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2016.11.14
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カテゴリ: アート
大学図書館の新刊コーナーで『意匠の天才 小村雪岱』という本を手にしたのです。
おお 市図書館の予約カートで待機している本を、ここでみっけ♪

「とんぼの本」シリーズなので、カラー画像満載であり・・・これぞビジュアル本の真価というところか。



小村

原田治(イラストレーター), 平田雅樹著、新潮社、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
大胆にして繊細。豪奢ながらもさりげない。懐かしき江戸の姿を描きつつ、極めてモダンー。大正から昭和初期にかけて、主に大衆文化の分野で活躍した意匠家・小村雪岱。独自のデザイン感覚に貫かれたその作品世界は、泉鏡花にも愛されました。彼が手がけた貴重な装幀本から、挿絵、舞台美術、日本画まで、珠玉の名品150余点を一挙掲載。新資料や味わい深い名随筆も特別所収し、永遠に古びることなき天才の全貌に迫ります。

<読む前の大使寸評>
市図書館の予約カートで待機していたが、大学図書館でみっけ♪
「とんぼの本」シリーズなので、カラー画像満載であり・・・これぞビジュアル本の真価というところか。

rakuten 意匠の天才 小村雪岱


雪岱の装丁本の続きを、見てみましょう。
p49~50
<雪岱の装丁:平田雅樹>
 こうして世にその名を知られる存在となった雪岱は、大正7年(1918)、資生堂意匠部に招かれる。当時すでに在籍していた矢部季はビアズレーの影響を強く受けていたが、それは当然雪岱にも少なからぬ刺激を与えたはずだ。

 アール・ヌーヴォーなどの多くの資料に触れる機会を得たことも、後の装丁意匠に大きな影響をもたらすことになるが、ビアズレーもアール・ヌーヴォーも、斬新で刺激的であると同時に、もとを辿ればかつて海を渡った日本美術の影響下に生まれた美であるから、雪岱としては、そこにある種の懐かしさも感じ取ったことだろうし、この新しい芸術を消化し自らのものとすることもたやすかったに違いない。

 また、資生堂のオリジナル書体を作るために審美書院版『寒山詩集』を基に研究した宋朝体文字はその後の雪岱装丁本の背文字に広く応用されている。

 資生堂在籍中から雪岱は新たに小説挿絵も手掛けていく。当時の連載小説は江戸を舞台とした作品も多かったが、その挿絵には少しも古臭さがなく、むしろ新鮮な印象を与えるものであった。

 雪岱の挿絵については、浮世絵の影響、特に鈴木春信との関係や、先に触れたビアズレーの影響などがよく指摘されるが、その構図には絵巻物をはじめとする大和絵の技法が色濃く反映している。また、雪岱が没して2ヶ月後に行われた蔵書売立の目録『雪岱氏遺蔵本入札目録』をみると、雪岱の研究対象は古代中国や古代エジプトおよびギリシャの壁画・彫刻・陶器にまで及んでいたことがわかる。

 確かに、雪岱描く挿絵の線や装丁に使われた紋様には、その応用の跡が見て取れる。こうして確立されていった独特の様式は、大和絵の「雅」と浮世絵の「俗」の融合というだけでなく、異国文化の雅俗までをも取り入れた、まさに「折衷の美」である。この何とも言葉では表現しようのない美の世界を人々は「雪岱調」と呼んで絶賛した。

 時は昭和に入り、歌舞伎・新派の舞台美術や映画の仕事でも活躍するようになっていた雪岱だが、多忙を極める中でも夥しい数の挿絵を描き続けた。そして、作品が単行本化される際には、当然その装丁依頼がくる。例えば邦枝完二作『おせん』がその代表的なものだ。しかし、残念なことに、木版画はもはや時代遅れの技法となりつつあった。江戸以来の伝統技術を持った職人たちは去り、代わりにオフセット印刷が主流となっていく。

 昭和期の装丁本には、その意匠の素晴らしさにもかかわらず、印刷の質の悪さゆえに魅力的とはいえないものが多い。こうして、木版画装丁本という類なき工芸美は、ごく一部の趣味的出版を除いて、徐々に世の中から消えていった。


雪岱1挿絵1

雪岱2挿絵2

ビアズリービアズリー

『意匠の天才 小村雪岱』1
線描画の達人たち





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Last updated  2016.11.14 06:41:44
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