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2017.12.21
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カテゴリ: アート
図書館で『住まいの冒険』という本を、手にしたのです。
住まいを取り戻そうとする多くの事例とは、如何なるものか?♪
とにかくニッポンの住まいは、役所と大手建売り業によってファスト風土化されて来たもんね。



住まい
木下勇×松村秀一×宮前眞理子×村田真著、萌文社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
私たちの住まいや暮らしは、高度消費社会の巨大な市場システムに埋没してしまった。「住む」ことや「暮らす」ことは本来それぞれに自分流があり個性的であってよいのに、その主体である住み手と住まいの間には、代え難い個別的な関係を見い出せていない。では、主体性のある住まいとはいったい何だろうか。本書は生きる場所としての住まいを取り戻そうとする多くの事例を取り上げ、哲学的洞察も交えて多面的な視点から問題提起する。

<読む前の大使寸評>
住まいを取り戻そうとする多くの事例とは、如何なるものか?♪
とにかくニッポンの住まいは、役所と大手建売り業によってファスト風土化されて来たもんね。

amazon 住まいの冒険


やや学術的ではあるが、ケーススタディ4『マイホーム神話の臨界』を、見てみましょう。
p94~97
<家族と住まいの変容『マイホーム神話の臨界』>
 住宅社会学の可能性を試みる山本理奈氏は、高度経済成長期以降の日本社会の変化から、家族と住まいの変容を読み解く。家族社会学の分野では、家族の変容について豊富な分析がされる一方で、住まいの変容についての分析は限定的で、とくに1900年代ごろからは、nLDK型を問題視し、家族の変容に合わせて住まいも変わるべきだという主張が主流であったという。

 しかし山本氏は、間取りだけではなくモノの配置や身体感覚に着目することを通して、社会の変化とともに住まいも変容してきたと指摘する。そこから「マイホーム神話の臨界」を見い出し、これから住まいのゆくえについて分析した。

■家族の変容
 まず山本氏は、家族の変容を世帯構成の変化から説明している。一般世帯かの家族類型別の割合を1975~2025年のあいだで確認していくと、「夫婦と子どもからなる世帯」は、1975年の時点で42.5%ともっとも多いのに対し、団塊世代が後期高齢者を迎える2025年には、25%まで低下していくと推計されている。
(中略)

 しかし、わが国ではいまだに、「夫婦+子ども2人」からなる世帯を標準世帯と呼び、これに準じてさまざまな制度が定められている。実際に、夫婦と子どもからなる世帯がもっとも多かった1975年をみても、子どもが2人という世帯は児童のいる世帯全体の24.6%にすぎず、さらに2010年の時点では10%程度にまで減少している。加えて、この数値には祖父母と同居する家族や、ひとり親世帯など、ほかの類型の世帯が含まれることを考えると、現状で標準世帯は10%未満と推測される。

■住まいの変容
 次に山本氏は、住まいの変容について、住宅の着工量と商品化の焦点の変化から説明している。「商品住宅」の着工量を調べると、戦後まもなくの1950年代は、着工量も非常に少なく、1960年代後半から急速に増加して10万戸を超えている。さらに1970年代以降は平均して30万戸の大量供給が持続するなど、経済の成長とともに推移してきたことがわかる。

 そのうえで、社会の変化とともに、商品住宅を販売するためのアピールポイントがどのように変化してきたのかをみていくと、戦後の高度経済成長期は単一企画指向であり、大衆消費社会の局面が住宅にもあらわれていたことがわかる。しかし低成長からバブル期に入ると、一転して住宅の多様化が重視されるようになり、販売のアピールポイントは、色や形などのデザインやブランドの違いにシフトしていくことになる。

 さらにバブル崩壊後の超成長期に入ると、身体感覚に基いて住空間が再編されるようになり、アピールポイントは身体の快適性へとシフトしていく。

 たとえば、キッチンカウンターの面材を選ぶときにも、ステンレスの冷たいイメージや御影石のあたたかいイメージといったように、消費者の身体感覚のレベルで感じられる差異が焦点化される。つまり、色や形、ブランドだけでは表現し得ない、触覚的なリアリティにポイントをおいて消費者に訴えかけていく戦略がとられるようになる。

 加えて、消費者の好みに応じて身体の快適性を高める戦略もとられている。たとえば、オプションで床暖房やミストサウナを入れたり、開放感を求めて間取りをメニュープランへ変更したり、さらには間取りを自由に設計できるマンションまで登場している。つまり、現在は身体の快適性が求められ、感覚的イメージや消費者による選択の可能性=可変的規格が重視される時代となっているのである。

■家族と住まいのゆくえ
 かつて人びとは、「家族の幸福」を求めて住宅を購入するように水路づけられていた。しかし現在は、「身体の快適性」を求めるように訴えかけられている。社会の変化に伴い、家族と住まいも変容のときを迎えている。
 マイホーム神話は臨海へと向かい、住宅と身体を結びつける新たな快適性の神話が生まれつつある。





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Last updated  2017.12.21 23:22:39
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