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2018.09.23
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カテゴリ: 歴史
図書館で『環境考古学のすすめ』という本を、手にしたのです。
安田さんは「環境考古学」を提唱したそうで・・・
何にしろ言い出しっぺはエライと思うのだ♪





安田喜憲著、丸善、2001年刊

<「BOOK」データベース>より
東洋の自然観・世界観に立脚しながらユーラシア大陸の風土・歴史をグローバルな観点から論じた梅棹忠夫の「文明の生態史観序説」の生態史観に基づいて、文明や歴史をその舞台となる自然環境との関係を重視しながら研究する分野として、「環境考古学」を提唱した筆者が、地球環境と人類の危機の時代に、自然と人間が共存し、文明の発展を維持していくための新たな歴史像、文明像を創造するための歴史科学として「環境考古学」の重要性を熱く語る。

<読む前の大使寸評>
安田さんは「環境考古学」を提唱したそうで・・・
何にしろ言い出しっぺはエライと思うのだ♪

rakuten 環境考古学のすすめ


「第1章 環境考古学とは何か」で環境考古学の発生を、見てみましょう。
p5~7
<環境悪化と共産主義の崩壊が歴史観を変える>
 私のもっとも尊敬する東京大学地理学教室の教授をされていた鈴木秀夫先生は、1970年代に『気候と文明・気候と歴史』『超越者と風土』『森林の思考・砂漠の思考』などの本を次つぎにお書きになりました。私が研究していた環境決定論的な内容です。

 気候が変われば文明も変わる、風土が違えば人間の生活や考え方も違うと書かれました。その結果、鈴木先生はずいぶん批判されました。「これは環境決定論で、非科学的な理論だ」などと、私の同僚、あるいは地理学の先生たちがまことしやかに批判するのを聞いて、私はたいへんさみしく思いました。

 「鈴木先生の理論に多くの人が悪口をいっていましたよ」と、私が本に書きましたら、それを鈴木先生が読まれて、「そんな批判は聞こえてこなかった。ぼくは極楽耳だから、いい話しか聞こえてこないんだ」とおっしゃいました。そのくらいの神経でないと、新しい分野は開拓できないのです。他人のいうことを気にしていたら、新しい分野は開拓できないのです。

 1990年代にはいった、私は本を何冊か書きました。1993年には、『気候が文明を変える』(岩波書店)という本を書きました。鈴木先生も、1991年に『気候の変化が言葉をかえた』(NHKブックス)という本を書かれました。なんでもないことのようですが、1970年代にこういう内容の本を書いていたら、非科学的な理論だと、私は学界から追放されていたと思います。

 ところが、1990年代になると、そのような激しいタイトルの本にもかかわらず、私たちのところには批判があまりこないのです。1970年代には激しい批判にさらされたにもかかわらず、20年後の現在では批判がこない。20年のあいだに、世の中の雰囲気がガラッと変わったのです。

 高度経済成長期には、人間の叡智を結集して地球の資源を使えば人類は無限の発展を約束されているという発想のもとに、みんなが一所懸命に働いていた。

 ところが、1980年代になると、まずオゾンホールが発見されて地球環境問題がクローズアップされた。地球の資源は無限ではない。有限の資源のなかで人間は生きてゆかねばならないということが、みんなにわかってきたのです。その地球環境問題が時代の精神を変える大きな力になったのです。

 さらに、1990年代にはいると、ソビエト連邦や東欧などの共産主義社会あるいは社会主義社会が次つぎと崩壊していった。このことが、戦後の日本の歴史学を支えてきたマルクス史観を一変させたのです。しかも、戦争に負けてからの日本の歴史学は、皇国史観からマルクス史観へと、大きく方向を変えていたのです。

 この結果、われわれが勉強してきた歴史学は、おうおうにして、人類の歴史は階級闘争の歴史である、富める者と貧しい者とが闘って歴史をつくってゆくんだ、社会や経済体制の変化が人類の歴史をつくってゆくんだというものだったのです。ところが、共産主義体制や社会主義体制の崩壊によって、戦後日本の歴史学を支えていた歴史観は、もろくも崩壊したのです。

 地理学における環境問題の台頭、歴史学におけるマルクス主義歴史観の崩壊。これがあいまって、わずか20年のあいだに、人びとの歴史観に大きな変化が生まれたように思います。

 このことを決定的にしたのが、1993年の冷害です。われわれは、高度技術で武装した社会で暮らしている。ボタン一つ押せば世界と連絡できる。にもかかわらず、夏の平均気温がわずか一度か二度下がっただけで、とたんに食料パニックに見舞われた。「人類は技術力をもっているんだ。気候がちょっと変わったくらいで、大きな影響を受けるはずがない」という説は、必ずしも正しくないという認識が生れたのです。高度技術で武装すればするほど、われわれの社会は逆に、ちょっとした気候変動に弱いのです。

 このように、人びとの時代観といいますか、時代の精神が変わってきているのです。ですから「気候が文明を変えた」と私が発言しても、あまり違和感をもたれない。そういう時代がやってきた。ようやく、私たちが長いあいだ主張してきた意見が認められてきたのです。


ところで、昨今の気候変動に対して政府、行政の対応がいかにもピント外れである。
大雨による土砂災害やダムの殺人的放流を見るにつけ・・・
縦割り行政とか役人の不作為なんかが災いしていると思うのだが?





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Last updated  2018.09.23 06:01:30
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