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2016.07.17
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カテゴリ: 中国
図書館で『中国文学の愉しき世界』という本を手にしたのです。
少し読めば、平易な筆致が読みとれるのだが・・・
中国文学研究というマイナーな領域で、それを極める著者の根性がユニークではないだろうか♪



中国

井波律子著、岩波書店、2002年刊

<「BOOK」データベース>より
「竹林の七賢」をはじめとする奇人たちの奇妙キテレツな言動を支えるパトスとは?幻想と夢の物語宇宙の構造はいったいどんなもの?-練達の中国文学研究者が平易な筆致で描きだす、奇人・達人群像。自らの体験もまじえながら語る文学世界の面白さ・奥深さ。読書の快楽を堪能すること請け合いの好エッセイ集。

<読む前の大使寸評>
少し読めば、平易な筆致が読みとれるのだが・・・
中国文学研究というマイナーな領域で、それを極める著者の根性がユニークではないだろうか♪

rakuten 中国文学の愉しき世界


文人画のあたりを見てみましょう。
p146~149
<中国の文人画> より
 このところ、中国近世の文人について調べたり書いたりする機会がふえ、おりにつけ、彼らの手になる書や画を眺めている。

 中国において、「文人」は、もともとは広く「詩文にたずさわる人」をさしたが、科挙が本格的に機能するようになった宋代以降、ややその性格に変化が生じる。

 科挙合格者および予備軍からなる、宋代以降の近世士大夫(知識人)階層にとって、詩文を巧みに作ることは、儒教の経典や歴史書に習熟することと同様、必須の条件であった。こうして「詩文にたずさわること」が自明の理となった近世士大夫階層のなかで、とくに琴キ書画をはじめ、もろもろの芸術的・趣味的ジャンルに通暁した人々を、文人と称するようになっていくのである。

 こうした近世文人のなかから、すぐれた画家であると同時に、すぐれた書家である人々があいついで出現する。その筆頭に数えられるのは、北宋の大文人蘇東パと米フツである。

 蘇東パは優秀な成績で科挙に合格し、高級官僚となったものの、泥沼化した官僚制の党派抗争にまきこまれ、三度も流刑の憂き目に遭うなど、はげしい浮沈をくりかえした。しかし、陽性で楽天的な蘇東パは、どんなに深刻な状況においても、豊かな創造力を発揮し、おびただしい詩文を著わしながら、明朗闊達に生きつづけた。そんな彼の手になる書や画は、規範にとらわれることのない、のびやかで自由な雰囲気に満ち満ちている。

 蘇東パの年少の友人だった米フツは、「米テン(フーテンの米)」と呼ばれる奇人であり、書画骨董の熱狂的コレクターとしても知られる。米フツは書家としても画家としても傑出した存在だったが、現存するのは自由奔放な筆使いであらわされた書作品のみであり、「米点」と呼ばれる独特な点描法で描かれた水墨画は、残念ながら現存しない。

 ちなみに、蘇東パと米フツは後世の「文人画」の祖と目される人々である。彼らの出現を皮切りに、宮廷画家を中心とする職業画家よりも、文人趣味の一環として画筆をとる文人画家に対する評価が高まり、やがて文人画(水墨画中心)は中国絵画史の主流となってゆく。

 ただ、文人画家はもともと士大夫階層に属し、職業画家すなわち画師とは明確に一線を画すとはいえ、時代の経過とともに、文人画家のなかからも、書や画を売って生計を立てる人々が出てくる。明代中期(15世紀末―16世紀前半)、江南の大商業都市蘇州を舞台に大活躍した文人グループ「呉中の四才(祝弁明・唐寅・文徴明・徐禎卿)」は、その先駆け的な存在である。四才のうち、徐禎卿をのぞく三人はついに科挙に合格ができなかったが、彼らはこれを逆手にとり、自作の詩文や書画を売って生計を立てながら、何物にも束縛されない自前の人生を謳歌したのだった。

 「呉中の四才」以後、特記すべき文人画家の多くはこのタイプ、すなわち書画を生計の手段とするタイプに属する。16世紀後半の明末、文人画の世界に新たな生命を吹き込んだ徐イ(1521―1593)も例外ではない。徐イはすぐれた詩人・戯曲家であり、超一流の画家・書家だが、その生涯は波乱万丈、はなはだドラマティックなものだった。

 徐イもまた科挙に合格できず、流転をかさねたあげく、精神不安定となり、発作的に妻を殺害し、数年にわたって獄中生活を送るはめに陥った。獄中生活のなかで、徐イは一念発起、本格的に画筆を取るようになる。極限状況のもとで生み出された徐イの画には、従来の文人画を大きく転換させるものがあった。
(中略)

 というわけで、「書画一体」にいたる文人画の変遷の過程と、限りなくプロフェショナルな存在へとちかづいいてゆく、近世文人画家の生存様式の変化をオーバーラップさせながら、わたしは今日もあれこれ好きな文人画を眺めては、ひとり悦に入っているのである。


とにかく最近の大使は、文人とか士大夫とかいう中華の価値観が鼻につくわけでおます。おっと、また中国嫌いが出てもうたがな。





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Last updated  2016.07.20 21:16:43
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