発展改革委員会、外交部、国家開発銀行、そしてこれに中国鉄路公司が一丸となった激しいロビー活動である。

 また、“揺るぎない自信”もそのひとつだ。世界で最大規模にして最速の技術と管理――は彼らが自認する強みである。中国には、たった12年間で1万7000キロの高速鉄道を敷設したという成功体験があり、北京-上海を結ぶ1300キロの高速鉄道に至ってはわずか3年ほどで正式運行にこぎつけている。

 こうした経験を背景に、中国はインドネシアのジャカルタ-バンドン間の150キロを結ぶ高速鉄道も「3年でできる」と誇示した。完工は2018年。これは日本案の2021年の半分の工期に過ぎない。

■中国の「一帯一路構想」にインドネシアの思惑が合致
 中国にとっては、初の高速鉄道の海外輸出大型プロジェクトとなるだけに高揚気味だ。150キロの走行距離とはいえ、これを契機に今後はインドネシアの鉄道市場を独占できると見るからだ。

 中国はジャカルタ-バンドン沿線での「経済回廊」の構想も描く。インフラ建設とともに不動産開発や工業団地開発を進めれば、中国国内の産業チェーンの輸出にもつながると期待を深める。

 また、中国の受注をめぐって注目すべきは、中国の掲げる「一帯一路構想」とインドネシアが掲げる「海洋国家構想」のドッキングである。「一帯一路構想」が重視するのは「連結」、他国の交通を連結させながら、中国発の複数のルートを作り上げるこの構想に、インドネシアも利点を見出した可能性は否めない。

 ちなみに2013年10月、習近平国家主席は首都ジャカルタで「21世紀海上シルクロード」構想を発表したが、中国は互いに首位の貿易相手国であること、インドネシアがアセアンでも最多の人口を有する国家であることを理由に、2つの経済体が連結することの利点を強調している。中国にとってさらに重要なのは、マラッカ海峡、ロンボク海峡、ナトゥナ海峡などを有するインドネシアを、海上戦略上の攻略地点に組み込むことにある。

 他方、日本の経済界からは嘆息が漏れる。日本の商社幹部のひとりは失望を隠さない。
「今回の一件で明らかになったのは、インドネシアの経済発展に最大の貢献国として認知されてきた日本が、中国にとって代わられたということだ。今後、インドネシアには中国資本が大きく投下されるのは間違いない」

■ルールを無視する中国の前に健全な競争原理が歪んでいく
 一方、日本政府の内部からも強い危機感が伝えられる。インドネシアの高速鉄道の受注に関わる一連の流れをつぶさに見つめてきた政府関係者はこうつぶやく。

「これはOECD陣営の『透明性を確保したモデル』の敗北だ……」

 これまで途上国のインフラは、先進国を中心とするOECD(経済協力開発機構)による支援という枠組みを中心に整備がなされてきた。そこに中国が割り込んでくることの影響は小さいものではない。

 この高速鉄道計画はインドネシアと中国の企業連合により進められるが、これはPPP方式(Public-Private Partnership)による実施であることを意味する。鉄道案件をビジネスとしてやろうというわけだ。では、その資金調達や返済期間をどう見積もるのか。参加する民間企業はそれぞれにソロバンを弾くところだが、中国の場合は違う。実質、政府が采配を振るってしまうのだ。しかも、中国の民間企業といっても政府と民間の線引きが曖昧で、その実態は純粋な民間企業でないものが多い。

 他方、日本企業にとってPPP方式は、日本政府のサポートを離れたところでの単体での闘いを意味し、リスク増大の懸念からインフラ案件の受注が遠ざかる可能性がある。その結果、蓋を開けてみれば中国企業の跋扈――、こうした展開となることは容易に想像がつく。

 また今回の案件に見るアンフェアは、政府組織を総動員しての手練手管の裏工作、「同じ土俵での闘い」がいつの間にか「水面下の交渉」に切り替えられてしまった点にある。中国側は「透明性の確保」など歯牙にもかけていないのだ。

「ビジネスをするなら“ビジネスの掟”があるはずだ。だが、“ビジネスの掟”を無視する国がいとも簡単にそれを落札した。途上国のインフラ市場は今後ますます競争原理が働かない市場となってしまう」(同)

 透明性を維持すればそこに市場が発生し、よりよい企業が集まることができる。企業が集まれば競争原理が働き、質のいい技術が適正な価格で提供されるという好循環を生む。しかし、中国が割り込んでくることでこうした当たり前の競争原理ですら維持できなくなる懸念がある。

 そもそも、すべてのインフラ需要を中国が独占して受注できるわけなどない。「世界の途上国の需要に対して、各国で協力して整備に当たる」というのが本筋だ。当然、そこにはルールが必要であり、そのルールこそがOECDがまとめる行動指針である。ところが、中国は「我々はそんなルールに縛られない」と開き直る。「それはあくまで先進国を対象としたものであり、中国は関係ない」という立場だ。

「一定のルールに基づいて公明正大な競争をすれば、ひいてはみんながハッピーになる、そういう思いで世の中が動いているはずなのだが……」(同)

■中国で短期完工が可能なのは政府による“強制”があるから
 今回の中国による受注、それがインドネシアの未来にとって最善の選択だったかという点についても疑問が残る。

 筆者は、上海の街の変遷を通して「中国式インフラ建設」というものを目の当たりにしてきた。それは住民の強制立ち退きに始まり、民衆と政府の対立、環境破壊と多くの矛盾と摩擦をもたらした。その本質を一言でいえば“政府による強制”である。インフラ建設には莫大な予算がつぎ込まれたが、その恩恵に浴したのは一部の独占企業である。

 今の中国の自信の根底には、「北京-上海の高速鉄道の3年の完工」があるが、不可能を可能にしたのは “強制”が働いたからに他ならない。しかもスピード重視となれば、当然アンフェア、不正を招き透明性が失われてしまう。果たしてそれは他国において支持されるモデルなのだろうか。

 ちなみに今年3月、スリランカ政府はコロンボ港で進められる「中国城」の建設に中止命令を出した。この計画は520万平米にショッピングセンターやホテル、オフィスビルや3戸の住宅を含む不動産開発だが、法律の抵触と環境破壊が顕在化した。ミャンマーでも2012年に銅山開発をめぐり、民衆が大規模な抗議運動に乗り出している。

 途上国で日本モデルは「展開が遅い」と不評を買っているのも事実である。だが、それには一定の合理性も認められる。経済効果の追求のみならず、住民や環境とのバランスを取るにはある程度の時間も必要なのだ。しかも、日本モデルの根底には「産業を興し、人を育て、それを裾野にまで広げる」という息の長さがある。

 残されているのは、途上国による「賢い選択」だ。そのためには、まず目先の利益を捨ててもらうしかない。「国家100年の計」を立てた国づくりにこそ、日本モデルは大きな効果を発揮するだろう。


…でも、やっぱりニッポンとしては、国際ルールに則り正攻法で攻めるのが宜しいのではないか。

自己中、強引なアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対する対処法などは 試されるアジア経済 に述べられています。





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Last updated  2015.11.14 08:21:20
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