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2016.04.11
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カテゴリ: アート
図書館で『実業美術館』という本を手にしたのだが…




実業

赤瀬川原平, 山下裕二著、文藝春秋、2007年刊

<「BOOK」データベース>より
クルマもお金もごみ処理場も自衛隊だって芸術だ!職人仕事のたくまざる美と奇想をもとめて、日本美術応援団が東奔西走。
【目次】
1 戦艦大和を観に行く(大和ミュージアム・海上自衛隊呉基地)/2 網走番外地の真実とは!?(博物館網走監獄・網走刑務所)/3 ごみ処理工場が芸術してます(大阪市環境局舞洲工場&舞洲ラッジセンター・広島市環境局施設部中工場)/4 交通博物館で職人技を応援(交通博物館)/5 警察と芸術のビミョーな関係(明治大学博物館刑事部門・警察博物館)/6 偉大なる中小企業の「作品」たち(コシナ・オリエント時計)/7 野球の国ニッポンの聖地を訪ねて(東京ドーム・野球体育博物館)/8 「お金」に「芸術」の深淵を見た(国立印刷局滝野川工場・お札と切手の博物館・貨弊博物館・日本銀行本店)/9 トヨタは応挙、マツダは光悦である(トヨタ博物館・マツダ本社工場)

<読む前の大使寸評>
収録された題材のうち、大使は大和ミュージアムと大阪市環境局舞洲工場しか見ていないが、この二つがどのように紹介、評価されるのか、興味深いのです。

rakuten 実業美術館


大使は出張の合い間に大和ミュージアムやその付近を訪れたのだが、けっこう見所が多いのが良かった♪
大和

p18~20
<戦艦大和を観に行く>
山下:見学に行ったのが土曜日ということもあったと思うんですが、大和ミュージアムはずいぶん賑わってましたね。開館(2005年4月23日)から約1ヵ月で20万人を超えたそうです。

赤瀬川:もっと年配のお客さんばかりかと思ったら、若いカップルも多かった。館長の戸高さんが言ってましたけど、デートで出かける場所としてはめずらしく、男の子の方が女の子を連れてくるんだとか。

山下:実は呉はぼくの生まれ故郷なんですが、こんな博物館ができるなんて、つい最近まで知らなかった。3月の中ごろに、知り合いの人が、「今度、呉にこういうのができるみたいですよ」と教えてくれて、はじめて知ったんです。

赤瀬川:これだけ人が入っても、まだ東京の方ではあまり知られてないですよね。お客さんも西日本の人がほとんどみたいだし。

山下:博物館を作ろうという企画自体は10年以上前から始まっていたそうですが、当初は戦艦大和の十分の一の模型を作るという計画はなかったという話でしたね。

赤瀬川:河合さんというすごい模型マニアの人がいて、はじめは個人的に作るから博物館に置かせてくれということだったとか。

山下:大和ミュージアムの正式名称は「呉市海事歴史科学館」だそうですが、あの模型があるかないかで、博物館としてはもうまるっきり違っちゃいますね。

赤瀬川:それはもうまったく違うでしょう。

山下:博物館が開館早々、こんなに成功している例ってちょっとないんじゃないですか。開館と同時に大和の映画(『男たちの大和YAMATO』)が製作中だったりとか、いろいろなタイミングがぴったり合ったんでしょうが、いまどこも人が入らなくて、それこそ閉鎖の危機みたいになっているとろが多いのに・・・・。

赤瀬川:開幕ダッシュに成功して。


お次は、舞洲のごみ処理工場でおます♪
ごみ処理

圧倒!フンデルトヴァッサー「舞洲ゴミ処理場」 が、ええでぇ♪

p68~70
<ごみ処理工場が芸術してます>
山下:今回は大阪市と広島市の、いずれも非常にユニークな設計で話題になっているごみ処理工場を見学しました。まず、初日は大阪の湾岸にある埋立地、舞洲を訪ねたわけですが、ここには施設が二つあるんですよね。

赤瀬川:普通のごみ処理工場と、スラッジセンターという下水汚泥の集中処理場ですね。いずれもウィーンの芸術家でもあるフンデルトヴァッサーが外観のデザインをしています。

山下:フルネームは、えーっと、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー。たしか、赤瀬川さんは前にも一度いらしてるんですよね。

赤瀬川:作家の矢作俊彦さんと一緒に来たんです。渋谷の東急文化村でトークショーをやることになって、なにか話題になるものがあった方がよかろうということで、大阪に変な建物があるからとりあえず見に行ってみようということになって。だから資料もなにも見ないで行ったんですが、フンデルトヴァッサーがデザインしたということだけ聞いていました。

山下:フンデルトヴァッサーがどんな芸術家かというイメージは、ある程度持ってらしたわけですよね。

赤瀬川:高校の頃に「美術手帖」なんかに載ってましたからね。もともと抽象画家」でしょ。抽象表現主義の範疇に入るのかな。

山下:アンフォルメルの影響を受けているんじゃないでしょうか。でも、独自路線ですね。

赤瀬川:ちょっとプッツン系の感じがありますね(笑)。後に建築の方に進出したということも知っていて例のウィーンのアパート…。

山下:フンデルトヴァッサー・ハウスですね。

赤瀬川:その写真は見たことがありました。あれはあれで面白いと思っていたんですが、改めて舞洲のごみ処理工場を見たら、これはある種のカルチャーショックだった。

山下:ぼくは事前にインターネットで画像を見ていたんですが、高速道路の橋を渡っていきなり工場が目に飛び込んできたときは驚きました。ここまでやってくれるのかと。タクシーの運転手さんが言ってたように、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)と間違える人がたくさんいるというのもうなずけます(笑)。


ヴァッサーフンデルトヴァッサー・ハウス





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Last updated  2016.04.11 08:51:09
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