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2016.10.07
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カテゴリ: 歴史
図書館で『記録された記憶』という本を手にしたのです。
パラパラとめくると、魏志倭人伝、百万塔陀羅尼、東方見聞録、鄭和の航海図、ビゴーの風刺画等々・・・
大使のツボ満載でんがな♪



記憶

東洋文庫編、山川出版社、2015年刊

<「BOOK」データベース目次>より
第1章 文明・国家・宗教の成立ー紀元前~7世紀(甲骨文字/古文尚書と論語集解 ほか)/第2章 民族の移動と東西交流のあけぼのー8世紀後半~14世紀半ば(古事記/万葉集 ほか)/第3章 広がりゆく世界ー14世紀後半~17世紀初頭(永楽大典/鄭和の航海図 ほか)/第4章 専制国家の隆盛ー17世紀初頭~18世紀末(群書治要と帝鑑図説/ジョン・セーリスの航海日誌 ほか)/第5章 激動の近代アジアー19世紀(大南寔録/環海異聞と北蝦夷地部 ほか)

<読む前の大使寸評>
パラパラとめくると、魏志倭人伝、百万塔陀羅尼、東方見聞録、鄭和の航海図、ビゴーの風刺画等々・・・
大使のツボ満載でんがな♪

rakuten 記録された記憶


記録された歴史として・・・・
中国の「大航海時代」について見てみましょう。
ただ惜しむらくは、鄭和の南海遠征は、中華の闇にまみれて、継続されることなく廃止されるのです。
p64~65
<鄭和の南海遠征>
 ポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマ率いる4隻の船がインドのカリカットに到着したのは、1498年のことでした。その約1世紀も前に、明の宦官鄭和(1371~1434頃)の率いる62隻の艦隊が、南シナ海からインド洋を経て、遠く東アフリカ沿岸まで到着しました。

 1405年から33年まで7度にわたって行われたこの大航海は、「鄭和の南海遠征」と呼ばれています。目的は、明の国威をアジア諸国に示し、朝貢を促すことでした。朝貢とは、中国を文明の中心と認めて臣属し、その証として中国を訪問することをいいます。

 この遠征ののち、多くの国々が明にしました。ここに紹介するのは、その鄭和の南海遠征の航海図で、1621年に刊行された、茅元儀の『武備志』に収められています。

 鄭和の一大事業を推し進めたのは、永楽帝でした。もともと北平(現、北京)に拠点を置く皇族だった永楽帝は、帝位につくと、元に匹敵する広大な中華世界の建設に乗り出します。彼は、宦官鄭和を南海に派遣する一方、自ら軍を率いてモンゴル遠征を行うなど、活発な外交・遠征を展開しました。

 明は1404年に日本と勘合貿易を始めていますが、実はこれも永楽帝の積極外交の一環として行われたものでした。鄭和の南海遠征は、日本史にも関連する出来事だったのです。

<大航海を支えた東西交流>
航海図鄭和の航海図

 『武備志』によると、鄭和の航海図は、海図と星図から成ります。艦隊は羅針盤を用いつつ、南シナ海では、沿岸の風景などを見る中国伝統の航法を使い、インド洋では星座の高さを測定するイスラームの航法を使って航海したことがわかっています。

 また、司令官であった宦官鄭和は、もともと元代に中国に移住したイスラーム教徒の出身でした。この大航海には、元代中国とイスラームの東西交流の遺産が生かされていたのです。

<生き残った航海図>
 しかし、こうした大規模な外交活動は、永楽帝・鄭和の死後、明の国力の衰えとともに行われなくなりました。鄭和の残した多くの資料も不要なものとして処分されてしまいます。

 17世紀に入ると、明の東北辺境にいた女真族が台頭して勢力を広げ、明を圧倒し始めました。これに危機感を抱いた知識人の一人が冒頭で紹介した茅元儀です。

 彼は、迫りくる外敵に対抗するために、軍備の建て直しが必用だと考え、中国歴代の兵書を研究し、その集大成として『武備志』を完成させました。1621年のことです。

 その編纂過程で、茅は、処分をまぬがれて民間に流出していた鄭和の資料も収録しました。それが、この航海図です。明が対外的危機におちいるなか、明の国威を輝かした鄭和の事績が再び注目されたのかもしれません。この書物は、南海遠征の詳しい航路や航海技術を知ることのできる貴重な史料です。茅元儀の献策もむなしく、明は滅亡の道を歩みます。


鄭和が遠征艦隊の官軍側司令官であるなら、一方で約200年経った東シナ海で、鄭成功は海戦に長けた海賊の頭目のような人物である。

国姓爺と呼ばれた鄭成功について見てみましょう。
p98~99
<清朝誕生>
 日本が寛永の大飢饉に見舞われていた1640年前後、中国でも異常気象による全国的な飢饉が起き、農民反乱が各地に広がっていました。その最大の勢力が李自成です。1644年3月、李自成が北京を攻略すると、明朝最後の皇帝となった崇禎帝は自殺し、明は滅亡しました。

 しかし、事態はここから意外な展開を見せます。山海関の外で清軍と対峙していた明朝の将軍・呉三桂が、李自成を討つために清と和睦し、山海関を開いて清軍をむかえ入れたのです。これによって、清軍は「仁義の軍を率いて流賊を滅ぼす」という大義名分を得て、北京へ進撃しました。同年5月、清軍は北京を占領、9月、皇帝の即位式を行いました。

 ここに、清朝が明朝を継ぐ中国の正統王朝であることを明らかにしたのです。1645年には、清朝によってほぼ全土が征服されました。

<国姓爺と呼ばれた男>
 清にとって最大の脅威は、東南沿岸を拠点として日本や東南アジアとの貿易を活発に行っていた鄭氏勢力でした。大規模な船団をひきいる鄭芝龍とその子の鄭成功は、明の皇族を擁立した南明政権に参加します。

 鄭成功は、父・芝龍と日本人女性田川マツとの子ですが、のちに功を認められて、明王朝の国姓「朱」を与えられました。彼が、国姓爺と呼ばれるのはそのためです。

 彼は、東シナ海・南シナ海での交易から得られる潤沢な資金を財政基盤として、一時は長江をさかのぼって南京にまで迫り、海戦に慣れない清軍を悩ませました。また、4回にわたって日本の徳川幕府に手紙を送り、援兵を請います(日本乞師)。結局、日本乞師は失敗しましたが、鄭氏の持つ海外とのつながりを恐れた清朝は、海外貿易に依存する鄭成功の財源を断つため、1656年に海禁令を強化します。

 さらに、福建・広東沿海の住民を20キロ以上内地に強制移住させ、沿岸を無人地帯にして鄭氏勢力と住民との接触を断とうとしました。

 こうした沿岸封鎖で拠点を奪われた鄭成功は、海外に新たな拠点をつくるべく、台湾へ侵攻しました。当時、台湾は、中国本土の港に来航することを許可されていなかった諸外国の船が中国帆船と出会い貿易を行うための絶好の拠点でした。

 オランダは、1624年、台南の外港安平を占拠し、城塞を築きました。これがゼーランディア城です。成功はここを包囲し、オランダ勢力を追い払って占領しますが、そのわずか4ヵ月後の62年、病死します。その後も、鄭氏は台湾を拠点として清朝に対抗しましたが、83年についに降伏します。ここに、清朝による中国全土の統一が完成されたのです。

<イメージの中の鄭成功>
 鄭成功の名は、さまざまなイメージを持って後世に伝えられています。ヨーロッパでは東アジア貿易を牛耳る強力な海賊として、台湾では本土回復をめざす忠臣として、あるいは台湾の開発を促進した「開土王公」として、中国大陸ではオランダを打ち破った民族英雄として伝えられています。

 日本における鄭成功のイメージを決定したのは、近松門左衛門が脚色した人形浄瑠璃『国姓爺合戦』です。鄭成功をモデルとする日中混血の和藤内が明の復興のために活躍するさまを描いたこの作品は、1715年に大阪の竹本座で初演されると人気を博し、17ヶ月に及ぶ長期の興行となります。
国姓爺国姓爺

国姓爺『国姓爺御前軍談』

 歌舞伎の荒事にも影響を与え、それを題材とした文学作品も多く生まれました。その内容はもちろん史実と異なりますが、日本と中国を股に掛けた壮大なストーリーであること、加えて異国の風俗描写の物珍しさもあって、鎖国当時の日本人の興味を引きました。また、かつて受けた恩義を忘れず、最後まで忠誠をつくす主人公和藤内の姿は日本で広くうけ入れられました。


『記録された記憶』1





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Last updated  2016.10.07 12:47:19
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