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2016.08.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
<『蔡英文 新時代の台湾へ』2>

大陸に依存しない強靱な台湾経済・産業の創出に期待しています。
日台は協調して、大陸の政権が自滅するのを待つのがいいかも(オイオイ)


【蔡英文 新時代の台湾へ】
台湾

蔡英文著、白水社、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
一度は総統選に敗北しながらも、市民との対話を通し、未来を模索し続けた3年の軌跡。新たなリーダーシップの形と台湾の希望がここに!台湾初の女性総統による、初の著書!

<読む前の大使寸評>
大陸に依存しない強靱な台湾経済・産業の創出に期待しています。
日台は協調して、大陸の政権が自滅するのを待つのがいいかも(オイオイ)

冗談はさておいて・・・
台湾はだんとつの親日国であるわけで、お互い協力して覇権大国・中国に対峙すべきなんでしょうね。

<図書館予約:(7/31予約、8/11受取)>

amazon 蔡英文 新時代の台湾へ


蔡英文さんは下野した間に、台湾各地の庶民を訪ねて思索を深めたようです。
p241~243
<路地裏の町工場>より
 もう一つここで紹介したいのは「甘丹創新工場」というクラフトデザインを専門にしている会社だ。大学院でデザインを学んで卒業後1年も経たない若者が、台南の奇美博物館からグッズデザインを受注、その作品がたくさんの賞を受けたというニュースは台湾で数多く報道された。彼らはバンディーでスタートアップ時期を過ごし、その後ここを出て自分たちのオフィスを構え、すでに台南に工場を持つようになっていた。

 「蔡主席、私たちの工場は小さな路地裏にあるんです」
 四人の若者が自分たちで木工所を立ち上げたと聞いて、興味深く思った。20代の修士課程の学生が木工所で仕事をするとはどういうことなのだろう。

 デザイナーの郭楽さんは「甘丹」の中心人物で、対外的な広報窓口していた。おしゃれなショートカットの髪型で、ハキハキ話す一方で、落ち着きも備えた女性だった。

 「私たちの工場には『想想』に似た猫もいるんです」と彼女は言った。「蔡想想」はうちの猫の名前で、私が家で過ごす時のよき相棒だ。家ではついうっかり猫バカぶりを発揮し、外回りのときは猫好きととして、猫を飼っているお宅があればついつい猫にちょっかいを出してひとしきり戯れるのが恒例となっていた。

 車が曲がっていく路地の入口には木製の標識が立っていて、「甘丹」を見つけることができた。この路地には全体にわたって従来型産業の工場が3,4軒立ち並び、各工場は鉄工溶接、プラスチックケースのプレス加工、カーテンづくりなどを手掛けていた。一見するとこの一角で、今アート製品がつくられているとはとても想像できなかった。

 「ここは、生産基地であり、R&Dセンターであり、事務所でもある一つの『場』なんです」と郭さんは言った。工場内の間仕切りは自分たちが木で手作りしたもので、そこには大きな作業机がいくつか並べられ、工作機械のエリアがあった。木工技術のいいところは、なんでも自分たちでつくれてしまうこと、だから仕事で使う椅子も自分たちで設計してしまうのだった。

 隣の工場のおじさんやおばさんたちは、彼らが何をしているのか聞いてもよく飲み込めなかったそうだ。今では状況は一変し、お隣さんたちと「異業種連盟」として手を組むまでになり、木のキーホルダーを入れるプラスティックケースやスチールのパーツなど、すべて近隣の工場でオーダーメイドしていた。


日本は台湾から「政治家の育て方」を学ぶべきなのではないかと監訳者が述べているが・・・そうだろうなあ♪
p278~279
<監訳者あとがき>より
 本書には、蔡英文氏が、2012年に初めて挑戦した総統選挙で敗北した後、民進党の党首を辞め、いったん野に下るという勇気ある選択をし、台湾の各地を回りながら、そこにいる人々と対話・交流することで、2012年の総統選挙で自分はなぜ負けたのか、あのとき自分に何が足りなかったのか、今後の台湾を導くにはどうすればいいのかを日々模索してきた3年間の姿が描かれている。つまり簡単に言えば、本書は二度目の総統選挙出馬へのチャレンジに向けた、3年間の過程の説明と、台湾の人々へのマニフェストなのだが、単純なマニフェストにはとどまらない魅力を持っている。

 実は、蔡英文氏には、前回2012年の総統選挙の際に出版された『洋葱炒蛋到小英弁当―蔡英文的人生滋味』という自伝がある。邦訳は今年白水社から刊行予定で準備をすすめているところだ。この自伝の中で、蔡英文氏は自分のことを、人から注目されるのが苦手で、おとなしく物静かな人間だと形容している。経歴を見てもわかるように、彼女は実際「政治家」ではなく、どちらかと言えば「学者」であり「官僚」であるほうがしっくりとくる人だった。それが、本書の中では、「政治家」蔡英文の台湾改革への強い意思が感じられる。この3年間、台湾の人々が彼女を真の政治家へ、総統へと育てたのだとわかった。今後近い将来、日本でも、彼女のように政治家一族の出身でもない、女性の総理大臣が出て来ることはあるだろうか。実に羨ましい。私は本書から今後の台湾がどうなっていくのかを、日本にいる皆さんに予想していただくと同時に、日本は台湾から「政治家の育て方」を学ぶべきなのではないかと思っている。

 台湾に関する本であるため、台湾に関心のない読者には全く興味をそそらない、と思われる方もいらっしゃるかもしれない。でも、それは心配には及ばない。この物語は、単に台湾だけの物語ではないからだ。

 本書には、従来の台湾研究の枠を飛び越える学術的価値も存在する。2014年11月の統一地方選挙から2016年1月の総統選挙の間に、台湾で行われたいくつかの選挙が歴史的なパラダイムの転換点であり、その功績は台湾政治革命の先頭に立った蔡英文氏のリーダーシップにあり、その軌跡が本書に書かれているからである。


総統選圧勝の翌日の朝日の記事を見てみましょう。

2016-01-17 蔡氏の個性、民進党変えた 清新な印象・政策重視 より
 台湾総統選と立法院(国会)選で圧勝した民進党は、国民党の一党独裁体制と戦ってきた反体制派の政党から、政策重視の穏健政党に変貌を遂げた。党歴が浅く、「民進党らしくない」とされた蔡英文主席が、その清新なイメージで改革を引っ張り、復調を果たした。

 学者然とした蔡氏は、反体制派闘士が多い民進党では異色だ。党重鎮の游錫コン・元行政院長は「蔡氏の個性が党を変えた」と話す。蔡氏は政策を議論する会議に自ら参加、立案に深く関わった。また支持者から少額の献金を集める取り組みを成功させ、党勢回復の足がかりを作った。若い党スタッフも増えた。

 ただ猫好きで知られる蔡氏は内向的な性格で、支持者との交流は苦手だった。主席就任直後は「集会での演説が盛り上がらず、頭を抱えた」と党関係者は振り返る。「資産家出身で庶民の気持ちが分からない」などとも評された。10年の新北市長選、12年の総統選に立候補したが、いずれも競り負けた。

 だが落選後の雌伏が蔡氏を変えた。台湾各地を回って住民らと触れあい、様々な産業を視察して市民生活への理解を深めた。

■中台のきしみ、避けられない 台湾政権交代(中国総局長・古谷浩一)
 「一つの中国」の受け入れを求める共産党政権を支えるのは、「中華民族の偉大なる復興」とのプロパガンダにあおられた、この強硬な13億人の欲求である。

 もちろん、中国政府は公式には慎重な態度に徹している。ネット上に、民主的な選挙へのあこがれの声があるのも事実だ。

 しかし、本音にあるのは「(蔡氏は)生粋の台湾独立派だ。言いぶりは慎重だが、頑固でたちが悪い」との不信感にほかならない。

 そこに「台湾人の台湾意識」といった微妙な感情を感じ取る繊細さはない。台湾の民意を直視するよう求める国際社会の声にも、返ってくるのはむしろ反発だ。蔡氏が「一つの中国」原則を認めなければ、共産党政権はその不満を徐々に行動で示していくだろう。

 現実として、蔡氏が向き合うのはこうした中国である。中台関係のきしみは避けられまい。国際社会はこれにどう対峙するのか。我々日本人にとっても決してひとごとではありえない。


『蔡英文 新時代の台湾へ』1





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Last updated  2016.08.17 09:30:53
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