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2018.09.20
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カテゴリ: 歴史
図書館で『満州の誕生』という本を、手にしたのです。
副題に「日米摩擦のはじまり」とあるように・・・日本だけが悪者だったわけでもないようです(当然だけど)


【満州の誕生】


久保尚之著、丸善、1996年刊

<「BOOK」データベース>より
19泊20日にもわたる“満鮮支”修学旅行を体験し、卒業後は就職の場を求めて大陸へと渡っていった商業学校の生徒たち。満鉄総裁になった旧友・中村是公の招きで満州を訪れた夏目漱石が、その目でとらえ、書き残したもの。アメリカの鉄道王が日本政府とかわした満鉄共同経営の約束を電報一本で反古にされた「ハリマン事件」の真相など、日本の敗戦とともに消滅した“満州”にまつわる歴史と人の生きざまを掘り起こす。

<読む前の大使寸評>
副題に「日米摩擦のはじまり」とあるように・・・日本だけが悪者だったわけでもないようです(当然だけど)

amazon 満州の誕生

南満州鉄道株式会社 経営施設概要

「第4章 満州誕生」で、ニッポンの帝国主義メカニズムを、見てみましょう。
p181~184
<軍政下にいち早く入った日本人>
 ロシアとの講和条約が結ばれ、中国とも「」を1905年12月22日、締結し戦争処理は終わった。
 残された課題は、長春・大連間の鉄道、付属地および大連・旅順の租借地の経営をどうするかであった。しかしその前に、軍政の敷かれている満州を開放することが西園寺の緊急の仕事である。

 日本軍はロシアを北へ北へと後退させると、占領した地域に軍政署を設け、軍政を敷いた。前線に対する兵站機能を維持し、占領地の政治的・経済的秩序の安定を図るのが、軍政の目的であった。ロシア、中国との戦争処理が終わったとき、軍政を続ける理由はなくなった。しかし軍部には軍政を解く気配がまったくなかった。おそらく撤退最終期限の1907年4月1日ぎりぎりまで居残りつもりであった。

 いっこうに占領地軍政をやめようとしない日本に、ビジネスを制限されたアメリカ、イギリスから非難の声が強まっていた。戦争中から日本人だけには占領地での商業活動が許されていた。これが英米ビジネスマンの不満となり、自国の政府、公使館に苦情が寄せられていたのである。

 軍政下の大連へ日本人の渡航が認められたのは、1905年1月4日である。といっても無差別ではなく厳選主義であった。

 「この機会に於いて満州向きの物品を輸出し、将来の商権を発展せしめねばならぬものであるから、大蔵省は陸軍省と協議して、一方には軍票の流通を円滑にし、出征軍隊の軍需品の供給を豊かにしかつ、経済的発展の基礎を確立する目的から、日本人商人の渡航ならびに商品の輸入を許すことになり…」(『大連市史』)
 アメリカ、イギリスのビジネスマンが入ってくる前に、商圏を確保し、かれらに負けないよう体力をつけておこう、ということである。

 もっとも、渡航が解禁になる前、大連占領の第一報が伝わると、間髪入れず、日本人の密航が始まった。開戦によって引揚げを強制された日本人が戻ってきたものである。主に安東、チーフー、威海衛から密航してきた初期の日本人は、男性480人、女性14人であった。その後も密航者はあとをたたなかった。1905年1月4日の渡航解禁は、禁止するより渡航者を厳選したほうが得策とみた大蔵省と陸軍の協議のうえであった。

 輸入商品には満州市場の将来を考え、綿糸、綿布、綿製品、和木綿、和反物がまず選ばれた。戦前からの満州でのアメリカ、イギリスとの競合商品であり、当時の日本が外貨稼ぎに生糸に次いで期待した商品であった。というよりも、満州市場は、開発が始まったばかりであり、綿製品や生活必需品である雑貨以外に、海外から輸入する製品はなかったのである。

 イギリス、アメリカ両国ともに、満州への輸出品は綿製品であった。タバコなどの雑貨もあるにはあったが、全体の輸出品からみると微々たるものであった。

 それより問題は、イギリス、アメリカは輸出はするが、満州から自国へ向けての輸入はしないということであった。両国の国民が求める製品が満州にはなかったからである。満州の二大特産の大豆・豆粕・大豆油の大豆類、石炭はイギリス、アメリカには不要の商品であった。この二つの満州特産を輸入したのは日本である。

 輸出はするが、輸入はしないという関係は長続きはしない。イギリス、アメリカが日露戦争後に満州市場から消えてしまうのは当たり前といえば、当たり前だったのである。日本はといえば、大豆類、石炭を輸入し続けており、満州にとってはお得意さまであった。両製品とも無理して輸入したのではなく、日本に必用だったのである。豆粕は肥料として、石炭はエネルギーとして。その他にも大豆は、みそ、しょう油の原料となった。欧米にみそ、しょう油など無縁であった。

 イギリス、アメリカが満州市場をつなぎとめたければ、綿製品がモノにならなかったうえは、別の道をさぐるしかなかった。鉄道建設への資本投下、それがポスト日露戦争、第二段である。


ネットをめぐっていたら、南満州鉄道の再来のような報道がありました。
元寇の再来ではないので、当面は余裕があるのだが中露が束になると怖いかも?

2018/9/19 中国、一帯一路を朝鮮半島まで伸ばす計画か より
 9月12日、ロシアのウラジオストクで開催された東方経済フォーラムでは、習近平主席が演説で、極東地域の発展の加速と、北東アジアでの一帯一路プロジェクトの実現化を促した。また、朝鮮半島の一帯一路は将来的に、3国に加えて日本、ロシア、モンゴルの経済共同計画である「北東アジア経済回廊」を促進させたいと述べた。

 ロシアはすでに北朝鮮との国境を結ぶ高速道路の初期開発に着手している。ほかにも、2017年の東方経済フォーラムでは、ロシア、北朝鮮、韓国による経済計画「ロシア朝鮮輸送回廊」を発表しており、ここにはガスパイプライン建設など大型インフラが含まれている。

 韓国政府の南北経済協力計画もまた、ソウル、平壌、新義州、丹東を結ぶ3国接続高速鉄道計画案があり、朝鮮半島の一帯一路と重なる。

 アジア圏情報を伝えるシルクロード・ブリーフィングによると、中国やロシアは北朝鮮で大型インフラを建設し、その次に半島にある豊富な金や希少土などの資源を採掘すると分析している。

 資源関連ニュースを伝えるオイルプライスは在米ロシア人分析者の報告から、北朝鮮には200種以上の豊富な鉱物があり、市場価値は10兆米ドルと試算している。

 2017年の国連制裁決議により北朝鮮は石炭や鉱物の輸出入は禁止されている。米国務省は同年8月、中国とロシアは制裁を無視して、北朝鮮の体制を維持しようとしていると批判した。


『満州の誕生』3 :中国の民族主義
『満州の誕生』2 :アメリカの陰謀
『満州の誕生』1 :児玉・後藤の移民政策





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Last updated  2018.09.20 20:37:09
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