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2016.11.29
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カテゴリ: アート
図書館で『長沢芦雪:別冊太陽』という大型本を手にしたのです。
芦雪といえば虎図襖のインパクトが大きいが・・・というかネコのような虎図が可愛いのです♪
芦2

まず冒頭の芦雪紹介を見てみましょう。
p2~3
<芦雪は今も生きている:狩野博幸>
 芦雪、という画家の名はひたすら美しい。
 諸橋轍次の『大漢和辞典』で「芦雪」の語を調べてみると、「あしの穂が雪のように白い」との喩えとある。雪のように白い芦の穂とする解釈であるが、冬の芦に積る雪とする考えも許されてしかるべきではないだろうか。芦そのものではなく、そこに積る雪自体が主役とする考え方に筆者は魅かれる。

 芦雪。
 という雅号と較べれば、「ヴィンチ村のレオナルド」はあまりに無味乾燥と評するほかないだろう。
 いま、脆弱な精神世界をあてどなく漂うこの現代日本社会において、18世紀後半の京都を生きた長沢芦雪(1754~99)の画業を辿る意味は奈辺にあるのか。

 18世紀の半ばから後半にかけて活躍した京都の画家の名を芦雪を除いて一応あげておくと、池大雅・与謝蕪村・丸山応挙・松村月渓・伊藤若冲・曾我蕭白らがいる。まことに錚々たる面々といってよい。たとえば桃山時代を代表する画家をあげるなら、狩野永徳・長谷川等伯・雲谷等顔・海北友松になるだろう。そう考えれば、18世紀後半の京都の絵画壇の豊饒さは、まことに比類ないものである。
(中略)

 いま本書で特集する長沢芦雪は、ここにいわれる「もっとも江戸時代らしい」時期を生き抜いた画家たちのひとりであった。
 芦雪は、たとえば若冲よりおよそ40年後に生まれたものの、長命だった若冲より1年前に没した。享年46歳。ちなみに若冲の享年は85である。

 少なくとも若冲よりストレスの多かった人生であったやに思われる。芦雪のストレスとは何だったのか。そのことは以下、次第に明らかになってゆくだろう。

 『平安人物志』なる版本がある。その書名が示しているごとく、平安すなわち京都各界の著名人を分野ごとにあげ、その別号などとともに住所をも記している。その初編は1768年に刊行され、その後幕末にいたるまで9回にわたって発兌された。

 そのうち、「画家」という項目に「芦雪」の名が登場するのは第3回配本の1782年版。この年、芦雪は29歳である。芦雪とともにあげられた「画家」は全部で29人で、芦雪の師匠である丸山応挙のほか、若冲・蕪村の名に混じって、同じく応挙門の4名の名もあがっており、この時期の応挙一門の旺盛さを物語るものである。

 まさしく上田秋成が随筆『肝大小心録』で特記しているように、18世紀半ば以降の京都画壇は応挙が牽引する「写生」派が席捲していたことは、『平安人物志』の「画家」の項を一瞥することでも明白だ。

 その飛ぶ鳥落す勢いのあった丸山派のなかでも格別な待遇を、芦雪は応挙から受けていた。たとえ並外れた絵画的才能を芦雪が持っており、そのことを誰しも認めていたとしても、いやそれゆえにこそ芦雪は敵を呼び込むしかなかっただろう。

 『平安人物志』で京都で一流の画家と位置づけられた4年後、芦雪33歳の冬のはじめ、南紀州への旅に出ることになる。紀州半島の南端の串本、無量寺の愚海和尚と同道した。愚海和尚は京都の本山での修業を終えて無量寺へ還るところであった。和尚の尽力があって同寺の本堂が再建された。和尚は在京中に応挙と親交を結んでおり、本道再建が叶った暁にはその内部を飾る障壁画を応挙が描くとする約束を応挙と交わしていた。
(中略)

 芦雪は都を席捲していた写生画派の首魁たる丸山応挙の名代として、無量寺のための応挙の障壁画を携えて下向したのである。それは無量寺にいまも遺る「波上群仙図」「山水図」「群鶴図」らであった。さらに応挙の配慮はまことにゆき届いたものがあり、無量寺におけるそれらの建てつけ工事のあいだの時間に、芦雪による障壁画をも制作させてもらえるように取り計らったのも応挙である。都での人気にものぼせ上がることもなく、芦雪の才能のさらなる開花を用意した応挙の人格には、ただただ頭が下がる。このとき、芦雪が無量寺において描きあげた障壁画は、「薔薇に鶏・猫図」「群鶴図」「唐子琴棋書画図」とともに、いまや18世紀京都の絵画世界の豊饒さを否応もなく代表する虎のすがたを含む「竜虎図」らがある。




長沢

狩野博幸監修、平凡社、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
ムックにつきデータなし

<読む前の大使寸評>
芦雪といえば虎図襖のインパクトが大きいが・・・というかネコのような虎図が可愛いのです♪
現代絵画としても通用するような独特な線描は、時代を超えて伝わるわけでおます。

rakuten 長沢芦雪:別冊太陽







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Last updated  2016.11.29 09:07:33
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