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2018.09.18
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カテゴリ: アート
図書館で『歴史・小説・人生』という本を、手にしたのです。
腰巻を見ると、「浅田次郎はじめての対談集」とのことで・・・
これは期待できそうでおます。

【歴史・小説・人生】




浅田次郎著、河出書房、2005年刊

<「BOOK」データベース>より
中国・新選組・見栄っ張り東京人。自作・男気・愛国心…。浅田次郎はじめての対談集。名匠・浅田次郎のこれまでの人生、小説、そして歴史と世の中の動きを、大きく細かく掘り下げる、魅力のエッセンス。ファン待望の一冊ついに登場。

<読む前の大使寸評>
腰巻を見ると、「浅田次郎はじめての対談集」とのことで・・・
これは期待できそうでおます。

amazon 歴史・小説・人生



岩井志麻子さんとの「バカヤローvsアホ」談義を、見てみましょう。
p168~171
<文壇の小林幸子?>
浅田: 例えば東京の下町言葉で、なにかというとすぐ「バカヤロー」というんですけど、あの「バカヤロー」というのは接頭語、接尾語なの、東京では。 例えばここで岩井さんが僕の幼なじみだとすると、「なにやってんだよ、バカヤロー」「これ食え、バカヤロー」って(笑)。

岩井: たけしさんなんか、そうですね。

浅田: たけしはかなり原東京人だ。でも、関西では「バカヤロー」というのはとんでもないんだってね。

岩井: 西では「アホ」ですね。バカというとほんとにののしり言葉で、アホは親しみなんですよ。

浅田: 東京ではアホで喧嘩になるな。バカヤローは全然喧嘩にならない。バカヤロー文化圏とアホ文化圏だな。あと、東京人にはいってはいけない禁句があって、「百姓」がそうなんだね。

岩井: 岡山では「ああ、あたし百姓だから」「うち百姓せにゃいけんけぇ」とか、それこそ東京のバカヤローぐらいによく使う。

浅田: NHKが百姓を放送禁止用語にしたのは、都会人の奢りだね。

岩井: そっちのほうが頭に来ますよ。百姓ってのは恥ずかしいのかよって。

浅田: だいたい東京ってのは元来ものすごくローカルなの。例えば、東京の子は車のナンバープレートにすごくこだわる。品川ナンバーとか練馬ナンバーじゃないと嫌なんだね。それが地上げにかかったりとかで近郊に引っ越して、川崎ナンバーなんかがついちゃうと、恥ずかしくて東京に乗ってこれない。

 僕もずっと品川ナンバーだったんですけど、大人になって多摩ナンバーになってしまい、そこまではまだ自分の心の中で許せた。それが5、6年前から八王子ナンバーになって、で、八王子ナンバーは銀座には乗ってきちゃいけないって自分で決めてるわけ。だから車に乗ってきたときには、必ずひそかに西銀座の駐車場の隅っこに入れて、そこから歩いていく(笑)。

岩井: それって、見栄ですよね。東京の人の見栄ってなんか痛々しい感じがするんですけど。この間会った気取った東京の女が、私は三十何年、港区から出たことがないのっていうから、こっちも三十五年岡山から出たことないよって言い返したんですけど、ちっとも有効でない言い返しでした(笑)。

浅田: 見栄が東京人のキーワードなんだ。うちでは子供の頃から勉強しろとはただのいっぺんもいわれたことはない。教わったのは、なりはきちんとしろ、まずいものは食うなということだけで、それをやると怒られる。まずいものは毒だって教わったからね。一口食べてまずいと思ったら、二口目は食うな。まずいものを我慢して食うのは江戸っ子じゃないって。

岩井: 東京の方はみんな貴族のようですね。

浅田: ただの見栄っ張りなんだよ。うちの死んだじいさんなんか、朝から鏡に向かって、ネクタイ締めて、麻の背広着て、ステッキ持って、パナマ被ってめかしこんでるんだね。で、どこへ行くのかと思うと、タバコ買いに行くんだよ(笑)。普段着で外を歩かないわけ。

岩井: こういっちゃなんですけど、あたしらのばあちゃんらは乳ほうり出して外歩くのふつうでした(笑)。岡山には、中間の服というのがないんですよ。スーツかすててこ。

浅田: 原東京語でいう「見たっくれが悪い」というのが、一番最初の基準で、しょっちゅう使われる言葉なんだ。まあ、窮屈なとこに生まれ育ったもんだよ。

<ぼっけえ、ええわあ>
浅田: 『ぼっけえ、きょうてえ』を読ませていただきましたが、立派な小説ですね。久々いい小説を読ませていただいたという実感があります。

岩井: それこそ、田舎もんであることを武器にするしかないので。

浅田: そんなことは関係なくて小説としていい姿をしているんですよ。それにこの小説は岡山弁で書いてないとうそだもんな。これはよく議論になるんだけど、僕も『壬生義士伝』を書くときに、最初は標準語で書こうと思ったんだけど、標準語で書いたらうそになるだろうって思ったんですよ。だって彼らが標準語でしゃべっているわけはないんだから。

 僕は基本的には舞台になる地方の方言を使うようにしているんだけど、その現地に行ってみて、まず一番簡単な方言辞典みたいなのを買ってくる。それを読んで、平文で書いたものを方言で書き換えてみて、そこの出身の人に校閲してもらう。

岩井: 『鉄道員』のときも?

浅田: そう。ただあのとき困ったのは、北海道弁というのは一様じゃなくて、ちょっと地域が違うと言葉が全然違う。
(中略)

浅田: そのシチュエーションに割りとあった方言というのがあるね。お笑いっていうと、関西弁がのりがいいじゃないですか。
 昔、そのときになると急に関西弁になる女がいたな。「めちゃ、ええわあ」って(笑)。あれは結構興奮するものがありますね。これが東京の言葉だとただいやらしいだけで、情緒も何もない。「めちゃ、ええわあ」はよかった。思わずこっちも、「どや?」(笑)。

岩井: 岡山だと「ぼっけえ、ええわあ」ですね。

浅田: それもいい。いわれてみたいな(笑)。

岩井: 岡山って、男子の一人称は「わし」もしくは「わい」なんですよ。最近テレビとかの影響でおれっていいだうのが、あたし許せんのですよ。あたしらの子供の頃、おれとかいうと、「なに気取っとんだ、おめえは」っていわれましたもの。いまでもうちの息子は、「かあちゃん、わしじゃ」っていいますよ。私、東京に来て、いろいろと素敵な男性に巡り会ってるとは思ってるんですけど、一人として「わし」といってくれる人がいないので寂しいんですよ。

浅田: 育った土地でしか伝わらない微妙なニュアンスってあるよね。


岡山弁が出てくる小説といえば『でーれーガールズ』を思いおこすのです。
岩井さんの百姓コンプレックスもさることながら、原田さんの岡山弁コンプレックスもなかなかのものです。

【でーれーガールズ】
でーれー

原田マハ著、祥伝社、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
1980年、岡山。佐々岡鮎子は東京から引っ越してきたばかり。無理に「でーれー(すごい)」と方言を連発して同じクラスの武美に馬鹿にされていた。ところが、恋人との恋愛を自ら描いた漫画を偶然、武美に読まれたことから、二人は急速に仲良しに。漫画に夢中になる武美に鮎子はどうしても言えないことがあって…。大切な友だちに会いたくなる、感涙の青春小説。

<読む前の大使寸評>
「でーれー」とは、名古屋弁で言うところの「どえりゃー」にあたる岡山弁であるわけで・・・
この本のタイトルに惹かれて借りたわけでおま♪

rakuten でーれーガールズ


『歴史・小説・人生』1 :『蒼穹の昴』





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Last updated  2018.09.19 07:33:17
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